株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


RS Technologies(3445)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

RS Technologiesとは

RSテクノロジーズ株式会社は、シリコンウェーハの再生加工を中心に半導体関連事業を幅広く展開している企業で、本社は東京都品川区大井一丁目にあるNTビル17階に置かれている。同社の核となる事業は最新鋭設備と高度な化学処理・研磨・洗浄技術を駆使したシリコンウェーハ再生加工であり、金属不純物を極限まで除去して新品ウェーハと同等の清浄度まで再生することができる点が特徴となっている。また独自の研磨技術によりウェーハの再生回数を増やせるため、半導体メーカーが使用するテストウェーハのコスト削減に大きく貢献している。再生加工の技術力は国内屈指で、半導体製造装置の調整に使われるテストウェーハ再生の分野では大手として知られている。

同社は再生ウェーハ事業だけでなく、半導体材料や電子機器部品の販売、半導体関連装置・部材の買取販売など幅広い領域で事業を展開している。支給ウェーハへの酸化膜成膜加工や、顧客ニーズに応じたモニターウェーハ・ダミーウェーハ・酸化膜付ウェーハの供給なども行い、半導体製造現場のさまざまな要望に対応している。また、半導体装置の輸送から立ち上げサービスまで含めた一貫対応ができる点も強みとなっている。

さらに、同社は新品プライムウェーハ製造にも参入しており、中国子会社の山東GRITEKでは125mm、150mm、200mmのプライムシリコンウェーハの製造販売を行っている。2020年には中国山東省政府や有研科技集団と共同で合弁会社SGRSを設立し、12インチプライムウェーハの量産研究開発も開始している。RSテクノロジーズは再生ウェーハと新品ウェーハの両方をカバーできる体制を築き、半導体ウェーハ分野で独自のポジションを固めつつある。

同社の子会社DG Technologiesでは、半導体製造装置向けの石英ガラス製品や単結晶・多結晶シリコン製品などの消耗部材の製造販売を行っており、装置メーカーや半導体工場に必要な部材の供給も手がけている。また、シャープ製レーザーダイオードの海外向け販売代理店や、日立パワーソリューションズ製超音波映像装置の海外販売代理店としても活動している。超音波映像装置はX線では見えない剥離やボイド、クラックを非破壊で映像化できるため、検査工程での利用が広がっている。

技術コンサルティング事業にも注力しており、半導体ウェーハ製造工程に関する技術教育や現場指導などを提供している。また、子会社LEシステムを通じてバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)の電解液を製造・供給する再生可能エネルギー事業も展開している。加えて、青森県の三本木工場においては1.5MW規模の太陽光発電設備を設置し、2013年より発電事業を行っている。

このようにRSテクノロジーズは、シリコンウェーハの再生加工を中心に、プライムウェーハ製造、半導体装置用消耗品の製造、半導体材料の販売、装置の買取販売、技術コンサルティング、再生可能エネルギー、太陽光発電など、多面的に事業を展開する企業である。特にテストウェーハ再生の分野での高い技術力と、中国での新品ウェーハ製造参入という二つの強みを持ち、半導体製造工程を支えるインフラ企業として存在感を高めている。

RS Technologies 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連20.12* 25,561 4,530 5,252 2,824 109.6 10
連21.12* 34,620 6,874 8,832 3,303 127.8 12.5
連22.12* 49,864 13,018 15,500 7,739 299.3 17.5(記念)
連23.12 51,893 11,894 14,921 7,703 292.8 30
連24.12 59,200 13,108 15,668 9,446 358.2 35
連25.12予 75,000 15,100 16,600 8,760 331.0 40
連26.12予 88,000 17,700 19,200 10,300 389.2 40〜50

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2022 15,391 -1,804 32,928
2023 13,857 -8,960 -4,801
2024 13,143 -6,630 1,964

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 22.9% 13.7% 5.4%
2024 22.1% 13.8% 5.1% 高値平均 14.0倍/安値平均 7.7倍 1.34倍
2025 18.6% 11.9% 4.5% 予想 12.03倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

RSテクノロジーズの業績を見ると、売上は2023年の518億から2024年に592億、さらに2025年予想で750億、2026年予想では880億ときれいに伸びており、本業の成長が継続していることが分かる。営業利益も118億から131億、151億、177億と増えているため、規模の拡大は確実に進んでいる。ただし利益率を見ると2023年の22.9%から2024年は22.1%、2025年には18.6%へと下がってきており、成長している一方で利益率が低下している点は注意が必要になる。純利益については77億、94億、87億、103億と推移しており2025年だけ一時的に落ちるが、その後再び持ち直す予想になっている。

ROEは13.7%から13.8%、そして11.9%へ低下し、ROAも5.4%から5.1%、4.5%へと下がっており、企業規模が拡大している一方で資本効率が落ちている構図が見えてくる。これは設備投資や新品ウェーハ事業への資金投入が影響している可能性が高い。企業の成長期にはよくある傾向だが、短期的な株価評価にはややマイナスに働きやすい。

バリュエーションを見ると2024年の実績PERは高値平均14倍、安値平均7.7倍で、実績PBRは1.34倍となっている。2025年の予想PERは12倍となっており、過度に割高という水準ではなく、むしろ成長企業としては割安側に入る可能性がある。成長率と比較すると妥当からやや割安と判断でき、長期では株価の下支え要因になる。

以上の数字を総合すると、同社は売上と利益の絶対額がしっかり伸びている点は強みであり、将来の事業規模拡大が素直に期待できる。一方で利益率やROE、ROAの低下が示すように、効率面では課題が見え始めており、このまま効率低下が続くと市場が積極的に評価しづらい展開になる可能性がある。ただしPERが12倍前後で推移している点を見ると、割高感はなくむしろ長期保有を前提にすれば魅力は十分にある。業績成長と投資負担のバランスが改善すれば再び評価が高まる余地も大きい。

結論として、短期的には利益率の低下が株価の上値を抑える可能性があるため中立的な印象だが、長期的な視点では売上成長の確かさと比較的割安な指標を考慮して投資妙味は高いと判断できる。新品ウェーハ事業が軌道に乗るかどうかが今後の評価を大きく左右するポイントになる。

配当目的とかどうなの?

