株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


シュッピン(3179)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

シュッピンとは

シュッピン株式会社は、カメラ通販サイト「Map Camera」を中心に、時計・筆記具・自転車など高い専門性と趣味性のある商材を扱うEC企業であり、買取から販売までを一貫して行うリユース型流通を得意としている。オンライン販売を基盤としながら実店舗も持ち、ユーザーは新品・中古の売買に加え、査定や下取りもワンストップで利用できる点が強みとなっており、売買履歴や市場相場を反映した査定精度の高さがブランドとして信頼を集めている。買取時には全サイト共通で利用できるシュッピンポイントが付与されるため、一度利用した顧客が再び同社内で購入する循環が生まれやすい構造になっている。

事業展開はカテゴリー単位で専門サイトを分けており、Map Cameraでは高額レンズから中古ボディまで幅広く扱い、GMTでは海外高級時計を専門に、KINGDOM NOTEでは万年筆とインクなどの文具を中心に、自転車専門のCROWN GEARSではロードバイクやカスタムパーツを、そしてEVERYBODY×PHOTOGRAPHER.comではGPS位置と写真を紐づけた投稿サービスを展開する。また女性向けブランド時計に特化したBRILLERも運営しており、いずれも趣味性・所有満足度が高い領域に焦点を当てている。これらのジャンルは製品寿命が長く中古需要が強いため、仕入れと販売を高速で回すほど収益効率が高まる特徴がある。

ネットで完結せず実店舗を持つことで、特にカメラや時計のような状態確認が重要な商品でも安心して売買できる環境が整えられている。さらに中古市場は新品と違い仕入れや価格形成が動的で、目利きや市場分析の精度が利益率に直結するため、同社の蓄積されたデータと査定技術は参入障壁にもなっている。2015年に東証一部上場を果たした背景には、中古リユース市場の拡大とECの浸透波を正確につかんだという側面もある。

総合すると、シュッピンは中古を軸にしながら専門性の高い分野に絞って事業を展開している点が特徴で、単なるリユース企業ではなく、趣味領域特化の在庫循環プラットフォームとして確立しつつある。ユーザーを囲い込むポイント体系、在庫回転を生かした高収益構造、ECと店舗のハイブリッド運営など複数の強みが組み合わさり、リユース市場の伸びとともに今後も成長の余地を残した企業と言える。

シュッピン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 配当(円)
23.3 45,618 2,463 2,439 1,697 81.2 30
24.3 48,841 3,343 3,344 2,322 110.1 36
25.3 52,658 3,396 3,368 2,020 93.0 40
26.3予 54,000 3,100 3,050 2,050 98.4 47
27.3予 61,500 3,700 3,700 2,500 120.0 51

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 1,243 -444 -549
2024 2,362 -412 -2,051
2025 1,207 -847 52

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(2025) PBR(2025)
2023 5.3% 26.2% 11.2%
2024 6.8% 28.0% 14.4%
2025 6.4% 19.8% 11.1% 9.4倍~15.9倍 2.59倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上は488億 → 526億 → 540億予想と緩やかに伸びており、規模拡大は続いている。営業利益は33億 → 33億 → 31億予想と横ばいからやや減少、経常利益も34億 → 33億 → 30億と微減傾向、純利益は23億 → 20億 → 20億で伸びが止まっている。EPSは110円 → 93円 → 98円と一度落ちて持ち直し途中という形で、配当は36円 → 40円 → 47円と増配姿勢は続いている。

営業利益率は5.3% → 6.8% → 6.4%と6%台をキープしており、高水準ではないが安定している。ROEは26.2% → 28.0% → 19.8%と非常に高い指標だが直近ではやや落ちており、ROAも11.2% → 14.4% → 11.1%と似た軌跡を描く。資本効率は依然優秀で、利益率も悪化していないため、企業としての収益体質は強い部類に入る。

ただ数字だけを見ると、利益は伸びず横ばいで、EPSも減少後に戻し切れていないことから、成長株というより収益安定型の局面に入っている印象がある。一方でROEとROAがまだ高水準にあるため、資本回転の良さや在庫回転を活かせている可能性が高く、利益が再び増勢に転じれば評価見直しが入りやすい数字でもある。配当は連続で増配しているため株主還元姿勢は強く、横ばいでもホールドしやすい性質を持つ。

結論としては、急成長というより緩やかな成熟過程に近く、利益が再度伸びるかどうかが投資判断の分岐点になる。利益率やROEが再び改善すれば株価上昇の余地がある一方、横ばいが続く場合は配当を受け取りながらじっくり持つタイプの銘柄と見るのが妥当といえる。

配当目的とかどうなの?

シュッピンの予想配当利回りは単26.3・単27.3どちらも4.11%で、リユース・小売セクターとしては悪くない水準にある。3%台なら可もなく不可もないが、4%を超えてくると「配当で持つ理由が生まれる」ラインに入り、優待がない銘柄でも十分成立する利回りと言える。しかも過去の配当推移を見る限り、減配より増配を選んできた傾向があり、EPSが多少上下しても配当水準は維持・引き上げ方向で動いていることが分かる。

ただし利益が横ばいで推移している点は注意で、純利益が伸びないまま配当を増やし続けると余力が細るリスクがある。現状はまだ資本効率も高く配当性向も無理のある水準ではないためすぐに破綻する構図ではないが、真の意味で配当成長株とするには利益の再加速が必要になる。逆に利益が回復すれば、利回り4%超のまま株価と配当の両取りが狙える可能性もある。

まとめると、シュッピンの配当利回り4.11%は「長期保有前提なら魅力がある数字」で、安定収益型でありながら還元が継続している点は評価しやすい。ただし今後の増配ペースは業績に左右されやすく、配当で攻める銘柄というよりは、配当を受け取りながら再加速を待つスタンスの方が噛み合う。利回り目当てで買うなら悪くない候補で、4%以上が続くなら買い手が付きやすい地合いになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

シュッピンは、売上は増えている一方で利益は横ばい傾向で、EPSが伸び切らず増配で株主還元を維持している状態にある。この数字の形から見ても、株価は業績の変化に素直に連動しやすく、利益が再加速すれば上に、横ばいで推移すれば落ち着いた動きに、利益が鈍れば評価が下がるという分岐が自然に読み取れる。現在値1,142円は配当利回り4%超が成立している水準でもあり、株価水準が過熱していないため、今後は利益率とEPSが方向性を決める軸になりやすい。

良いケースの未来では、営業利益率が6%台後半を維持しEPSが110〜130円へ戻るまたは上振れする展開で、その場合市場は再評価してくる可能性があり、5年後の株価は1,500〜1,850円が視野に入る。中古流通市場の活性や高級時計・カメラ需要が継続、在庫回転のスピード改善が追い風になる形で、配当も増加が続けば年リターン7%前後を狙えるシナリオも現実的になる。

中間シナリオでは、売上は伸びるが純利益が大きく増えずEPSが95〜110円の範囲で落ち着く場合で、この時の株価は1,200〜1,400円あたりに収まりやすい。値動きは大きくなく、上下に振れる場面はあっても長期で緩やかに含み益を積む型になり、配当を受け取りながら保有し続ける前提なら十分成立する。5年かけてじわじわと回収していく安定型の結末になる。

悪いケースは、利益横ばいがさらに長期化しEPSが90円前後で固まってしまった場合で、この時の株価は900〜1,050円が重心になる可能性がある。ただし配当利回りが上がることで下値が支えられやすいため急落というよりは低位での横ばいが近いイメージ。事業モデル自体が崩れる未来とは言い難く、需要低下より利益鈍化による評価縮小がリスクとなる。

総合すると、シュッピンは爆発的上昇を狙う銘柄というより、利益が戻る時にまとまった評価見直しが入り、戻らない場合は配当で時間を稼ぐタイプの性格が強い。今の水準で買うなら、リスクは限定されやすく、良い方向へ動けば伸びを拾えるというバランスの取りやすい状態と言える。

この記事の最終更新日:2025年12月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP