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SREホールディングス(2980)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

SREホールディングスとは

SREホールディングス株式会社は、ソニーグループ発の新規事業として2014年に設立されたAI×不動産テクノロジー企業で、現在は東証プライム上場企業でありソニーグループ株式会社の連結対象会社である。事業の柱は「AIクラウド&コンサルティング事業」と「ライフ&プロパティソリューション事業」の2つで構成されており、不動産を中心としたリアルビジネスで得た知見や取引データをAI技術の開発に活用し、テクノロジーと実業を循環させながら成長するビジネスモデルを持つ企業である。

創業当初は売却側と購入側の担当者を完全に分ける「エージェント制」により不動産仲介の透明性と顧客満足度向上を図り、その後「おうちダイレクト」によるダイレクト取引モデルを展開。リアルな不動産取引から得られるデータをもとに2015年にはAI査定エンジンを開発し、機械学習・ディープラーニングを活用した業務支援システムを社内導入、さらに外販へと進化させた。2018年にはAI技術を専門とする子会社SRE AI Partnersを設立し、AIを中心としたクラウドソリューションと分析・予測モデルの提供を加速させたことで、単なる不動産会社ではなく業界DXを推進するテクノロジーカンパニーとして位置づけられるようになった。

AIクラウド&コンサルティング事業では、仲介業務の査定から契約書作成までDX化するクラウドツールを提供しており、不動産会社・金融機関向けに「AI査定CLOUD」「マーケティングCLOUD」「契約重説CLOUD」を展開している。また、アナリティクス領域では証券会社の顧客レコメンドAIや電力需給予測、ローン審査モデル、自動価格調整アルゴリズムなど不動産以外の産業にも広くAIを導入している点が特徴である。

一方、ライフ&プロパティソリューション事業では、仲介コンサルティングやアセットマネジメントに加え、マンション・オフィス・商業施設・ホテル・シニア施設などの開発・投資・販売まで手掛け、IoT・ESG対応物件も扱う。仲介では売主と買主の担当エージェントを分離し利益相反を回避しながらテクノロジーで業務効率を高めるモデルを採用している。

SREホールディングスの最大の特徴は、不動産・金融・ヘルスケアなど複数領域の「実業=リアルデータ」を自社で蓄積し、それをAI・クラウドに還元してプロダクト価値を向上させ、更に顧客企業へ販売するというループ構造を持つことにある。単なるSaaS企業でも不動産会社でもなく、実業を持つからこそ磨かれる技術と、それをソリューションとして外部に展開できる点が、他社にはない競争優位性となっている。ミッションは「今の先鋭が10年後の当たり前を造る A DECADE AHEAD」。リアルビジネスで得たデータを起点に産業そのもののDXを推進する企業である。

SREホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当(DPS)
連23.3 18,541 1,686 1,540 1,148 71.1 0
連24.3 24,218 2,212 2,058 1,388 85.8 0
連25.3 26,690 3,107 2,903 1,697 105.5 15
連26.3予 35,200 4,100 3,700 2,250 139.6 18
連27.3予 40,500 5,350 4,850 2,800 173.7 18〜20

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2023 4,360 -427 -3,125
2024 452 -376 -554
2025 435 -1,366 1,935

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 9.0% 10.4% 5.2%
2024 9.1% 11.4% 5.7%
2025(実績) 11.6% 12.4% 5.5% 高値平均 56.7倍 / 安値平均 24.2倍 4.01倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上は242億→266億→352億と強い成長を見せており、利益も22億→31億→41億と拡大しているため、事業規模・収益面ともに伸びがある会社として評価できる。EPSも85→105→139へと増加しており、一株あたり利益が積み上がっている点はとても良い。営業利益率は9%台から11%台へと改善しているため、売上の拡大が単なる量的伸びではなく、利益効率も高まっていると読み取れる。ROEも10%→11%→12%台へと毎年上向いており、企業が資本を効率よく回し利益を生んでいることがわかる。ROAも5%前後で安定しているため、総資産の収益性も大きな崩れはなく、利益成長が数値に裏づけられた形になっている。

一方で、バリュエーションに目を向けると、PBR4.0倍・PERが安値でも24倍、高い時は56倍という水準は、かなり成長期待を織り込んだ株価形成になっている。つまりこの銘柄は「利益が伸びたから株が上がる」というよりも、「利益が伸び続ける前提で今の株価が成立している」タイプと解釈するのが自然で、良い決算が出ても驚きがなければ株価は大きくは動かない可能性がある。逆に失速すれば想定以上の下落リスクも持ち合わせている。

まとめると、この企業は売上と利益が綺麗に伸びており、ROEも成長していて事業の質も良い。ただし、PER・PBRともに高めで市場からの期待値はすでに高い。数値ベースでは成長株として魅力は強く、中長期的なグロース性を狙う投資には向く。一方で、バリュエーション面では割安とは言い難く、投資するなら期待が続く前提で持つ必要がある。判断としては、「伸び続ける企業を追いかけたい人には買い寄り、慎重に安全を求める人には高めのリスク付き」という位置づけになる。

配当目的とかどうなの?

SREホールディングスの予想配当利回りは連26.3・連27.3ともに0.53%で推移しており、現状では株主還元よりも事業成長を優先している印象が強い。一般的に配当を目的とする投資では利回り3%以上を一つの目安とすることが多く、1%以下という数値は純粋な配当狙いでは候補から外れる水準といえる。つまり、今後増配が続くのでなければ、インカムゲインを求める投資対象としては期待値が低い。

ただ注目すべきポイントは、同社の利益は伸びており、一株益(EPS)も年々増加しているという点だ。利益成長が続く企業は後から配当余力が生まれるため、長期的には増配の可能性が全くないわけではない。しかし現時点の利回りが0.5%台である以上、「配当を受け取りながら資産を増やす銘柄」というよりは、「企業が成長し株価が上がることに期待する成長株」という性質が強く、配当はあくまでオマケ程度と考える方が現実に近い。

配当投資という視点だけで判断するなら、一年間保有しても受け取れる配当金は非常に少なく、他にもっと高利回りで安定配当を出す銘柄は数多く存在するため、配当が目的ならこの銘柄は優先順位が低くなる。一方で、もし株価成長・事業拡大・AI技術の伸びに期待して長期保有するなら、将来増配がついてくる可能性はある。その場合は「今は利益を投資に回し、後から配当も伸びていくかもしれない」という未来型の配当ストーリーになる。

まとめると、SREホールディングスは現時点で配当目的での買いは弱い。ただし、将来を見据えた成長投資なら選択肢になり得る。配当を重視するなら向かないが、成長と株価上昇の先に後から配当がついてくる可能性まで見て保有するなら意味がある。その違いを理解して選ぶ必要がある銘柄だと思う。

今後の値動き予想!!(5年間)

SREホールディングス(現在株価3,360円)はAI×不動産の成長企業として利益が伸びている一方、PERが高水準であることから、市場はすでに将来の成長をある程度織り込んでいる。だからこそ、今後の株価は「期待以上に伸びるか」「予想どおりか」「期待を下回るか」でまったく違う姿になる。ここから5年先を見たとき、その未来は大きく3つに分かれる。

まず良い未来。AIクラウド事業が業界標準のように普及し、導入企業数も順調に増え、利益成長がいま以上に加速していくケース。営業利益率がさらに改善しROEも上昇し続けるなら、株式市場は再びこの企業を強く評価し、現在の高いPERが維持されるだけでなく、もう一段上のプレミアム評価が乗る可能性も出てくる。AI・SaaS企業が市場の主役になるトレンドが続けば、成長ストーリーがそのまま株価に反映され、5年後の株価は5,500〜7,200円という世界が見えてくる。期待と実績が噛み合ったときの成長株は飛躍的なリターンを生む。

そして最も現実味があるのが 中間の未来だといえる。
利益は伸び続けるが暴騰するほどではなく、PERは徐々に落ち着き、企業価値はじわじわと評価される。市場は過度に熱狂せず、しかし悲観するほどでもなく、バリュエーションと成長がちょうど釣り合うような状態。このとき株価はEPSの伸びに比例して穏やかに上昇し、5年後には4,000〜5,000円前後に収まる可能性が高い。派手ではないが堅実な上昇で、中長期の積み上げ投資としては悪くない結果になる。

反対に、悪い未来は期待が崩れた場合だ。不動産市況が鈍化したり、AI導入スピードが思ったほど伸びず収益成長が緩やかになったり、あるいは市場全体のAIブームが一度冷めるだけでもバリュエーションは大きく縮む可能性がある。PERが現状の高値水準から25倍→15倍前後に縮小するだけで、EPSが伸びていても株価は上がらないどころか下がることもあり得る。そうなれば5年後の株価は2,400〜3,100円程度に沈む未来も充分考えられる。「伸びる前提」が崩れた成長株は、期待の分だけ落差も大きい。

まとめると、今のSREホールディングスの株価にはすでに「未来への期待」が乗っている。ゆえに投資判断は非常にシンプルで、未来が期待以上なら大きく報われ、期待どおりなら程よく伸び、期待を下回れば重い調整もあり得るという構図だ。つまり、この銘柄は成長に賭ける人向けであり、配当で守りながら持つ株ではない。未来に強気で張るかどうかが分岐点となる。

この記事の最終更新日:2025年12月6日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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