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パーソルホールディングス(2181)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

パーソルホールディングスとは

パーソルホールディングス株式会社は、東京都港区南青山に本社を構える総合人材サービスグループの持株会社である。労働者派遣、人材紹介、求人広告、BPO、ITソリューションなど、多様なサービスを国内およびアジアパシフィック地域で提供する事業会社を統括している。2008年10月1日、テンプスタッフ(現・パーソルテンプスタッフ)の株式移転により持株会社として設立され、グループブランドとして「PERSOL(パーソル)」を冠している。「はたらいて、笑おう。」をビジョンとして掲げ、働く人と企業の双方を支援する総合人材サービス企業として成長してきた。

同社はみどり会の会員企業であり、三和グループに属している点も特徴のひとつで、安定した企業基盤を持つ。人材総合サービス業界では国内2位の規模を誇り、特に事務派遣、転職支援、エンジニア派遣が主力領域となっている。国内でのプレゼンスは非常に高く、企業の採用支援から業務効率化、IT領域の専門サービスまで幅広くカバーし、あらゆる働き方をサポートする体制が整っている。

傘下には、人材派遣の「テンプスタッフ」、転職支援の「doda」、BPOやITアウトソーシングを提供する「パーソルプロセス&テクノロジー」、IT・機電エンジニア派遣を行う「パーソルクロステクノロジー」など、多数の中核企業が含まれている。これらの企業が連携し、企業の採用・業務効率化・DX推進をワンストップで支える体制を構築している。また、働く人向けの研修、ITスキル教育、キャリア支援など、個人の成長を後押しするサービスも積極的に展開している。

近年は、業務のデジタル化が急速に進んだことを背景に、RPA導入支援やデジタル人材育成、業務プロセス改善など、ITを活用したソリューション提供にも力を入れている。単なる人材派遣企業の枠を超えて、企業の課題解決を包括的に支援する「総合ソリューション企業」への進化を目指している点が大きな特徴である。

海外事業にも積極的で、アジア太平洋地域を中心に派遣、紹介、BPO、採用ソリューションなどのサービスを展開。日本企業の海外進出を支援するだけでなく、現地企業向けのサービス提供も行っており、グローバル規模での人材サービスネットワークを形成している。M&Aによる事業拡大にも積極的で、海外企業との統合によりアジアでのシェア拡大を進めている。

パーソルホールディングスは、人材派遣のリーディングカンパニーとして培ってきたノウハウに加え、IT活用やBPOの強化、グローバル展開も余念がなく、国内外で総合人材サービス企業としての存在感を高め続けている。一人ひとりが自分らしく働ける社会の実現を目指しながら、企業の成長と働く人々のキャリア形成を支援する大規模グループへと成長している。

パーソルホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期(単位百万) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
2023.3 1,223,967 53,061 53,693 20,578 9.0 6.1
2024.3 1,327,123 52,065 48,926 29,971 13.2 8.6
2025.3 1,451,238 57,426 57,156 35,871 16.2 9.5
2026.3予 1,540,000 66,000 65,000 41,000 18.4 11
2027.3予 1,600,000 71,000 70,000 44,100 19.8 11〜12

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 52,796 -22,504 -38,268
2024 77,753 -19,000 -53,803
2025 68,854 -29,765 -63,878

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期(単位百万) 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 4.3% 11.0% 4.6%
2024 3.9% 15.5% 5.7%
2025 3.9% 18.9% 6.6% 25.5倍(高値)
17.2倍(安値)
3.00倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

パーソルホールディングスの業績の売上は1.32兆円から1.45兆円、そして1.54兆円の予想へと伸び続けており、巨大なスケールを維持しながらも着実に成長している。人材派遣、転職支援、BPO、エンジニア派遣など多様な事業ポートフォリオを持ち、国内2位クラスの総合人材グループとして規模のメリットが効いている点が数字にも表れている。

利益面でも、営業利益は520億円から574億円、さらに660億円の予想へと右肩上がりで推移しており、経常利益や純利益も同様に増加傾向を示す。営業利益率は4%前後と必ずしも高収益とは言えないものの、人材派遣ビジネス自体が薄利多売のモデルであることを考えれば、この水準でも業界では標準的からやや良好な水準と言える。

特に注目したいのは、ROEが11%から15%、そして18%へと改善しており、規模拡大と同時に資本効率を高められている点である。ROAも4%台から6%台へと着実に上昇しており、巨大な売上規模に対して利益がきちんと伴っていることを示している。EPSも13円から16円、そして18円へと増加し、一株当たりの利益が安定的に積み上がっている。配当も8円から9円、そして11円と増配基調にあり、利益成長に合わせて株主還元を強める姿勢が見えるが、それでも配当利回り自体は高配当株というほどではなく、どちらかといえば成長株寄りの位置づけになる。

しかし、バリュエーション面を見ると、2025年の実績PERは高値平均で25倍前後、安値平均でも17倍前後と、割安感が強いとは言いにくい。PBRも3倍で、一定の成長期待が株価に織り込まれている状態と言える。市場全体が弱含む局面では、PERの縮小を通して株価が押される可能性もあり、この点には留意する必要がある。

総合的に見ると、パーソルHDは売上と利益が着実に伸び、ROEとROAが強化され、EPSと配当が右肩上がりで推移するなど、安定性と成長性の両方を備えた中長期向けの堅実なグロース寄り銘柄といえる。派遣ビジネスの特性上、景気悪化の局面では一時的に逆風を受けやすいが、足元の数字を見る限りでは事業モデルが崩れている気配はなく、むしろ規模拡大と効率化が並行して進んでいる段階にある。現在のPER水準をどう評価するかによって投資スタンスは変わるが、株価が押したタイミングでは中期的な投資対象として十分に検討する価値がある銘柄だと考えられる。

配当目的とかどうなの?

