株価
JPMCとは

株式会社JPMCは、東京都千代田区に本社を置く不動産会社で、東京証券取引所プライム市場に上場している。元の社名は日本管理センター株式会社で、2022年6月7日に現在の社名へ変更された。不動産賃貸のサブリース事業を主軸とする企業で、地方エリアを含め全国的に展開している点が特徴。本社所在地は東京都千代田区丸の内3-4-2 新日石ビルヂング。ほかに、大阪市中央区の関西支社、名古屋市の中部支社、福岡市の九州支社、札幌市の北海道支社を設け全国をカバーしている。
グループ会社には、株式会社JPMCファイナンス、みらい少額短期保険株式会社、株式会社JPMCエージェンシー、株式会社JPMCシンエイ、株式会社JPMCワークス&サプライ、株式会社JPMCアセットマネジメント、大阪琺瑯株式会社、株式会社リークスプロパティなどがある。金融・保険・施工・人材供給など周辺領域に事業を広げ、賃貸住宅運営を包括的に支援する体制を持つ。
主力サービスは「スーパー・サブリース」で、約定賃料に加え実際の収益に応じて家主へ利益を分配する収益型一括借上システムが中心。2019年からは空室部分のみを借り上げる「JPMC空室借上」も提供している。「スーパーリユース」ではリフォーム後にサブリースを行い、賃料を事前査定することで利回りが確定できる仕組みを採用しており、2016年度には経済産業大臣賞を受賞。「ふるさぽ」は高齢者向け賃貸住宅の建築~運営までをトータルサポートするサービスで、入居者に居住とケアを両立した住まいを提供する。
また「JPMCセンターデポ」では全国1400社規模のネットワークを活かし共同仕入れにより資材等を低コストで提供。「イーベスト」は収益不動産を売主・買主双方から全国規模で仲介する仕組みで、投資不動産の取引を幅広く支援している。
総合すると、JPMCは賃貸住宅の一括借り上げ(サブリース)を専業とする会社で、建築や管理業務を自社で抱えず、提携・加盟会社と連携することでスケールを拡大させている。サブリースを軸に高齢者住宅、共同購買、不動産仲介など周辺サービスも含め、全国で収益不動産運用の仕組みを提供するビジネスモデルが特徴といえる。
JPMC 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(EPS) | 配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連20.12 | 47,202 | 2,063 | 2,063 | 1,080 | 61.3 | 42 |
| 連21.12 | 53,416 | 2,300 | 2,305 | 1,161 | 65.8 | 44 |
| 連22.12 | 56,227 | 2,387 | 2,401 | 1,590 | 90.2 | 48記 |
| 連23.12 | 57,353 | 2,576 | 2,583 | 1,817 | 102.7 | 51 |
| 連24.12 | 58,987 | 2,722 | 2,727 | 1,831 | 103.3 | 55 |
| 連25.12予 | 60,000 | 2,750 | 2,750 | 1,820 | 109.1 | 60 |
| 連26.12予 | 63,000 | 2,900 | 2,900 | 1,920 | 115.1 | 60〜62 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2022 | 2,365 | -467 | -1,752 |
| 2023 | 2,004 | -932 | -1,596 |
| 2024 | 2,950 | -428 | -1,866 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.4% | 21.0% | 10.0% | – | – |
| 2024 | 4.6% | 19.6% | 9.7% | PER 12.1倍〜10.0倍 | 2.34倍 |
| 2025(予) | 4.5% | 19.4% | 9.7% | PER予想 12.16倍 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
JPMCの業績を見ると、大きな跳躍よりも着実な歩幅が印象に残る。売上は573億円から589億円へ、さらに600億円、630億円と予想ベースでゆるやかな増勢を描き、営業利益も25億円前後から最終的に29億円へと段階を踏むように積み上がっている。純利益は18〜19億円の水準を保ち、落ち込みを見せない。企業規模を急拡大させる勢いはないが、足元の収益はわずかでも前へと進む。
ROEやROAは高い水準を維持し、利益効率の低下を感じさせない。EPSも102円から103円、109円、115円へと素直に伸びており、稼いだ利益が株主へ確実に還元される構造が続く。値動きこそ静かだが、積み上げの形が崩れない点は評価材料となる。派手な話題を呼ぶ銘柄ではないが、数字は少しずつ前進し、企業価値は静かに厚みを増している。
配当もまた同じリズムで推移する。51円から55円、60円、そして60〜62円へと利回りを意識した還元が続き、業績の伸びに合わせて株主還元も階段状に上昇してきた。将来の見通しに一定の確度を置ける企業ほど配当は崩れにくく、JPMCにはそうした姿勢がにじむ。
もっとも、伸びはあくまで緩やかだ。利益率の改善、新たな評価材料、事業領域の拡張など次の一段が見えなければ、市場は大きなプレミアムを付けにくい。波が広がるように少しずつ進むが、一足飛びの評価転換は想定しづらい。成長は続いても、株価は静かに推移し、長期の視点が前提となるだろう。
結局のところJPMCは短距離の加速ではなく、持続的に歩を進める企業といえる。利益もEPSも配当も右肩で並ぶが、いずれも穏やかな線を描く。急速な値上がりを求める投資家には響きにくいが、時間を味方につける運びで成果を拾いたい向きには噛み合う。現在の延長線上で利益が積み上がる限り、同社の株はゆっくりと上昇していく。
配当目的とかどうなの?
