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プリマハム(2281)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

プリマハムとは

プリマハム株式会社は、東京都品川区東品川に本社を置く日本の大手食肉加工メーカーで、ハム・ソーセージを主力とする食品企業である。日本ハム、伊藤ハム米久ホールディングス、丸大食品と並び「ハム・ソーセージ大手4社」の一角を担い、業界3位の規模を持つ。現在は伊藤忠商事系列の企業で、過去にはアメリカのオスカー・マイヤー社の傘下に入っていた歴史もあり、外資ノウハウと商社資本の両方を経験してきた珍しい食品メーカーとなっている。

事業の特徴としては、家庭用加工食品に強く、スーパーの精肉・加工肉売り場で目にする商品が多い点が挙げられる。特に主力ブランドである「香薫あらびきポークウインナー」はロングセラー商品として高い認知度を誇り、ハム・ベーコンでは「スマイルUP!」「サラダにちょうどいいね。」などのシリーズが幅広い世代に支持されている。また、北海道十勝ブランドを積極的に活用しており、「十勝カルパス」「十勝グルメの便り ロース生ハム」など、原料・産地イメージを大切にした商品ラインナップも特徴的である。

加工食品分野の強さはコンビニ向け総菜にも活かされており、セブン-イレブン向けの惣菜・加工品供給でも存在感を発揮している。ミートボール、唐揚げ、ハンバーグ、春巻、餃子、焼鳥といった総菜系の商品も幅広く展開しており、“肉を中心とした加工食品の総合メーカー”として地位を確立している。さらに、子ども向け商品にも積極的で、ディズニーキャラクターを使ったウインナーやナゲット、ハンバーグなど、ファミリー層へのアプローチにも強みがある。

食肉事業では、養豚事業の強化を進め、仕入れから加工・販売までを一体で管理できる体制づくりに取り組んでいる。これにより、安心安全のブランド戦略を強化しつつ、原料調達の安定化とコストコントロールの両立を図っている。

総合すると、プリマハムは「ハム・ソーセージを軸にしつつ、総菜・加工食品まで幅広く展開する総合食肉加工メーカー」であり、家庭向け商品からコンビニ向け業務用まで幅広い市場に強いバランス型の食品企業である。伊藤忠商事系列のサポートも背景にあり、安定供給力と商品開発力を兼ね備えた存在として、日本の食卓に深く根ざしている。

プリマハム 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益 EPS(円) 一株配当 DPS(円)
連23.3 430,740 9,725 10,510 4,505 89.7 65
連24.3 448,429 11,820 12,884 7,489 149.0 65
連25.3 458,354 8,948 10,502 7,076 140.8 80
連26.3予 475,000 11,000 12,000 7,400 147.2 80
連27.3予 510,000 12,000 13,000 8,000 159.2 80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2023 11,719 -15,089 1,206
2024 22,542 -19,420 -7,574
2025 14,211 -13,574 -4,202

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 2.2% 3.9% 1.9%
2024 2.6% 6.2% 3.0%
2025 1.9% 5.9% 2.9% 16.7〜20.6 1.08

出典元:四季報オンライン

投資判断

プリマハムの直近3年の業績推移を見ると、売上は堅調に増加しているものの、利益面では年度によって波がある。2024年3月期は売上4484億円、営業利益118億円、経常利益128億円、純利益74億円と、利益が改善した年だった。一方で2025年3月期は利益が落ち込み、営業利益は89億円、経常利益105億円、純利益70億円と減益となっている。これは原料価格の高騰や加工食品のコスト負担、物流費上昇の影響が大きいと見られる。2026年3月期は営業利益110億円、経常利益120億円、純利益74億円と、やや持ち直しの予想になっている。

利益率を見ると営業利益率は2〜2.6%台で、食品メーカーの中でもかなり低め。ROEも2024年の6%台がピークで、2025年は5%台と資本効率は控えめ。ROAも3%前後と高くはなく、収益性という点では力強さに欠ける。PBRが1.08倍と割安水準なのは、利益率の低さを市場が織り込んでいる状態と言える。

PERは高値平均20.6倍、安値平均16.7倍と、食品メーカーとしては中立〜やや割高寄り。ただし、安値側の16倍台で見れば、事業安定性を考えると許容範囲といえる水準。

総合すると、プリマハムは安定した売上と長期的なブランド力がある一方、利益率の低さと収益性の波が課題。攻める銘柄ではなく、ディフェンシブな食品株としての性格が強い。減益の年がはさまっても事業基盤が揺らぐタイプではないため、長期保有には向いている。一方で、株価の大幅な成長を期待するタイプではなく、着実な収益改善と食肉・加工食品分野での付加価値強化が今後のテーマ。

「大きく儲ける銘柄」ではなく「守備的に持つ食品株」という印象が強い。配当利回りや株主還元が安定してくるようであれば、より投資対象として魅力が高まる銘柄といえる。

配当目的とかどうなの?

プリマハムを配当目的で考える場合、結論としては「高配当株ほどの魅力はないが、安定して配当を出し続ける堅実な中配当銘柄」という位置づけになる。食品メーカーという業種の特性上、景気に左右されにくい売上構造で、家庭用のハム・ソーセージ・加工食品を中心に安定した需要があるため、株価が大きく崩れにくく、長期でゆっくり持つには適したタイプの銘柄といえる。

予想配当利回りは26.3期・27.3期ともに3.04%と、食品株としては悪くない数字で、銀行預金より圧倒的に高く、低リスク業種の中では評価できる水準。ただし、ここ数年の利益推移を見ると増益→減益→回復と波があり、特に営業利益・経常利益が年度によって変動するため、利益の安定感は他の食品大手に比べると一段落ちる印象がある。そのため、配当利回りは3%維持しているものの、増配余地はそれほど大きくないと考えられる。

また、プリマハムは配当性向がやや高めになりがちで、利益が伸びない年でも配当を継続する傾向が強い。これは投資家にとっては安心材料ではあるが、裏返すと「利益が増えにくい環境下では大きな増配は期待しにくい」ということでもある。とはいえ食品メーカーは守備的な業種で、急激な業績悪化や大幅減配の可能性は低く、安定感は十分ある。

総合すると、プリマハムは大きく儲ける銘柄ではないが、3%前後の配当を毎年きちんと受け取りたい人には向いている。業績の波はあるものの、食肉加工品という日常食に根差した事業構造が株価と配当の安定を支えており、長期で“配当をもらいながら気長に持つ”タイプの投資には適している。増配で資産がどんどん増えるようなタイプではなく、どちらかと言えば地味でも崩れにくい堅い配当株として考えるのが自然な銘柄だといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

プリマハムの株価が今後5年間でどう動くかを考えると、この会社の特徴として「大きくは伸びにくいが、急落しにくい安定型の食品メーカー」という点がまず前提になる。ハムやソーセージ、総菜など日常的に需要がある商品を扱っているため、景気が悪くなっても売上は比較的下がりにくい。一方で、原料である豚肉・鶏肉の相場やエネルギーコストに利益が左右されやすく、営業利益率は高くなく、業績が大きく伸びる年と伸びない年が混在するのが特徴だ。また伊藤忠商事グループの支援基盤や、セブン向け総菜の安定出荷など、事業の下支えになる要素は多い。

こうした企業体質を踏まえて株価を長期視点で見ると、良い場合でも爆発的に上昇するタイプではなく、じわじわ業績が改善し、株価が底上げされていくイメージになる。逆に悪い場合でも、生活必需に近い食品メーカーなので、売上が極端に落ちる可能性は低く、株価もある程度下値で踏ん張る傾向が強い。総じて、株価の“振れ幅”は比較的狭い銘柄だと考えられる。

良いケースでは、原材料価格の落ち着きや物流費の改善、総菜需要の増加が業績を押し上げ、営業利益率も回復してくる。香薫シリーズや十勝シリーズの販売が伸び、利益が安定的に増えるなら、市場の割安評価が修正されて株価が3,500〜4,000円台へ向かう可能性もある。食品大手としては十分健全な伸び方だ。

中間ケースでは、売上は伸びるものの利益率は大きく改善せず、今の水準を中心に落ち着いた推移になるイメージ。2,500〜3,100円前後での値動きが長く続き、配当を受け取りながら保有するタイプの株として安定感がある。急騰しない代わりに、急落も起こりにくいバランス型の展開が続く。

悪いケースでは、原料価格の高騰や物流費負担が再び重くのしかかり、採算が悪化するパターン。営業利益率が下がると市場評価も弱くなり、株価は1,800〜2,300円あたりの安値圏に沈む可能性が出てくる。ただし、それでも食品メーカーの特性として、極端な暴落までは行きづらいのがポイントで、業績が悪化しても一定範囲で踏みとどまる力がある。

総合して言うと、プリマハムは「安定的に配当を受け取りながら長期でゆるやかに保有する銘柄」という位置づけが一番しっくりくる。大きな成長は期待しにくいものの、生活密着型で売上が安定しており、業績が大きく崩れにくい。配当利回りも約3%とそこそこ魅力がある。株価の変動が比較的小さいため、派手さはないが、長期の資産形成には向いているタイプの銘柄だといえる。

この記事の最終更新日:2025年11月30日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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