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ゲオホールディングス(2681)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ゲオホールディングスとは

株式会社ゲオホールディングスは、愛知県名古屋市中区に本社を構える持株会社であり、全国にレンタルビデオショップやリユースショップを展開するゲオグループの中核企業である。特にリユース市場では国内シェア1位を誇り、中古衣料からブランド品、家電、スマホ、ゲーム、高級時計に至るまで幅広い商材を扱い、総合リユース企業として強い存在感を示している。

ゲオグループは、長年にわたり徹底したコスト削減と安価な商品・サービス提供を武器に事業を急成長させてきた。競合するレンタルビデオ店を買収し、中古ゲームや中古家電の販売・買取に業態転換して収益構造を改善したり、民事再生となった異業種の大型店舗をゲオショップに転換して再建するなど、積極的なM&Aや事業転換によって全国に店舗数を一気に拡大したことでも知られる。こうしたスピード成長の結果、設立からわずか15年でナスダックジャパン上場、さらに東証一部(現プライム市場)への上場を果たした。

ゲオホールディングスの事業は大きく分けて、リユース事業、レンタル事業、小売事業の3つを軸に展開されている。特にリユース事業はグループの収益の柱であり、全国展開する「セカンドストリート(2nd STREET)」がその中心的存在となっている。衣料品・服飾雑貨をはじめ、アウトドア用品、家具、家電、スマホ、ブランド品まで中古市場全体を幅広くカバーしており、国内だけでなく海外にも店舗網を広げている。

レンタル事業では、DVD・BD・CDなどの映像・音楽メディアのレンタルを依然として継続しており、サブスク時代においても独自のニーズをつかんで一定の利用者が残っている。また、ゲームの販売・買取や中古スマホの取扱いなど、リアル店舗の強みを活かしたサービス領域も拡大している。近年ではオンライン販売の強化や、店舗在庫のネット販売(O2Oモデル)も進めており、リアル店舗とデジタルの融合を進めている。

ゲオホールディングスは、リユース市場の拡大とともに、店舗型リユース事業のトップとしての地位を確立し、消費者の節約志向やサステナビリティの流れに乗る形で市場をさらに広げている企業である。

ゲオホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株益(円) 1株配当(円)
連23.3 377,300 10,620 11,926 5,681 135.9 24
連24.3 433,848 16,814 18,749 10,902 275.3 29
連25.3 427,669 11,250 12,224 4,537 114.3 34
連26.3予 470,000 11,500 11,000 5,500 138.4 34
連27.3予 500,000 12,500 12,000 6,000 151.0 34

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 4,283 -9,589 3,938
2024年3月期 9,296 -10,401 12,396
2025年3月期 8,012 -12,494 10,778

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 2.8% 7.3% 2.8%
2024 3.8% 12.5% 4.7%
2025 2.6% 5.0% 1.7% 8.4〜14.9 0.71

出典元:四季報オンライン

投資判断

ゲオホールディングスの業績を数字だけから見ていくと、この会社の特徴が非常にはっきりと浮き上がってくる。まず、連24.3では売上が4300億円台、営業利益は160億円台、純利益は100億円を超えており、かなり力強い利益を出していた。しかし翌年の連25.3になると、営業利益は112億円、純利益は45億円と大きな落ち込みを見せており、稼ぐ力が一気に弱まっているのが分かる。連26.3予では売上が4700億円まで戻るものの、営業利益・経常利益ともに110億円前後、純利益も55億円程度と、前々期の水準までの回復には至っていない。

収益性の指標もそれを裏付けている。営業利益率は2.8%から3.8%へ上がった後、再び2.6%へ低下しており、安定感に欠ける推移となっている。ROEも12.5%まで伸びたものの、その後5.0%まで大きく低下し、資本を効率よく増やしているとは言いにくい状況だ。ROAも4.7%から1.7%へと落ちており、企業全体として効率性がかなり弱まっていることが読み取れる。

こうした業績の波が大きい中で、株価指標を見ると少し違った表情をしている。PBRは0.71倍とかなり低く、市場から割安株として扱われていることが分かる。PERも安値平均で8倍台と、低収益企業としての評価が既に進んでいるとも言える。ただし、この割安感は「業績が不安定だから安い」という理由で成立しているため、割安だからといって自動的に魅力的な投資先とはならない点には注意が必要だ。

結局のところ、ゲオは売上規模こそ大きく、リユース事業を中心に強いブランドを持っているが、利益が安定しないために企業価値が伸びにくい構造になっている。業績が良い時はしっかり稼ぐが、悪い時の落ち込みも大きい。そのため、株価も上にも下にも振れやすく、長期で安定した成長を望む投資には向きにくい側面がある。一方で、割安圏にある分、悪材料が出尽くしていれば下値は比較的固くなることもある。

総合すると、ゲオホールディングスは「業績が改善し始めたタイミングで買うと妙味があるが、今の利益水準だけで考えると積極的に買う理由は強くない」というタイプの銘柄だと言える。業績回復の兆しや利益率が反転する気配が見えてくるまでは、無理に手を出すより慎重に様子を見る方が安全な銘柄である。

配当目的とかどうなの?

