株価
グローバル・リンク・マネジメントとは

グローバル・リンク・マネジメント(GLM)は、東京23区の駅近立地を中心に展開している『アルテシモ』ブランドの投資用コンパクトマンション販売を主力とする不動産ソリューション企業で、投資用不動産の開発・販売・賃貸管理を一気通貫で行う体制が特徴になっている。単なるマンション販売会社ではなく、土地企画、開発、再生、不動産ファンド、不動産管理、さらにはDX領域まで含めたグループ構造を持ち、幅広い不動産価値創造を担う企業として成長している。
グループ全体のミッションは「投資により未来価値を創出する」というもので、不動産事業とDX事業を融合し、環境・社会に対して持続可能な価値を生み出すことを目指している。不動産事業では、レジデンスやホテル、オフィス、物流施設、商業施設といった多様なアセットタイプを対象に、土地仕入れ・企画・権利調整・設計・開発から販売、さらに賃貸管理までをワンストップで行い、機関投資家・事業会社・富裕層など幅広い顧客に提供している。特に都市部でのコンパクトマンション開発と管理の実績は厚く、東京23区内で安定した需要を背景に収益を積み上げる強みがある。
また、GLMが近年力を入れているのがDX事業で、2023年に設立した子会社AtPeakが開発するAIソリューション「AP-AI」を活用し、不動産開発時のシミュレーションや業務効率化、判断精度の向上を実現している。不動産データとAIを組み合わせることで、開発領域・土地企画・再生事業のそれぞれで高速で精度の高い判断を行い、収益の最大化と事業スピードの向上を図っている。さらに、AP-AIは不動産以外の業界向けにもコンサルティングやシステムのカスタマイズを提供し、保守・運用によるストック収益にもつながる仕組みになっている。
土地企画事業では、土地の特性を最大限に活かした企画立案・権利調整を行い、レジデンス以外の多様な用途にも展開しやすい基盤を持っている。再生事業では、市場で低評価になっている既存物件を短期間でリノベーションし、資産価値を高めて再提供するバリューアップ戦略を展開している。これらの領域でもAP-AIを活用し、人員拡大と技術効率化の両面で事業を拡大している。
全体として、GLMは「アルテシモ」ブランドのマンション開発・販売という堅い収益基盤に加え、AIとデータ活用を組み合わせることで、不動産価値創造の生産性を高め、国内外の投資家に最適なソリューションを提供する総合不動産テック企業へ進化している。単純なコンパクトマンション会社にとどまらず、技術と不動産の融合を軸に、持続的な成長を追求する企業グループとして独自性が高まっている。
グローバル・リンク・マネジメント公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(円) | 配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連20.12* | 26,840 | 1,365 | 1,028 | 686 | 45.1 | 17.5 |
| 単21.12* | 30,675 | 1,677 | 1,487 | 1,423 | 91.1 | 17.5 |
| 連22.12* | 35,673 | 2,610 | 2,278 | 1,458 | 91.8 | 26.3 |
| 連23.12* | 41,258 | 4,586 | 4,260 | 2,878 | 180.4 | 50 |
| 連24.12* | 64,482 | 5,732 | 5,138 | 3,413 | 213.3 | 65 |
| 連25.12予 | 72,000 | 7,200 | 6,400 | 4,370 | 272.4 | 77.5〜80 |
| 連26.12予 | 85,000 | 8,500 | 7,500 | 5,120 | 319.1 | 100〜102 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022 | -8,290 | 4 | 9,306 |
| 2023 | 10,360 | -1,986 | -3,253 |
| 2024 | 731 | 1,559 | 423 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.1% | 32.2% | 8.9% | – | – |
| 2024 | 8.8% | 29.4% | 9.3% | 高値7.5倍 / 安値3.4倍 | 2.27倍 |
| 2025予 | 10.0% | 37.1% | 11.8% | 7.60倍 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
グローバル・リンク・マネジメントの提示された数値だけをもとに投資判断を平文でまとめると、まず業績の伸びが非常にわかりやすく、売上は412億 → 644億 → 720億 → 850億と大きく拡大しており、営業利益も45億 → 57億 → 72億 → 85億と、規模と利益の両方がしっかり伸びている。純利益も安定的に増えており、28億 → 34億 → 43億 → 51億という推移は、投資用不動産企業としてはかなり強い成長ペースと言える。
次に収益性を見ると、営業利益率は11.1% → 8.8% → 10.0%と多少の上下があるものの、全体として10%前後の水準を維持しており、この規模の不動産会社としては十分に高い。さらに特徴的なのがROEの高さで、32.2% → 29.4% → 37.1%という数字は、一般的な上場企業の平均(8~10%)をはるかに超える例外的な水準。株主資本を非常に効率的に利益に変換できている企業で、成長株としての質が高いことを示している。ROAも8.9% → 9.3% → 11.8%と改善傾向で、総資産の使い方も上手い。
一方で、株価指標を見ると、市場評価がまだ追いついていない状態が浮き彫りになる。2024年のPERは高値で7.5倍、安値だと3.4倍という超低水準で、PBRも2.27倍と成長企業にしては控えめ。2025年予想PERも7.6倍で、依然として割安に放置されている印象が強い。本来、ROE30%超を維持する企業はPER20倍でもおかしくないが、この企業は半分以下の評価に留まっている。
総合すると、「業績は強く資本効率も非常に優れているのに、株価が割安に放置されている」という状況が続いている。不動産市況や金利の影響を受けやすいという業界特有のリスクはあるものの、それを加味してもこの収益性と成長性に対してPER7倍台は明らかに低い。成長が続く前提なら、中長期では見直される余地が大きい銘柄と言える。
つまり、定量指標だけで判断するなら「攻めの成長株として魅力が高い」。ただし、市況変動には敏感なので、値動きは荒くなりやすい。その点だけ理解しておけば、かなり面白い投資対象になり得る。
配当目的とかどうなの?
グローバル・リンク・マネジメントを配当目的の視点で評価すると、典型的な高配当株ではないものの、配当目的でも十分に魅力があり、しかも成長まで狙える銘柄という位置づけになる。まず注目したいのは配当利回りで、2025年の予想利回りが3.95%、2026年には4.90%と成長企業としてはかなり高い水準に到達している点だ。通常、4〜5%台の利回りは成熟した大型株に多く、成長過程にある企業でこの水準が出るのは珍しい。
その背景には業績の強い伸びがあり、売上も純利益も右肩上がりで、純利益は28億 → 34億 → 43億 → 51億と着実に増加している。これによって、増え続ける利益の一部を安定して配当に回せるようになっており、高い利回りでも無理をしている印象はない。事業の伸びそのものが配当を支えている形になっている。
また、ROEは30%前後とかなり高い水準を維持しており、資本効率が非常に良い。効率的に稼げる企業だからこそ、成長のための投資を続けながら株主への還元も行える。単なる高配当銘柄とは異なり、成長力と配当の両方を備えたタイプだと言える。
とはいえ、注意点もある。不動産事業である以上、景気や金利の影響を受けやすく、経済環境が悪化すれば配当成長が鈍る可能性はある。ただし現時点では増配ペースが堅調で、業績も順調に伸びているため、成長企業としての配当という考え方をすると魅力は大きい。
総合すると、グローバル・リンク・マネジメントは、配当目的で買っても十分に成立し、さらに業績の成長や株価上昇も同時に期待できるバランスの良い銘柄だと言える。利回りだけを追うタイプの投資家よりも、成長と増配を長期的に受け取りたい人に向いている。
今後の値動き予想!!(5年間)
グローバル・リンク・マネジメントの株価が現在2036円という水準から、今後5年間の値動きを考えると、業績の伸び方、不動産市況、金利環境、投資家の成長株への姿勢など複数の要素が関わってくる。とくにこの会社は利益成長が強く、ROEやROAもかなり高い水準にあるため、本質的には成長が続けば評価が上がりやすいタイプの銘柄だが、一方で不動産市場のサイクルに左右される面もあり、外部環境が悪くなると予想以上にバリュエーションが縮むこともある。これらを踏まえると良い場合、中間、悪い場合でかなり幅のある株価レンジが想定される。
まず良い場合では、現在の売上と利益の伸びがさらに加速し、特に純利益やEPSが市場期待を上回って増え続ける展開だ。ROEも30%台を維持し、市場が「この会社は安定して高い利益成長を続けられる」と評価するようになると、PERが再評価されて10倍から12倍程度まで見直される可能性がある。DX領域の拡大や不動産開発の成功、海外投資家の需要増などが重なれば、株価は5年後に3500円から4500円あたりまで上昇してもおかしくない。配当も増配が続いて利回りよりも株価成長の恩恵が大きくなるイメージだ。
次に中間シナリオでは、業績は伸びるが急成長というほどではなく、着実に売上と利益が積み上がっていく展開になる。この場合、PERは現在の水準前後で推移し、市場に強い期待も警戒感もない状態が続く。配当は増えるが株価は業績の伸びに沿った動きに留まり、株価レンジは2300円から3200円程度になりやすい。このシナリオは最も現実的で、安定した拡大を続けるがバリュエーションが大幅に跳ね上がるほどの材料は出てこないパターンだ。
悪い場合では、不動産市場の冷え込みや金利上昇、投資用マンション需要の鈍化などが重なり、利益成長が鈍ったりEPSの伸びが止まる可能性がある。その場合、これまで高く評価されていたROEの強さも市場では割り引かれ、PERが弱気相場特有の圧縮を受けて5倍から7倍程度に下がることがある。こうなると株価は1200円から1800円あたりまで下がり、配当利回りは高く見えるものの、株価下落の影響の方が大きい状況になりやすい。小型株であることもあり、外部環境の悪化時には値動きが想像以上に荒くなる可能性もある。
まとめると、良い場合は3500円から4500円、中間では2300円から3200円、悪い場合では1200円から1800円というレンジが想定される。収益性が高く成長力もある企業ではあるが、不動産セクター特有の市況変動にも影響を受けるため、長期では業績と市場環境の両方を見ながら判断する必要がある。配当と成長が両立している点を考えると、中長期保有でリスクを許容できる投資家には向いているが、短期の上下動は覚悟した方がよいタイプの銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2025年12月11日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す