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ツルハホールディングス(3391)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ツルハホールディングスとは

株式会社ツルハホールディングスは、北海道札幌市に札幌本社、東京都港区芝浦に東京本社を置くドラッグストア運営の持株会社であり、ツルハドラッグを中核とした国内最大級のドラッグストアグループである。上場市場は東証プライム。イオングループに属し、2025年12月にはウエルシアホールディングスの完全子会社化を行う予定で、その後はイオンの傘下においてドラッグストア事業の統合がさらに加速するとみられる。業界首位クラスの規模と店舗網を持つことが特徴。

ツルハHDの傘下には全国に広がるドラッグストア各社が含まれ、主力のツルハは北海道から東北・関東・中部・関西・四国に店舗を持ち、B&Dドラッグストアやビッグダウンなど多ブランドを展開。過去にはサクラドラッグやスパーク、ウエダ薬局などを吸収合併し、ブランド統一を進めてきた。

ウエルシアホールディングス傘下にはウエルシア薬局を中心に全国展開する店舗網があり、ハックドラッグ・金光薬品・とをしや薬局など地域別ブランドも抱える。千葉を地盤とするくすりの福太郎は2007年に完全子会社化され、都心部シェアの拡大に寄与している。また、中国・九州でウォンツ・ウェルネスを展開するツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本、四国・中国を地盤とするレデイ薬局(フジと合弁、将来完全子会社化予定)、静岡で杏林堂薬局を展開する杏林堂GHD、九州に強いドラッグイレブンなど、地域別に強いブランドが多数揃う。

海外ではタイへ進出しており、Tsuruha(Thailand)Co.,Ltd.がツルハドラッグ店舗を展開。通販・PB商品・保険事業などの周辺領域ではツルハグループマーチャンダイジングやツルハフィナンシャルサービスが補完し、グループ全体で収益源を多角化している。

総じてツルハホールディングスは、国内外に多層的なドラッグストアグループを束ね、高齢化・医療需要・日用品消費といった安定需要を背景に成長する構造を持つ企業である。ウエルシアHDとの統合により、イオン傘下でドラッグストア首位体制が一段と強化される見通しとなっている。

ツルハホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期(単位百万) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連21.5* 919,303 48,377 47,688 26,283 108.4 33.4
連22.5* 915,700 40,568 40,052 21,388 88.1 33.4
連23.5* 970,079 45,572 45,689 25,258 104.0 52
連24.5* 1,027,462 47,151 47,466 21,743 89.5 53.4
連25.2*変 845,603 37,894 37,840 17,207 70.7 53.4
連26.2*予 1,455,900 61,300 61,500 30,300 63.0 53.4〜57
連27.2予 2,540,000 106,000 101,000 54,000 112.2 56〜57.8

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF (百万円) 投資CF (百万円) 財務CF (百万円)
2023 804 -29,774 -19,005
2024 51,964 -36,068 -36,259
2025 64,643 -19,713 -10,872

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 4.6% 9.1% 4.6%
2024 4.5% 7.7% 3.9%
2025 4.4% 6.1% 2.9% 27.8〜15.7倍 2.33倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上推移を見ると、連24.5が1兆274億、連25.2変で8456億、連26.2予で1兆4559億となっており、一度落ち込んだ後に再び伸びる形が数字に出ている。安定的に右肩で成長しているとは言いにくいが、規模の大きい企業であることは明確で、減少後に回復が見込まれている点はポジティブにもネガティブにも解釈できる。営業利益は471億→378億→613億、経常利益は474億→378億→615億、純利益は217億→172億→303億という流れで、利益も売上と同じく波を伴って推移している。つまり弱い決算から強い決算に戻る可能性はあるが、連続的な上昇トレンドが完成しているわけではなく、結果次第で評価が変わる不安定さも含んでいる。

EPSは89.5→70.7→63.0と下方向に並んでおり、企業全体の利益は予想では戻るのに、株主1株あたり利益は減少している。この点は株価の評価にとって重要で、事業規模が拡大してもEPSが伸びていない場合、株価上昇は期待だけで成立しにくくなる。配当は53.4→53.4→53.4〜57で、利益が波打つ中でも還元は維持されているため、株主に対する姿勢は一定の強さがある。ただしEPS低下と並ぶと、将来の配当余力を市場が慎重に見る可能性もある。

数字だけを整理すれば、規模は大きく、利益も回復余地が見える。ただし業績は滑らかではなく上下が存在し、EPSは低下しているため、株価を強く押し上げるほどの連続成長の土台はまだ数字に定着していない。現時点で積極的に攻める銘柄というより、回復が実際に形になったところを確認してから評価する方が自然で、期待より期待の検証が必要な局面の銘柄と読み取れる。成長に賭けるより慎重な姿勢の投資のほうが整合性が取りやすい。

配当目的とかどうなの?