ゲオホールディングスの予想配当利回りは連26.3・連27.3ともに2.04%と、一般的な日本株の水準から見ると「可もなく不可もなく」の領域に入る。高配当株として積極的に選ばれるレベルではなく、かといって特別低いわけでもない。ただ、この利回りで配当目的の投資が成立するかどうかを考えると、重要なのは利回りそのものよりも、企業が配当を安定的に維持できるかどうかにかかってくる。

ゲオの場合、実はここに不安要素がある。数字だけを見ても分かる通り、連24.3では純利益109億円あったものが、翌年には45億円へ、さらに予想では55億円という形で、利益が安定せず大きく上下している。EPSも275円から114円まで落ち込み、翌期予想で138円というレベルだ。利益の波が大きいということは、企業が配当を無理なく維持できるかどうかの不透明さにつながる。

特にゲオは利益率が非常に低く、営業利益率も2~3%台を行き来しているため、利益のちょっとした変動が配当余力に直結しやすい体質になっている。ROE・ROAも再び低下しており、企業としての稼ぐ力が鈍っていることを示している。こうした環境では、仮に今の配当が維持されていたとしても、それが将来も続く保証にはならず、配当目的で投資する場合の“安心感”はあまり高くない。

また、利回りが2.04%ということを考えると、リスクの割にはリターンが小さいという問題もある。市場には3~4%台で、なおかつ利益が安定している銘柄も珍しくないため、ゲオのように業績の振れ幅が大きい企業をあえて選ぶ理由は弱い。株価が下がってしまえば、2%の配当では簡単に相殺されてしまう可能性もある。

結論として、ゲオを配当目的で買うという選択は、現時点ではあまり魅力的とは言い難い。利回りは特別高くなく、利益の安定性も低い。配当を狙うなら、より利回りが高く、利益が安定している企業の方が安心感が大きい。ゲオはどちらかというと、業績が持ち直す局面を狙う投資向けであり、「安定配当をじっくり受け取りたい」というタイプの投資家にはあまり向かない銘柄だと言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

ゲオホールディングスの現在値1,660円を起点に、ここから5年間で株価がどう動きやすいかを考えると、この会社の特徴を象徴する「利益の振れ幅の大きさ」がまず重要になってくる。売上は4000億円台後半で安定しているものの、営業利益・純利益は年によって大きく動き、連24.3では純利益109億だったのが、翌年には45億へ急落。その後の予想でも55億程度にとどまるなど、企業の稼ぐ力が固定化されていない。EPSも275円から114円まで落ち込み、その後138円と半分以下の水準で推移する見通しで、投資家が安心して継続的な成長を期待しにくい構造になっている。

利益率も同様で、営業利益率は2〜3%台を行き来し、ROEも12%から5%へ落ち込むなど、収益性の低下がはっきりと数字に出ている。リユース事業は需要の波が大きく、商品構成によって粗利が変動しやすい上、レンタル事業も完全に安定したビジネスとは言い難い。こうした構造的な“利益の揺らぎやすさ”が、株価を上にも下にも動きやすくしている。

一方で、これだけ利益が乱高下しているにもかかわらず、株価は極端に崩れていない。その理由はPBR0.71倍という明確な割安感にある。市場はすでに「安定した高収益企業ではない」と評価しつつも、事業基盤の強さと店舗型リユース市場での確固たる地位を織り込んでおり、割安水準に放置されていることが下値を支える形になっている。

この前提をもとに株価の5年後を良いケース、中間、悪いケースで整理すると、次のような未来が見えてくる。

良い場合は、リユース市場拡大と店舗改善が進み、利益率が底打ちしてEPSが160〜200円台まで回復するケースだ。物流効率の改善や高単価商材の売上構成比の上昇などが進めば、市場の評価は自然に戻り、PER12〜15倍程度までは十分狙える。そうなれば株価は1,900〜2,400円あたりまで上昇しても違和感はない。ゲオは事業そのものが縮小傾向にある企業ではないため、利益が持ち直せば素直に株価に反映されるタイプでもある。

中間のケースでは、今の構図がそのまま続くイメージだ。売上は伸びているが利益は安定せず、EPSが110〜150円のレンジに収まり、PERも10倍前後で推移するような状態。同社は利益率が低いため少しのコスト増や商品構成の変化で利益がぶれるが、同時に株価も下がりすぎないという特徴がある。この場合の株価は1,500〜1,800円程度で、現在値から大きく離れず“横ばい調整の5年”になりやすい。

悪い場合は、利益の不安定さが続き、EPSが100円を割り込んだり、ROEが5%以下で長く推移するケースだ。市場からの評価がさらに弱まり、PERは8倍以下、PBRも0.6倍前後になってくる可能性がある。そうなると株価は1,000〜1,400円まで沈むこともあり得る。急落するというよりは、利益が改善しないことでじわじわ値を削る展開が想定される。

まとめると、ゲオの株価は利益の状態が全てで、良い時にはしっかり評価されるが、悪い時にはすぐ割安放置されやすい。現在値1,660円という位置は、ちょうど「良くも悪くもない中間ライン」で、ここから上に行くには利益の回復が必須で、下に行く場合は利益低迷が続くかどうかにかかってくる。現時点では上にも下にも振れやすく、5年間で大きく成長する株ではないが、復調の波に乗れば評価が戻る余地は残されている、そんな位置にいると言える。

この記事の最終更新日:2025年12月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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