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ジェイエイシーリクルートメント(2124)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ジェイエイシーリクルートメント(JAC Recruitment)とは

株式会社ジェイエイシーリクルートメント(JAC Recruitment)は、東京都千代田区に本社を置く日本有数の人材紹介会社であり、東証プライム市場に上場するグローバル転職エージェントである。1975年にイギリスで創業したことを起点に、国際ビジネスを深く理解した独自のノウハウを培い、日本法人は1988年に設立。現在では世界12カ国に拠点を持ち、日系企業の海外進出支援や、外資系企業が日本でビジネスを拡大する際の採用支援において圧倒的な存在感を持つ。海外に根ざした採用支援力は国内競争優位性として確立されており、「海外とのハイブリッド型人材紹介」において国内トップクラスの実績を誇る。

JACリクルートメントの最大の特徴は、あらゆる業界・専門領域に対応した130以上のチームと、高い専門性を備えたコンサルタントが在籍する点である。ミドル層からエグゼクティブクラスの採用に強みを持ち、企業の文化や将来戦略を踏まえて、適材をピンポイントでソーシングする「両面型コンサルティング」を採用。コンサルタントが企業と求職者の双方を担当することで、効率的かつミスマッチの少ない採用を実現している。採用難が続く時代において、同社の精度の高いマッチングは高い評価を受け、紹介件数・依頼数ともに安定した伸びを見せている。

世界12ヵ国に展開するネットワークは同社の大きな強みで、日本、イギリス、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、香港、韓国、ベトナム、ドイツ、アメリカなど、主要経済圏に幅広く拠点を構えている。このグローバル展開によって、日系企業の海外幹部採用や、外資系企業の日本参入支援など、国際採用における橋渡し役を果たし、国内の転職エージェントの中でも独自の地位を築いている。

事業領域は多岐にわたり、特に以下の専門事業は高い評価を受けている。
JAC Digitalは、企業のDXを推進するためのデジタル人材に特化し、CDO・CIO・CTOといった経営層から、エンジニア・データサイエンティスト・AI領域のプロフェッショナルまで、広範な人材を紹介。デジタル化が必要不可欠となった企業の課題に直接応える事業となっている。

JAC Executiveは経営者・役員クラスの採用に特化した部門で、企業の成長ステージに合わせてCEO・COO・CFOといった経営幹部を紹介する。後継者採用の支援や、新規事業の立ち上げを担う人材の獲得など、企業経営の中枢を支える領域をカバーしている。JAC Careerでは20代のプロフェッショナル層に向けた若手専門職の紹介を行い、将来のリーダー候補を企業に提案する役割を担う。

さらに、JAC Professional SolutionsやJAC IMS(コントラクト型人材紹介)、JAC RPO(採用プロセス代行など、多様な雇用形態や採用サービスも提供し、企業側のあらゆるニーズにワンストップで対応できる体制を整えている。

グループ会社も豊富で、外資系特化の「JAC International」、バイリンガル求人サイト「CareerCross」、エグゼクティブサーチに強い「バンテージポイント」など、専門性を持つ関連企業を多数抱えている。これにより、外資系・金融・コンサルティング・製造・ITなど、幅広い業界に対して高度な採用支援サービスを提供している。

プライバシーマークの取得や、日本経済団体連合会・人材紹介事業協会への加盟など、コンプライアンス・品質管理の面でも高い信頼性を確保している。日本国内の慢性的な人材不足と、企業のDX・グローバル化が加速する中で、JACリクルートメントは今後も安定した需要が見込まれる「構造的に強いビジネスモデル」を持つ企業として注目されている。

JAC Recruitment 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連21.12* 24,852 5,822 5,813 3,882 24.0 18.3
連22.12* 30,435 7,044 7,052 5,029 31.1 20
連23.12* 34,475 8,215 8,209 5,978 37.4 22.5
連24.12 39,156 9,090 9,122 5,611 35.2 26
連25.12予 46,500 12,000 12,000 8,400 52.9 35
連26.12予 52,500 13,500 13,500 9,450 59.5 35〜39

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022 5,913 -944 -3,174
2023 7,087 -461 -4,838
2024 8,119 -607 -5,313

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績/予想) PBR(実績)
2023 23.8% 34.7% 25.4%
2024 23.2% 31.0% 21.5% 実績PER:21.1〜14.7倍 8.26倍
2025(予) 25.8% 47.5% 33.0% 予想PER:21.31倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

JACリクルートメントの業績推移を見ると、直近3年間は売上・利益ともに安定成長を続けており、高収益体質が明確に表れている。

2023年12月期は売上344億円、営業利益82億円、経常利益82億円、純利益59億円と、人材紹介会社として極めて高い利益率を確保した。営業利益率は23%台で、ROEは34%台、ROAも25%前後と、国内上場企業の中でもトップクラスの資本効率を誇る。

2024年12月期は売上391億円、営業利益90億円、経常利益91億円、純利益56億円と増収増益で、営業利益率は約23%、ROEは31%、ROAは21%と依然として非常に高い水準を維持している。高い利益率を継続しており、売上規模が拡大しても収益性が落ちにくい構造になっている点は強い。

2025年12月期の会社予想では売上465億円、営業利益120億円、経常利益120億円、純利益84億円を見込んでおり、営業利益率は25%超とさらに改善、ROEは47%と異次元の高さとなる見通しである。これは人材紹介業の中でもハイクラス・スペシャリスト領域に強いJACの特徴がそのまま現れた数字といえる。

