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ライト工業(1926)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ライト工業とは

ライト工業は、東北地方を発祥とする特殊土木の専門企業であり、日本の建設業界の中でも独自のポジションを築いてきた会社である。一般的なゼネコンとは異なり、同社が手掛けるのは道路や橋といった「造る工事」ではなく、地盤を補強したり斜面を安定させたり、インフラを守り強化するための「守る工事」が中心となる。日本は世界でも有数の自然災害多発国であり、地震・豪雨・地すべりなどが絶えず発生するため、同社の得意分野である法面工事や地盤改良工事は長期的に欠かせないインフラ整備として需要が途切れづらいのが大きな特徴である。

ライト工業の技術力は業界でも高く評価されており、とくに法面(のりめん)工事においては国内トップクラスの実績を誇る。独自開発の工法、多様な特殊機械、高度な施工管理技術を持ち合わせているため、災害現場での緊急対応や大型斜面の補強など、迅速かつ高度な専門性が求められる現場に強みを発揮する。国土交通省・地方自治体を中心とする公共工事の占める比率が高く、景気の波を受けにくい安定したビジネスモデルを持っている点も他社との差別化要素になっている。

また、近年では東北地区における核燃料再処理施設の基礎工事・地盤改良工事といった特に難度の高い大型案件を受注している。これは高度な専門技術が要求される分野のため、参入できる企業が限られており、ライト工業の技術力と施工スピードが大きく評価された結果といえる。こうした特殊工事は採算性が高く、同社の業績にもプラスに働きやすい。

さらに、同社は事業拡大に向けてM&A戦略にも積極的で、老朽化インフラの補修・補強工事を得意とする企業を取り込むことで、分野横断的な技術力の強化と事業領域の拡大を図っている。日本全国で橋梁やトンネル、斜面、河川護岸などの老朽化が深刻化していることから、補修・補強工事は今後さらに拡大する市場と考えられ、ライト工業にとって大きな成長余地がある分野でもある。

財務面では業界内でも群を抜いて安定しており、強固な財務基盤を背景にDOE(株主資本配当率)6%以上という明確な株主還元方針を掲げている点も注目に値する。土木系企業は保守的な財務運営を行うことが多い中で、強い財務体質を活かして株主還元を積極的に行う姿勢は、投資家からの評価を高めている。

総合すると、ライト工業は「災害対策・地盤改良・補修補強」といった絶対に需要が途切れない領域に特化し、高度な専門技術と財務安定性を兼ね備えた企業である。国土強靭化政策や防災投資の継続が追い風となる中で、特殊土木分野の中核企業として今後も安定した成長が期待できる。一般的な建設株とは異なる“高専門性 × 安定需要”という構造が、ライト工業の強みをより際立たせている。

ライト工業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連23.3 114,974 12,785 13,310 9,489 190.6 61
連24.3 117,324 11,245 11,609 8,181 168.2 70
連25.3 121,457 12,811 13,169 9,919 214.3 100
連26.3予 127,500 13,700 13,900 9,500 226.2 107
連27.3予 135,000 14,500 14,800 10,100 240.5 110〜120

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 4,761 487 -5,765
2024 14,586 -4,252 -5,329
2025 10,354 -1,896 -12,399

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 11.1% 11.2% 7.7%
2024 9.5% 9.0% 6.5%
2025 10.5% 11.2% 8.1% 高値平均 12.4倍
安値平均 9.4倍
1.62倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ライト工業の業績推移を見ると、売上高は毎年安定して増加しており、特殊土木という分野が持つ「景気に左右されにくい需要」がしっかり反映されている。とくに地盤改良や法面工事は日本の国土事情と密接に関係する領域で、災害対策や老朽化インフラの補修需要が途切れにくいことから、同社の売上が中期的に堅調に伸び続けているのは自然な流れと言える。

利益を見ると、24年に一度落ち込んでいるが、これは採算の低い案件や資材コストの上昇の影響を受けたもので、25年にはしっかり持ち直し、営業利益・純利益ともに過去最高水準まで回復している。26年予想でも営業利益137億、経常利益139億と、今後も増益の流れが続く見込みであり、非常に安定感のある利益構造となっている。

利益率の推移も良好で、営業利益率は9〜11%台と建設業界としては非常に高い水準に位置している。一般的なゼネコンが5%前後で推移することを考えれば、ライト工業は“高利益体質の専門企業”と言える。ROE・ROAも毎年安定して高く、特にROEは10%前後を維持しており、資本効率の面でも優秀であることが分かる。

また、同社のビジネスモデルは公共工事の比率が高いことから、景気後退局面でも受注が大きく崩れにくい。国土強靭化、防災・減災投資、老朽化インフラの補強といった政策テーマは長期継続が確実視されており、ライト工業が得意とする法面工事・地盤補強はまさにその中心領域。さらに、核燃料再処理施設関連工事のなど特殊性の高い大型案件を受注できているのは、同社の高い技術力への信頼の証でもある。

株価指標を見ると、PERは9〜12倍と割高感がなく、業績の安定感や利益率を考えると十分に許容される水準。PBRも1.6倍程度と建設セクターとしては少し高いが、同社の高収益体質と成長性を踏まえれば妥当な評価ともいえる。

総合すると、ライト工業は「守る工事」に特化した収益安定企業であり、売上・利益ともに中長期で堅調に増加していく可能性が高い。特殊土木という参入障壁の高い領域に強みを持ち、利益率も高く、財務も健全であることから、短期の景気変動に左右されにくい安定投資銘柄と言える。中長期的には成長と安定を兼ね備えた、非常に扱いやすいタイプの企業だと評価できる。

配当目的とかどうなの?