パーソルホールディングスの配当面について整理すると、結論として「安定配当でそこそこ利回りがあるが、高配当株というほどではない」という評価になる。まず予想配当利回りは26.3期で3.91%、27.3期も3.91% とほぼ横ばいで、利回り自体は日本株としては平均より高めの水準。人材サービス企業としては比較的良い利回りに入る。

ただ、配当の絶対額を見ると、直近の配当は9.5円 → 11円 → 11〜12円予想 と増配を続けているものの、もともとの1株あたりの配当が大きいわけではないため、配当利回りの魅力は“成長と合わせて評価されるタイプ”で、いわゆる「配当を主目的に保有する銘柄」とは少し違う位置づけになる。

この会社は本質的に「規模の大きな総合人材グループ」で、利益を大きく積み上げていくタイプの成長銘柄。配当も安定的に増やしてはいるが、利益成長を優先する傾向が強いため、株主還元よりも事業の拡大に資金を回すフェーズが長く続いている。そのため、配当目的で買う場合は“そこそこの利回り+長期の増配期待” を狙う銘柄と考えるのが現実的で“毎年しっかり高配当をもらいたい人” には向きにくい。

逆に、成長性と安定配当の両方を取りたい投資家には悪くない選択肢になる。配当利回り3.9%前後で安定しており、EPS も右肩上がりのため、今後も緩やかな増配が期待できる構造になっている。

今後の値動き予想!!(5年間)

パーソルホールディングスの現在値280.9円を基準に、今後5年間の株価推移を予測すると、この企業は1.3兆円を超える巨大グループであり、国内外に幅広い人材サービスを展開していることから、業績のブレは比較的小さく、安定成長を期待しやすい。ただ、人材派遣という業界特性上、景気との連動性が強い点もあり、マクロ環境の良し悪しによって株価が想定より上振れも下振れも起こりやすい。

まず、事業面の特徴として、パーソルは「テンプスタッフ」「doda」「パーソルプロセス&テクノロジー」など複数の事業を抱えており、派遣・転職・BPO・ITソリューションといった異なる収益源を確保している。この“事業ポートフォリオの厚さ”が企業の安定感を支えている。また、DX人材やエンジニア派遣の需要は中長期で確実に伸びる領域であり、この分野での競争力向上が株価の上昇に大きく影響してくる。

良い場合のシナリオでは、国内の雇用環境が堅調に推移し、DX関連の需要が高止まりすることで、BPOやエンジニア派遣が継続的に伸びる。パーソルは既に規模拡大と効率化が同時進行しているため、この流れが続けばROEは20%前後まで上昇し、利益率も徐々に改善していく。市場からの成長期待が高まればPERが20倍前後まで評価され、株価は450〜550円程度まで上昇する可能性がある。また、海外事業もアジアを中心に存在感が増しており、アジア圏の派遣市場が広がれば更なる上振れも考えられる。

中間のシナリオでは、景気は大きな波がなく、安定成長を維持する形になる。パーソルは既に成熟した大企業であり、急激な成長こそ期待しづらいが、確実に売上と利益が積み上がる構造を持っている。PERが現状と同じ15倍前後で落ち着く場合、株価は350〜420円程度で推移する可能性が高い。堅実なEPS成長と増配傾向を踏まえると、過度に悲観しにくいタイプの銘柄といえる。

悪い場合のシナリオでは、
景気後退による派遣需要の落ち込み、企業の採用抑制、広告・転職関連の収益減少が重なってくる。特に派遣ビジネスは市況悪化の影響が表れやすく、利益が縮小しやすい。PERが10倍台前半まで縮小すると、株価は200〜230円程度まで下落する可能性がある。人件費の上昇、競争激化、DX投資の負担などが続くと、利益成長が横ばいになり株価も伸び悩むシナリオが現実的になってくる。

総合的に見ると、パーソルHDは「急成長ではなく、安定的に価値を積み上げていく大型銘柄」という性質が強い。現在の業績推移や指標、事業内容を考えると、中間〜良いシナリオに寄りやすく、5年スパンでは緩やかな成長曲線を描く可能性が高い。配当も安定しており、極端に高配当ではないものの、業績に応じて増配も期待できる。短期の値動きで大きく儲けるタイプではないが、中期の資産形成や安定投資には向いている銘柄と言える。

この記事の最終更新日:2025年11月29日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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