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システムリサーチ(3771)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

システムリサーチとは

株式会社システムリサーチは、愛知県名古屋市中村区に本社を置く独立系システムインテグレーターで、製造業を中心に企業向け情報システムの構築、保守・運用までを一貫して手がけるIT企業である。トヨタグループ向け売上が全体の約3割を占めており、自動車関連を中心とした製造業との強固な取引基盤を持つ点が大きな特徴となっている。

特定メーカーや系列に依存しない独立系SIerとして、顧客の業務内容や経営課題に深く入り込んだ提案力を強みとし、コンサルティングから設計・開発、導入、運用・保守、改善までをワンストップで提供している。名古屋を拠点に、東京・大阪にも拠点を展開し、1000名を超える技術者と40年以上にわたる実績を背景に、安定したSIサービスを提供している。

事業の中核はシステムインテグレーション事業で、製造業向けの基幹業務システムをはじめ、流通、サービス、通販業、BtoBビジネスなど幅広い分野の業務システムを開発・運用している。SI事業で培った業界知識・業務知識を活かし、「モノを売る」のではなく「コト(付加価値・サービス)を売る」姿勢を重視したソリューション提供を行っている。

また、業務知識を詰め込んだ自社開発プロダクトも多数展開している。ネットショップ作成・運用クラウドサービス「イージーマイショップ」、創作品モール「あるる」、通販業向け販売・顧客管理システム「Simplex」、BtoB向け販売管理「BIG販売管理Neo」、給与計算ソフト「スマカル給与」、クラウド型CRM「WArm+」、オンプレ型CRM「BIG顧客管理Neo」、CTI連携ソフト「CTIコネクテル」など、業務特化型のパッケージを揃えている。

さらに、AI・データ活用分野にも取り組んでおり、画像認識AIを手軽に開発できるクラウドサービス「MODEWO」や、生成AIを活用した高度な文書検索支援サービス「デジクエリ」などを提供している。これらをSIサービスと組み合わせることで、顧客ごとのニーズに応じたトータルソリューションを実現している。総じてシステムリサーチは、製造業を軸とした安定顧客基盤と、独立系SIerならではの柔軟な提案力、SIと自社プロダクトを組み合わせた総合力を強みとする、堅実で信頼性の高いシステムインテグレーターである。

システムリサーチ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(円) 一株配当
2023.3 21,556 2,501 2,515 1,601 95.8 35
2024.3 23,320 2,703 2,768 1,969 117.8 40
2025.3 25,931 2,997 3,066 2,194 132.3 60
2026.3予 29,500 3,600 3,650 2,640 159.2 60〜80
2027.3予 33,500 4,100 4,100 2,950 177.9 60〜80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023.3 1,796 -273 -501
2024.3 2,458 -926 -546
2025.3 2,056 -1,139 -1,035

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 11.6 11.2 17.5
2024 11.5 12.1 18.7
2025 11.5 12.5 18.5 高値平均 13.7
安値平均 9.1
2.72

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず売上と利益の推移を見ると、24.3期の売上高は約233億円、25.3期が約259億円、26.3期予想で約295億円と、堅実な右肩上がりが続いている。営業利益は24.3期が約27億円、25.3期が約29億円、26.3期予想で約36億円と、売上成長以上のペースで拡大しており、利益成長の質は良好である。経常利益も約27億円から約36億円へ、純利益も約19億円から約26億円へと順調に増加しており、業績の安定感が強い。

収益性を見ると、営業利益率は2023年が11.6%、2024年が11.5%、2025年が11.5%と、3年連続で11%台半ばを安定的に維持している。SI企業としては高水準で、価格競争に巻き込まれにくい顧客基盤と、業務理解の深さが収益性を支えていると判断できる。

資本効率の面では、ROEが17.5%、18.7%、18.5%と非常に高く、株主資本を効率良く使えている。ROAも11.2%、12.1%、12.5%と高水準で、資産効率の良さが際立つ。ROE・ROAともに安定して高い水準にあり、経営効率の良さは明確である。

一方、株価評価を見ると、2025年実績ベースのPERは高値平均で13.7倍、安値平均で9.1倍と、成長性と安定性を考慮すると割高感はない。PBRは2.7倍と、ROEの高さを考えれば妥当な水準で、過度に評価が先行している印象はない。以上を総合すると、システムリサーチは「安定した成長、高い収益性と資本効率を持ちながら、株価評価は比較的落ち着いている銘柄」という位置づけになる。