ライト工業の予想配当利回りは26.3期で3.29%、27.3期で3.38%と、建設業界の中でも比較的しっかりとした利回りを確保している水準にある。もともと同社は財務体質が非常に健全で、自己資本比率が高く、安定的にキャッシュフローを生み出せるビジネスモデルを持っていることから、減配リスクが低いという点が配当目的の投資家にとって大きな魅力となる。

ライト工業の特徴として、売上や利益が景気の波に左右されにくい点が挙げられる。扱う領域は地盤改良・法面工事・防災工事など「国土を守るために必要な工事」であり、公共工事の比率も高いため、景気が悪化しても需要が突然消えるような事業ではない。防災・減災投資、老朽化インフラ補修、国土強靭化といった政策テーマは今後も継続することが確実で、長期的にも安定した受注が見込まれる。結果として、利益が極端に落ちにくく、配当の底堅さにつながっている。

配当政策の面では、ライト工業は「DOE6%以上」という明確な株主還元方針を掲げている点も大きい。DOE(株主資本配当率)は、純資産と配当額のバランスを取る指標であり、景気の波に左右されにくい安定配当を目指す企業が採用するケースが多い。ライト工業がこのDOE重視の方針をとっていることで、利益が変動しても配当が急激に減るリスクが抑えられ、長期保有に安心感が生まれている。

また、近年の利益成長とともに配当も着実に増えており、24.3期の70円から25.3期の100円、26.3期は107円予想、27.3期も110〜120円と、連続増配基調が続いている。高成長タイプではないものの、利益に合わせてしっかり増配する姿勢は評価でき、インカム狙いの投資家にとっては魅力的なポイントになる。

総合的に見ると、ライト工業は利回り3%超の安定配当を保ちながら、利益が増えた場合は増配にも積極的な「守りながら伸ばすタイプの配当株」と言える。特殊土木という参入障壁の高い分野に強みを持ち、業績が極端に崩れにくいことから、長期でじっくり配当を積み上げるには非常に適した銘柄だと判断できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ライト工業の株価が現在の3,250円から今後5年間でどのように推移するかを考える際、まず前提として、同社が景気変動に左右されにくい「特殊土木」の企業である点が非常に重要になる。一般的なゼネコンと違い、同社が手掛けるのは地盤改良、法面工事、防災工事、インフラ補修など、国として需要が継続する分野であり、国土強靭化・防災投資が続く限り業績が大きく落ち込むリスクは限られている。

良い場合のシナリオでは、国の防災予算やインフラ補修予算が継続的に拡大し、地盤補強や法面工事の需要が一段と増えるケースが想定される。さらに東北地域で進む核燃料再処理関連の大型工事や、老朽化インフラの補修需要拡大が業績を押し上げ、営業利益が年々増加し続ける可能性がある。利益成長に伴い市場の評価が高まれば、PERが12〜13倍程度に維持され、株価は5年後に4,200〜4,800円あたりまで上昇するシナリオが見えてくる。成長率は急激ではないものの、確実に右肩上がりとなる安定的な上昇パターンだ。

中間のシナリオでは、現在の業績水準がほぼ維持されるケースが考えられる。国の防災投資は継続し、地盤改良や法面工事の需要は安定するものの、利益率は一定範囲で横ばいとなる。営業利益は130〜140億円前後で推移し、株価も業績に沿って大きく振れず、3,000〜3,600円あたりを中心に推移する。配当利回りが3%超で安定しているため、株価の下落局面では一定の買い支えが入りやすく、長期的には堅調な横ばいから緩やかな上昇トレンドを描きやすい。

悪い場合のシナリオでは、公共工事の配分が一時的に減少したり、コスト上昇によって利益率が圧迫されるパターンが考えられる。ただしライト工業の事業は需要そのものが消えることは考えにくいため、売上が急減したり大幅赤字になるようなリスクは低い。仮に資材価格の上昇や大型案件の端境期が重なって業績が落ち込んだ場合でも、営業利益は100〜110億円レベルで踏みとどまる可能性が高い。この場合、市場は建設株に慎重な姿勢を取り、PERが8〜9倍程度まで低下する可能性があり、株価は2,500〜2,900円付近まで下落するシナリオが想定される。ただし同社は財務基盤が強く、事業も非常に安定しているため、深い下落からは比較的早く回復する展開も考えられる。

総合すると、ライト工業は急激な株価上昇を期待するタイプではないが、地盤改良や法面工事といった「無くならない公共需要」を背景に、長期で値崩れしにくい堅実な銘柄である。5年スパンで見れば、景気敏感株とは違った安定的な値動きが期待でき、配当を受け取りながらゆっくり資産を増やすスタイルの投資と相性の良い企業と言える。

この記事の最終更新日:2025年11月25日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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