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ネクステージ(3186)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ネクステージとは

ネクステージは、中古車販売を主力とする大手で、愛知県名古屋市中区に本社を置く自動車販売企業である。1998年に設立された比較的新しい会社だが、東海地方を起点として全国に店舗網を広げ、SUV・軽自動車・セダン・スポーツカーなど車種別の専門店を展開している点が特徴で、輸入車にも積極的に取り組み、販売・整備・買取・保険まで含めた総合カーサービスのビジネスモデルを構築している。また、SUV LAND や輸入車店舗を含む複数ブランドで店舗を持ち、中古車だけでなく新車も扱う国内有数の販売チェーンとなっている。

2013年にマザーズへ上場し、翌年にはわずか1年で東証一部へ市場変更、さらに名証一部にも上場しており成長速度は速かった。2014年にはAmazonで中古車販売を開始しオンライン販売にも早期に着手している。2020年にはボルボディーラーを福岡に開設し、海外ブランドの取り扱い強化に踏み込んだ。2024年には輸入車ディーラー「エー・エル・シー」を子会社化し、2025年にはBMW正規ディーラー権を取得、既存3店舗を譲り受けて自社運営に移行するなど、輸入車ビジネスの拡大が明確に進んでいる。

一方でガバナンス面では課題があり、2023年には週刊誌報道から不正疑惑が取り沙汰され、内部調査結果の発表や国交省のヒアリング方針が出るなど緊張した局面もあった。保険契約捏造に関わる問題を受けて社長交代が行われ、さらにクレジットカード不正利用が従業員により発生し逮捕者が出るなど、企業統制に関わる事案が相次いだ。2025年には金融庁から保険業務に関する業務改善命令を受けており、コンプライアンス強化と運営体制の改善が今後の重要課題と言える。

総じてネクステージは、中古車販売業界で急成長し全国展開を進める一方、ガバナンス面の改善と信頼回復が今後の持続的成長の鍵となる企業である。SUV・輸入車など専門性を打ち出した事業モデルに強みがあり、新車と中古車双方を扱う総合流通プレーヤーとして存在感を高めているが、近年続いた不祥事をどう克服し再発防止体制を固めるかが評価を左右するポイントになるといえる。

ネクステージ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度(単位百万) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連20.11 241,146 6,825 6,527 4,740 63.6 7
連21.11 291,263 13,637 13,388 9,663 127.1 15
連22.11 418,117 19,448 19,080 13,886 176.3 24
連23.11 463,464 16,084 15,773 11,556 145.0 32
連24.11 552,778 12,943 12,144 8,006 99.9 33
連25.11予 624,000 18,000 17,300 11,400 146.0 34
連26.11予 700,000 23,000 22,300 14,400 184.4 35〜37

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2022 -17,853 -13,831 28,812
2023 33,689 -23,677 -227
2024 3,024 -18,454 21,367

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 3.4% 17.3% 6.5%
2024(実績) 2.3% 11.0% 3.6% PER高値平均 25.3倍 / 安値平均 12.0倍 2.87倍
2025(予想) 2.9% 16.2% 5.3% 18.71倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ネクステージは売上規模が大きく、4634億から5527億、6240億、そして7000億予想と、上場中古車販売企業の中でもトップクラスの増収ペースが続いている。特に連24.11で利益が落ち込んだ後、25期・26期で営業利益と純利益がほぼ回復・上昇に向かっている点はポジティブで、減益からの持ち直し局面に入った印象がある。ただし営業利益率を見ると2023年3.4% → 2024年2.3%まで低下しており、利益率の下振れは業界競争・コスト増・不祥事による営業活動の影響などが想定され、ビジネスモデルの収益性には課題が残ると言える。25期以降は2.9%へと改善予想だが、まだ高収益とは言えず、売上増加に対して利益率がどれだけ付いてくるかが今後の焦点になる。

ROEは17.3%から11.0%に落ち、予想で16.2%まで戻る形となるため、資本効率自体は高めで投資対象として魅力がある水準。ROAも5%前後まで回復が見込まれ、資産効率も低くはない。ただしROEが上下に振れるということは、利益変動が株価評価に直結するタイプの企業で、安定配当銘柄というより業績と共に株価が大きく揺れやすい性質を持つと推測できる。つまり、攻めの成長株に近い動きをする可能性がある一方で、利益率が落ちる局面では下落リスクも大きくなる。

予想を見ると売上7000億に対し純利益144億と規模は大きいが、利益率はまだ改善途中で伸びしろとリスクが両方ある段階。ここから利益率が戻り、営業利益率3.5〜4.0%台に届くなら株価は評価を上げやすく、ROEも安定して15%超を維持できるなら市場の見方は強気に傾く。一方で利益が再び落ちると評価が急速に冷え込む可能性もあり、上下の振れ幅は他の中古車関連より大きくなりそうだと感じる。