JPMCを配当目的で見る場合、評価は比較的素直だ。予想配当利回りは連25.12で4.80%、連26.12では4.88%と5%近い水準にあり、日本株の平均を明確に上回る。利回りだけで判断するなら「配当利回りで報われやすい銘柄」と言ってよいラインだ。極端な増減はないが、配当自体が増配基調で推移してきた銘柄であり、今後も業績が微増ペースで積み上がるなら配当水準の維持あるいは緩やかな引き上げが期待できる。高配当株にありがちな業績不安・将来減配懸念が現状では大きく見えておらず、安定配当型の資産として扱いやすい。
ただし、利回りは高いものの「大幅な値上がりを狙う銘柄ではない」という前提は持っておくべきだ。株価が大きく伸びなくても配当で回収できるというメリットと、逆に株価が伸びなければ配当が収益の中心になるという現実はセットになっている。配当狙いで買うなら、短期で売買益を期待するよりも長期保有が前提になる。じわじわと、時間を味方につけて回収していくスタイルが最も噛み合う。
まとめれば、JPMCは配当収入を軸に据える投資には向く銘柄だ。利回りは4.8〜4.9%前後と水準が高く、業績も安定しており、急伸しないが崩れにくい。大きく儲けるより、毎年の配当を積み上げて資産を太らせるタイプの投資。派手な含み益より堅実なインカム。視線を数年先に置ける人ほど扱いやすい。
今後の値動き予想!!(5年間)
JPMCの現在値は1,249円。業績は急伸型ではなく積み上げ型で、売上と利益が少しずつ増える構造が続いている。ROE・ROAも良好、EPSと配当も緩やかに右肩へ進む。数字だけを見るなら成長の速度は穏やかだが、後退の影は薄く、時間の経過は味方につきやすい。問題はその積み上げに市場がどれだけ価値を乗せるかだ。評価が変われば株価は伸び、据え置かれれば横を滑り、期待が剥落すれば静かに沈む。今後5年間の未来の方向は三つに割れる。
良い未来は、利益の微増が続き、配当が維持され、EPSの積み上げが市場心理を押し上げるケース。派手なテーマがあるわけではないが、安定収益と還元姿勢が「長期保有に耐える銘柄」として再評価され、株価はじわじわと水を吸ったスポンジのように厚みを増す。5年かけて1,500円、1,600円、最終的に1,750円近辺が見える。テンバガーではないが、配当を受け取りながら株価もいくらか伸びるため、長く握るほど成果が積もる投資になる。年単位で静かに育つイメージだ。
中間の未来は最も現実味がある。利益は伸びるが市場評価は横のまま、株価は1,200〜1,350円の範囲で大きく動かず、良くも悪くも退屈だが崩れない。上がっても戻り、下がっても利回りが支えるため大きく割れにくい。リターンの主役は株価ではなく配当になり、保有する意味は「持っていれば毎年回収できる」に変わる。キャピタルではなくインカムで利益を拾う形で、急ぐ投資には向かないが、粘る投資には報いる。5年間の成果は「含み益より受け取った配当の方が大きい」というタイプになる。
悪い未来は、増益が止まり評価も剥がれるケース。業績は保てても伸びなければ、市場は高く買いたがらない。株価は1,150円、1,050円、1,000円と段階的に沈み、900円台で横ばう可能性もある。利回りはさらに高まって一見魅力的になるが、成長の裏付けが弱いと買いは続かず、配当目当ての投資家だけが残る。減配の懸念が芽生えた瞬間、値は硬く見えながら脆く崩れることもある。上がらない代わりに大きく下がりにくい企業が、成長の鈍化で持ち味を失うときの典型だ。
まとめると、JPMCの未来は静かに分岐する。成長の継続で株価と配当の二重取り、中間では配当中心の安定回収、悪い場合は配当だけ残して株価が寝る。現在の1,249円はその三つの真ん中で、まだどちらにも振れうる。早く利益を求める株ではないが、遅く積むなら向いている。焦らず育てる人には優しいが、短期で跳ねる期待には応えない。未来は速度ではなく持久力が決める。時間をかけて報われる銘柄、という位置にいる。
この記事の最終更新日:2025年12月9日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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