株価
メディアスホールディングスとは

メディアスホールディングス は「人に未来を。医療に明日を。」を掲げ、医療機器の卸販売を中心とするグループを統括する持株会社である。Medical(医療)・Media(情報発信)・us(仲間)という意味を重ね、自社が医療の現場につながる“媒介者”となり、知識と機器を通じて医療の明日をつくることを理念としている。
メディアスグループの基盤は医療機器の販売事業で、取扱点数は100万点超。注射器・ガーゼなどの消耗品から手術支援ロボット「ダヴィンチ」に至るまで幅が広く、国内のメーカー・代理店・商社から商品を仕入れ、全国の病院や医療施設に供給している。単なる物流ではなく、高度な管理システムとデータベースを活用し、医療現場の課題解決や効率化まで踏み込む点が特徴で、医療制度改革・少子高齢化・在宅医療の拡大など、環境変化に合わせて事業領域を広げている。
さらに医療機器の修理・メンテナンスも提供。専門スタッフが保守契約に基づき機器の稼働を維持し、医療現場が止まらない環境を支えている。販売して終わりではなく、運用・保守まで担うことで収益の安定性と信頼関係を確立しているのが強みである。
提供サービスの中核には、病院の間接業務を効率化し手術室の収支まで可視化できる SURGELANE(サージレーン)、中小規模病院向けに医療材料を一括供給するSPD/STOREサービスがある。SPDは米国発の院内物流管理手法だが、メディアスはそれを単なる物流に留めず、材料選択・購入価格・消費データ分析まで踏み込み、病院経営そのものを改善する仕組みにしている。
また、同社は日本最大級の医療材料データベースを構築しており、網羅性・信頼性・即時性を備え、病院や介護施設の購買判断や業務効率向上に寄与している。医療・介護・福祉の現場は病床機能再編や地域包括ケアの拡大で役割が細分化しており、より良い治療・介護を実現するためのソリューション提供企業として存在感を高めている。
まとめるとメディアスHDは、100万点を超える医療機器販売を軸に、修理・保守、SPD・手術室運営支援、物流最適化、医療材料データベース運用までを担う「医療現場の効率化と品質向上を支える総合医療ソリューション企業」である。少子高齢化・在宅医療拡大という長期テーマを追い風に、病院経営の合理化と医療の質向上を同時に支援し、医療の未来を形づくるポジションにある。
メディアスホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期(単位百万) | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(EPS) | 一株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.6 | 246,787 | 2,656 | 3,176 | 2,065 | 94.8 | 21 |
| 連22.6 | 226,606 | 2,267 | 2,757 | 1,867 | 85.3 | 19 |
| 連23.6 | 239,054 | 1,880 | 2,423 | 1,498 | 68.3 | 22 |
| 連24.6 | 259,789 | 1,327 | 1,750 | 1,124 | 51.2 | 21 |
| 連25.6 | 288,689 | 1,875 | 2,422 | 1,375 | 61.9 | 20 |
| 連26.6予 | 305,000 | 1,750 | 2,300 | 1,300 | 58.5 | 20 |
| 連27.6予 | 315,000 | 1,850 | 2,400 | 1,400 | 63.0 | 20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位百万) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,224 | -862 | 862 |
| 2024 | 1,921 | -2,674 | 4,006 |
| 2025 | 7,011 | -2,505 | -3,468 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 0.7% | 8.0% | 1.5% | – | – |
| 2024 | 0.5% | 5.6% | 0.9% | – | – |
| 2025 | 0.6% | 6.7% | 1.2% | PER 17.2〜11.3倍 | PBR 0.90倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
メディアスホールディングスの業績を見ると、売上は2597億 → 2886億 → 3050億(予想)と綺麗に右肩で増えており、事業規模は確実に拡大している。一方で利益面に注目すると、営業利益は13億 → 18億 → 17億、経常利益は17億 → 24億 → 23億、純利益は11億 → 13億 → 13億と、25期でやや持ち直しはしたものの26期予想では横ばいないし微減の水準に留まっている。EPSも61円から58円へ下がる見通しで、配当は20円に張り付いているため、成長に合わせた還元というより配当維持を優先している印象が強い。数字だけで見ると「売上は伸びているのに利益率がついてきていない」という構造がはっきり見えており、営業利益率が0.5〜0.7%という非常に薄い利幅は、仕入れ商材の価格競争・物流コスト・販管費などが重い医療卸の特徴が色濃く表れている。
ROEは8.0%→5.6%→6.7%、ROAも1.5%→0.9%→1.2%と推移しており、一時低下後に回復の兆しはあるが依然として高水準とは言えず、資本を効率よく利益に変換できているとは言い難い。売上がしっかり増えているにもかかわらず利益が細いということは、ビジネスとしての付加価値率や価格コントロール力がまだ十分とは言えず、商流のボリュームを積んでもマージンが厚くならない構造が続いているとも解釈できる。この状態では株価が大きく評価されるきっかけになりにくく、PERやPBRが伸びるためには、利益率の改善や高付加価値商材の比率アップ、データ・ソリューション領域での収益確立などが必要になる。
投資視点で見ると、メディアスHDは現状では成長株というより「売上規模は伸びているが利益が付きにくい安定供給系の商社」という位置づけに近い。配当は20円で維持されているものの、利回り面で突出しているわけではなく、インカム狙いで買うには物足りない。逆に成長性を評価するパターンでも、利益がはっきり増えるフェーズに入っていないため、今すぐ株価上昇余地が大きいとは判断しづらい。ただし売上が継続的に伸びている点は無視できず、ここに利益率改善が加わった瞬間は市場評価が変わる可能性がある。医療機器データベースやSPD関連のソリューション事業が収益貢献し始めると、マージン改善→利益成長→株価水準見直しの流れが生まれる展開は十分あり得る。
総合すると、メディアスは現時点では利益体質に課題があり、配当目的や短期リターンを狙う銘柄としては優先度が高くない。ただし売上の積み上がりと医療ニーズ拡大という追い風があるため、今後利益率が上向き始めれば評価が一段上に変わる余地を持っている。つまり攻める銘柄ではなく「変化の兆しを拾う銘柄」という立ち位置に近く、利益率改善のトレンドが確認できたタイミングで入るほうが合理的な投資スタンスになる。
配当目的とかどうなの?
メディアスホールディングスの予想配当利回りは連26.6で2.43%、連27.6も2.43%と横ばいで、現状では高配当株とは言えない水準にとどまっている。利回りだけで比べると3〜4%超を普通に出す商社・通信・インフラ・REIT・銀行株などの競合と比較して魅力は強くなく、配当目的であえて優先して買う銘柄かと言われるとやや弱い。さらに配当額は20円で固定されており、EPSが伸びていない状況を見ると、増配意欲というよりは「まずは現状維持」という姿勢が強く見える。
ただしこの銘柄は売上規模が伸びていること、医療機器販売だけでなくSPDやデータベースなどのソリューション領域を持っていることから、利益率が改善し始めれば増配余地が広がる点は無視できない。つまり今の段階では利回り狙いの投資価値は高くないが、これから利益成長がついてくるなら、長期で保有することで配当が育つ可能性は残されている。現時点の利回りだけで判断するなら優位性は薄いが、「利益が伸びれば配当も引き上げられるかもしれない」という未来分を期待するなら、観察対象として十分意味のある銘柄とも言える。
結論としては、現状では配当目当てで積極的に買う銘柄とは言いづらく、配当を軸に選ぶなら他に候補は多い。ただし今後、収益率改善やEPSの伸びが確認できるようになれば、配当が増え利回りの魅力が高まる可能性があるため、「育つ可能性はあるがまだ育っていない銘柄」というのが配当投資としての立ち位置になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
メディアスホールディングスは現在株価820円だが、今後5年間の株価は利益率の改善とEPS成長が伴うかどうかで方向が大きく変わってくる。医療機器販売とSPDサービスという需要が消えにくい分野を持つため、売上が落ちにくい点は長期保有の安心材料となる。しかし現状は営業利益率0.5〜0.7%と薄利で、収益が伸びきっていないことから、株価が大きく上昇するためには利益率改善と高収益サービスの拡大が必須になる。
良いシナリオでは、SPD効率化サービスや手術室運営支援、医療データベースの収益化が進み、EPSが上昇し利益率が1%台後半〜2%に近づくパターンだ。利益成長とともにPER評価が切り上がり、株価は1,200〜1,500円台までの回復があり得る。好材料が重なれば1,700円近くの倍増シナリオも想定できるが、その場合は「薄利体質の脱却」が明確に外部に認識される必要がある。売上拡大に利益が乗り始めれば株価は伸びやすい。
中間シナリオでは、売上は増えるが利益は横ばい、EPSも大きくは増えず、配当も20円付近で安定するイメージだ。この場合株価は900〜1,050円付近で推移し、上にも下にも大きく動かず、安定性はあるがリターンは限定的になる。医療需要の拡大で底堅い一方、利益率が改善しなければ評価も上がりにくく、5年後の株価は1,000円前後に収まる可能性が高い。
悪いシナリオでは、物流コストや仕入価格の上昇が重なり利益がさらに圧迫されるケースだ。EPSが下方向に振れたり、利益が横ばいを割り込むような展開になると、株価は700〜750円台まで沈む可能性がある。市場全体が逆風なら650円台も視野に入るが、医療卸という業種特性上、売上が一気に落ちる可能性は小さく、ゆっくりとした下落のイメージに近い。損失は広がりにくいが、大きな成長も期待しにくい。
総合すると、メディアスは「安全性はあるが爆発力はまだ弱い株」といえる。株価が大きく伸びる未来は利益率の改善にほぼ依存しており、改善が見えてから買っても間に合うタイプの銘柄だ。上昇余地はあるが、現時点では評価が上がる手前の段階に位置している。
この記事の最終更新日:2025年12月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す