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アルトナー(2163)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

アルトナーとは

株式会社アルトナーは、大阪府大阪市北区に本社を置く、日本の老舗エンジニアリング企業であり、技術者派遣業界の中でも古参として知られている。1962年の創業以来、機械設計、電気・電子設計、組込みソフトウェア開発の三本柱を中心に、多くの大手メーカーの研究開発部門を支えてきた長い実績を持つ。事業は宇都宮・横浜・名古屋・大阪の主要拠点を中心に全国展開しており、自動車、半導体、産業機器、精密機器、エネルギー、スマートデバイスといった幅広い産業分野の開発プロジェクトに技術者を派遣している。

アルトナーは主に正社員の設計技術者を顧客企業に派遣し、専門的な設計・開発技術を提供する「技術者派遣事業」を中核としている。特に次世代自動車(EV・HV)、ADAS、ロボティクス、IoT、蓄電システムなど、先端技術領域における需要が拡大しており、同社のエンジニアは次期製品の先行開発や基幹技術開発といったハイエンド領域にも多く参画している。また、派遣だけでなく、顧客から設計開発業務をまとめて受託する請負事業も手がけており、自社内での設計プロジェクトにも対応できる体制を整えている。

さらに、技術者派遣だけでなく「人材紹介サービス」にも事業領域を拡大し、メーカーとエンジニアのマッチング支援にも注力している。近年では富士テクノホールディングスと業務提携を行い、エンジニアの相互交流や育成、共同研修などを通じた人材の有効活用を進めている。この提携により、より広い技術領域・より高度な開発ニーズに対応できる体制が強化されている。

アルトナーは長年にわたり技術者の育成に強いこだわりを持っており、独自の研修制度やキャリアパス制度を整備している。技術レベルに応じて「プロフェッショナルエンジニア」「アドバンスドエンジニア」「ハイバリューエンジニア」などの育成コースを用意し、初級から高度専門領域まで一貫して育て上げる体制を持つ。この徹底した育成と正社員雇用の安定した環境が、高い定着率と顧客企業からの強い信頼につながっている。

技術派遣業界の中でも、質の高い技術者を育て、先端開発の現場に多数送り込んできた実績を持つ企業として評価されており、今後も研究開発支援の需要の高まりとともに、安定した成長が期待されている。

アルトナー 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 配当
2023.1 9,242 1,194 1,203 895 84.2 60(記念)
2024.1 10,110 1,522 1,532 1,051 99.0 75
2025.1 11,125 1,810 1,821 1,260 118.6 82
2026.1予 11,500 1,850 1,850 1,270 119.5 84
2027.1予 12,000 1,950 1,950 1,320 124.2 84〜86

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2023 872 -24 -426
2024 1,126 -5 -818
2025 1,180 -49 -819

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(高値/安値) PBR
2023 12.9% 22.1% 15.7%
2024 15.0% 24.6% 17.1%
2025 16.2% 26.7% 18.8% 19.9倍 / 10.7倍 4.27倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

アルトナーの業績を見ていくと、非常に安定して成長している技術派遣・開発支援企業であることがよくわかる。売上は92億から101億、111億と順調に伸び、26.1期予想でも115億と増収が続く見通しで、需要の強さがはっきりしている。技術者派遣業は景気に左右されやすい面もあるが、アルトナーの場合は機械・電気・ソフトの設計といった“コア技術領域”に特化しているため、需要が落ちにくく、長年の取引先の厚さと技術者の質の高さが安定基盤になっている。

営業利益も11億、15億、18億としっかり積み上がり、営業利益率は12%台から16%台へ改善している。派遣会社で営業利益率15%超というのは極めて高く、エンジニアの稼働率が高いことに加え、上流工程や先行開発といった単価の高い領域での案件獲得が進んでいることを意味する。利益率の高さはアルトナーの最大の強みと言える。

純利益も8億→10億→12億と安定的に成長しており、EPSも継続して伸びている。ROEは22%→24%→26%と高水準が続き、企業としての資本効率の良さが際立っている。ROAも15%〜18%と非常に高く、少ない資産で高い利益を生む効率のよいビジネスモデルであることが示されている。

市場評価面を見ると、PERは10倍台前半〜20倍弱で推移しており、割高感はあるものの、技術者派遣市場における圧倒的な品質と成長性の高さを考えれば許容範囲。PBRが4.27倍とかなり高めだが、これは利益率の高さと今後の成長期待が株価に反映されている結果だといえる。

総合すると、アルトナーは「安定成長×高収益×高資本効率」の三拍子がそろっており、長期的に業績を積み上げるタイプの優良銘柄と判断できる。景気変動で急激に落ち込むタイプではなく、大手メーカーの開発投資が続く限り、需要が安定している点も安心材料。中期的に見ても売上・利益・配当の全てが増加傾向にあり、長期保有との相性が非常に良い企業である。

株価自体はやや評価が進み気味だが、現在の成長ペースが維持されるのであれば、今後も株価の底堅い上昇が期待できる。高成長というより「確実に積み上げる優良派遣・開発支援企業」として、安定したポートフォリオの核になり得る銘柄だといえる。

配当目的とかどうなの?

アルトナーの配当利回りを見ると、26.1期・27.1期ともに4.15%と比較的高い水準にあり、国内株式の中でも“高配当株”の部類に入る。技術者派遣企業としては収益が安定しており、売上・利益ともに継続的に成長している点を考えると、この4%超の利回りはかなり魅力的と言える。派遣業は景気に左右されるイメージがあるものの、アルトナーの場合は機械・電気・電子・ソフトといった基幹技術領域に特化しており、大手メーカーの研究開発投資が継続する限り、需要が大きく落ち込みにくい構造になっている。

また、営業利益率は16%台、ROEは26%前後、ROAも18%近くと非常に高い水準にあり、会社としての収益効率が極めて良いことがわかる。利益率が高いため、配当原資に余裕があり、今後も安定的に配当を維持しやすい。さらに、同社は借入依存度が低く財務体質が強固なため、大きな景気後退がない限り配当が急激に減る可能性は低いと考えられる。

過去の実績を見ても、記念配当を出したことがあるなど株主還元への姿勢は強く、75円、82円、84円と増配基調が続いている。まだ増配余地もあるため、今後の業績が順調なら、4%台後半〜5%台に入るタイミングも視野に入る。長期的には配当性向を引き上げる余裕も見込めるため、インカム目的で保有しやすい銘柄と言える。

総合すると、アルトナーは「高成長+高収益+高ROE」を維持しながら「高配当利回り4%超」を実現している、珍しいタイプの優良配当銘柄であり、長期保有に適した安定感がある。景気敏感な派遣業の中でも、技術派遣の需要は底堅く、基盤の強さと利益率の高さが配当の安全性を支えている。したがって、配当目的での投資先としては十分に魅力的な銘柄と言えるだろう。

今後の値動き予想!!(5年間)

アルトナーの現在値2,022円を起点に5年間の株価を考えると、まず同社は技術者派遣の中でもかなり歴史が長く、機械・電気・電子・ソフトといったメーカーの基幹領域に特化している点が強みになっている。自動車の電動化、半導体需要、産業機器の高度化といった日本の製造業が向かっている方向と同社の事業領域が一致しており、派遣・受託ともに安定した需要が続きやすい。さらに、エンジニアの育成に力を入れているため人材の質が高く、技術者の稼働率や派遣単価が高水準で保たれている点も株価の安定につながっている。

良い場合のシナリオでは、自動車の次世代開発や半導体関連の開発投資が強く続き、アルトナーへの設計・開発支援ニーズが一段と拡大する。富士テクノHDとの提携効果も進み、人材交流や共同育成によってより高度な領域の案件を獲得し、営業利益率の上昇や安定的な増益が続く。このような状況で市場の評価が高まれば、株価は3,200円〜3,800円まで上昇する可能性があり、中長期で大きめのリターンを期待できる展開となる。

中間のシナリオでは、製造業全体の投資は堅調だが爆発的な成長というほどではなく、派遣・受託の伸びも安定ペースに落ち着く。ただしアルトナーは利益率が高く、ROEやROAが強い会社なので、多少成長が鈍っても収益は維持しやすい。こうした場合、株価は2,500円〜2,900円付近で推移する可能性が高い。急騰はしなくても、着実に株価が上向きやすい、堅実な優良株として扱われるレンジと言える。

悪い場合は、景気後退や世界的な製造業の投資縮小が起きた時で、自動車や半導体など主要産業の開発案件が減ると派遣需要にも影響が出る。エンジニアの稼働率が落ちれば利益率も低下し、経常的な増益基調が止まってくる可能性がある。このような場合、株価は1,400円〜1,700円あたりまで下落する可能性があり、投資家の評価も一時的に厳しくなる。

総合して見ると、アルトナーは高い利益率、強いROE、安定成長という三つの要素が揃っており、派遣業の中でも優良企業の部類に入る。需要の底堅い技術領域に特化しているため、悪いシナリオに入っても大崩れしづらく、中・長期の投資先としては扱いやすい部類と言える。現在の株価2,022円も高過ぎる水準ではなく、配当利回りも高いことを考えると、中期で保有しながら成長と配当の両方を享受できる可能性が高い。5年スパンで見れば「中間〜良い」未来が最も現実的で、じっくり育てるタイプの銘柄として十分魅力があるといえる。

この記事の最終更新日:2025年11月29日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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