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イノベーションホールディングス(3484)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

イノベーションホールディングスとは

イノベーションホールディングスは、飲食店向け小規模店舗の転貸借事業を主力とする不動産関連企業で、東京23区を中心に1都3県で事業を展開している。親会社はクロップスで、グループ会社としてテンポイノベーション、アセットイノベーション、セーフティーイノベーションの3社を束ね、事業用不動産領域に特化したビジネスモデルを確立している。企業理念として「貢献創造〜挑戦と進化〜」を掲げ、店舗転貸借・不動産売買・家賃保証という3つの事業を基軸に、グループ全体の企業価値の最大化を目指している。

主力の店舗転貸借事業では、不動産オーナーから店舗物件を借り受け、飲食店テナントに転貸するモデルを展開。飲食店向けの店舗物件に特化して高い専門性を持つこと、組織化されたスピーディな対応、そして出店希望者にとって利便性の高いサービスが強みとなっており、年間400件を超える新規成約を実現している。とくに首都圏の飲食店市場では、立地選定や物件確保の難しさが増している中で、同社のネットワークと物件確保力は他社にない競争優位として機能している。

不動産売買事業では、東京を中心とした事業用不動産に特化し、売買・開発・賃貸の3つを組み合わせて安定した流通を生み出す仕組みを構築している。店舗転貸借で蓄積された現場の知見を活かし、収益性や事業としての持続性を重視した不動産取引を行っている点が特徴である。

さらに家賃保証事業では、事業用不動産に特化した保証サービス「Biz保証」を展開し、店舗・事務所・倉庫など幅広い物件に対応している。貸主・借主双方の立場でビジネスを行ってきた経験が活かされており、一般的な家賃保証よりも事業用不動産に特化した専門性の高さが評価されている。

総じて、イノベーションホールディングスは、首都圏の飲食店向け店舗というニッチかつ需要の強い領域を押さえ、転貸借・売買・保証の三本柱で事業用不動産市場に深く入り込んでいる企業である。独自のビジネスモデルと収益構造により、安定性と成長性を両立させながら事業拡大を進めている点が特徴的で、今後も首都圏飲食市場の活況や店舗需要とともに成長が続くことが期待される。

イノベーションホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連23.3 13,070 1,212 1,266 885 50.3 16
連24.3 14,263 974 1,011 666 39.6 20
連25.3 16,659 1,381 1,431 1,029 61.4 28
連26.3予 19,100 1,710 1,690 1,110 66.2 30
連27.3予 22,000 1,880 1,820 1,210 72.1 30〜32

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 1,073 -21 -1,018
2024 455 -87 -537
2025 1,019 177 -244

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 9.2% 27.6% 6.8%
2024 6.8% 20.0% 4.8%
2025予 8.2% 25.6% 6.5% 高値25.6倍 / 安値17.2倍 4.32倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

イノベーションホールディングスを提示された数値だけを基に投資観点から整理すると、全体像としては「小型ながら利益成長力が強く、ROEの高さを武器に市場からプレミアム評価を受けている成長株だが、割安感はほとんどない」という位置づけになる。まず業績を見ると、売上は142億 → 166億 → 191億と着実に伸び、営業利益も9億 → 13億 → 17億と綺麗に積み上がっている。純利益も6億 → 10億 → 11億へと増え、EPSも39円 → 61円 → 66円へ改善しているため、規模は小さいながらも“伸びている企業”であることが数字からはっきり分かる。

収益性の面では、営業利益率6.8〜9.2%のレンジで安定しており、事業モデルの堅さが感じられる。それ以上に目を引くのがROEで、20〜27%台という非常に高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用する経営ができていると評価できる。ROAも4.8〜6.8%と総資産をうまく回せており、小型企業としてはかなり優秀な部類に入る。これらの高収益性が、市場から高いバリュエーションを許容されている背景にある。

一方で、バリュエーションを確認すると注意点が見えてくる。PERは高値25.6倍・安値17.2倍と、成長株として扱われている水準で、割安株とは程遠い。PBRも4.32倍と高めで、資産価値よりも将来成長への期待で株価が形成されていることが分かる。こうした銘柄は成長が続く限り強いが、逆に成長が鈍った瞬間にバリュエーション調整が入りやすく、株価が急落しがちなリスクも抱える。

配当について見ると、利回りは決して高くなく、20円 → 28円 → 30円という流れからも、株主還元より成長投資を優先している企業であることが読み取れる。配当目的で買う銘柄ではない。

こうした数値を総合すると、イノベーションホールディングスは「安定した利益成長+高ROE」を背景に市場からプレミアム評価を受けている典型的な小型成長株であり、成長を信じて保有するタイプの銘柄と言える。バリュー株として買うには適さず、成長株投資が得意な投資家向け。小型株らしく値動きが軽い点も含め、エントリー価格には注意が必要だが、業績の積み上がりが続けば株価も素直に評価されやすい。総じて、「質は良いが価格は安くない成長株」というのが最も適切な結論になる。

配当目的とかどうなの?

