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福田組(1899)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

福田組とは

福田組は、新潟県に本社を構える県内最大規模の総合建設会社で、創業から100年以上の歴史を持つ老舗ゼネコンである。これまでは新潟県内の公共土木工事を主力としてきたが、近年は首都圏での建築・都市開発にも積極的に進出し、エリアの分散と収益の多角化を進めている。さらに西日本でも事業拡大を図っており、従来の“地方の土木中心企業”から、全国規模の総合建設企業へと成長してきた。

事業領域は非常に幅広く、まず建設工事の請負を軸に、企画、設計、監理、コンサルティング業務など建設プロジェクト全体に関わる一連の業務を一貫して提供できる体制を整えている。土木分野では道路、橋梁、港湾、河川、トンネルなどインフラ整備に強みを持ち、地元・新潟の公共工事で長く高いシェアを維持している。また、豪雪地域特有の災害復旧工事や防災インフラ案件も多く手がけ、地域に根ざした施工実績を積み重ねてきた。

建築分野では、オフィスビル、病院、学校、工場、物流施設、商業施設、マンションなど多岐にわたる建築物を施工しており、首都圏では民間の大型建築案件の参入が増加している。建築需要の旺盛なエリアへ攻勢をかけ、収益の柱を増やす戦略が鮮明になってきている。

不動産関連事業も展開しており、土地・建物の売買、交換、賃貸、仲介、管理など広い範囲に対応。住宅の建設・販売、土地造成なども行い、単なる建設会社ではなく不動産開発を含む“街づくり企業”としての側面も持つ。

また、地域開発、都市開発、環境整備などの事業にも取り組んでおり、これらに関する企画・設計・監理・コンサルティングまで提供することで、自治体や企業のプロジェクト全体を指揮できる総合力が強み。宿泊施設、スポーツ施設、レクリエーション施設、健康・医療施設などの保有・賃貸・運営も行い、建設後の運営領域にも踏み込んでいる点は、他の中堅ゼネコンにはあまり見られない特徴となっている。

さらに、建設用資材や機械装置の加工・販売・レンタルといった周辺事業も展開し、建設現場を支える機能も自社で保持している。これにより、品質管理の徹底やプロジェクト進行の効率化が可能となり、施工力の強さにつながっている。

総合的に見ると、福田組は「新潟に根ざしつつも全国展開を加速する総合建設会社」であり、土木・建築・開発・不動産・施設運営・資材調達といった幅広い事業領域を持つ点が大きな強みとなっている。地域密着型の安定基盤を維持しながら、首都圏や西日本での成長余地も狙える企業で、中堅ゼネコンの中でもポテンシャルが高い部類に入ると言える。

福田組 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連20.12 185,764 8,905 9,038 5,979 689.8 110
連21.12 179,846 8,891 9,147 5,864 688.2 130
連22.12 154,358 5,208 5,451 3,650 428.2 120(記念)
連23.12 162,243 5,205 5,478 3,386 400.1 110
連24.12 166,589 7,665 7,957 5,309 641.6 200
連25.12予 168,000 6,500 6,800 4,600 555.6 200
連26.12予 170,000 6,800 7,100 4,800 579.7 205〜210

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022 5,022 -1,133 970
2023 7,494 -1,875 -4,347
2024 5,877 -1,079 -1,369

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 3.2% 4.2% 2.4%
2024 4.6% 6.2% 3.7% 高値平均 11.8倍
安値平均 9.1倍
0.70倍
2025 4.1% 5.6% 3.3% 予想 14.04倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

福田組の業績推移を見ると、23年から24年にかけて利益が大きく伸び、営業利益が52億から76億へ、純利益も33億から53億へと大幅に改善している。売上の伸びは緩やかだが、利益率の改善幅が大きく、採算面が明らかに良くなっている。営業利益率は3.2%から4.6%へ上昇し、ゼネコンとしては良好な水準に入りつつある。

ただし25年予想では営業利益が65億、純利益が46億へとやや後退する見通しになっており、前年度の反動や大型案件の端境期が影響している可能性がある。それでも利益水準そのものはコロナ前より高く、落ち込むというより「24年が特に良すぎた反動」という印象に近い。

ROEとROAは23年から24年にかけて改善し、資本効率が明確に良化している。25年はやや低下見込みだが、それでも5〜6%台のROEは中堅ゼネコンとしては標準以上で、収益構造が以前より強化されていることがわかる。

PERは24年の実績で9〜12倍、25年予想で14倍と、建設株としては適正〜やや割高寄りの評価。ただし業績の安定性や地域密着の強さ、首都圏での建築案件増加などを考えると、極端な割高というほどではない。PBRも1倍を大きく下回る年が多く、資産価値を背景にした下値の固さは感じられる。

総合すると福田組は、急成長タイプではないが、利益率が着実に改善しており、24年をピークとしつつも25年以降も安定した収益を維持できる堅実なゼネコンという印象が強い。新潟県内の強い地盤に加えて首都圏建築の伸びもあり、事業構造は以前より安定度が増している。短期的な利益の凸凹はあるものの、長期で見れば比較的安定した業績を出せる企業で、極端な下振れリスクは小さい。

そのため投資スタンスとしては、大きな株価上昇を狙うよりも、業績の安定性と配当を軸に「中長期でじっくり保有する」タイプの銘柄と言える。特にPBRの低さと資産価値の高さを考えると、下値不安は限られやすく、保守的なポートフォリオにも組み込みやすい企業となっている。

配当目的とかどうなの?