急成長株ではないものの、業績の確実性が高く、利益率とROEの水準を考えると中長期で安心して保有しやすい。結論としては、派手さはないが、堅実な成長と妥当な評価のバランスが取れた、質の高い中長期向け銘柄だと判断できる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でシステムリサーチを見ると、結論としては「配当目的として十分に検討できるが、高配当株の主力に据えるほどではない銘柄」と言える。予想配当利回りは26.3期、27.3期ともに3.05%と、東証プライムの中では比較的魅力的な水準にある。インカム狙いの最低ラインとされる3%を安定して超えており、配当目的として一定の評価はできる。

加えて、業績は売上・利益ともに堅実に成長しており、営業利益率は11%台半ば、ROEは18%前後と収益力・資本効率が高い。キャッシュフローも安定しているため、無理のない配当水準と考えられ、減配リスクは低い部類に入る。一方で、利回りが4%を超えるような高配当株と比べると見劣りするのも事実で、配当額の大幅な増配を短期間で期待する銘柄ではない。配当は「安定重視」であり、インカムを最大化する目的よりも、業績成長と合わせて着実に受け取る位置づけになる。

総合すると、システムリサーチは「配当を主目的に据えても許容できる安定配当株」であり、成長性とインカムのバランスを取りたい投資家に向いた銘柄と言える。高配当一本狙いではなく、安定収益+配当を重視するポートフォリオの一角として使いやすい存在だと判断できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価1,965.0円を起点に今後5年間を見据えると、システムリサーチは独立系SIerとして製造業を中心に安定した顧客基盤を持ち、とくにトヨタグループ向けが売上の約3割を占めるという特徴から、業績の振れが比較的小さい堅実な企業であると言える。売上高は年率で着実に拡大しており、営業利益もそれを上回るペースで伸びていることから、単なる売上拡大ではなく利益を伴った成長が続いている点は評価できる。営業利益率は11%台半ばで安定しており、SI業界の中では高水準に位置する。ROEも18%前後、ROAも12%前後と資本効率が高く、事業モデルの質は良好である。

良い場合のシナリオでは、製造業向けIT投資が想定以上に底堅く推移し、基幹系システムの刷新、DX関連案件、運用・保守といったストック型収益が積み上がるケースを想定する。大口顧客との長期取引を背景に案件単価の上昇や稼働率の改善が進めば、営業利益率は現在の11%台を維持したまま利益額が着実に増加する。この場合、安定成長銘柄として市場評価がやや切り上がり、PERは15~18倍程度まで評価される可能性がある。業績の積み上げと評価の見直しが同時に進めば、5年後の株価は2,700~3,300円程度まで上昇する展開が考えられる。配当も安定的に受け取りながら、緩やかな値上がりを享受できるシナリオである。

中間のシナリオでは、製造業のIT投資は大きく崩れないものの、景気変動の影響を受けて成長ペースは徐々に落ち着き、業績は年率数%程度の緩やかな成長にとどまるケースを想定する。営業利益率やROEは現在の水準を維持し、市場からは堅実な中堅SIerとして評価され、PERは12~14倍程度に収れんする可能性が高い。この場合、株価は1,900~2,400円前後のレンジで推移し、大きな値上がりは期待しにくいが、配当利回り3%前後を享受しながら長期保有するには適した展開となる。

悪い場合のシナリオでは、製造業全体の設備投資やIT投資が一時的に冷え込み、主要顧客からの発注が抑制されるケースを想定する。SI企業は人員固定費の比率が高いため、稼働率が下がると利益が伸びにくくなり、利益成長への不安が市場で意識されやすい。この場合、成長期待が後退し、評価はPER10倍前後まで低下する可能性がある。株価は現在値1,965.0円から1,300~1,600円程度まで下落する展開も考えられるが、財務が健全で配当を維持できる限り、長期的には下値は限定的になりやすい。

総合すると、システムリサーチは爆発的な成長を狙う銘柄ではないものの、安定した顧客基盤、高い利益率と資本効率、3%前後の配当利回りを兼ね備えたバランス型の銘柄である。現在の株価水準では、上値余地は緩やかだが、下値リスクも比較的抑えられており、5年間という時間軸では「大きく儲ける」よりも「堅実に増やし、配当も受け取る」ことを目的とした中長期保有に向いた銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2025年12月13日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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