配当利回りは連26.2で1.88%、連27.2で1.97%と見込まれており、どちらも2%に届かない水準になっている。この利回りでは、配当を主目的とした保有は合理性が弱く、配当収入でリターンを積み上げるインカム投資には向かない。年率2%を下回る配当は、銀行預金よりは高いものの、リスクを取って株式に置く理由としては説得力が強くない。

配当自体は維持されており、急な減配を示す兆候が数字からは読み取れないため、ゼロになるような不安定さは見えにくい。ただ、配当が一定であるのにEPSが低下している点は気になるところで、今後の業績次第では無理のない増配余地がどこまであるかは慎重に見る必要がある。配当方針は維持する意思があるものの、それで株価が押し上がるほどの力を伴っているとは言いがたい。

つまりこの銘柄は、配当そのものよりも、業績回復や市場評価の改善を見据えて保有するかどうかを判断するタイプといえる。配当目的で保有する場合、得られるリターンは大きくなく、インカム収益で資産を増やす設計には向いていない。保有する理由があるとすれば、株価上昇によるキャピタルを狙うことになり、配当はあくまで付随効果という扱いになる。

もし、この銘柄で配当を軸にするのであれば、利回り2%未満という現状を受け入れたうえで、株価の値動きや業績の回復局面とセットで考える必要がある。逆に、純粋な配当効率を求めるなら別銘柄のほうが成果に直結しやすい。数字上の印象は堅実だが、配当だけを求める銘柄ではないという位置付けが妥当になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在株価2839円のツルハホールディングスがこれからの5年間でどのような値動きを描くかを考えると、今後は業績が回復に向かうなら評価が進みやすく、曖昧なら落ち着き、鈍れば重くなる。結局は回復の確度が方向を決める場面にある。

まず一番良い形で進んだ場合には、利益の回復が計画に沿って進み、売上規模も安定して兆円単位の水準を保ちながら伸び、EPSが反転して上向きに変わることが前提になる。現状は一度業績が緩み、そこから戻す途中という位置づけなので、もしこの回復が数字として定着すれば、市場は再度成長余地を評価しやすくなる。ドラッグストア市場は人口動態や医療制度の変化に左右されるが、それでも生活インフラとしての需要が消えない分、回復が確信に変わる瞬間があれば株価は素直に評価を取り戻しやすい。期待が積み重なる形になると、5年で3500円、場合によっては4000円台という景色も見えてくる。勢いがつけばその先まで狙えるが、それは実績が積み上がった場合の話になる。

次に現実的な中間パターンでは、業績は伸びすぎず崩れもせず、増減を繰り返しながらも一定の利益を維持する姿を想定することになる。この場合、株価は大きく跳ねる材料には欠ける一方で、決定的に売られる理由もなく、その間を揺れながら時間を過ごす展開になりやすい。市場は期待と慎重さの間で揺れ、過度な評価は与えず、割安にもならず、2500円から3200円の間で方向を探し続けるような動きになる可能性が高い。数字を追いながら保有しつつ様子を見る投資は成立するが、持っているだけで資産が増える銘柄になるわけではないため、利益を取るには売買のタイミングが重要になる。

一方で悪いシナリオでは、回復が想定どおりに進まず、コスト上昇や市場競争の圧力を受けて利益が再び縮む可能性を考える必要がある。もしEPSがさらに低下する流れになれば、配当余力も薄まり、利回りの低さが株価を支えなくなる。そうなると市場は成長物語を評価しにくくなり、株価は少しずつ下がる方向へ傾きやすい。5年という期間で見ると2200円から2500円のラインまで後退する展開も想像できる。業績が不安定な年を市場が嫌気した場合には、反発よりも静かに値が削れていく形の下げ方になる可能性もある。

総合すると、ツルハHDの株価の未来を大きく決めるのは業績の回復が数字として確定するかどうかであり、その一点が良い未来と停滞と下落を分ける軸になる。配当利回りが高くない以上、配当で耐えながら保有する銘柄ではなく、あくまで回復と評価の再上昇を取りにいく銘柄という位置になる。今の株価は高すぎも安すぎもしない中間点で、ここから先は数字に応じてゆっくり動くか、一気に上にも下にも行くかが決まる。強気で飛び込むより、流れを確認しながら乗る方が現実的で、期待より事実を積み重ねてから判断する銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2025年12月9日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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