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キャリアデザインセンター(2410)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

キャリアデザインセンターとは

株式会社キャリアデザインセンターは、東京都港区に本社を構える総合人材サービス企業で、転職サイトの運営、人材紹介、新卒向け採用支援、IT領域に特化した派遣サービスなど、多岐にわたる人材ビジネスを展開している。1993年に、リクルートで「とらばーゆ」の初代編集長を務めた多田弘實氏が創業した背景から、同社は求人広告の企画力や編集力に強みを持ち、企業と求職者を結ぶ情報発信の質を高めながら成長してきた。

主力サービスである「type」「女の転職type」は、とくにIT・Web業界や首都圏の企業を中心に高い認知度と利用率を誇り、求人広告だけではなくスカウト機能やデータを活用した採用コンサルティングなど、精度の高いマッチングを実現している。また、転職フェアや企業説明会の開催も積極的に行い、リアル・オンラインの両面から求職者と企業の接点を創出している。厚生労働大臣許可の人材紹介事業も展開しており、専門領域のキャリアアドバイザーが求職者の転職活動を直接サポートする体制も整えている。

新卒領域では「type就活」を通じて、情報誌や就活イベント、WEBサービス、人材紹介を掛け合わせた総合的な就職支援を行っており、学生に対して早期からキャリア形成を促す独自のプログラムを提供している。このように、新卒から中途、女性、ITエンジニアまで幅広い層へのアプローチを持つ点が同社の大きな特徴となっている。

さらに、IT業界特化型の人材派遣「type IT派遣」では、エンジニアやIT事務など専門性の高い職種に焦点を当て、企業のプロジェクト支援や技術者不足の解消に貢献している。即戦力となる人材の確保が難しい企業にとって、派遣と紹介の両サービスを提供できる同社の存在感は年々増している。

また、「エンジニアtype」「Woman type」「20’s type」などのWebマガジンを自社で企画・編集・運営し、キャリア形成に関する情報を定期的に発信している。このメディア運営力が、求人サービスの価値向上や企業ブランディング支援にもつながっており、単なる人材会社にとどまらず、採用マーケティング領域でも強みを発揮している。

総じて、キャリアデザインセンターは、求人メディア、人材紹介、派遣、Webマガジンといった複数のチャネルを組み合わせ、企業の採用課題を総合的に解決する仕組みを持つ企業である。特にIT・Web領域への深い知見と、情報発信力を生かしたマッチングの質の高さが競合他社との差別化ポイントとなっている。

キャリアデザインセンター 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単22.9 15,507 1,102 1,101 793 140.7 45特
単23.9 17,388 1,585 1,577 1,163 209.9 70特記
単24.9 17,734 1,432 1,438 984 179.0 90
単25.9予 19,000 1,760 1,750 1,180 224.3 100
単26.9予 20,000 1,910 1,900 1,230 233.8 100〜110

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 1,938 -478 -348
2024 859 -838 -1,842
2025 2,031 -338 -470

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均 / 安値平均) PBR
2023 9.1% 29.5% 14.5%
2024 8.0% 24.9% 15.1%
2025 8.4% 23.7% 14.2% 11.9倍 / 6.7倍 2.80倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

キャリアデザインセンターの業績推移を見ると、売上は173.8億 → 177.3億 → 190.0億(予想)と緩やかに増加しており、事業規模は安定的に拡大している。営業利益は15.8億 → 14.3億 → 17.6億と一度落ち込んだあと回復する見通しで、利益面も堅調に推移している。経常利益も15.7億 → 14.3億 → 17.5億と安定しており、純利益は11.6億 → 9.8億 → 11.8億とやや振れ幅はあるものの、キャッシュをしっかり稼げる体質は維持されている。

EPSは209円 → 179円 → 224円と増減はあるが、25.9期には過去最高水準に戻る見通しとなっている。配当も70円 → 90円 → 100円と増配が続いており、株主還元への意識が強い。営業利益率は9.1% → 8.0% → 8.4%と徐々に改善しており、求人広告だけではなく、紹介・派遣・Webメディアなど複数の収益源を持つことで安定した利益構造を築いている点が特徴的である。ROEも29.5% → 24.9% → 23.7%と依然として高い水準を維持しており、資本効率の面では非常に優秀な企業と言える。

市場評価としては、PER(高値平均)が11.9倍、安値平均が6.7倍、実績PBRが2.80倍となっており、成長性と収益性を持つ企業としては「割高感はなく、むしろ適正〜やや割安」と言える水準である。特にROE20%超の企業でPER一桁台が見える局面は、投資妙味がある。

総合的に見ると、キャリアデザインセンターは「売上は安定成長」「利益率は堅調」「ROEは非常に高水準」「配当は増加基調」というバランスの良い銘柄である。景気動向に左右される側面はあるものの、IT・Web領域の人材需要は底堅く、中期的な収益成長も期待しやすい。大きな急成長を狙うタイプではないが、安定性と収益性を兼ね備えた実力派企業であり、配当とEPS成長を評価して中長期で保有するスタンスが適した銘柄と言える。

配当目的とかどうなの?

キャリアデザインセンターの予想配当利回りは単26.9期・単27.9期ともに5.07%と、東証プライム全体の平均利回りを大きく上回る高い水準にある。人材サービス企業としては異例と言えるほど高い利回りで、配当狙いの投資という観点では非常に魅力的な部類に入る。

同社はここ数年で配当を段階的に引き上げており、70円 → 90円 → 100円と増配を続けている。利益の変動はあるものの、営業利益率8%前後を維持し、ROEも20%を超える高水準を継続していることから、財務的に見ても現状の配当を十分に支払えるだけの収益力はあると言える。さらに、手元資金やキャッシュフローの規模も問題なく、短期的に減配リスクが高まっている状況ではない。

ただし、人材広告や人材紹介は景気に敏感な側面があり、企業の採用意欲が弱まる局面では業績が下振れしやすいというリスクも存在する。景気後退局面では広告費や採用費が削られやすく、その影響を同社も受けやすい。ただし、同社は求人広告だけでなく、紹介・派遣・就活事業など複数の収益源を持つため、単一事業に依存した不安定さは比較的少ない。

総合的に見ると、キャリアデザインセンターは高い配当利回りと増配傾向、ROEの高さを考慮すると「配当目的の投資として非常に魅力的」と評価できる銘柄である。業績の振れ幅はあるが、安定配当を続ける意思が強く、同社の収益力を考えると5%超の利回りは十分持続性がある水準と言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価は2,464円で、ここから先の5年間の値動きを予想するうえで重要になるのは、キャリアデザインセンターが持つ高い収益力と、業績が景気や採用環境に左右されやすいという特徴のどちらが強く作用するかという点である。同社はROE20%超という非常に高い資本効率を誇り、営業利益率も毎期8〜10%台を維持してきた実績がある。また、配当利回りは5%を超えており、株価に対する下支え要因としては十分に強い。一方で、人材サービス業は景気後退局面で企業の採用活動が停滞しやすく、特に同社が強みを持つIT・Web領域は景気変動の影響が表れやすいという特徴もある。好景気時には一気に業績が伸びる反面、悪化局面では調整に入ることもある。こうした要素を踏まえて、良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオを整理する。

【良い場合】
企業のDX投資やIT人材需要が高まり、採用活動が活発化する環境が続くケースでは、転職サイト「type」や「女の転職type」の利用者増、求人広告の拡大、人材紹介や派遣サービスの需要拡大が相乗効果を生む。営業利益率は9〜10%台を維持し、ROEも25%前後の高い水準をキープ。EPSが安定して伸び、増配も継続されれば、市場から成長企業として再評価される可能性が高い。特に広告・紹介・派遣の三位一体モデルが強固に回れば収益の伸びが加速することも十分あり得る。その場合、5年後には株価が3,200〜3,800円程度まで上昇し、配当収入も含めて総合的なリターンが大きくなるシナリオが描ける。

【中間の場合】
売上は着実に増えるものの、採用環境が特段強くも弱くもない状態が続くケース。営業利益率は8%台を維持し、ROEも20%前後で安定。大きな成長ドライバーはないものの、景気の波に左右されすぎない堅実な収益構造が評価される。特に高配当株としての魅力が投資家の関心を引き、株価の下値は強くなりやすい。事業拡大も派遣・紹介を軸に一定のペースで進むため、株価は緩やかな右肩上がりの展開となる可能性が高い。この場合、5年後の株価は2,600〜3,000円程度で推移し、現状からやや上昇する落ち着いた動きとなる。

【悪い場合】
景気後退によって企業の採用意欲が弱まり、求人広告出稿も抑制される状況が長引くケースでは、売上の伸びが鈍化し、人材紹介や派遣の稼働も落ち込む可能性がある。営業利益率は7%前後まで低下し、ROEも20%を下回る可能性があり、市場からの評価はやや厳しくなる。同社は高配当で下値の支えはあるものの、配当だけでは株価を維持できない局面も考えられる。長期間の低成長が続く場合は、株価が1,900〜2,200円程度まで調整する可能性が出てくる。ただし、構造的に赤字転落しにくいビジネスモデルであるため、極端な下落にはなりにくいという点は安心材料といえる。

【総合評価】
キャリアデザインセンターは、利益率の高さ、ROEの優秀さ、安定成長、そして高配当という4つの強みを持つ企業であり、基本的には大崩れしにくいタイプの銘柄である。人材サービスという景気敏感業種ではあるものの、IT・Web領域のニーズは中長期的に高く、安定した需要基盤がある。したがって、最も現実的なのは中間シナリオであり、安定的に配当を受け取りながら、業績改善に応じて株価の緩やかな上昇を狙う投資が適しているといえる。長期保有を前提にすると、値上がり益と配当の両方が期待できるバランスの取れた銘柄である。

この記事の最終更新日:2025年12月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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