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学情とは

株式会社学情は、就職情報サービスを中心に事業展開する人材系企業で、東京と大阪に本社を構え、新卒向け・20代向けの就職支援分野で強い存在感を持っている。主力サービスには、新卒学生向けの「Re就活キャンパス」、20代の転職サイト「Re就活」、高卒・第二新卒支援の「Re就活ユース」、20代ハイキャリア向けサービス「Re就活30」などがあり、若年層に特化した就職・転職プラットフォームを多数運営している。また、企業と学生が直接出会えるリアルイベントである「就職博」「転職博」も全国で展開し、対面型マッチングの強みも併せ持つ。
同社はもともと広告代理店からスタートし、1981年に就職情報事業へ進出。当時はインターネットが普及しておらず、学生の就職活動は紙媒体の雑誌が中心であった。特に知名度の低い中堅・中小企業は学生との接点を持ちにくく、情報格差が課題となっていた。そこで学情は「企業と学生が直接出会える場」を作ろうと、日本で初めての大規模合同企業セミナー「就職博」を開催した。この取り組みが成功し、学生・企業双方に新たなマッチング機会を提供する先駆的存在となっていく。
時代が進むにつれ、学情はネット活用にも積極的で、1995年には業界初のインターネット就職情報サイトを配信。オンラインとリアルイベントの両輪でサービスを広げ、2006年には東証一部に上場。これは就職情報業界では初の上場事例であり、学情のブランド力が一段と高まる出来事となった。
近年では、特に20代・第二新卒に特化した「Re就活」が同社の成長ドライバーとなっている。サービス誕生の背景には、大学の就職支援課から「卒業後に就職できなかった学生を何とか支援できないか」という相談があったことがあり、当初は未就職者や早期離職者のための再就職支援サービスとしてスタートした。現在は、20代の転職が一般化し、新卒採用の難化で「若手を早期から獲得したい」という企業ニーズも拡大していることから、Re就活は学情の中核ビジネスとなり、市場からも高く評価されている。
総じて学情は、「若者に強い就職情報会社」という独自ポジションを確立してきた企業であり、ネットとリアルの両面を活用したマッチング力、20代特化という明確な差別化戦略、新卒から第二新卒・若手転職者まで広くカバーするサービスラインナップが特徴と言える。就職情報業界の中でも、若年層という成長マーケットに強く、企業側からも学生側からも需要が高まっている領域を押さえている点が大きな強みとなっている。
学情 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | EPS(円) | 配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/10 | 6,773 | 1,621 | 2,038 | 1,396 | 99.4 | 43 |
| 2023/10 | 8,784 | 2,310 | 2,563 | 1,753 | 125.7 | 51 |
| 2024/10 | 10,730 | 2,656 | 3,053 | 2,229 | 160.8 | 65 |
| 2025/10(予) | 12,300 | 3,000 | 3,200 | 2,300 | 171.4 | 67〜69 |
| 2026/10(予) | 14,000 | 3,300 | 3,500 | 2,500 | 186.3 | 67〜75 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022 | 1,486 | -1,424 | -793 |
| 2023 | 2,277 | -675 | -682 |
| 2024 | 1,633 | 177 | -1,264 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 26.2% | 13.2% | 11.2% | – | – |
| 2024 | 24.7% | 15.4% | 13.3% | 高値平均:14.9 安値平均:9.2 |
1.57 |
| 2025 | 19.0% | 11.8% | 10.2% | 予想:14.58 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
