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プロシップ(3763)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

プロシップとは

株式会社プロシップは、東京都文京区に本社を置く独立系のソフトウェア開発会社で、会計パッケージ、とりわけ固定資産管理分野に強みを持つ企業である。固定資産管理ソフトでは国内トップシェアを誇り、その専門性と競争優位性が高く評価され、第17回ポーター賞を受賞している。

同社の起源は1969年に設立された日本エム・アイ・エス株式会社であり、長い歴史の中で会計・管理分野に特化したソフトウェア開発を続けてきた。1994年に主力製品である「ProPlusシリーズ」の開発・販売を開始し、2001年に現在の社名である株式会社プロシップへ商号変更している。その後、2005年にジャスダックへ上場し、東証二部、一部へと市場変更を経て上場企業としての基盤を固めてきた。

事業の中核は、固定資産管理、リース資産管理を中心とした会計パッケージソフトの開発・販売である。企業が保有する土地、建物、設備、リース資産などを一元管理し、減価償却、会計処理、税務対応、制度変更への対応を効率化するシステムを提供している。日本基準だけでなくIFRSなどの国際会計基準にも対応しており、制度変更が頻繁な分野で高い信頼を得ている。

プロシップはパッケージソフトを自社開発し、導入から保守・サポートまでを一貫して提供するビジネスモデルを採用している。そのため、初期導入収益に加えて、保守・サポートによる継続的なストック収益を積み上げられる点が特徴である。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の長期利用や追加導入によって安定した収益基盤を構築している。また、独立系企業として特定ベンダーに依存せず、大企業を中心とした幅広い業種の顧客に対応している。財務体質も良好で、堅実な経営を続けている点も評価されている。

全体としてプロシップは、固定資産管理というニッチだが不可欠な会計分野に特化し、高い専門性、継続収益、安定した財務を武器に長期的に安定成長を目指す業務特化型ソフトウェア企業である。

プロシップ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益 EPS(円) 一株当たり配当
連23.3 6,600 1,630 1,831 1,299 96.5 47
連24.3 6,812 1,632 1,877 1,349 109.7 50
連25.3 7,564 2,309 2,431 1,930 156.1 63
連26.3予 8,200 2,300 2,400 1,800 144.8 64
連27.3予 10,000 2,900 3,000 2,250 181.0 70〜80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 1,119 -198 -5,980
2024 1,425 -236 -571
2025 1,474 -316 -531

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 24.6 15.0 20.0
2024 23.9 13.8 18.4
2025 30.5 16.9 22.0 高値平均 14.5
安値平均 10.7
4.20

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず売上と利益の推移を見ると、24.3期の売上高は約68億円、25.3期は約75億円、26.3期予想では約82億円と、規模は小さいながらも着実な成長が続いている。営業利益は24.3期が約16億円、25.3期に約23億円と大きく伸び、26.3期予想でも同水準を維持している。売上の伸び以上に利益が出る構造で、経常利益や純利益も高水準で安定している点が目立つ。

収益性の面では非常に強い。営業利益率は2023年が24.6%、2024年が23.9%、2025年が30.5%と、直近では30%を超えており、ソフトウェア企業の中でもトップクラスの水準にある。固定資産管理というニッチで競争が限定された分野に特化し、価格決定力を持っていることが、この数字にそのまま表れている。

資本効率も優秀で、ROEは20.0%、18.4%、22.0%と高水準を維持しており、ROAも15.0%、13.8%、16.9%と非常に高い。少ない資産で大きな利益を生み出せるビジネスモデルが確立されており、事業の完成度はかなり高いと言える。

一方で株価評価を見ると、2025年実績ベースのPERは高値平均で14.5倍、安値平均で10.7倍と、利益水準や安定性を考えると割高感は小さい。PBRは4.2倍と高いが、ROEが20%前後であることを踏まえると、高収益企業として妥当な評価とも言える。