福田組の予想配当利回りは25.12期・26.12期ともに3.3%台で、建設セクターの中では標準よりやや上の水準に位置する。直近の配当推移を見ると、23年に110円だったものが24年には200円へと大きく増配され、その後の25年、26年も200円付近を維持する見込みで、利益が増減しても配当が急激に落ち込んでいない点は安心材料と言える。

ゼネコンの中でも福田組は財務体質が比較的安定しており、営業キャッシュフローもプラスを維持していることから、極端な減配リスクは高くない。新潟県の公共工事という安定基盤に加えて、首都圏での建築案件の拡大も収益面での支えになっており、配当水準を一定以上で維持しやすい企業といえる。

利回り3.3%という水準は突出した高配当とまでは言えないものの、安定感があり、大きく下がりにくい点に魅力がある。さらに、業績が良かった24年にしっかり増配したように、今後も利益が伸びる局面では増配が期待できる余地も残している。総合すると、福田組は安定的に3%台の利回りを確保しつつ、収益改善のタイミングでは増配を見込め、業績の底堅さから大きな減配リスクも小さいという特徴を持っている。爆発的な高利回りを狙う銘柄ではないものの、堅実なインカム収入を重視する投資家にとっては、長期保有に適した安定配当株と言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

福田組の株価が現在の7,500円から今後5年間でどう動くかを考えるにあたり、まず前提として押さえておきたいのは、この会社が中堅ゼネコンの中でも「地盤の強さ」と「事業領域の広さ」を併せ持つタイプで、急成長株ではないものの業績の底堅さには定評がある点である。新潟県内に圧倒的な基盤を持ち、公共土木の安定受注が期待できるだけでなく、近年では首都圏の建築分野に本格的に進出し、民間の大型案件を取り込んでいる。さらに西日本でも事業拡大を進めており、依存地域が分散してきていることは中期的な収益安定化に寄与しやすい。

良い場合のシナリオでは、地域分散とともに建築部門の利益率が改善し、営業利益が70〜80億円台を安定的に確保できるような展開が想定される。とくに首都圏建築は民間投資の動向に左右されるが、物流施設、再開発案件、医療・福祉系建築など、長期的に需要の底堅い分野が多く、安定的に案件を確保できれば利益の積み上げが期待できる。また公共工事においても国土強靭化、防災・減災の大型予算が継続しているため、新潟を中心とした受注環境は引き続き良好と考えられる。こうした要素が揃えば、株価は7,500円から9,000〜10,000円程度まで緩やかに上昇する可能性がある。ゼネコン株は急騰しづらいが、そのぶん持続的に評価が積み上がる傾向があり、長期的な上昇シナリオは十分に描ける。

中間の場合は、現在の業績水準が比較的安定して継続するシナリオで、営業利益は60億円前後、純利益は45〜50億円あたりで推移する形になる。地域ごとの受注は安定しているものの、原材料費の上下や人件費上昇などで利益の伸びは限定的となり、大きな成長が見込みづらい状況。この場合、株価は7,000〜8,000円のレンジで推移しやすく、配当利回りが3%台で安定しているため、多少の下落があっても買いが入りやすく、底堅い値動きになりやすい。福田組は急落しづらい特性を持っているため、歩みは鈍いが中期的には徐々に上値を伺う展開になりやすい。

悪い場合は、資材価格や人件費の高騰が長期化し、工事採算の悪化が続くパターンで、営業利益が50億円割れするような局面が生じると、建設株全体への評価も厳しくなりやすい。特に大型案件が一時的に端境期に入ったり、首都圏建築で競争激化による利益率低下が起きると、市場は慎重姿勢を強め、PERが7〜9倍程度まで低下する可能性がある。この場合、株価は5,500〜6,500円のレンジまで下落する余地が出てくる。ただし福田組は公共比率が高く、設備投資リスクや海外事業リスクもほぼないため、極端な業績悪化にはつながりにくく、下げ幅は限定的になりがちな点も押さえておきたい。

総合して見ると、福田組の株価は急激なアップサイドを期待するタイプではなく、基盤の強さと配当の安定性を背景にした“堅実な中長期銘柄”と言える。配当利回りは3%台で安定し、利益が良い年には増配も見込めるため、インカムと小幅な株価上昇の両方を享受しながら長期保有するのに適した銘柄となっている。5年という中期スパンで見ても、大きく崩れず、緩やかに実力に沿った株価が形成されていくタイプの企業であり、リスクを抑えつつ着実な運用をしたい投資家にとって相性の良い銘柄だといえる。

この記事の最終更新日:2025年11月25日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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