株価指標を見ても、2024年12月期の実績PERは14〜21倍のレンジ、PBRは8倍台と、市場から「高収益企業としてプレミアム評価」を受けていることが分かる。2025年予想PERは21倍前後で割高感はあるが、利益の伸びが伴っているため、極端に過大評価とは言えない。

総合的に見ると、JACは、営業利益率20%台、ROE30〜40%台、ROA20〜30%台という稀に見る高収益企業で、景気に左右される人材ビジネスの中でも安定して強い利益体質を維持している点が大きな魅力である。海外グループ企業との連携やハイクラス領域の強さが競争優位性となっており、今後も業績が伸びる限り市場からの高評価は続く可能性が高い。

一方で、人材紹介ビジネスは景気後退局面では採用需要が落ち込みやすく、PER・PBRが高い分、業績の失速が見えると株価調整リスクはある。ただし現在の業績推移を見る限り、急激な悪化の兆候は少なく、中期的には成長性の高い優良銘柄といえる。結論として、JACリクルートメントは「高成長 × 高収益 × 高資本効率」が揃った質の高い企業で、中長期視点の成長投資として十分に魅力がある銘柄と判断できる。

配当目的とかどうなの?

JACリクルートメントの配当利回りは25.12期・26.12期ともに3.25%で、東証プライム全体の平均である2%前後を上回る水準にあり、配当株として一定の魅力を持つ銘柄といえる。ただし、この会社の本質的な強みは高配当というよりも、むしろ高収益と成長性にあり、インカムゲインだけを目的とした投資とは少し方向性が異なる。その一方で、安定した利益成長を背景に増配できる余力が大きく、中長期で見れば継続的な増配が期待できる「成長力を備えた配当株」という位置づけになる。

JACは営業利益率20%超、ROE30〜40%台という非常に高い収益力を持ち、キャッシュフローも潤沢で、配当を無理なく支払い続けられる体質が整っている点が特徴である。景気後退時には採用需要の落ち込みにより業績のブレが出る可能性はあるものの、極端な減配リスクは低く、強い財務基盤と収益性が下支えとなって安定した配当を維持しやすい。

総合すると、JACリクルートメントは3%を超える安定した利回りを持ち、利益成長によって将来的な増配も期待でき、さらに景気に左右されやすい業界でありながら高収益体質による下支えが強いという特徴を備えている。単なる高配当銘柄というよりは、成長性と配当の両方を狙えるバランスの良い銘柄であり、長期保有でじっくりと恩恵を受けやすいタイプの投資対象といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

JACリクルートメントは、日本の上場企業の中でも屈指の高収益体質を持つ人材紹介会社で、営業利益率20%超、ROE30〜40%という圧倒的な資本効率を長年維持してきた企業である。景気の波を受けやすい業界ではあるものの、ハイクラス・専門職向けに特化したビジネスモデルによって、単価の高さと案件の質の良さが収益性の源泉になっている。特に近年は、DX人材やグローバル人材の需要が国内外で伸び続けており、JACの得意領域とマッチしているため、中期的なビジネス環境は比較的追い風と言える。

こうした背景を踏まえたうえで、今の価格(1,106.0円)から今後5年間の株価予想をシナリオ別に整理すると次のようになる。

【良い場合】
日本企業の採用意欲が全体的に底堅く、特にDX人材・専門職採用が今後も伸び続けるシナリオでは、JACは営業利益率25%前後、ROE40%前後を維持しながら、利益成長を続けることが期待できる。海外子会社と日本市場の両方で案件の質が向上し、紹介手数料率も高い水準を維持すれば、市場からの評価はさらに高まる。そうなると、PERが20〜25倍程度に切り上がる可能性があり、株価は5年後に1,800〜2,300円まで上昇する余地が生まれる。増配も期待できるため、配当込みの総合リターンは非常に高くなる展開となる。

【中間の場合】
採用市場は拡大するものの、急成長までは至らず“堅調な成長”に落ち着くパターン。営業利益率は20〜23%、ROEも25〜30%台を維持し、安定成長は続くが爆発的な伸びにはならない。市場評価(PER)は現在と同水準の15〜20倍前後に留まり、株価は1,200〜1,500円あたりを中心に推移する可能性が高い。大きな値動きは出にくいものの、安定成長と毎年の配当で着実なリターンを得る堅実なケースとなる。

【悪い場合】
景気後退、海外需要の低下、企業の採用抑制などが重なると、人材紹介ビジネスは急速に冷え込みやすい。特にハイクラス採用が落ち込むと、案件単価が下がり利益率が縮小し、営業利益率は15%を割り込み、ROEも20%を切る可能性がある。市場は割高感を警戒し、PERが12〜15倍まで低下するケースもある。この場合、株価は900〜1,050円あたりまで調整し、現在値を下回る展開が想定される。ただし、JACは固定費を軽く抑えており、景気悪化時でも大きく赤字に転落しにくい体制を整えているため、極端な暴落にはなりにくい点は押さえておきたい。

【総括】
JACリクルートメントは、人材紹介業の中でも利益率の高さと資本効率の良さが際立っており、収益面ではトップクラスのクオリティを持つ企業である。業績は景気の影響を受けやすいが、ハイクラス領域の強みが安定感を生み、長期的には利益成長と増配が期待できるバリュー寄りの成長銘柄と言える。良い場合は2,000円超えの上昇余地、中間は現状からの緩やかな成長、悪い場合でも900円前後の下値は企業体力で支えられる可能性が高い。長期でじっくり保有して、成長と配当の両方を狙いたい投資家に適した銘柄である。

この記事の最終更新日:2025年11月29日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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