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ビューティガレージ(3180)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ビューティガレージとは

ビューティガレージは、美容サロン向けの理美容機器やエステ用品、業務用化粧品、ネイル商材などをEC中心で販売する企業であり、美容業界における流通構造を変革してきた存在と言える。事業は単なる通販に留まらず、サロン開業支援、内装設計施工、IT化サポート、人材育成スクール、集客支援、保険サービスまで含んでおり、美容サロンに必要なものを物理面、環境面、経営面から丸ごと提供する総合支援型のビジネスモデルになっている。オンライン販売が物販全体の約9割を占めており、電話やショールーム販売も行っているが軸は完全にネットに寄っている。つまりサロン側から見ると、必要な道具、材料、化粧品のほとんどをワンクリックで注文できる仕組みが確立されているということになる。

物流は自社センターを活用し、千葉県柏市と兵庫県尼崎市に大型の物流拠点を構えることで即日発注、3,000円以上送料無料という強い利便性を実現している。さらに2025年5月には柏に3拠点目のフルフィルメントセンターを作り、自動化と処理能力の増強で物流効率をさらに高める計画となっている。こうした物流網の強さは競争力に直結し、商品が多く回転し消耗品比率が高い美容市場ではスピードと在庫処理能力がそのまま収益性につながっている。

オンラインショップの会員数は2024年時点で約70万人に達しており、美容サロンの多くがビューティガレージを主要な仕入れ先として利用していると推定される。大衆向けECと違い、購入者がほぼ事業者であることから単価が高く継続性のある取引になりやすい。しかも商品構成を見るとナショナルブランドの商品が多く、特に化粧品や材料が60%を超える割合を占めていて、リピート性が高く安定的な売上につながっている。これはサロン運営で消耗品の定期購入が不可欠であり、定番ブランドが増えるほど顧客の離脱リスクが減るという収益構造を示している。

上場後は取り扱うブランドを広げ、IT美容ディーラーとしての進化を目指していることから、同社は単に商材を売るのではなく、美容業界の仕入れと情報流通のハブとして機能する方向へ動いている。サロンにとっては商材、設備、予約システム、内装、集客、保険まで一社完結できる利点があり、ビューティガレージにとっては顧客との接触が継続的に発生し、単なる物販より高いLTVにつながる。海外展開としてはシンガポールに拠点を持ち、アジア市場でもサロン需要を獲りにいく姿勢が見える。美容は景気変動の影響を受けにくいサービス領域であり、人口が減っても美容消費は一定以上残りやすいと言われることから、ロジスティクスとIT基盤を持つビューティガレージの立場は長期的に強い。

総合すると、ビューティガレージは美容業界のオンライン卸売を基盤に、サービスレイヤーまで事業領域を広げることで利益の源泉を多段化し、ITディーラーとしての存在感を高めている企業と言える。在庫物流の強さ、会員数の多さ、消耗品比率の増加、ワンストップ対応という複数のストロングポイントが絡み合い、今後もECと物流の拡張を軸に成長余地を残したまま進むことが想定される会社である。

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直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 配当(円)
21.4* 19,597 1,001 1,080 654 52.0 7
22.4* 23,401 1,202 1,215 709 56.3 8
23.4* 26,429 1,357 1,354 865 68.5 10記
24.4* 29,840 1,700 1,719 1,084 85.8 13
25.4 33,721 1,594 1,584 1,019 80.9 15
26.4予 38,100 1,840 1,830 1,290 102.8 16〜18
27.4予 43,100 2,250 2,240 1,580 125.9 16〜22

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 998 -197 -102
2024 576 -592 140
2025 1,420 -640 171

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(参考2025実績) PBR(参考2025実績)
2023 5.1% 14.3% 7.1%
2024 5.6% 15.5% 7.9%
2025 4.7% 13.3% 6.2% 高値平均29.8倍 / 安値平均16.9倍 2.35倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ビューティガレージは、数字だけを見てもかなり性格がハッキリした会社だと分かる。売上は298億 → 337億 → 381億予想と綺麗に右肩上がりで伸びており、需要が明確に積み上がってきている。美容商材ECという領域はサロンの必需品を扱うため循環変動に強く、会員数が増えれば増えるほど売上が自然と積み上がるストック型の性質を持つ。この点はすでにEPS回復見込みにも現れており、25期で一度下がった利益が26期で再び持ち直す形になっている。

利益面では24期 17億 → 25期 15億と一度鈍化したものの、26期予想では18億と回復する見通し。営業利益率は5%前後で、爆発的に高いわけではないがEC物流を自社運用しながらの数字としては悪くない。むしろ物流拠点の増設、倉庫自動化、配送網強化といった先行投資フェーズの中で利益を維持している点はポジティブだ。今後は化粧品材料比率が増えることで粗利率改善の余地もあり、利益率が時間とともに戻るシナリオは十分考えられる。

ROEは14%前後、ROAは6〜7%台と資本効率は高く、成長企業として必要条件はしっかり満たしている。利益率の揺れはあるものの、自己資本を上手く回しながら売上とEPSを増やせている会社という見方ができる。PERは約17〜30倍のレンジ、PBR2.3倍と決して割安とは言えない水準で、市場はすでに「成長期待込み」で評価している。つまりこの銘柄の本質は、今後も売上が伸びるか、利益率が改善していくか、それが続くかにかかっている。

結論としては、ビューティガレージは割安株ではないが、売上推移とEPSの伸びを見る限り「伸び続けるならまだ評価余地がある銘柄」になる。化粧品・材料比率の拡大、物流自動化による効率向上、EC比率90%超という強みを背景に長期での利益積み上げを狙うタイプで、短期の急騰よりも数年単位の成長を待つ投資スタイルと非常に相性がいい。数字だけで見ても、今は投資するかどうかの分岐点ではなく「今後の伸びを取りにいく銘柄」として見るのが自然な企業だと言える。

配当目的とかどうなの?

ビューティガレージの配当利回りは現状1.1%前後と低水準で、配当で利益を取りにいくタイプの銘柄ではない。利回りの面だけで語るなら高配当株の2〜4%台とは明確に差があり、インカム狙いで組み入れるメリットは薄い。ただ、ここは配当を絞って利益を内部に回し、物流網拡張・在庫最適化・ECシステム強化・取扱ブランド拡大といった成長投資に積極的な企業で、まさに「今まさに土台を厚くしている段階」にある企業。そのため配当が低いことは逆に言えば、事業の拡大余地をまだ残しているという見方もできる。

業績推移を見ると売上は綺麗に上がり続け、会員数も増加、EC比率9割という構造から毎月使用される商材(化粧品・材料)がストック売上のように積み上がっていく。このモデルは固定客が増えれば利益も伸びやすく、物流センターの拡張とオートメーション化が軌道に乗れば、利益率の改善がじわじわ効いてくる可能性がある。つまり今の配当利回りは低くても、会社が成長し利益が増え続けるなら、将来の増配余力は十分に見込めるということになる。

ただし、現段階では配当額よりも事業成長に舵を切っているため、「配当で毎年安定収入を得たい」人には向かず、「企業が大きくなることで株価と配当の両方が後から付いてくる未来」を取りにいく人向けの銘柄になる。配当利回りは確かに低めだが、長期で見て利回りが育つ可能性もあり、買うなら値上がりや利益の拡大を見据えつつ、配当は副産物として受け取るスタンスが現実的だと思う。つまり、今の利回りを重視するタイプではなく、時間とともに価値が育っていくのを期待して持つ銘柄、そんな印象が濃い。

今後の値動き予想!!(5年間)

ビューティガレージの株価1,447円から5年先を想定すると、この銘柄は「美容サロンの商材EC」という成長市場に強みを持ち、売上が年々拡大していることから将来的に評価が大きく変わりうる。ただし利益率が安定しきっているわけではなく、物流投資や化粧品比率増加の進み方で株価の方向は大きく分岐する可能性がある。EC化率90%超・会員70万・リピート性の高い化粧品材料の伸びというストック型の伸びしろを持つ一方、競合も増え規模が拡大するほど利益率改善が必要になってくる。つまり、この会社は5年後にもっと評価されてもおかしくないし、逆に伸び悩めば株価が横ばい〜下落するリスクもはっきり存在する。

良い場合の未来は、物流拠点の自動化が利益改善に直結し、化粧品材料の取扱比率が増え粗利が底上げされるシナリオ。サロン業界のEC化の流れが加速し顧客数が累積的に増えると、売上は自然と積み上がり、EPSも伴って伸びていく。そうなると市場は再び成長株として評価し、株価は2,200〜2,800円あたりまで十分狙える。美容市場は景気の波に左右されにくい一面もあるため、事業基盤が固まれば3,000円に届くストーリーも現実感を持って語れる。

中間の未来は、売上は伸びるが利益は上昇と停滞を繰り返す状態。物流投資の回収を進めながらも競争が強まり、利益率は改善しても小刻みになる可能性がある。この場合、株価は大きく跳ねずとも緩やかに上昇していき、1,600〜1,900円前後を推移。地味に成長し続ける銘柄として保有価値はあるが、急騰を狙うタイプの投資とは距離がある。持ち続けることで評価が積み上がる、長期保有前提のイメージになる。

悪い未来は、物流投資負担・競争激化・原価上昇などが利益を圧迫し続けるケース。売上は伸びても利益率が改善しなければ、成長株としての評価が剥落し、株価は1,100〜1,300円台と現状より下への圧力が強くなる。減収までいかなくとも「利益が伸びない成長株」という形は市場に嫌われるため注意が必要。美容業界が不況に弱くないとはいえ、サロン閉店が増える局面などがあれば影響も受ける。

5年後を総括するなら、ビューティガレージは「配当で稼ぐ株ではなく、成長が続くなら株価で取る銘柄」。物流自動化と商材回転率向上がしっかり利益に繋がれば株価は上に抜ける。伸びなければ現状維持〜下落も十分あり得る。鍵は利益率の改善とEC会員数の伸びが継続するかどうか。未来の幅は広いが、成長ストーリーが崩れなければ数年で株価はもう一段評価される余地がある。

この記事の最終更新日:2025年12月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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