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バイタルケーエスケー・ホールディングス(3151)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

バイタルケーエスケー・ホールディングスとは

株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングスは、東京都中央区に本社を構え、世田谷区に本店を持つ持株会社であり、医薬品等の卸売を行う株式会社バイタルネットや株式会社ケーエスケーを中心に、複数の医療流通企業を傘下に置くグループ体制を取っている。2009年4月1日にバイタルネットとケーエスケーが共同株式移転により統合し設立された企業で、同時に東証一部(現プライム)に上場した。

統合により、東北地盤のバイタルネットと関西地盤のケーエスケーの流通網が一本化され、医療用医薬品卸としては国内5位規模のポジションを持つ流通企業グループとなっている。2010年にはVKシェアードサービスを設立し(2017年に吸収)、2014年には井上誠昌堂がファイネスへと形態転換するなど、合併や再編を経ながらグループ効率の向上と統合効果の拡大を進めてきた。

連結子会社は、医薬品卸売の中核である株式会社バイタルネットをはじめ、ケーエスケー、バイタルグリーン、アグロジャパン、オオノ、バイタルケア、バイタルエクスプレス、バイタルエージェンシー、株式会社たんぽぽ、大伸通商、医療経営研究所など多数を抱え、持分法適用会社としてファイネスがある。

人用医薬品卸だけでなく、福祉・介護・物流・医療経営支援など関連領域へも裾野を広げており、医薬品流通事業を中心としながらも、医療機関向けサービスやヘルスケアサポート領域にまで事業が広がっている点は特徴的である。医薬品卸売は地域流通と施設間ネットワークの強さが競争力に直結するため、東北と関西を基盤に持つ同社はドクター・薬局・病院との長期的な接点を武器とし、統合による物流シナジーと調達力の強化、コスト効率化によってグループ総合力の向上を図っている。

総じて、バイタルケーエスケー・ホールディングスは医薬品卸売市場において堅実なポジションを築き、広域の流通網と複数子会社を束ねることで医療供給体制を支える存在となっている。医薬品卸5社グループの一角として、規模・地域基盤・流通力を備えた企業であり、今後も医療制度や流通構造の変化に応じた事業再編と効率化が成長の鍵となるだろう。

バイタルケーエスケー・ホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当(DPS)
連23.3 579,772 2,470 5,960 4,831 92.7 39
連24.3 587,481 5,556 6,557 5,843 115.0 42
連25.3 600,370 5,706 6,970 7,308 149.0 45
連26.3予 620,000 5,100 6,000 7,200 148.8 68
連27.3予 640,000 5,100 6,000 7,000 144.7 68

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 -3,001 -1,038 -4,080
2024 23,570 -1,822 -5,769
2025 -8,024 3,516 -6,543

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 0.4% 4.8% 1.6%
2024 0.9% 5.5% 1.8%
2025 0.9% 6.9% 2.4% PER 高値11.4倍 / 安値7.2倍 PBR 0.58倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

バイタルケーエスケーHDは、売上が5874億から6003億、さらに6200億へと着実に増えており、規模としては非常に大きく安定した流通企業だと数字から分かる。利益面を見ると営業利益は55億から57億へ増え、翌期は51億予想でやや落ちるが、経常利益は65億、69億、60億とレンジ内で推移し、純利益は58億、73億、72億とむしろ伸びてきている。EPSは115円から149円前後まで伸びており、配当も42円から45円、そして68円と増えているため、利益が出ている限り株主還元も維持される姿勢が読み取れる。

ただしこの企業の特徴は、営業利益率が0.4%、0.9%、0.9%と1%を下回る水準で推移している点にあって、売上規模の大きさに対して利益率が極端に薄い。ROEは4.8%から6.9%、ROAも1.6%から2.4%とじわりと改善はしているが、まだ資本効率として際立って高いとは言えず、収益性の観点では強い競争優位までは感じない。言い換えれば、薄利多売型のビジネスで、変動要因や薬価改定、物流コストなどで利益が振れやすい構造を内包したまま成長している状態だ。

それでも純利益が増えており、配当も増えているということは、現状においては利益の量そのものが確保されているため、配当目的の長期保有であれば検討余地はある。しかし、数字だけを見る限りは成長株としての魅力は控えめで、攻める銘柄というよりは defensive な、安定運営を期待するポジションと考えるのが自然だろう。買うなら割安に評価されている局面や利回りが高まった場面が現実的であり、高値を追って利益成長で一気に株価が跳ねるような未来を期待するタイプではなく、じっくり受け取る配当を積み上げるスタイルと噛み合う企業である。

配当目的とかどうなの?

