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デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

デジタル・インフォメーション・テクノロジーとは

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社は、東京都中央区八丁堀に本社を置く独立系の情報サービス会社で、ソフトウェア開発を主軸とするシステムインテグレーターである。売上の9割以上をソフトウェア開発が占めており、金融や通信、製造業など多様な業界の企業を顧客としている。特定ベンダーに依存しない独立系という立場を活かし、顧客ごとの業務やシステム環境に合わせた柔軟な提案と開発を強みとしてきた。

同社は1982年の創業以来、IT環境の構築を通じて企業活動を支えてきた技術集団で、2002年に東洋コンピュータシステム、日本オートマトン、東洋テクノを子会社とする持株会社として現在の体制が整えられた。製造業や金融機関向けの業務システム受託開発を中心に、長年にわたり安定した開発実績を積み重ねており、業界や業種を問わず幅広い対応実績を持っている。

事業の中核をなすのはビジネスソリューション事業で、金融を主とした業務系システムの開発を行い、データやデジタル技術を活用したDX推進支援を提供している。単なるシステム構築にとどまらず、業務プロセスや組織改革まで視野に入れた提案を行い、顧客企業の競争力向上を支援している。また、システム導入後の運用サポートにも力を入れており、インフラ構築、ネットワーク運用管理、サポートデスクやサービスデスク業務などを通じて、安定したシステム運用をワンストップで支えている。

エンベデッドソリューション事業では、車載機器や通信機器、産業機器、デジタル家電などを対象とした組込みシステムの開発を行っている。OSを持たないファームウェアから、Linuxなどの汎用OSを搭載した高機能な制御システムまで幅広く対応できる点が特徴である。加えて、組込みシステムの検証分野では、フィーチャーフォン時代からスマートフォンに至るまで長年の検証実績があり、システムテストや認証試験、フィールドテストなど、開発のあらゆる段階で品質を支えてきた。自動化検証やホワイトボックス検証にも対応し、北米子会社を通じた海外での検証対応も行っている。

さらにプロダクトソリューション事業では、Web改ざんやランサムウェア攻撃といった情報セキュリティ問題や、働き方改革に伴う生産性向上といった社会的課題に対し、同社が培ってきた技術を活かした自社製品を提供している。受託開発中心のビジネスに加え、自社プロダクトによる付加価値創出を図っている点が特徴である。システム販売事業では、カシオ計算機の中小企業向け基幹システム「楽一」を中心に、ネットワークやセキュリティ関連商材を提供し、中小企業のIT活用を支援している。

全体として、デジタル・インフォメーション・テクノロジーは、金融を中心とした業務系システム開発と車載・組込み分野の技術力を軸に、開発、検証、運用、製品提供までを幅広くカバーする独立系SIerであり、安定した受託開発を基盤としながら、DXやセキュリティといった成長分野への対応力を強みとする企業といえる。

デジタル・インフォメーション・テクノロジー 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益 EPS(円) 一株当たり配当
連21.6 14,444 1,722 1,730 1,196 78.5 24
連22.6 16,156 2,004 2,004 1,439 94.4 40
連23.6 18,149 2,039 2,059 1,447 95.2 36
連24.6 19,888 2,424 2,409 1,686 112.8 46
連25.6 24,159 3,013 3,027 2,178 147.4 72
連26.6予 26,000 3,050 3,050 2,200 148.1 75
連27.6予 26,700 3,200 3,200 2,300 154.9 78

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 1,427 -66 -1,031
2024 1,741 -595 -804
2025 2,394 10 -1,546

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 11.2% 24.0% 17.6%
2024 12.1% 24.2% 16.5%
2025 12.4% 26.9% 19.3% 19.1倍(高) / 12.4倍(安) 4.96倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績全体を見ると、この会社は規模の拡大と利益成長を同時に実現している点が非常に特徴的だ。売上高は198億から241億、さらに260億へと一貫して増加しており、単なる横ばいではなく着実に事業規模が大きくなっている。営業利益も24億から30億へ伸び、その後も30億台を維持しているため、成長の過程で利益が削られていない。経常利益、純利益も同様に増加しており、売上先行型ではなく、しっかりと利益を伴った成長ができていることが数字からはっきり分かる。

収益性に目を向けると、この会社の強さがより明確になる。営業利益率は11.2%、12.1%、12.4%と3年連続で高水準かつ安定しており、SI業界の中では明確に上位クラスに入る。人件費比率が高くなりがちな業態でこれだけの利益率を維持できている点は、価格競争に巻き込まれにくい顧客基盤や、付加価値の高い業務を担えていることを示している。ROEも24%台から26.9%へ上昇しており、株主資本を効率よく使って利益を生み出している。ROAも17%から19%台と非常に高く、総資産全体を見ても無駄が少ない経営ができていることが読み取れる。

評価面では、PERが安値平均12.4倍、高値平均19.1倍と、この収益性を考えれば極端な割高感はない。一方でPBRは4.9倍と高く、すでに高ROE・高収益企業としての評価は株価にしっかり反映されている。つまり、この銘柄は「割安だから放置されている株」ではなく、「質の高さを理解した投資家が一定の評価を与えている株」という位置づけになる。

ここまでを総合すると、この会社は売上成長、利益水準、収益性、資本効率のすべてが高いレベルで安定しており、事業基盤がかなり強固だといえる。爆発的な成長で短期間に株価が何倍にもなるタイプではないが、その代わり業績悪化によって評価が急崩れするリスクは相対的に低い。配当も増加傾向にあり、キャッシュフローも安定していることを踏まえると、値動きだけを狙う投資よりも、企業の質と安定した収益力を評価して中長期で保有するタイプの銘柄に向いている。割安株を探す投資家より、多少評価が付いていても高品質な企業を長く持ちたい投資家に適した銘柄だと考えられる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という視点で見ると、この銘柄は「十分に検討対象になる」水準に入っている。予想配当利回りは連26.6、連27.6ともに2.78%と、成長性を残しつつもインカムを意識できるラインにある。高配当株と呼ばれる水準ではないが、無理のない還元を継続できる現実的な利回りだ。

これまでの業績を見ると、営業利益率は12%前後、ROEは25%前後、ROAも高水準で安定しており、本業の収益力が非常に強い。営業キャッシュフローも安定してプラスで推移しており、配当の原資は十分に確保できている。利益の質が高いため、無理に配当性向を引き上げなくても、一定水準の配当を継続できる余地がある。

また、配当が成長投資を圧迫していない点も重要だ。利益成長と配当増加が両立しており、将来の成長余地を削ってまで還元している形ではない。このため、景気後退や一時的な業績ブレがあっても、すぐに減配に追い込まれるリスクは相対的に低いと考えられる。

総合すると、この銘柄は高配当株ではないものの、安定した業績と高い収益性を背景に、2%台後半の配当利回りを継続的に受け取れる可能性が高い。値上がり益だけを狙う銘柄ではなく、配当を受け取りながら中長期で保有するという目的にも十分対応できるタイプだ。インカムと安定性を重視する投資家にとっては、現実的でバランスの取れた配当銘柄といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

デジタル・インフォメーション・テクノロジーは、金融や製造業を中心とした業務系システム開発、車載などの組込みシステム開発・検証を主力とする独立系SIerである。売上の大半をソフトウェア開発が占めており、特定の製品や単発案件に依存しない安定した受託開発モデルを構築している点が特徴だ。売上高は年々拡大し、営業利益、経常利益、純利益はいずれも高水準かつ安定して推移している。営業利益率は11〜12%台とSI業界の中では非常に高く、ROE、ROAも20%前後と資本効率の良さが際立っている。赤字転落のリスクが小さく、業績の振れ幅が比較的小さいことから、事業の収益基盤はかなり堅固だといえる。また配当も継続的に実施しており、無配企業とは性格が大きく異なる。

良い場合のシナリオでは、金融向けを中心とした業務系システム開発の需要が底堅く推移し、組込み分野や検証分野でも安定した受注が続くケースを想定する。売上は大きく跳ねないものの着実に積み上がり、高付加価値案件の比率上昇によって営業利益率は12%前後で維持される。ROEも20%台半ばを継続し、配当も緩やかな増配が続くことで、安定高収益企業としての評価が定着する。PERは15倍前後で安定し、株価は業績と配当を背景にじわじわと切り上がる。この場合、現在値2,696.0円を起点として、5年後には3,600円から4,200円程度まで上昇する展開が考えられる。派手さはないが、着実な評価上昇を伴う堅実なシナリオである。

中間のシナリオでは、IT投資需要は維持されるものの成長率は鈍化し、売上・利益ともに横ばいから小幅な増加にとどまるケースを想定する。営業利益率は11%前後で安定し、ROEも20%前後を維持するが、成長性への期待は高まりにくい。市場評価は落ち着き、PERは12倍から14倍程度に収れんする。この場合、株価は大きく上昇することも下落することもなく、現在値を中心とした緩やかな推移となり、5年後の水準は2,800円から3,300円程度が現実的な到達点となる。配当を受け取りながら保有する分には悪くないが、大きなキャピタルゲインは期待しにくい。

悪い場合のシナリオでは、IT投資の減速や価格競争の激化により受注単価が下がり、高収益構造が徐々に崩れるケースを想定する。営業利益率は10%を下回り、ROE、ROAも低下することで、高品質SIerとしての評価が後退する。業績が急激に悪化する可能性は低いものの、成長性と収益性の両面での魅力が薄れれば、PERは10倍前後まで切り下げられる余地がある。この場合、株価は調整局面に入り、5年後の水準は2,000円から2,300円程度にとどまる展開が考えられる。

総合すると、現在値2,696.0円を起点としたデジタル・インフォメーション・テクノロジーの今後5年間の値動きは、良い場合で3,600円から4,200円前後、中間で2,800円から3,300円、悪い場合で2,000円から2,300円といったレンジが想定される。業績の安定性と高い収益性、継続的な配当を踏まえると、ハイリスク・ハイリターン型ではなく、安定成長とインカムを両立させたい投資家向けの銘柄であり、値動きよりも企業の質を重視するスタンスに適した投資対象だといえる。

この記事の最終更新日:2025年12月14日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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