株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


システナ(2317)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

システナとは

株式会社システナは、携帯端末向けソフト開発を起点に成長した日本のIT企業であり、現在ではスマートフォン、車載システム、次世代自動車、IoT、クラウドなど多岐にわたる領域でソフトウェア開発・技術支援を提供している。特に、長年蓄積してきたモバイル・組込系の開発ノウハウを活かしながら、自動運転支援、車載インフォテインメントシステム、デバイス制御などの高度な領域へと事業の幅を広げている点が大きな特徴となっている。

同社は「Canbus.(キャンバス)」という自社サービスを展開しており、企業内外のあらゆるデータを蓄積・共有し、営業・マーケティングや顧客満足度改善などの各部門を支援するデータ活用基盤として機能する。データの可視化や高度な分析を通じて業務の効率化・最適化を実現するプラットフォームであり、DX推進を求める企業での導入が進んでいる。

さらに、日立市で行われた「ひたちBRT」のラストマイル自動走行の実証実験では、システナの車載システム・IoT開発の知見を活かし、遠隔運行管理システムや制御ソフトウェアの開発に携わった。自動走行やMaaS領域は近年重点領域として強化しており、これまでの端末向け開発から自動車・交通インフラ向けの先端領域へと軸足を広げている。

カーナビのアプリ開発では、AndroidやLinuxの基盤ソフトからUI、アプリケーション層までを一貫して手がけ、要件定義から評価工程までワンストップで提供。スマートフォン連携や通信機能を持つ次世代ナビ開発にも深く関わっており、自動車メーカーや大手電機メーカーとの協業も強みとなっている。

インフラ領域でも、仮想化技術を用いたコスト削減・運用工数削減のプロジェクトを数多く支援している。サーバー利用率の分析から最適な仮想化環境の提案、構築までを一貫して行い、企業のインフラコストを大幅に削減した事例も多い。また、ストレージの仮想統合を行い、データの利用頻度に応じて最適なストレージを自動振り分けする仕組みを構築するなど、企業のIT基盤最適化にも強みを持つ。

IoTを活用した新規ソリューションでも実績があり、富士通クラウドテクノロジーズのIoTプロジェクトでは、賃貸物件の住み心地を可視化し、ユーザーや営業担当が現地に行かずに判断できるサービスのPoC開発を手がけた。純国産クラウド「ニフクラ」を利用し、短納期・低コストでの開発を実現するなど、クラウド・IoT領域でも高い開発力を発揮している。

また「Kony AppPlatform™」を使ったモバイルアプリやBtoBシステムの高速開発にも対応しており、短期間でコンセプトを検証するPoC開発の実績も豊富。新規プロダクト開発の初期段階から参画し、品質担保とスピードを両立させる開発体制を整えている。

さらに、iPadを活用した建物評価システム「たてもの診たろう」など、独自の業務効率化ツールも開発しており、建物の老朽度や省エネ性能、機能性を定量的に評価する仕組みを提供。自治体や建設関連企業での活用が進んでいる。

総じてシステナは、スマホ向け開発で培った技術力をベースに、車載・自動運転・IoT・クラウド・業務効率化ツールなど多様なDX領域へ事業を拡大している企業である。幅広い業界に信頼される総合IT企業へと着実に進化しており、ニーズの高い先端領域にも強い技術を持っている点が大きな強みといえる。

システナ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) EPS(円) 配当(円)
2023/3 74,526 9,844 9,955 7,317 18.9 8
2024/3 76,940 9,713 9,942 7,232 18.7 10
2025/3 83,621 12,067 11,855 8,480 23.2 12
2026/3(予) 89,600 13,500 13,500 9,400 26.3 12〜14
2027/3(予) 96,000 14,500 14,500 10,000 28.0 12〜16

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023/3 7,648 -2,016 -2,854
2024/3 9,036 -251 -3,504
2025/3 7,979 -2,576 -14,024