バイタルケーエスケーHDの予想配当利回りは、連26.3で5.22%、連27.3でも同じく5.22%と高配当帯に位置しており、この数値だけを見るなら配当狙いの銘柄として十分に候補に入る水準であることは間違いない。しかも業績推移を見ると売上は横ばいではなく増加傾向にあり、純利益も58億から73億、次期予想が72億と安定しているため、無理をして配当を出しているというより、利益ベースで支払っている印象に近く、持続性がすぐ途絶えそうな不安は今の数字からは感じにくい。営業利益率やROEは決して高くないが、逆に言えば成熟度が高く荒々しい変動をしづらい卸売セクターらしい安定感があるとも言える。

ただし注意点は、営業利益率が0.9%前後と非常に薄いことから、薬価改定や物流費の変動、仕入れ条件の変化などがあればそのまま利益に響く脆さは内包しており、配当利回りが良いからといって安心しきれるタイプではないこと。とはいえ今の数字だけを見れば配当が維持される見込みは相応に高く、5%超という利回りは市場全体で見ても十分魅力的な部類になる。特に銀行預金や債券よりも明確に高いリターンを求めつつ、爆発的な成長を追わない投資家にとっては、配当を受け取りながらゆっくり保有する戦略と非常に噛み合う。

まとめるなら、バイタルケーエスケーHDは成長株として買うよりも、高利回りを享受しながら長期で配当を積み上げていくタイプの投資が正しく、5%台の利回りが続くのであれば、NISAや長期インカム枠で保有するという考え方も自然に成り立つ。株価の値上がり益よりも毎期配当を取り続ける目的の投資先として見るなら、数字だけで判断しても十分魅力度の高い銘柄と言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

バイタルケーエスケー・ホールディングスの株価1,302円から5年を見据えると、急成長で値上がりを狙うというより、安定した収益と配当を受け取りながら保有する形が現実的。営業利益率は低いものの売上は大きく、5%超の配当利回りが維持されるなら、株価が大きく動かなくても配当だけで投資が成立する銘柄といえる。一方で薬価改定や物流コスト上昇が重なると利益が削られやすい構造も残るため、株価は上も下も大きく動きにくく、狙い方としては「値上がりより配当重視の長期保有」が最も噛み合う。これから5年後の株価を良い場合、中間、悪い場合で考えて行きます。

もし良い未来を辿るなら、営業利益率は1%を超え、ROEも7〜9%へ伸び、純利益が安定的に積み上がり続けることで市場の評価がわずかに改善し、PBRが現在の水準から見直されるケースだ。高配当を背景にじわりと買われる展開になれば、5年後の株価は1,600〜1,900円程度まで緩やかに上昇し、配当を含めたトータルリターンで報われる未来もある。成長株のような爆発は期待しにくいが、堅い業績と5%の配当利回りが続くなら実質的なリターンは悪くない。

中間シナリオでは、売上は微増、利益は横ばい、営業利益率は1%前後で推移し、配当は維持または緩やかな増配というパターンになる。市場評価も大きく変わらず、株価は1,300円を挟んで1,200〜1,450円のレンジで行き来し、5年後もほぼ現状水準に落ち着くイメージになる。この場合、株価益よりも受け取った配当こそがリターンの中心となるため、利回り目的で持つなら成立するが、株価上昇による利益を狙う投資家にはやや物足りない。だが安定性とインカム重視なら十分に成立する未来だ。

一方で悪い未来は、薬価改定や流通コストの上昇が利益を圧迫し、営業利益率が再び0.5%台へ沈むような展開だ。ROE・ROAが下がれば市場は割安でも買いにくくなり、PBRの低さが改善しないまま放置される可能性もある。このケースでは株価はジリジリと下げ、長期で1,000〜1,150円のゾーンまで落ちる可能性があり、さらに外部環境の悪化が重なれば900円台を見ることも想定範囲内だ。ただし売上規模は大きく、一気に崩れる事業ではないため、優待や配当が維持される限り底割れは限定的で拾われる場面もあるだろう。

総合すると、バイタルケーエスケーHDは成長の強さよりも配当と安定を評価されやすい銘柄のため、5年後の株価は上にも下にも大きく振れにくく、良い未来で1,800円前後、中間で現在と同水準、悪い未来で1,000円前後といった値動きが見込みやすい。大幅上昇を狙う銘柄ではないが、配当と横ばい推移の中でインカムを積み上げる考え方なら相性が良く、長期保有の資産安定枠として扱う分には十分選択肢になり得る銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2025年12月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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