これらを総合すると、プロシップは高い利益率と資本効率を持つ、非常に質の高いビジネスを展開している企業である。急成長するタイプではないものの、業績が崩れにくく、長期的に安定した収益を期待できる。結論として、プロシップは短期的な値動きを狙う銘柄というよりも、ニッチ分野で圧倒的な強さを持つ高収益企業を中長期で保有したい投資家に向いた銘柄だと言える。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でプロシップを見ると、結論としては「高配当株ではないが、配当を安定的に受け取りたい投資家には十分選択肢になる銘柄」と言える。まず数字を見ると、26.3期の予想配当利回りは2.37%、27.3期は2.24%と、利回り自体は中程度の水準にある。高配当株の目安とされる3~4%には届かないため、配当だけを最優先に狙う投資には向かない。

一方で、プロシップは営業利益率が30%前後、ROEも20%前後と収益力が非常に高く、営業キャッシュフローも安定している。そのため、無理のない範囲で継続的に配当を出せる体力があり、減配リスクは相対的に低いと考えられる。実際に、これまでの配当も増配基調で推移しており、安定感は強い。

株価評価はPBRが高く、成長株・高品質株としての色合いが強いため、配当利回りはどうしても抑えられる構造になっている。株価が大きく下落した場合の配当による下支えは限定的だが、その分、業績が崩れにくい点が安心材料になる。

総合すると、プロシップは「高配当を取りにいく銘柄」ではなく、「高収益で安定したビジネスから、そこそこの配当を長期的に受け取る銘柄」である。インカム目的のポートフォリオの主役にはなりにくいが、安定感を重視する投資家が中核の一部として組み入れるには適した銘柄だと言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価1,560.0円から今後5年間を見据えると、プロシップは固定資産管理ソフトという極めてニッチだが不可欠な分野で国内トップシェアを持ち、非常に高い利益率と資本効率を誇る業務特化型ソフトウェア企業である。営業利益率は30%前後、ROEも20%前後と水準が高く、事業の質は完成度が高い。一方で、急成長するタイプではなく、株価は安定性と収益力をどこまで評価され続けるかに左右される。

良い場合のシナリオでは、固定資産管理・リース会計分野での優位性が維持され、制度改正対応や既存顧客の追加導入を中心に安定成長が続くケースを想定する。営業利益率は25~30%台、ROEも20%前後を維持し、高収益企業としての評価が続く。この場合、市場はPER15~18倍程度を許容し、利益の積み上がりと評価の両面から株価は緩やかに上昇する。5年後の株価は2,200~2,800円程度まで上昇する余地があり、配当込みでは堅実なリターンが期待できる。

中間のシナリオでは、事業は安定的に推移するものの、成長率は低めで横ばいに近づくケースを想定する。営業利益率は20%台後半を維持するが、市場の評価は落ち着き、PERは12~14倍程度に収れんする。この場合、株価は1,500~1,900円程度のレンジで推移し、現在値1,560.0円を中心とした比較的穏やかな値動きになる。値上がり益は限定的だが、配当を受け取りながら保有する展開となる。

悪い場合のシナリオでは、IT投資の抑制や顧客の更新ペース低下により成長が鈍化し、利益の伸びが止まるケースを想定する。高収益体質は維持されるものの、成長期待が後退すると市場評価は慎重になり、PERは10倍前後まで低下する可能性がある。この場合、株価は現在値1,560.0円から1,100~1,300円程度まで下落する展開が考えられる。配当は下支えになるが、株価下落を完全に補うほどではない。

総合すると、現在値1,560.0円を起点としたプロシップの今後5年間の値動きは、良い場合で2,200~2,800円前後、中間で1,500~1,900円、悪い場合で1,100~1,300円といったレンジが想定される。高成長株ではないが、事業の質と安定性を重視し、配当も含めて中長期でじっくり保有する投資に向いた銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2025年12月13日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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