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ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ガンホー・オンライン・エンターテイメントとは

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、スマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ」を最大の収益源とするオンラインゲーム運営会社で、PCオンラインゲームや家庭用ゲーム分野にも事業を展開している日本のゲーム企業である。コンピュータエンターテインメント協会および日本オンラインゲーム協会の正会員でもあり、国内オンラインゲーム業界を代表する企業の一つである。

同社は1998年に、米国OnSaleとソフトバンクの合弁企業としてオンセール株式会社の名称で設立され、当初はネットオークション事業を手がけていた。しかし大手との競争により同事業から撤退し、2002年に社名を現在のガンホー・オンライン・エンターテイメントへ変更するとともに、韓国グラビティ社の「ラグナロクオンライン」の国内運営権を取得し、オンラインゲーム運営事業へと大きく舵を切った。

ラグナロクオンラインは大ヒットとなり、2004年には売上高約42億円まで急成長し、国内外の成長企業ランキングで上位に入るなど注目を集めた。2005年には大証ヘラクレス市場に上場し、株価が急騰したことでも話題となった。その後もゲーム運営を軸に提携やM&Aを進め、2008年にはグラビティを買収している。

2012年にリリースしたスマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」が社会現象的な大ヒットとなり、同社の収益構造は大きく転換した。モバイルゲームの売上がPCオンラインゲームを上回り、売上高・営業利益ともに急拡大し、株価も大幅に上昇した。これにより、従来のラグナロクオンライン依存から、パズル&ドラゴンズを中心としたモバイルゲーム主導の企業へと変貌した。

資本関係では、2013年にソフトバンクグループの連結子会社となり、Supercellの共同取得なども経験したが、その後関係は解消され、現在は独立した上場ゲーム会社として運営されている。近年では、2024年にgumi子会社であるエイリムを買収するなど、外部スタジオの取り込みによる開発力強化にも取り組んでいる。

事業内容としては、スマートフォン・タブレット向けゲームを中心に、PCオンラインゲーム、家庭用ゲーム向けタイトルの企画・運営を行っている。主力タイトルは「パズル&ドラゴンズ」で、長期運営型タイトルとして安定した収益を生み出しているほか、「サモンズボード」「ケリ姫クエスト」など複数のスマホゲームを展開している。PC分野では「ラグナロクオンライン」を代表とするMMORPGを運営している。

全体としてガンホーは、パズル&ドラゴンズという強力な長期収益源を持つ一方で、ヒット依存度の高さというゲーム会社特有の課題も抱える企業であり、既存IPの長期運営と新規タイトル創出のバランスが今後の成長を左右するオンラインエンターテインメント企業である。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(円) 一株配当
2020.12 98,844 30,157 30,202 16,369 239.9 30
2021.12 104,626 32,802 33,629 22,883 341.4 60
2022.12 105,505 27,649 28,985 19,022 305.6 30
2023.12 125,315 27,880 29,308 16,433 272.7 30
2024.12 103,600 17,491 20,013 11,171 182.7 60
2025.12予 106,000 14,000 14,000 9,000 165.6 60
2026.12予 110,000 15,000 15,000 9,700 178.5 60

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2022 18,660 -2,795 -9,265
2023 20,514 -14,610 -7,033
2024 17,132 -47,588 -12,217

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 22.2 9.7 12.8
2024 16.8 6.3 8.7
2025 7.6 2.8 3.9 高値平均 13.1
安値平均 8.5
1.08

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず売上と利益の推移を見ると、23.12期の売上高は約1,253億円、24.12期は約1,036億円と大きく減少し、25.12期予想で約1,060億円、26.12期予想で約1,100億円と、ようやく下げ止まりから緩やかな回復を見込む形になっている。一方で営業利益は23.12期が約278億円、24.12期が約174億円、25.12期予想で約140億円まで減少しており、売上以上に利益の落ち込みが大きい。経常利益、純利益も同様に右肩下がりで、利益水準は明確に縮小している。

収益性の面では悪化がはっきりしている。営業利益率は2023年が22.2%、2024年が16.8%、2025年が7.6%と、わずか3年で大きく低下しており、かつての高収益体質は大きく崩れている。これは主力タイトルであるパズル&ドラゴンズの収益力低下がそのまま表れている形で、事業構造の弱点が数字に出ている。

資本効率も同様に悪化している。ROEは12.8%から8.7%、3.9%へ、ROAも9.7%から6.3%、2.8%へと低下しており、資本や資産を使って十分な利益を生み出せなくなっている。ゲーム会社としての収益エンジンが弱まり、成熟から衰退局面に差しかかっている印象が強い。

一方で株価評価を見ると、2025年実績ベースのPERは高値平均で13.1倍、安値平均で8.5倍と、成長性を考えると低めの水準にある。PBRも1.0倍前後と、もはや成長株としての評価はなく、純資産並みの評価に近づいている。これは市場が将来の成長をほとんど織り込んでいないことを示している。以上を総合すると、ガンホーは「過去の高収益企業から、利益縮小が続く成熟・減速局面に入った企業」という位置づけになる。

評価面ではすでに割高感はなく、下値リスクは限定的になりつつある一方で、利益率・ROE・ROAが低下し続けている現状では、積極的に成長を期待して買う局面とは言いにくい。結論として、ガンホーは業績回復や新たなヒット創出の兆しが見えるまでは、慎重姿勢が妥当な銘柄だと判断できる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でガンホーを見ると、結論としては「高配当株ではないが、配当の安定性を重視する投資であれば一定の検討余地はある銘柄」と言える。まず数字を見ると、25.12期・26.12期ともに予想配当利回りは2.46%で、利回り水準としては中程度にとどまる。3~4%を超える高配当を狙う投資には向かないが、極端に低い水準でもない。

一方で、業績面を見ると営業利益率、ROE、ROAはいずれも大きく低下しており、成長力や収益力は弱まっている。これは配当の原資となる利益が縮小していることを意味し、将来的な増配余地は小さい。むしろ、業績がさらに悪化すれば、配当維持が優先され、増配どころか据え置きが続く可能性が高い。

ただし、ガンホーは過去に多額のキャッシュを積み上げてきた企業であり、財務体質は依然として健全である。そのため、短期的に配当が不安定になるリスクは高くなく、一定水準の配当を継続する余力はあると考えられる。

総合すると、ガンホーは「配当利回りを取りにいく銘柄」ではなく、「大きな値上がりは期待せず、安定した配当を受け取りながら様子を見る銘柄」という位置づけになる。インカム目的の主力としては物足りないが、ポートフォリオの一部として安定性を重視する投資であれば検討余地はあると言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価2,437.0円から今後5年間を見据えると、ガンホーは「パズル&ドラゴンズ」という強力な長期運営タイトルを持つ一方で、収益性や成長力が明確に低下しており、今後の株価は新たなヒット創出と既存タイトルの収益回復に大きく左右される局面にある。

良い場合のシナリオでは、パズル&ドラゴンズの運営改善やコラボ施策による収益の持ち直しに加え、新作タイトルや買収したスタジオからのヒット作が生まれるケースを想定する。営業利益率は10%台前半まで回復し、ROEも10%前後まで戻る。市場が再びゲーム会社としての成長性を評価すれば、PERは12~15倍程度まで見直される可能性がある。この場合、利益回復と評価改善の両面から株価は段階的に上昇し、5年後には3,000~3,600円程度まで上昇する余地がある。

中間のシナリオでは、主力タイトルの収益は横ばい、新作も小ヒット止まりとなり、業績は低水準ながら安定するケースを想定する。営業利益率は1桁後半から10%弱、ROEも5%前後にとどまり、市場評価は低位安定となる。この場合、PERは8~10倍程度で推移し、株価は2,000~2,600円前後のレンジで上下しながら推移する。配当を受け取りつつ、方向感の乏しい値動きになる展開が想定される。

悪い場合のシナリオでは、パズル&ドラゴンズの収益低下が続き、新作タイトルも不発に終わることで利益がさらに縮小するケースを想定する。営業利益率は一段と低下し、ROEも数%台にとどまると、市場の評価は一段と厳しくなり、PERは7倍前後まで低下する可能性がある。この場合、株価は現在値2,437.0円から1,500~1,900円程度まで下落し、5年間を通じて回復に時間を要する展開も考えられる。

総合すると、現在値2,437.0円を起点としたガンホーの今後5年間の値動きは、良い場合で3,000~3,600円前後、中間で2,000~2,600円、悪い場合で1,500~1,900円といったレンジが想定される。高成長を期待して買う銘柄というよりも、業績回復や新作ヒットの兆しを見極めながら慎重に向き合う必要がある銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2025年12月13日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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