RSテクノロジーズを配当目的で考える場合、予想配当利回りが2025年と2026年どちらも1.07%となっているため、配当狙いの銘柄としては正直なところ魅力はかなり薄い水準といえる。一般的に日本株で配当目当てに投資するなら少なくとも2%以上、できれば3〜4%ある銘柄が候補に挙がりやすいので、1%台前半というのは配当収入を目的とする投資としては物足りず、インカムゲインよりもキャピタルゲインに重心がある会社と見たほうがよい。

この会社の場合、成長に積極投資している段階で利益を内部に留保している側面が強く、利益成長そのものは続いているが配当を大きく増やして株主還元を強めるというより、まずは事業を拡大して企業価値を高めようという姿勢が数字から読み取れる。実際に25年と26年の配当利回りが同じ1.07%にとどまっているのも、利益は伸びているのに配当性向を大きく引き上げていないことを示している。つまり、配当を積み上げていくタイプの企業ではなく、成長の結果として後々配当が増える可能性はあるものの、現時点ではまだ配当を主役に据えた投資対象ではない。

配当目的で投資する人にとっては、利回り1%台の銘柄を選ぶ理由は基本的に弱く、安定した配当収入を得たいという目的なら他に候補はいくらでもある。一方で、この会社を買う理由があるとすれば、それは配当ではなく業績の成長性と将来の企業価値の積み上がりを狙うキャピタルゲインであり、配当はあくまで“おまけ程度”と割り切る必要がある。成長企業の中には利益成長に伴って将来急に配当が増えるケースもあるが、現状の利回りを見る限り、少なくとも現時点で“高配当株”という分類には全く入らず、配当目的だけで投資判断をするなら優先順位はかなり低くなるだろう。

まとめると、RSテクノロジーズは配当狙いで買う銘柄ではなく、もし買うなら業績の伸びや事業拡大による将来の株価上昇を期待するタイプの銘柄であり、配当収入を目的に選ぶのは適していないという判断になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

RSテクノロジーズの株価が現在3,725円で、今後5年間の値動きを予想すると、業績の成長性と利益率の動向、ROEの低下傾向、PER水準、さらに新品ウェーハ事業の立ち上がりスピードなどを踏まえて、良い場合と悪い場合、中間の3パターンが考えられる。売上は年々拡大しているものの、営業利益率やROEがやや低下傾向にあり、その改善・停滞・悪化のどこに向かうかで株価の評価が大きく分かれる。

市場はこの会社に対して成長企業としてのポテンシャルを見ている一方で、利益率の低下をどう受け止めるかでPERの水準が変動するため、今後の数年間は事業投資がどれだけ成果につながるかが株価に直結する展開になる。新品ウェーハ事業が安定して量産軌道へ乗るか、再生ウェーハの需要がどれだけ維持できるか、そして半導体市況の回復タイミングがいつ訪れるかという外部要因も合わせて、株価の上値と下値の幅が決まってくると考えられる。

まず良い場合は、中国での新品ウェーハ事業が順調に量産へ移行し、売上と営業利益が市場予想を上回って成長し続け、利益率の低下が止まって改善に向かうケースである。この場合、市場は同社を再び高成長株として評価しPERが現在より上昇し、15倍から18倍程度まで見直される可能性がある。現在のEPS水準を基準に単純計算すると株価は5,000円から6,500円のゾーンまで拡大する余地があり、順調なら5年以内に7,000円を狙う展開も十分あり得る。

そして中間シナリオでは、売上と利益は今の予想どおりに伸び続け、利益率はやや低下しながらも大きく崩れず、ROEも10〜12%の範囲で推移するケースである。この場合、市場評価は大きく上にも下にも動かず、PERは12倍前後で落ち着くと考えられ、株価は4,000円から5,000円程度のゾーンで推移する可能性が高い。大きくは上がらないが下値も比較的堅く、緩やかな右肩上がりのイメージになる。

次に悪い場合としては、利益率の低下が止まらず、投資負担が長引き、新品ウェーハの立ち上げが遅れ、ROEやROAがさらに落ちるパターンである。この場合、株式市場は成長性の鈍化を懸念しPERは10倍以下に落ち込む可能性があり、株価は3,000円前後まで下がる展開も想定される。設備投資が重荷になって利益が伸び悩むと2,500円〜3,200円のレンジにとどまる可能性もある。

まとめると、良い場合は5,000〜7,000円、悪い場合は2,500〜3,200円、中間は4,000〜5,000円という見通しになる。最終的には新品ウェーハ事業の進捗と利益率の改善が株価を大きく左右し、特に利益率が再び上向きに転じるかどうかが5年間の株価レンジを決める最大の焦点となる。

この記事の最終更新日:2025年12月11日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP