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ジョイフル本田(3191)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ジョイフル本田とは

ジョイフル本田は、茨城県土浦市に本社を置き、茨城県を中心に関東地方で大型ホームセンターを展開する企業である。店舗ブランド名も会社名と同じ「ジョイフル本田」で、新車・中古車販売が主体の企業ではなく、生活用品・DIY資材・建築資材・ガーデニング・ペット用品・工具・車両用品など40万点超とも言われる膨大な商品群を扱うホームセンター大手である。特徴はとにかく店舗規模が大きいことで、1店舗あたり敷地面積が東京ドーム2.3個分を超えるケースが一般的で、ひたちなか店のように東京ドーム5個分以上という巨大サイズの店舗も存在する。そのため店舗数は約18店舗と少ないが、一店舗の売上が非常に大きく、業界売上ランキングではトップ10に入る規模を確保している。

展開エリアは関東1都5県(茨城・千葉・群馬・埼玉・栃木・東京)で、神奈川県のみ空白。郊外ロードサイド型を基本とし、店舗は開業後に移転せず敷地拡大(スケーリング)を繰り返し、田畑や空き地を買い増して店舗を巨大化させていく独特の成長モデルを持つ。幸手店や瑞穂店など、既存店舗が年々敷地を取り込み別棟や駐車場を増設し、開店当初から何倍もの規模となった例も多い。ひたちなか店ではショッピングモール「ファッションクルーズ」も隣接・一体運営され、巨大商業圏を形成している。

業態はホームセンターが主軸だが、そこから派生した専門店事業も積極展開しており、アンティーク雑貨のTHE GLOBE、プロ向け工具の本田屋、ペットショップPets CLOVER、建築資材館、フィットネスクラブ(MTJフィットネス、元ジョイフルアスレティッククラブ)、カフェ事業 PRESTON CAFE なども運営。ジョイホン(JOYHON)という小型・超大型の新業態店舗も始動し、吉岡・小山で展開、ロゴデザインは佐藤可士和が担当した。さらにガソリンスタンド(JSS)の設置や灯油販売も行っていたが、燃料事業は2020年に出光興産へ譲渡している。

総合すると、ジョイフル本田は「店舗数は少ないが1店舗の売上・規模で勝負する郊外型巨大ホームセンター」で、DIY・建築資材・生活用品・園芸・ペット・車両用品まで総合的に揃うワンストップ型小売企業である。敷地拡張によりスケールを大きくしていく成長戦略が最大の特徴で、関東圏に巨大商圏をつくり出すモデルで収益を積み上げてきた会社といえる。

ジョイフル本田 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 EPS(一株益) 一株配当
単20.6 130,816 9,187 10,593 10,949 158.1 30.5
単21.6 137,925 11,506 12,773 8,985 129.7 33.5
単22.6 129,054 12,238 13,224 11,098 165.0 42
単23.6 129,261 11,095 12,240 8,528 131.6 46
単24.6 133,325 10,568 11,645 9,091 145.9 50
単25.6 135,738 10,748 11,878 8,327 135.2 64(記念)
連26.6予 146,000 10,000 11,200 7,850 130.3 84
連27.6予 151,000 10,500 11,700 8,350 138.6 84〜86

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 9,807 -7,738 -9,566
2024 12,672 -9,059 -11,178
2025 9,069 -2,334 -2,032

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 8.9% 7.1% 5.2%
2024 8.3% 7.5% 5.6%
2025(実績) 8.3% 6.8% 5.0% 高値 15.8倍 / 安値 11.9倍 1.06倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ジョイフル本田は売上が1,333億→1,357億→1,460億と増えており、売上成長は安定している。一方で営業利益は105億→107億→100億、純利益は90億→83億→78億とじわっと下方向で、売上拡大に対して利益が伸びきっていない。つまり事業規模は大きいが収益性が伸び悩んでおり、利益体質が成長フェーズよりも横ばい〜やや縮小気味にあると判断できる。

営業利益率は8.9%から8.3%で横ばい、ROEは7%台、ROAは5%前後と安定はしているが高収益とは言いにくい。企業規模の割には財務効率は悪くないが、株主にとって特別魅力的な水準でもないため、数字から見る限り「大きく伸びる企業」ではなく「堅めだが伸びしろは強くない成熟企業」に近い印象。店舗数が少なく1店舗規模が大きい強みはあるが、利益の伸びが鈍いと市場が高く評価しづらく、株価も上下しにくい落ち着いた銘柄になりやすい。

配当は50円→64円(記念込み)→84円予想と増配傾向に見えるが、利益が減る中で増配が続くと無理のある配当政策になる可能性もある。現状の数字だけなら「成長で株価上昇を狙う銘柄」ではなく、安定売上とそこそこの利益で、比較的地味に持ちながら配当を受け取っていく保守タイプの株に見える。攻めより守り寄りで、短期で爆発は期待しづらいが、業績が大崩れする可能性も低い安定型。

まとめると、ジョイフル本田は売上は伸びているが利益の伸びが弱く、ROEと利益率は安定〜微減で、攻めの株というよりはじっくり持ちたいディフェンシブ銘柄の印象。高成長は求めず、値動きより配当をもらいながら長期で置くタイプ。ただしこの配当継続が利益減の中でも維持されるかは課題で、さらなる増配や株価上昇を期待するには利益率改善が必要になる。

配当目的とかどうなの?