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 13.2% 21.4% 14.9%
2024 12.6% 18.9% 13.3%
2025 14.4% 26.1% 16.3% 高値平均:20.2倍
安値平均:12.9倍
5.23倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

システナの業績を見ると、ここ数年は典型的な安定成長企業のパターンを示している。売上規模は毎年着実に増加しており、それに伴って営業利益、経常利益、純利益もほぼ順調に右肩上がりで推移している。営業利益は直近で97億円から120億円、今期予想では135億円の見込みとなっており、規模拡大の勢いは衰える様子がない。経常利益も同様に安定して推移しており、営業外損益の影響が小さいため、事業の実力による利益成長が続いていることが分かる。

純利益も毎年しっかり増えており、72億円から84億円、今期は94億円の予想と、EPSの伸びとともに株主還元の余力も高まっている。ITサービス企業は設備投資が大規模ではないため、利益が蓄積されやすく、利益成長が株価に反映されやすい構造を持つ点もプラス材料になっている。

指標面では、システナは一般的なSIerと比較しても高水準の収益効率を維持している。営業利益率は12〜14%の範囲で推移しており、これは中堅SIerとしては非常に優秀だ。利益率の高さは、プロジェクト管理が安定していることや、受託開発だけでなく自社サービスや車載系の付加価値の高い領域にシフトしている影響も大きい。

さらに目立つのがROEとROAの水準で、ROEは20%を超える年が多く、直近予想では26%に達する見込みとなっている。ROAも13〜16%と高く、効率良く利益を生み出す企業体質を示している。軽資産モデルであるSIビジネスの強みを最大限に活かせている企業といえる。

一方で、株価バリュエーションについては慎重に見る必要がある。PERは18倍前後から23倍、今期予想では26倍とやや割高感が強まっている。これは投資家がシステナの今後の成長力を評価している反面、短期的には買いやすい水準とは言えなくなりつつあることも意味する。PBRは5倍を超える水準で、こちらも資産価値から考えれば高い評価といえる。

ただし、PBRが高いのはソフトウェア系企業ではよくあることで、必ずしも過大評価というわけではない。利益成長が続く限り、株価がついてくる余地は十分に残されている。

総合すると、システナは業績の安定性と成長性が両立している企業であり、強い財務指標を背景に長期保有に向いた銘柄と判断できる。一方で、短期的な割安感は乏しく、良い決算が続いて初めて現在の株価評価が正当化されるという位置にいる。そのため、長期の成長ストーリーに乗りたい投資家には向いているが、短期的に値幅を狙う投資家には調整を待つフェーズとも言える。とはいえ強固な顧客基盤と高利益率を維持していることから、急激な業績悪化のリスクは小さく、比較的安心して保有できるタイプの成長株と言える。

配当目的とかどうなの?

システナの配当利回りを見ると、来期予想でおよそ2.48%、再来期では2.67%と、そこまで高配当株と言える水準ではない。いわゆる高配当銘柄(3〜4%以上)の枠には入らず、配当利回りだけを目的に投資する銘柄としては弱い部類になる。ただし、単純に利回りが低いから評価できないという話ではなく、システナの場合は配当目的というより“成長しながら配当も伸びる銘柄”という位置づけの方が正しい。

まず、同社はここ数年EPSがしっかり伸びており、純利益も順調に増えている。利益の成長とともに配当も増やしてきているため、いわゆる「増配傾向の成長企業」に分類される。安定して利益を出し続けるタイプの企業であるため、将来的には配当も自然と増えていく可能性が高い。

また、配当性向を見ても無理をして配当を出しているわけではなく、利益の範囲内で余裕を持って配当を支払っている。そのため、減配リスクが極端に高い企業ではない。ビジネスモデルとしても設備投資負担が少なく、現金が貯まりやすいIT企業であるため、配当を継続的に出しやすい体質でもある。

とはいえ、現時点で2.5〜2.6%台という利回りは、配当狙いの投資家からすると少し物足りない水準ではある。配当だけでリターンを確保したい場合は、もっと利回りの高い銘柄を選ぶ方が効率的だろう。ただ、システナの大きな魅力は“配当+成長”という組み合わせにある。業績は安定して伸びており、ROEや営業利益率も高水準で、今後も売上と利益が増える可能性が高い。これにより株価が長期的に上がっていけば、配当利回りは高くなくてもトータルリターンは十分に狙える。

要するに、システナは“配当だけを目的に買う株”ではなく、業績成長で株価の値上がりを期待しながら、毎年少しずつ増える配当も受け取れる株と考えるのが正しい。高配当株というより、増配成長株という分類に近い。配当狙いなら別の銘柄、長期成長+適度な配当を狙うならシステナは十分に候補になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

システナの現在株価は524円で、ここから5年間の株価推移を考えるうえで重要になるのは、この会社が典型的な“軽資産型のIT企業”でありながら、車載ソフト、自動運転、IoT、クラウド、業務系システムといった成長分野を同時に抱えている点だ。売上は毎年安定して伸び、利益率もIT企業としてはかなり高い水準で、ROEやROAなどの効率性指標も優秀。財務の安定性、成長性、収益性のバランスが非常に良く、長期的な企業価値向上が期待しやすいタイプの銘柄になっている。

ただし、株価というものは企業の実力だけでは動かず、投資家の期待や市場環境、景気サイクルにも影響を受ける。そのため、システナの場合も「良い場合」「中間」「悪い場合」の3つのシナリオを分けて考える必要がある。

まず良いケースでは、車載ソフト・自動運転関連の需要が急速に伸び、IoTやクラウド領域の仕事も増え続ける未来だ。日本国内のIT投資はDX需要でまだまだ増える余地があり、システナの得意分野と市場の伸びが噛み合えば、売上は年5〜8%で増えていく。営業利益率が15%前後で安定し、純利益も毎年増え続ければ、株価の評価も高まっていく。市場が「中長期の成長株」としてしっかり認識すれば、PER20〜25倍といった高めの評価がつく可能性がある。この場合、5年後の株価は800〜1050円、ひょっとすると1100円に近づく可能性もある。車載分野の成長が本格化すれば、このシナリオに近づく可能性は十分にある。

次に中間シナリオは、最も実現しやすい現実的なパターンだ。ITサービス業界全体の伸びは続くものの、景気連動で強弱は出る。エンジニア人件費は上がるが、それでも利益率は12〜14%で維持する。業績は毎年じわじわ成長し、純利益も増えるが、急成長というほどではない。投資家の評価はPER15〜18倍程度に収まるだろう。この場合、5年後の株価は600〜750円が妥当なレンジとなる。現在の524円から見れば十分な上昇余地があり、売られにくく安定して持てる銘柄という位置づけになる。

一方、悪いシナリオでは、エンジニアの人件費上昇が利益を圧迫し、受注競争が激しくなるケースが考えられる。国内IT市場の成長が鈍化したり、不況によって企業のIT投資が抑制されることもある。営業利益率が10%を割り込むような状況になると、投資家の評価は一気に冷え込み、PERは8〜12倍に縮む可能性が高い。ただし、システナは財務が非常に健全で、借金に頼らない経営を続けているため、企業の存続リスクは低い。株価が崩れたとしても、400〜520円のレンジにとどまり、極端な暴落にはなりにくい。この点は安全性の高さと言える。

これらの3つを総合すると、システナは典型的な「安定成長+値上がり期待+適度な配当」を組み合わせた長期投資向け銘柄である。今の524円という株価は、中間シナリオの下限から中ほどに位置しており、割安感はそこそこあり、成長力を織り込み切れていない可能性もある。業績の右肩上がりが継続すれば、株価は自然と上方向に収斂していく性質を持っている。長期的には“値上がりと配当の両方でリターンを狙える”堅実な投資対象と評価できる。

この記事の最終更新日:2025年11月30日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP