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コロプラ(3668)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

コロプラとは

コロプラは、オンラインゲームの開発・運営を主力事業とする日本のエンターテインメント企業である。従来型携帯電話向けの位置情報ゲームから出発し、2011年にスマートフォンゲーム分野へ本格参入した。現在はスマートフォン向けゲームを中核に、IP展開や新技術分野への投資も行っている。

コロプラの原点は、創業者の馬場功淳が個人の副業として開発した位置情報ゲーム「コロニーな生活」にある。同作の人気を背景に2008年に法人化し、サービス名の愛称であった「コロプラ」を社名とした。法人化以降は位置情報技術を活用したゲーム開発を軸に、携帯端末向けゲーム事業を拡大し、後にスマートフォン向けネイティブアプリが売上の大半を占めるようになった。コロプラは「位置ゲー」という商標の登録者でもあり、この分野の先駆者的存在である。

主力事業はモバイルゲーム事業であり、自社開発および他社開発タイトルを含め、基本プレイ無料のアイテム課金型ゲームを多数運営している。「白猫プロジェクト」「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」「ドラゴンクエストウォーク」などの長期運営型タイトルを中心に、継続的なイベント更新や機能追加によって安定した収益を確保するビジネスモデルを採用している。

また、位置情報ゲームの系譜を引き継ぐ「コロニーな生活」「駅奪取PLUS」「ステーションメモリーズ!」などに加え、アニメや漫画原作を活用したIPタイトル、コラボレーション作品など幅広いジャンルのゲームを展開してきた。近年は他社開発タイトルの比率も高まり、運営力やIP活用力を強みとしている。コロプラはゲーム事業に加え、新規IPの創出やメディアミックス展開にも取り組んでおり、アニメ、グッズ、リアルイベントなどを含めたIP価値の最大化を目指している。また、過去にはVR、ブロックチェーン、Web3といった新技術分野にも投資を行い、短期的な収益よりも中長期的な成長機会の育成を図っている点も特徴である。

沿革面では、2012年に東証マザーズへ上場し、2014年に東証一部へ市場変更した。エイティングやMAGES.の子会社化などを通じて開発力やIP領域を拡充しつつ、事業ポートフォリオの再構築も進めてきた。2022年には本社を東京都港区赤坂へ移転している。全体としてコロプラは、位置情報ゲームの先駆者として培った技術力と、スマートフォン向けゲームの長期運営ノウハウを基盤に、安定収益の確保と新分野への挑戦を両立させようとする総合モバイルゲーム企業である。

コロプラ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(円) 一株当り配当
連21.9 37,125 6,320 7,843 3,047 23.8 20
連22.9 32,541 4,310 5,732 2,414 18.8 20
連23.9 30,806 2,648 3,066 1,746 13.6 20
連24.9 25,975 -1,208 -947 -1,866 -14.6 20
連25.9予 27,000 1,100 1,500 0 0.0 20
連26.9予 26,500 800 1,200 800 6.2 20

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 2023 2024 2025
営業CF 1,159 237 2,645
投資CF 8,237 -8,087 -3,285
財務CF -2,567 -896 -3,232

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 8.5% 2.2% 2.1%
2024 -4.7% -2.7% -2.4%
2025 3.8% -0.5% -0.5% 36.9~50.2倍 0.77倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

コロプラの業績を見ると、連23.9は売上約308億、営業利益26億、経常利益30億、純利益17億と黒字を確保しているが、営業利益率は8.5%と過去のゲーム大手としてはやや低めの水準にある。続く連24.9では売上約259億、営業利益-12億、経常利益-9億、純利益-18億と大幅な赤字に転落し、営業利益率は-4.7%まで悪化している。連25.9予では売上約270億とやや持ち直すものの、営業利益は11億、経常利益15億、純利益は0億と、利益回復は限定的である。さらに連26.9予では売上約265億、営業利益8億、経常利益12億、純利益8億と黒字は維持するものの、利益水準は23.9期と比べて大きく低下した状態が続く。

収益性指標を見ると、営業利益率は2023年8.5%から2024年-4.7%へ急落し、2025年は3.8%まで戻る見通しではあるが、依然として低水準にとどまる。ROEは2.2%から-2.7%、-0.5%と推移し、ROAも2.1%から-2.4%、-0.5%となっており、自己資本・総資産のいずれに対しても十分な利益を生み出せていない状態が続いていることが分かる。

バリュエーション面では、2025年の実績PERは36.9倍から50.2倍と非常に高く、PBRは0.7倍と1倍を下回っている。これは、資産価値ベースでは割安に見える一方で、利益水準が低いためにPERが極端に高く算出されている状態であり、利益回復への期待先行の評価であることを示している。

以上の数値だけで判断すると、コロプラは売上規模こそ大きいものの、直近数年で収益力が大きく低下し、ROE・ROAともに-圏に沈んでいる点が大きな懸念材料となる。黒字回復予想は出ているものの、利益率は低く、現状の利益水準では高いPERを正当化できるとは言いにくい。

結論として、上記数値のみを見る限りでは、コロプラは明確な回復初期ではなく、再建途上にある銘柄と評価できる。割安感を理由に積極的に買いに行く局面ではなく、利益率とROEが安定してプラス圏に戻るまでは慎重姿勢が妥当であり、投資判断としては中立からやや慎重寄り、様子見が適切と考えられる。

配当目的とかどうなの?

連26.9、連27.9ともに予想配当利回りは4.78%と、一般的に高配当株とされる目安である4%前後に達しており、表面上の利回り水準だけを見ると配当目的として一定の魅力はある水準といえる。ただし、配当の裏付けとなる利益水準を見ると注意が必要である。連24.9は純利益-18億と大幅赤字、連25.9予は純利益0億と利益が出ていない想定となっており、直近では配当を十分にカバーできる利益を安定的に生み出せていない。連26.9予では純利益8億と黒字回復が見込まれているものの、23.9期の17億と比べると水準はまだ低く、余裕をもって配当を支払える状態とは言いにくい。

収益性指標を見ると、営業利益率は3.8%、ROEは-0.5%、ROAも-0.5%と低水準であり、企業としての稼ぐ力や資本効率は弱い。PBRは0.77倍と資産面では割安に見える一方で、PERは36.9倍から50.2倍と高く、利益水準の低さを反映した評価となっている。この状況は、安定配当株に求められる低PER・高収益体質とは一致しない。

以上を踏まえると、コロプラは利回り4.78%という数字だけを目的に配当投資を行うにはリスクが残る銘柄と評価できる。短期的には配当が維持される可能性はあるが、業績が再び悪化した場合には、減配や無配に転じるリスクを内包している。結論として、配当目的で見るなら、短期から中期での利回り重視には一定の検討余地はあるものの、長期の安定インカムゲインを狙う銘柄としては慎重姿勢が必要であり、業績回復と利益率の改善が確認できるまでは様子見が妥当、という判断になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価418.0円から今後5年間を見据えると、コロプラは、主力スマホゲームの立て直しと新規タイトルの成否によって評価が大きく分かれる局面にある。直近では赤字決算を経て回復途上にあり、株価は再建期待と不透明感が拮抗した水準にあるといえる。

良い場合のシナリオでは、既存タイトルの収益が安定し、新作ゲームやIP活用が一定の成功を収めるケースを想定する。営業利益率が一桁後半から10%前後まで回復し、ROEもプラス圏に定着すれば、赤字期を脱した安心感から市場評価は改善する。この場合、PERは20倍前後まで低下し、業績回復を織り込む形で株価は418.0円から700~900円程度まで上昇する余地がある。5年スパンでは、業績が安定すれば1,000円近辺を試す展開も視野に入る。

中間のシナリオでは、黒字は維持するものの、ヒット作に恵まれず、利益率の改善が限定的にとどまるケースを想定する。営業利益率は数%台にとどまり、ROEも低水準で推移するため、成長株としての評価は得られにくい。一方で、事業継続性への不安は後退し、配当も維持される可能性が高い。この場合、株価は300~500円程度のレンジで上下し、5年間を通して大きな値上がりはないが、横ばい基調の値動きとなる。

悪い場合のシナリオでは、主力タイトルの縮小が止まらず、新規タイトルも不発に終わり、再び赤字に転落するケースを想定する。この場合、配当維持が難しくなり、減配や無配への警戒感が高まる。市場評価は一段と厳しくなり、PERは算出不能または低評価となり、株価の下支え要因が失われる。その結果、株価は418.0円から200~300円程度まで下落し、長期の低迷局面に入る可能性がある。

総合すると、コロプラの5年間の値動きは、良い場合で700~900円、中間で300~500円、悪い場合で200~300円といったレンジが想定される。投資スタンスとしては、成長株として積極的に狙う局面ではなく、業績回復の確度を確認しながら判断する再建型の銘柄であり、リスク許容度に応じた慎重なポジション取りが求められる局面にある。

この記事の最終更新日:2025年12月12日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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