株価
コアとは

コア株式会社は、東京都世田谷区三軒茶屋に本社を置く独立系システムインテグレーターで、車載用・産業用の組み込みソフトウェア開発からスタートし、現在では製造業・公共分野・社会インフラ向けソリューションへと事業領域を広げている。大手メーカー系に属さない独立系SIの強みを活かし、幅広い産業分野に柔軟な技術提供を行っている。
同社の事業は大きく3領域で構成されている。
未来社会ソリューション事業は、環境、災害対策、生活基盤など未来社会の課題解決を目的に、高付加価値のICTソリューションを提供する領域である。社会インフラのデジタル化、交通・防災・エネルギー分野に向けた技術開発が中心で、同社の新たな成長分野として位置づけられている。
産業技術ソリューション事業は、製造業を中心とした企業の業務課題に対し、GNSS(衛星測位)、IoT、AIなどの特化技術を活かして最適なソリューションを提供する領域。車載システムや産業機械向けソフト、高度な制御技術、センシング技術など、組み込み系から産業システム領域まで幅広い技術を展開している。
顧客業務インテグレーション事業は、企業の業務知識・ノウハウを活かしてICTトータルサービスを提供する領域で、業務システムの設計・開発・保守からインフラ構築、運用までワンストップで支援している。公共系・流通系・金融系など幅広い顧客を持ち、安定した需要がある。
また、コアは研究開発にも注力しており、「安心・安全・効率的な社会の実現」を掲げ、AI、ロボティクス、次世代通信、センサー技術などの先端分野に取り組んでいる。長年の経験をもとに、自社データセンターも運営しており、30年以上にわたり培った運用技術とノウハウを活かし、安全性の高いデータセンターサービスを提供している。
全体として、コア株式会社は「組み込み技術」と「社会インフラ・公共分野のシステム」という二つの大きな柱を持ち、さらにデータセンターと先端技術開発を加えた多層構造の事業展開を行う企業である。独立系としての柔軟性と専門性を活かし、今後も社会課題の増加と公共インフラのデジタル化を追い風に、堅実な成長を続けていくポジションにあると言える。
コア 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 22,848 | 2,743 | 2,812 | 1,968 | 137.9 | 40 |
| 連24.3 | 23,998 | 3,140 | 3,219 | 2,270 | 158.6 | 50記 |
| 連25.3 | 24,599 | 3,175 | 3,267 | 2,242 | 156.2 | 55 |
| 連26.3予 | 27,000 | 3,500 | 3,600 | 2,500 | 174.0 | 60 |
| 連27.3予 | 28,500 | 3,700 | 3,800 | 2,650 | 184.5 | 60〜65 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 1,943 | -378 | -678 |
| 連24.3 | 2,190 | -673 | -803 |
| 連25.3 | 2,372 | 49 | -1,136 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均/安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.0% | 13.0% | 9.0% | – | – |
| 2024 | 13.0% | 13.3% | 9.5% | – | – |
| 2025 | 12.9% | 12.1% | 8.9% | 12.8倍 / 9.8倍 | 1.53倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
コア株式会社の直近の業績推移を見ると、売上は239億から245億へ微増し、次期予想では270億まで伸びる計画となっており、成長スピードは穏やかだが確実に右肩上がりが続いている。営業利益は31億から31億へ横ばいだったが、26.3期では35億を見込んでおり、収益性の改善が少しずつ進んでいることが分かる。経常利益も32億から32億、そして36億の予想と、全体的に安定した伸び方になっている。
純利益に関しても、22億から22億とほぼ同水準で推移しつつ、26.3期予想では25億へ増加する計画となっているため、企業としての利益体力は堅調に積み上がっている。特に、組み込み系の受託開発や産業向けソリューションは景気変動の影響を受けにくく、ストック性の高い運用・保守領域も有しているため、利益のブレが小さいのが特徴だ。
収益性を示す営業利益率を見ると、12.0%、13.0%、12.9%とほぼ横ばいながら安定しており、SIerとしては中堅上位クラスの水準を堅持している。ROEは13%前後で推移し、資本効率は安定的で、特に過剰資本を抱えていない健全な経営がうかがえる。ROAは9%前後と、総資産に対する利益効率も一定水準を維持している。
バリュエーション面では、PERは高値平均で約12倍、安値平均では10倍を切る水準で、過度な割高感はなく、むしろ利益の安定性を考えると割安さがある数字とも言える。PBRは1.53倍で、純資産に対してややプレミアムが乗っているが、中堅IT企業としては標準的な評価といえる。
総合すると、コア株式会社は大きな成長を狙うタイプではないが、製造業・公共・インフラ分野のシステム需要を背景に、安定性の高い業績を維持している企業だ。利益は停滞しているように見えても微増を続けており、今後はDX需要や公共・インフラ向け需要の増加で業績改善が期待できる。景気敏感株ではなく、安定して働く堅実な企業という印象が強く、長期でじっくり保有するには向いているタイプの銘柄だと判断できる。
目先の急成長は見込みにくいものの、業績の底堅さと適度な割安評価が組み合わさっており、値下がりリスクは比較的低め。中期的には緩やかな株価上昇と安定配当を両立する可能性が高い企業と言える。
配当目的とかどうなの?
