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あみやき亭(2753)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

あみやき亭とは

株式会社あみやき亭は愛知県春日井市に本社を置く焼肉チェーンの運営企業で、1995年6月の設立後すぐに同年7月に「あみやき亭」1号店を開業し、ここから現在の事業の源流が始まった。東海圏を中心に店舗展開してきた企業で、国産牛を主体としたメニュー構成を特徴とし、焼肉チェーンでありながら肉の品質と鮮度へのこだわりを強く打ち出している点が他社と差別化されている。

チェーン展開の伸びとともに、メインブランドの「あみやき亭」は地域に根付いていき、同エリアでは比較的知名度の高い焼肉業態として確立されている。また同社は焼肉以外にも焼鳥業態「元祖やきとり家 美濃路」を展開し、こちらも東海地方を中心に多店舗化を進めてきたほか、「焼肉食べ放題どんどん」やステーキと米に特化した「感動の肉と米」など複数の外食ブランドを持つことで価格帯や提供スタイルの幅を広げている。

本部敷地内には直売所を設け、店舗で使用する肉を一般客へ販売している点も特徴であり、飲食だけに収益源を固定せず、生肉販売という形で顧客接点を広げる仕組みを有している。店で食べる料理と販売される肉が直接繋がっているため、品質の透明性が担保されやすく、チェーンでありながら生鮮精肉を扱う専門性を維持できている。焼肉業態が中心ではあるが、「食材を仕入れて提供するのではなく、自社の肉として出す」というスタンスは飲食チェーンの中でも特徴的であり、原材料の強さがブランド価値や満足度に直結している。

店舗構成を見ると、焼肉の「あみやき亭」、焼鳥の「美濃路」、食べ放題系の「どんどん」、定食とステーキに重心を置く「感動の肉と米」という複数の系統を揃え、利用目的・客層・単価帯に合わせて選択肢を持たせる形になっている。ファミリー層・学生・単身利用と幅広い客層を取れるため、不況下でも一定の集客が見込めるモデルである一方、収益は食材価格や人件費の影響を受けやすい業態で、運営効率とコスト管理が企業の利益水準を左右する。地域密着型で東海を主軸としたブランド力、直売所による素材の強み、複数ブランド展開によるメニュー幅などを組み合わせて、店舗網を拡張してきた会社と言える。

あみやき亭 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 配当(円)
連23.3* 28,538 422 701 132 6.4 13.3
連24.3* 33,267 2,221 2,311 1,307 63.6 30
連25.3* 35,332 2,638 2,726 1,736 84.5 34
連26.3予 40,500 2,910 3,000 1,910 93.0 34
連27.3予 41,900 3,110 3,200 2,100 102.2 34〜38

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 2,031 -1,105 -311
2024 3,531 -1,619 -679
2025 2,712 54 -892

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 1.4% 0.6% 0.5%
2024 6.6% 6.2% 4.7%
2025 7.4% 7.9% 6.2% PER 73.8〜60.7倍 PBR 1.24倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

あみやき亭の直近推移を見ると、売上は332億 → 353億 → 405億と伸び、営業利益は22億 → 26億 → 29億、経常利益は23億 → 27億 → 30億、純利益は13億 → 17億 → 19億と、規模が極端に大きくはないものの確実に積み上げる動きを示している。停滞ではなく緩やかに右肩上がり、そして回復から成長へと移っている印象。営業利益率は1.4% → 6.6% → 7.4%と改善が急で、2023時点の低収益体質から短期間で利益率を引き上げているのはポジティブ。ROE0.6% → 6.2% → 7.9%、ROA0.5% → 4.7% → 6.2%も同様に効率性の改善が顕著で、粗利率よりも利益構造見直しの成果が出ていると見て良い。

ただ、ここで非常に重要なのが株価指標。2025年のPERは安値60倍台・高値70倍超と明確に割高圏。PBR1.24倍は高すぎないが、利益水準から見ると市場は期待成長を織り込んでいる状態で、将来利益が思ったほど伸びなければバリュエーション調整の下落リスクは十分ある。つまり数字は進歩しているのに、株価は既にその未来を前倒しで買ってしまっている可能性がある。

まとめると、業績面は回復→成長へ乗りつつあり、利益率改善と効率向上は評価できる。一方で株価水準は今の利益に対し評価が進みすぎていて、成長前提の期待株であり、割安感で買う銘柄ではない。短期で飛び付きやすいタイプではなく、成長が鈍れば落ちるリスクも抱える。買うなら決算改善が継続していることを確認しつつ押し目で拾う形が現実的で、長期視点で利益体質への変化を信じるなら保有も検討余地はあるが、安く買う余地を狙うならタイミングを見るべき銘柄という判断になる。現状は伸びの方向性は持っているが、買いやすい価格帯とは言い切れない位置にある。

配当目的とかどうなの?

あみやき亭の予想配当利回り(2026・2027年度)は2.52%で横ばい見込みとなっており、利回りだけを見ると高配当とは言い切れず、配当を主目的とする投資としてはやや物足りない水準。ただ、業績が回復し利益が伸びている中で利回りが安定維持されているのは評価できる点で、今後も増益が続けば配当余力は大きくなり、増配の余地は持っていると考えられる。現状の利回りは魅力的な「配当株」というよりは、成長途中の企業が出せる無理のない還元というバランス型に近い。

ポイントは、配当利回りで買う優位性は弱いが、成長と合わせて保有するなら悪くないという立ち位置。PERが60〜70倍と高いため、利回り目的だけで保有すると株価下落リスクに対して受け取る利益が相対的に見合いづらく、配当だけ期待して買う銘柄ではない。むしろ営業利益率の改善、ROE・ROAの上昇といった収益構造の転換が今後も続くと信じる前提がある場合、それに付随して2.5%の配当が付いてくるという考え方の方が現実的。

結論として、あみやき亭は配当目的だけで選ぶには利回りが中途半端だが、成長と合わせた総合リターンを狙う場合なら選択肢に入る銘柄。配当はあくまでおまけであり、業績改善の継続が前提条件になる。逆に利益成長が止まれば利回りも物足りないまま株価が下がるリスクがあるため、配当だけで持つよりも成長余地を見ながら押し目で拾いにいく方が合理的なスタンスといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在株価1,344円のあみやき亭が今後5年間でどのように推移するかを考えると、まず前提として業績は売上・利益ともに上向き、営業利益率・ROE・ROAの改善も見られているため、企業としては回復フェーズから成長フェーズへ移ろうとしている段階にある。ここからさらに利益率が伸び、既存店売上・客単価・来店頻度が維持され、店舗効率改善が持続できるかどうかが株価の中長期を左右するポイントになる。

もしこのまま利益拡大が継続し、営業利益率が現在の7%台から8%・9%へと伸び、ROEも10%前後まで改善するような展開になれば、市場は「成長が続く外食企業」と評価し始め、株価は5年後に1,900円〜2,400円ほどまで上昇しても不思議ではない。特に客単価を落とさず既存店舗の収益性を高められた場合、新規出店ペースを無理に上げずとも利益は積み上がるため、EPSが増え配当も引き上げられる可能性がある。つまり成長と配当の両方でリターンを取れて、株価は緩やかだが確実な上昇を目指せる「良いシナリオ」になる。

一方で利益成長は続くものの伸びが緩やかになり、営業利益率7%前後・ROEも7〜8%のあたりで安定する場合、株価は劇的に上がるわけではないが下げる理由も強くなく、1,400円〜1,700円の横ばい〜軽い上昇に落ち着く可能性が高い。成長はしているがマーケットは既に期待を織り込んだ株価水準にあり、インパクトのある伸びがなければ株価は上下に動きにくい。この状態では保有する意味は全くなくはなく、配当を受け取りながらゆっくり含み益が増えるタイプになるため「安定重視・中間シナリオ」と呼べる。

逆に収益性改善が鈍化したり、物価上昇や人件費の増加でコストが圧迫され、利益が横ばい〜微減になると株価は期待修正が起こり、PERが現在の水準を維持できなくなる。そうなると株価は1,000円〜1,150円程度まで調整が入る余地があり、今の株価から見ると下落の方が早い可能性がある。特に外食は景気に左右されやすく、需要減少や競合強化が重なると一気に利益率が低下し、回復局面という評価が失われる。期待先行で買われている分、崩れると戻りにくい「悪いシナリオ」といえる。

結論として、あみやき亭は業績改善が続く限り株価に伸びしろはあり、5年で2,000円台を狙える未来も見える一方で、現時点のPERは高く、伸び悩めば株価の調整リスクも十分に残る。配当だけで持つ銘柄ではなく、業績と利益率改善の継続を前提に中長期で追うタイプ。買うなら決算を見ながら押し目で拾う戦略が現実的で、大きく上がる場合・横ばいで利回りを得る場合・期待剥落で下げる場合の3方向がはっきりしている銘柄と言える。

この記事の最終更新日:2025年12月4日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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