学情の業績を見ると、ここ数年は売上・利益ともに安定して伸び続けており、若年層向け就職・転職市場の成長をうまく取り込んでいることが分かる。売上は87億から107億、そして123億へと着実に増加しており、営業利益も23億、26億、30億と右肩上がりで、同業の人材系企業の中でも比較的堅実な成長を見せている。
営業利益率は19〜26%とかなり高く、これは同業界の中でも強みとなるポイントで、営業利益率が二桁台後半から二割前後を維持できている企業は人材業界でも多くない。原価のかかりにくいネットサービス中心のビジネスであり、リアルイベントの「就職博」なども収益性が高いため、高い利益率を確保できている。利益率は2025年にやや低下する予想だが、それでも19%は十分に高水準といえる。
ROEも11〜15%と企業としての資本効率は良好で、人材系の中堅企業としては理想的なラインを維持している。ROAも10%前後と高く、総資産をしっかり収益化できている点は財務面で評価できる部分。学情は利益率・ROEともに非常にバランスが良く、事業の収益構造が強靭であることを示している。
バリュエーション面では、PERは9〜15倍程度で推移しており、成長性と利益率を考えると割高感はなく、むしろ適正〜やや割安水準と考えられる。PBRも1.57倍と過度に高くなく、業績の安定性を考えれば許容範囲。人材系は成長力の違いで評価が分かれるが、学情は高利益率・高ROEの割に割高感が出にくい点が強みになっている。
純利益も17億から22億、そして23億へと安定成長しており、配当も増配傾向にある。配当性向にも余力があり、今後も業績に応じて素直に増配していける企業体質になっている。
総合すると、学情は中堅規模ながらも高利益率・高ROEを維持できる優良企業であり、業績の伸び、財務の健全性、バリュエーションのバランスが良く、比較的買いやすい銘柄と言える。特に若手向け就職・転職市場は長期的に拡大が続く分野であり、その中心にいる学情は構造的に追い風を受けやすい。
人材業界の中でもリスクは低めで、安定成長を求める投資家にとって魅力的な銘柄と言える。ただし、市況の悪化や採用需要の縮小が起これば短期的には業績が鈍化する可能性はあるため、景気敏感株の側面には注意が必要。それでも中長期では安定成長が期待でき、堅実な企業としてポートフォリオの一部に組み込む価値がある。
配当目的とかどうなの?
学情を配当目的で見た場合、まず目につくのは予想配当利回り(2026・2027年度)が4.15%と比較的高い水準にあることで、これは日本株の中では「しっかり配当を出す良質銘柄」に分類される水準と言える。人材系企業は景気敏感で業績の波が出やすいケースが多いが、学情の場合、利益率が非常に高く、売上に比べて純利益の伸びがしっかりしているため、配当余力にも一定の余裕がある。特にEPS(1株利益)が毎年増加しており、EPS171円に対して配当67〜69円というラインは、配当性向として40%前後でバランスが良く、無理のない範囲で継続していける配当設計になっている。
また、学情の配当は特別配当ではなく「通常配当としての増配基調」である点も重要で、単発のイベントで利回りが跳ね上がっているわけではない。前期から見ても、51円 → 65円 → 67〜69円と順調に増えており、利益が伸びるに従って自然に配当を引き上げているタイプの企業である。こうした企業は長期保有の配当株としては非常に扱いやすく、収益が安定している限り、毎年少しずつ配当を増やせる余地が生まれる。
財務指標の面でも、ROEが11〜15%、ROAも10%前後と高水準であり、資本効率・総資産効率がどちらも優秀だという点は、たとえば商社株や銀行株にはないタイプの“高収益体質”を示している。利益率についても営業利益率が19〜26%と異常に高く、これは上場企業全体で見てもトップクラスの高さで、収益性の強い企業しかできない水準。こうした企業は利益がブレにくく、キャッシュフローも安定しやすいため、配当の持続性が高い。
さらに学情は無借金経営に近い財務体質で、手元資金比率も高く、財務面での不安材料が少ない。借金返済の負担がない企業は、景気の調整局面でも配当を維持しやすく、配当狙いの投資家にとっては大きな安心材料になる。
一方で気をつけるポイントもある。人材系ビジネスは景気の影響を受けやすく、リーマンショックやコロナのような外部ショックがあると採用需要が急速に縮む可能性がある。その場合、学情の利益も影響を受けるため、短期的には配当が伸び悩む可能性も考えられる。ただし、その点を補うだけの強みとして、学情は若年層(20代・第二新卒)に特化しているため、一般的な転職サイトより景気の揺れに強いとされており、構造的に安定しやすい市場に軸足を置いている点はプラス要素となる。