イノベーションホールディングスを配当目的で考える場合、予想配当利回り(2026・2027年度)3.09%という数字は“高配当株ほどではないが、日本株の平均よりはしっかりしている”という位置づけになる。ただ、この会社の場合は利回りそのものより、配当の安定性や成長余力のほうが重要で、そこに強みがある。

業績を見ると売上も利益も年々積み上がっており、EPSも増えているので、配当の源泉となる利益が崩れていないどころか着実に伸びている。20円、28円、30円と増配も続けており、減配リスクも小さい。こうした動きを見る限り、配当だけを目的にしても「安定して受け取れる会社」であることは間違いない。

ただし、この銘柄の本質は“成長株”に近い。ROEも20〜27%台と非常に高く、利益効率の良さから市場は高めのPER・PBRを許容している。その結果、株価が割安とは言えず、利回りも大幅には高くならない。つまり、典型的な高配当株とは違い、配当を主目的にするよりも「成長+配当の総合リターン」を狙う方が向いているタイプになる。

配当を目的にするなら悪くはないが、極端に利回りが高いわけではないので、配当だけを求める投資家には物足りる可能性もある。一方で、小型成長株として業績を伸ばしつつ、安定した配当も出す会社を求めているなら、ちょうど良いバランスと言える。配当狙いの安定株というより、成長株の中で“ほどよい配当も付いてくる”銘柄というイメージが最も近い。

今後の値動き予想!!(5年間)

イノベーションホールディングスの株価が現在1,097円だとして、そこから今後5年間の値動きを考えると、この銘柄特有の特徴である「小型成長株」「高ROE」「高バリュエーション」「収益モデルの安定性」を踏まえたうえで、良い場合・悪い場合・中間の3パターンに分かれていく。まずこの会社は店舖転貸借を中心とした事業モデルで、比較的景気に左右されにくいストック型の収益構造を持っているうえ、営業利益率が継続的に6〜9%の間で推移していることから、収益は大きく崩れにくいタイプといえる。またROEが20〜27%台と非常に高く、中小型株の中でも資本効率の良さが突出しているため、投資家から“割高でも許される銘柄”として扱われやすい。ただしPERが高く評価されている分、成長性が鈍った時の下振れリスクも同時に抱えている。

まず良い場合は、この会社らしい強みである利益成長力がそのまま維持され、売上・利益が今後も右肩上がりで推移し、ROEも高水準を維持するシナリオ。この場合はPER20倍前後の評価が今後も続くため、業績が伸びたぶん株価も素直に反応する。5年後には1,600〜2,200円ほどのレンジが期待でき、途中の相場環境次第では一時的に2,500円台に乗せる場面も考えられる。小型株であるため、好決算や新規事業の拡大、ストック収益の積み上がりが明確に見えれば市場は敏感に反応し、想定以上に強い上昇を見せる可能性もある。

次に悪い場合は、成長株として重視される“利益の伸び”が鈍化するケース。特にこの銘柄はPER17〜25倍というやや高めのバリュエーションを許容されているため、成長期待が剥がれたときの下落は想定以上に大きくなる傾向がある。仮に業績が横ばい〜微増程度に留まり、ROEも低下していくと、PERは10倍前後まで縮小し、株価は800〜950円あたりまで下がる。小型株ゆえに需給で売られやすいという弱点もあり、地合いの悪い局面では下落が加速しやすいのもリスクとして存在する。

最後に中間シナリオは、おそらく最も現実的で、業績は着実に伸びるが爆発的な伸びではなく、市場も過度な成長期待をせず適度な評価を続ける流れ。PERは15〜18倍程度で推移し、株価は1,200〜1,500円の範囲に収まりやすい。現状のビジネスモデルと成長ペースから見ても、もっとも自然な株価形成になりやすいシナリオである。

総合すると、良い場合は1,600〜2,200円、悪い場合は800〜950円、中間では1,200〜1,500円に落ち着く見通しで、値動きの幅は“大きく上にも下にも振れやすい”。これはまさに小型成長株特有の性質であり、最終的には利益成長が継続できるかどうかがすべてを決める。業績がぶれにくい反面、バリュエーションの高さという弱点も抱えているため、投資家はエントリーのタイミングと成長ストーリーの維持に注意して見ていく必要がある銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2025年12月11日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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