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日清オイリオグループ(2602)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

日清オイリオグループとは

日清オイリオグループ株式会社は、東京都中央区に本社を構える日本の大手食用油メーカーであり、調味料や健康オイルなど多様な食品を扱う総合油脂企業である。同社のコーポレートステートメント「植物のチカラ」は登録商標にもなっており、植物由来の素材を活かした商品開発を企業活動の中核に位置づけている。

同社の原点は1907年創業の「日清製油」にあり、「日清サラダ油」をはじめとする日清ブランドは長年にわたり家庭用の定番として親しまれてきた。かつて象徴として使われていたナイフフォークマークは、多くの家庭の食卓に日清製品が浸透していたことを示している。2002年には日清製油、三菱商事系のリノール油脂、日本興油を前身とするニッコー製油が経営統合し、日清製油は持株会社「日清オイリオグループ」へ移行。さらに2004年には4社が合併して現在の体制を確立した。なお、「日清食品」「日清製粉」「日清紡績」などの“日清”を冠する他の有名企業とは資本関係がなく、名称のみが共通している点は誤解されやすい。

社名の「OilliO(オイリオ)」は “Oil” と、それを反転させた “liO” を組み合わせた独自の造語で、「製油業を原点としながら、新分野へ挑戦し続ける」という企業姿勢が込められている。同社は家庭用・業務用の油脂事業を主力とし、日清キャノーラ油、日清サラダ油、日清ヘルシーオフ、BOSCOオリーブオイルなど幅広い製品ラインナップを持つ。近年では健康志向の高まりを背景に、MCTオイル、アマニ油、えごま油などの機能性油脂が成長分野として注目されており、「日清MCTオイル」は機能性表示食品としての登録も行われている。

さらに、国内市場だけでなく東南アジアを中心に海外展開も積極的に進めている。人口増加や食用油需要が拡大する地域での事業強化は、同社の成長戦略において重要な柱となっており、グローバル企業としての存在感も着実に高まっている。

総合すると、日清オイリオグループは100年以上の歴史を持つ日本を代表する食用油メーカーであり、日清ブランドやBOSCOブランドに象徴される強いブランド力を背景に、伝統的な油脂事業を基盤としながら、健康系油脂という成長分野と海外市場の拡大に積極的に取り組んでいる企業である。長い歴史の中で築いた信頼と、新たな市場への挑戦姿勢が融合した企業として、今後も多方面での事業展開が期待されている。

日清オイリオグループ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(円) 一株配当(円)
連23.3 556,565 16,186 16,242 11,157 344.3 120
連24.3 513,541 20,840 20,033 15,148 467.4 170
連25.3 530,878 19,278 18,089 12,850 396.4 180
連26.3予 555,000 19,500 18,000 25,900 816.1 180〜200
連27.3予 577,000 20,500 20,000 14,100 470.9 190〜200

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 398 -6,143 6,342
2024 36,715 -16,083 -14,586
2025 21,166 -9,590 -13,885

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 2.9% 6.8% 2.9%
2024 4.0% 8.2% 3.8%
2025 3.6% 6.8% 3.3% 高値平均 11.9 / 安値平均 8.6 0.80

出典元:四季報オンライン

投資判断

日清オイリオの業績推移を見ると、売上は安定的に伸びているものの、利益水準は大きく伸びたり落ち込んだりするわけではなく、比較的落ち着いた範囲で推移している。2024年3月期は営業利益208億、経常利益200億、純利益151億と堅調だったが、2025年3月期では営業利益192億、純利益128億とやや減益。ただし、2026年3月期の会社予想では純利益が259億と大幅な伸びを見込んでいるため、一時的な利益変動である可能性もある。

EPS(1株益)は467円 → 396円 → 816円(予想)と動きが大きいが、これは2026年3月期の純利益急増予想による特殊要因が大きいと考えられる。配当も170円 → 180円 → 180〜200円と徐々に増えており、株主還元意識は高い。

営業利益率は4%前後で、食品メーカーとしては標準的な水準。高収益企業ではないが、極端に低いわけでもない。ROEは8%前後と一定の資本効率を維持しており、ROAも3〜4%と安定している。これらの数値から、収益基盤は堅く、大きなブレの少ない事業構造であることが読み取れる。

PERは2025年の高値平均で11.9倍、安値平均で8.6倍と、割安と言ってよい水準にある。PBRも0.8倍と1倍を下回っており、資産価値に対して市場評価が低めであることがわかる。この点は、投資家から見れば割安株としての魅力がある部分だ。