まとめると、ネクステージは売上が力強く伸びており規模拡大が続く企業で、数字だけ見れば成長を狙う投資として面白い。ただし営業利益率が低めで波があり、ROEの変動も大きいことから、安全・堅実タイプではなく、利益が伸びる期間には大きく取れるが業績悪化局面では下振れもある、リスクとリターンが並存する銘柄という印象。攻めたい投資家には候補に入りうるが、安定配当目的だけで選ぶタイプではない。数値だけから言えば、伸びる時に乗れば旨味があるが、落ちた時に握力が必要な銘柄です。

配当目的とかどうなの?

ネクステージの予想配当利回りが連25.11で1.24%、連26.11で1.31%という水準を見ると、一般的な高配当株と比較して明らかに低く、配当収益だけで投資妙味を求める銘柄としては魅力が強いとは言いにくい。仮に長期保有しても年間1%前後しか利回りが得られないため、銀行預金よりは高いが、わざわざ株式でリスクを取ってまで狙う配当とは言えず、インカムゲイン狙いで買うタイプではないと判断できる。

むしろこの企業に期待するなら配当ではなく、売上拡大や利益回復による株価成長を狙うキャピタルゲイン型の戦い方になるべきで、配当狙いの投資方針とは方向性が違う。配当水準が低く、まだ余裕を持って配当を増やせるような利益率には達していないことからも、今後大幅な増配期待で買う銘柄ではなく、配当は「おまけ」として考えたほうが現実的だと思う。

つまり、配当目的だけで選ぶなら評価は高くならず、配当利回りを重視する投資家から見れば優先度は低い。一方で、もし利益率改善やROEが安定的に高水準に乗るなら株価上昇の方に妙味が出るため、狙うなら成長や回復フェーズに乗る形が合う。配当重視で持つ株ではなく、値動きと業績回復を見ながら戦う株だと考えるべきだと思う。

今後の値動き予想!!(5年間)

ネクステージの株価が今後5年間どう動くかを考えると、売上の伸びは強く、利益も回復傾向で推移しているため、事業成長の方向性は前向きに見える。一方で利益率が低めで変動が大きく、業績も上下しやすい体質のため、株価は業績次第で振れ幅が出やすい。配当利回りは1%台と低いため、下支えになる要素は弱く、株価は「業績」に素直に反応しやすい。そこで5年後の姿を良い場合、中間、悪い場合に分けて考えると以下のようになる。

良い場合は、利益率の改善が進み営業利益率が3.5〜4.0%台に乗り、ROEが安定して15%前後を維持できるケースで、この時は市場評価が上がりPERも20倍前後まで買われやすい。売上が7000〜8000億規模で推移するなら、株価は3,800〜4,500円まで視野に入り、順調な成長シナリオなら5,000円台に届く可能性も残る。この場合はキャピタルゲイン型の投資が成功しやすく、持ち続けた人にリターンが大きく返る未来だと考えられる。

中間の場合は、売上は伸びても利益率が大きく改善せず営業利益率2.5〜3%台、ROEは10〜14%のレンジで推移するシナリオで、この時は成長しているが評価は限定的となり、株価は2,900〜3,300円あたりを中心に上下する可能性が高い。現在株価からは上昇余地はあるが爆発的な伸びは期待しにくく、良い決算の時に少し上がり、弱い時期に戻るという波を繰り返す値動きになりやすい。配当も低めなため、持ちっぱなしより売買して利益を取る方が現実的な投資スタイルになりそうだ。

悪い場合は、利益が再び低下し営業利益率が2%前後まで落ち、ROEが10%を下回る展開で、不祥事や中古車市場の競争、金利や消費環境の悪化などが重なると株価は評価を下げやすい。売上が伸び続けても利益がついてこないと市場の見る目は厳しくなり、株価は2,000〜2,300円台への調整リスクが出てくる。さらに業績悪化が深まると1,800円台まで落ちる可能性も否定できない。ただし事業規模が大きい分、ゼロ方向に崩れるよりはじわじわ下がる形になりやすいと考えられる。

総合すると、ネクステージは「配当で守る銘柄ではなく、業績と株価の変動を取りにいく銘柄」で、5年という期間では良い時の伸び方も悪い時の落ち方も大きくなりやすい。増収が続き利益率が改善すれば3,800〜5,000円台まで狙える一方、利益が弱含めば2,000円台前半まで下がる可能性もある。成長性とリスクが隣り合わせの株で、どちらを求めるかで投資判断が変わるタイプの銘柄だと思う。

この記事の最終更新日:2025年12月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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