ジョイフル本田の予想配当利回りが連26・連27ともに3.88%という数字を見ると、利回り水準としてはそこそこ優秀で、国内株の平均配当利回り(概ね2%前後)と比べると明確に高い部類に入る。3%台後半というのは、銀行預金や国債利回りよりも受取メリットがあり、配当を目的に保有するという考え方が現実的に成立する水準といえる。

一方で、前の決算数値を見ると利益は横ばい~微減の傾向があり、配当が伸びているのに利益が伸びていないという点は少し気になる。利益が右肩上がりでない中で配当を増やしていくと、長期的には無理が生じる可能性があり、減配リスクが全く無いとは言い切れない。ただ、事業自体は大きく崩れにくいホームセンターモデルで、店舗数こそ少ないものの売上規模が大きく、収益ベースは安定している。よって配当を狙う投資としては「比較的安心して利回りを取りに行ける銘柄」という位置付けになる。

高成長に賭ける投資ではなく、値動きはおとなしくても毎年3.8%前後の利回りをもらいながら保有するという戦い方が向いている銘柄で、劇的なキャピタルゲインよりはインカム中心でじっくり育てるタイプ。利回りが4%近くあるため、株価が横ばいでも配当だけで保有メリットが出るし、長期保有で複利的な恩恵が期待できる。

まとめると、配当目的で考えるならジョイフル本田は「悪くない選択」。ただし利益成長が鈍いので大幅な増配までは期待しすぎず、現状の利回りを安定して受け取るイメージで持つと相性が良い。攻めの株ではなく、守りながら利回りを拾うタイプの銘柄に見える。

今後の値動き予想!!(5年間)

ジョイフル本田の株価が今後5年間どのように推移するかを考えると、売上は増えている一方、利益は横ばい〜やや減少傾向で強い成長トレンドとは言いにくい。営業利益率は8%台、ROEは7%前後と安定しているが突出した高さではなく、高成長株というより成熟企業の収益レンジで動いている印象がある。事業は大幅赤字のリスクが低い反面、利益が大きく伸びないと株価の上昇材料も限定的になりやすい。これを踏まえて5年後の株価を、良い場合・中間・悪い場合の3パターンで見ると以下の通りになる。

良い場合は、売上拡大に伴って純利益が再び増加に転じ、営業利益率が9%台に乗るようなパターンで、この時は市場が再評価しやすく株価も素直に反応する。配当が継続的に増え、PBRが再び見直されれば株価は2,700〜3,200円まで視野に入り、強い需要や出店効果が重なれば3,400円台に届く展開も考えられる。急騰というより緩やかな上昇だが、ディフェンシブ性を保ちながら株価も伸びる良い形。

中間の場合は、売上は伸び続けるが利益は大きく改善せず、営業利益率が8%台で横ばいの状態。この場合は市場評価も中立となり、株価は2,200〜2,500円の範囲で推移しやすく、上下の波は小さい。決算が弱い年には少し下がり、増配があれば再び戻るような、落ち着いた値動きになりやすい。資金を置いておける安定株だが、大きく儲けたいという目的にはやや物足りないレンジになる。

悪い場合は、利益率が7%台まで低下し、純利益も減少傾向が継続するケース。この場合は成長が鈍いという評価になり、株価は2,000〜1,800円付近まで下がる可能性が出てくる。大型赤字のリスクは低いが、利益縮小が続けばPBRもさらに低く評価され、1,600円台まで沈むシナリオも否定はできない。ただし事業基盤は安定しているため、暴落というよりじわじわと調整する形が想像される。

まとめると、ジョイフル本田は高成長で株価が大きく跳ねるタイプではなく、利益安定型で値動きも緩やかになりやすい。5年で上昇余地はあるが、爆発力より堅実さが前面に出る銘柄で、長期保有で配当を積み上げつつ適度な株価上昇を狙う投資スタイルが合う。良い時は3,000円台、中間は横ばい、悪い時は1,800円台まで下げる可能性を意識しながら見ていくのが現実的と言える。

この記事の最終更新日:2025年12月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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