コア株式会社の予想配当利回りは、26.3期・27.3期ともに2.93%となっており、日本株の平均利回りとほぼ同等、やや上くらいの水準にある。高配当株とまでは言えないが、安定性を考えれば「配当目的でも十分検討できる銘柄」という位置づけになる。
まず、この会社は組み込みソフトからスタートした歴史を持ちながら、現在は産業・公共分野のソリューションや社会インフラ向けICTへ事業を広げており、売上も利益も大きく崩れにくい「安定収益型」のIT企業だという点が評価できる。業績は派手さはないものの、23.3期→24.3期→25.3期と売上・利益がじわりと増えており、EPSも緩やかに伸びているため、配当の原資となる稼ぐ力は増加傾向にある。
また、配当性向は極端に高くなく、利益の範囲できちんと配当しているため、無理な高配当で自転車操業になっているような企業とは違う。業績の安定性と、適度に抑えられた配当性向を考えると、減配リスクはそこまで高くない。むしろ、利益が増えればその分自然に増配される余地も残っている。
ただし、IT企業としては成長スピードが爆発的というわけではなく、株価自体が急騰しやすいタイプでもないため、「配当+ゆっくりした株価上昇」を期待するスタンスが向いている。利回りは約3%前後にとどまるため、高配当株狙いの投資家にはやや物足りないかもしれないが、安定して配当を受け取りつつ着実に企業価値が積み上がっていくタイプの銘柄といえる。
総合的に見ると、コア株式会社は「安定配当を長期で受け取りたい投資家」との相性が良く、利回りも平均より少し高めで、業績のブレも小さい。高配当を追い求める銘柄ではないが、配当を目的としつつ安心して保有できる企業という評価が適切になる。長期の資産形成の中で、バランスよく配当をもらいたいタイプの人には向いていると言えるだろう。
今後の値動き予想!!(5年間)
コア株式会社の現在値は2,043円だが、同社は独立系SIとして車載・産業・公共・社会インフラといった複数の領域に事業を広げており、安定した受注基盤を持つ企業だ。特にここ数年は、組み込みソフト中心から製造業DX、公共インフラ向けシステム、GNSS・IoT・AIなどの特化技術を活かしたソリューションへと事業の軸足を広げている。これにより、景気後退局面でも業績が大きく崩れにくい構造になっているのが特徴だ。また、自社データセンターを長年運営しており、インフラ系のストック収益も持っているため、ITサービス企業の中でも比較的安定感があるタイプと言える。
実際の業績推移を見ても、売上は緩やかに増加し、営業利益・経常利益も着実に積み上がっている。利益率は12〜13%台で推移しており、独立系SIとしては上位クラスの収益性を確保できている。純利益も安定して伸びており、EPSは156円台から174円へ上昇している。ROEは12〜13%ほどで、過度に高くはないが安定して収益を生み出せている印象だ。一方で、PERはおおむね10〜13倍と中庸で、過度な過熱感はなく、割安でもない“適正評価ライン上”で推移している。
こうした背景を踏まえると、今後5年間の株価は急騰するような成長株の動きにはなりにくいが、業績が堅調に推移することで中長期的にはじわじわと底上げされる展開が想定される。そこで、良い場合・中間・悪い場合の3シナリオに分けて予測すると以下のようになる。
まず良い場合のシナリオでは、DX需要が継続し、特に製造業の自動化や産業IoT需要が拡大、公共インフラの更新投資も追い風となるケースだ。組み込み技術とAI・センサー技術を組み合わせた高付加価値案件が伸び、利益率も改善傾向が続く。このような状況では、株価は5年後におよそ2,700〜3,300円のレンジまで上昇する可能性がある。市場環境がよく、企業のIT投資が継続的に増える場合のシナリオだ。
次に中間シナリオでは、現在の成長ペース(売上2〜3%成長、利益も緩やかな上昇)が続き、PERもほぼ横ばいの水準を維持するケース。この場合、株価は5年後に2,200〜2,600円あたりの、緩やかな右肩上がりの動きが期待される。急騰はないものの、安定した受注基盤と堅実な利益成長が株価を下支えする無理のない展開になる。
悪い場合のシナリオとしては、景気後退による設備投資の減速、自動車メーカーの投資サイクルの低迷、公共投資の一時的な鈍化などが考えられる。また、IT業界全体の調整局面が来た場合、中小型SIは全体的に売られやすい。仮にこうした環境になった場合は、株価が1,600〜1,850円程度まで調整する可能性がある。ただし、コアは保守・運用のエンハンス領域やデータセンターなどのストック収益があるため、極端な下落や長期低迷のリスクは比較的低い。
総合的に見ると、コア株式会社は急成長株ではないが、事業基盤の安定性と堅実な成長が評価でき、長期では「緩やかな右肩上がり」が最も確率の高いシナリオだと考えられる。大きなリスクを取りたくないが、安定したIT企業の成長に期待したい投資家には向いている銘柄で、長期保有との相性が良いタイプと言える。
この記事の最終更新日:2025年12月1日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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