総合すると、学情は「4%台の利回りが安定して得られる、配当目的としてかなり優秀な銘柄」と評価できる。利益成長・財務健全性・高利益率・増配余地の4点が揃っており、無理をして配当を出している企業ではなく、利益が自然に伸びるから配当も伸びる企業の典型例に当たる。
結論として、配当目的での学情は十分に魅力があり、長期保有の配当銘柄としても適性が高い。高配当株の中ではリスクとリターンのバランスが良く、成長性もあるため、配当と値上がりの両面を狙える珍しいタイプの銘柄と言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
学情の現在株価は1,612円で、今後5年間の値動きを考えるうえで最もポイントになるのは、同社が人材ビジネスの中でも「20代・第二新卒」という成長力の高い市場に特化していることだ。この市場は景気の影響こそ受けるが、企業側の採用ニーズは構造的に強く、新卒採用の難化により多くの企業が「若手人材の早期確保」を重視している。そのため、学情の主力サービスである『Re就活』の需要は中長期的に高まりやすく、事業環境としては安定的な追い風が続きやすい。加えて、同社は営業利益率が20%前後、ROEが10〜15%という非常に高い収益性を持っており、小型株でありながら財務基盤が強く、業績のブレが比較的少ないタイプの企業である。
とはいえ株価の動きは、景気サイクルや人材市場のボラティリティに影響されるため、5年間というスパンでは上にも下にも動く余地がある。そこでシナリオ別に株価の到達点を予想すると分かりやすい。
まず、良いケースを考えると、学情が現在の成長ペースを維持し、売上が年7〜10%ほど増加し続け、営業利益が30億から35〜40億程度へ伸びる未来が見えてくる。人材業界は競争が厳しいものの、学情は「若手に強い」という明確な差別化を持っているため、年齢幅の広い総合型の転職サイトより競争優位性が確保しやすい。また、大学や専門学校との関係性が強く、リアルイベントの「就職博」「転職博」も好調で、ネット+リアルのハイブリッドモデルは他社にはない強みだ。これらの条件が揃うと、投資家の評価も高まり、PERが14〜18倍程度で安定し、株価は5年後に2,200〜2,800円ほどのレンジに入ってくる。小型株としては十分な上昇余地で、増益・増配を続けるならこの水準は現実的に見えてくる。
次に、中間の最も現実的なシナリオを考えると、売上は年5%程度で穏やかに成長し、営業利益率は18〜20%の範囲で安定。ROEも10〜12%ほどの水準を維持する。採用市場が極端に冷え込むこともなければ、爆発的に活発化するわけでもない、ごく通常の経済状況が続く場合だ。この状況では株価は1,600〜2,000円程度の範囲で推移しやすい。現在株価1,612円はこのレンジのほぼ下限にあり、配当利回り4%超の高配当が下値をしっかり支えているため、ここから大きく下がるリスクは比較的限定的と考えられる。過度な期待をしなければ、安定成長株として適度に値上がりと配当を得られるバランスの良い投資先になる。
最後に、悪いシナリオとしては、景気悪化で企業の採用意欲が一時的に後退し、若手でも採用枠が縮小するケースが考えられる。イベント収益が減り、広告費も削られ、人材業界全体が縮小傾向になると、営業利益率は15%台まで落ちる可能性があり、純利益の伸びも鈍る。ROEも8%台に低下し、市場の評価は徐々に厳しくなる。PERが8〜10倍程度に縮むと、株価は1,200〜1,500円の範囲までじりじりと下がる可能性がある。ただし、学情は財務が極めて健全で、無借金に近い状態で運営しているため、突然の急落や財務不安により株価が急落するような企業ではない。弱気ケースでも、落ちてもその程度で収まる可能性が高いのは大きな安心材料だ。
総合的に見ると、学情は業績の安定性・利益率の高さ・財務健全性・配当利回りの4拍子がそろった優良銘柄であり、現在株価1,612円は「割高ではないが、過度に割安でもない」という妥当な水準に位置している。ただし、下値が固く、4%超の配当が支えているので、長期投資としては非常に扱いやすい銘柄となる。大きな爆発力こそないが、中長期で配当をもらいながら堅実なリターンを狙えるタイプの企業で、投資スタイルが合う人には非常に魅力的な選択肢になる。
この記事の最終更新日:2025年11月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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