総合的にみると、日清オイリオは派手な成長企業ではないが、安定収益・安定配当・低PBRという「保守的な投資テーマ」を満たす銘柄といえる。急成長を狙う投資には向かない一方で、大きく下がりにくく、長期でじっくり持つには適した企業だ。特にPBRが1倍を下回る状態が続いている点を考えると、企業価値の割に株価が抑えられており、下値リスクの限定性が期待できる。今後の焦点は、2026年3月期の利益急増予想が実現するかどうかであり、それが確認できれば株価の見直し買いが進む可能性が高い。

安定収益型で、割安水準で買いやすい銘柄という位置づけになり、長期保有を前提に配当と緩やかな株価上昇を期待したいタイプの企業と言える。

配当目的とかどうなの?

日清オイリオグループを配当目的で考えると、結論としてはかなり相性の良い銘柄だと言える。予想配当利回り(2026・2027年度)は3.46%と食品メーカーとしては比較的高く、日本株全体の平均を上回る水準になっている。しかも同社は食用油という生活必需品を扱うディフェンシブ企業であり、景気の波に左右されにくいという性質を持っているため、配当の安定性という点でも安心感がある。

配当額そのものもここ数年は170円、180円、そして180〜200円と緩やかに増えており、急激に増配するタイプではないが、確実に株主還元の姿勢を示している点は評価できる。業績面を見ても、営業利益率は決して高くはないものの安定して推移し、ROEも7〜8%台で資本効率としては十分。特にPBRが0.8倍と1倍を下回っている点は、企業の資産価値と比べて株価が割安に放置されていることを示し、配当だけでなく“割安株としての魅力”も兼ね備えている。

さらに、会社側は2026年3月期に純利益の大幅増を予想しており、この計画が実現するのであれば追加の増配余地も生まれる。キャッシュフローも改善傾向にあり、配当の持続性という面でも大きな懸念はない。

総合的に見ると、日清オイリオは高配当株ほど利回りが突出しているわけではないが、安定した事業基盤、割安感のある株価、そして無理のない増配姿勢が揃っており、長期で確実に配当を積み上げたい投資家に向いている銘柄だと言える。派手さはないが堅実で、じっくりと配当を受け取りながら保有するタイプの投資対象としては非常に適した企業である。

今後の値動き予想!!(5年間)

日清オイリオの現在の株価(5,190.0円)から今後5年間の株価を考えるうえで重要になるのは、安定した事業基盤と、利益が大きく伸びにくいという構造の両面だ。食用油は生活必需品であるため需要は安定しており、業績が乱高下するようなリスクは小さい。一方で、原材料価格や為替の影響を受けやすく、利益率は食品メーカーとして標準的な水準に留まる。そのため、株価は急騰しにくいが、急落もしにくいという特徴を持つ。

良いシナリオでは、健康油や高付加価値商品の拡大、東南アジアでの販売増、そして2026年3月期に会社が見込んでいる純利益の大幅増が実現するケースだ。営業利益率が4%台からさらに改善し、ROEも2桁に近づくような展開になれば、市場の評価も上向く。PERが現在より引き上がり、株価は5年後に6,000〜7,000円程度まで上昇する流れが期待できる。決して爆発的な伸びではないが、堅実に右肩上がりとなる展開だ。

中間シナリオでは、売上の伸びは維持しつつも、利益は現在の水準で横ばいが続くケースが想定される。事業は安定しているものの、新しい成長分野が大きく花開くというほどではない状況だ。こうした場合、株価は上にも下にも大きくは動かず、5年後には4,800〜5,500円程度のレンジで推移する見込みが高い。食品メーカー特有のディフェンシブ性から、値動きは落ち着いたものになりやすい。

悪いシナリオでは、原料価格高騰や円安進行の影響でコスト負担が増し、利益が圧迫される場合だ。食品メーカーは価格転嫁が遅れれば利益が直撃し、営業利益率が3%を割り込むような事態になれば、株価の見直し売りが起こる可能性がある。この場合、株価は5年後に4,000〜4,500円程度まで下落するシナリオも考えられる。ただしディフェンシブ業種であるため、極端な暴落リスクは比較的少ない。

総合すると、日清オイリオは急成長を狙う銘柄ではないが、安定した事業基盤、比較的高めの配当利回り、低PBRによる割安感を背景に、大きく崩れにくい性質を持つ。良い場合はじわじわ上がる、悪くても緩やかに下がるといった動きが想定され、株価のボラティリティは小さめだ。長期で安定的に保有するには向いているが、短期的な派手な上昇を期待するタイプの銘柄ではないと言える。

この記事の最終更新日:2025年12月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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