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ネオジャパン(3921)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ネオジャパンとは

ネオジャパンは、企業向けグループウェアを主力とする独立系ソフトウェア開発企業で、グループウェア分野では国内でも大手に位置づけられる存在である。クラウドサービスとパッケージ版の両方を展開しており、企業のIT環境やセキュリティ要件に応じて柔軟に導入できる点を強みとしている。主力製品であるdesknet’s NEOは、企業内の情報共有や業務効率化を目的とした国産グループウェアとして高い知名度を持ち、中堅・中小企業から大企業、自治体まで幅広い導入実績を積み上げてきた。

同社はグループウェアを中核にしながら、業務効率化やDXを支援する周辺領域へ事業を拡張している。desknet’s NEOはスケジュール管理、ワークフロー、文書管理、掲示板などの基本機能に加え、モバイル対応や高いセキュリティ、柔軟なカスタマイズ性を備えており、日常業務の基盤として継続利用されやすい製品となっている。これに加えて、完全ノーコードで業務アプリを作成できるAppSuiteを提供しており、現場主導で業務プロセスの改善や自動化を進めたい企業のニーズを取り込んでいる。

さらに、ビジネスチャットツールであるChatLuckは、社内外の関係者とのコミュニケーションを円滑にする目的で導入されており、オンプレミス版とクラウド版の両方を用意することで、セキュリティ重視の企業にも対応している。顧客やパートナーとのやり取りを効率化するNEOPORTなど、コミュニケーションや業務支援の周辺分野にも製品ラインアップを広げており、単一製品依存からの脱却を図っている。

事業構造としては、グループウェアを中心としたソフトウェア事業が収益の軸で、ライセンス販売やクラウド利用料、保守・サポートによるストック型収益が積み上がるモデルとなっている。一方で、企業向けのシステム開発やクラウド開発・保守といったシステム開発サービス事業も手掛けており、顧客のIT活用をトータルで支援する体制を整えている。これにより、製品導入から運用、追加開発までを一貫して提供できる点が特徴となっている。

海外展開にも力を入れており、ASEAN各国を中心に自社製品の販売やクラウドサービスの提供を進めているほか、北米では製品開発や市場調査、パートナー開拓を行っている。マレーシア、タイ、フィリピンなどに現地法人を設立し、アジアを中心とした成長市場の取り込みを狙っている。国内では横浜本社を拠点に、大阪、名古屋、福岡に営業拠点を構え、全国規模での販売・サポート体制を築いている。

全体としてネオジャパンは、国産グループウェアを核とした安定したストック型ビジネスを基盤に、ノーコード、チャット、顧客コミュニケーションといった周辺領域へ展開しながら、国内外で事業の幅を広げている企業である。派手な成長よりも継続利用と安定収益を重視するビジネスモデルで、業務効率化やDX需要を背景に中長期的な成長を目指すタイプのソフトウェア企業といえる。

ネオジャパン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益 EPS(円) 一株当たり配当
連23.1 6,007 1,241 1,335 812 54.5 20
連24.1 6,615 1,296 1,375 956 64.4 23
連25.1 7,263 1,951 2,049 1,414 100.4 40
連26.1予 8,100 2,220 2,270 1,530 109.2 42〜44
連27.1予 8,700 2,350 2,400 1,620 115.6 44〜46

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 1,190 -174 -207
2024 1,027 -359 -389
2025 2,061 -452 -1,488

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 20.6% 14.2% 10.1%
2024 19.5% 15.0% 11.0%
2025 26.8% 22.4% 15.3% 21.5倍(高) / 13.1倍(安) 3.67倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の数字を見ると、売上高は66億から72億、さらに81億へと一貫して拡大しており、事業規模は着実に大きくなっている。営業利益は12億から19億、22億へと伸びており、売上成長以上のペースで利益が増えている点が特徴的だ。経常利益、純利益も同様に増加しており、単なる売上先行ではなく、しっかりと利益を伴った成長ができている状態といえる。

収益性に目を向けると、この銘柄の強さがよりはっきりする。営業利益率は19.5%から26.8%へと大きく改善しており、20%を超える水準はソフトウェア企業の中でもかなり高い。ROEも15%から22.4%、ROAも11%から15.3%へと上昇しており、資本と資産を使った利益創出力が明確に強化されている。数字だけを見る限り、事業の効率性と収益構造は年々良くなっている。

評価面では、2025年時点の実績PERは安値平均で13.1倍、高値平均でも21.5倍に収まっている。これだけの利益成長と高い収益性を考えると、極端な割高感はない。一方でPBRは3.6倍と高めで、すでに高収益ソフトウェア企業としての評価は株価に織り込まれている水準だ。割安株というよりは、質の高さを前提に評価されている銘柄といえる。

総合すると、この銘柄は売上と利益が同時に伸び、営業利益率、ROE、ROAといった指標も明確に改善している点で、業績面の完成度はかなり高い。急激な割安修正を狙うタイプではないが、業績がこの水準で維持・成長できる限り、評価が大きく崩れにくい。成長性と収益性のバランスが取れた高品質なソフトウェア企業として、中長期でじっくり保有する前提の投資判断がしやすい銘柄だと考えられる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点で見ると、この銘柄は「主目的にはならないが、十分にサブとして成り立つ」タイプだ。予想配当利回りは連26.1で2.27%、連27.1で2.54%と、ソフトウェア企業としては比較的しっかりした水準にある。高配当株と呼べるほどではないが、無配や低配の成長株とは明確に性格が違う。

これまでの数字を見る限り、営業利益率は20%前後から直近では26.8%まで改善し、純利益も拡大している。営業キャッシュフローも安定しており、配当の原資となる稼ぐ力は十分にある。現時点の配当水準は、利益を無理に吐き出している印象はなく、成長投資と株主還元のバランスを意識した現実的なラインといえる。

また、配当が業績と連動して増えている点も重要だ。利益成長に合わせて配当額を引き上げており、短期的な人気取りのために配当を積み増している形ではない。このため、業績が大きく崩れない限り、急な減配リスクは相対的に低いと考えられる。

総合すると、この銘柄は配当だけを目的に保有する高利回り株ではないが、2%台前半から後半の配当を受け取りながら、業績成長も期待できるバランス型の銘柄といえる。値上がり益とインカムの両方を意識した中長期保有には向いており、安定性と成長性を重視する投資家にとっては、配当面でも十分に検討できる水準だと考えられる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ネオジャパンは、国産グループウェアを主力とする独立系ソフトウェア企業で、desknet’s NEOを中心にクラウドサービスとパッケージ版を二本柱とした事業を展開している。売上高は年々着実に拡大しており、ストック型収益を基盤とした安定した事業構造が特徴だ。営業利益率は20%前後から直近では25%超と非常に高く、ROE、ROAも年々改善しており、ソフトウェア企業としては収益性と資本効率の両面で完成度が高い。SI型企業のような人件費比率の重さに左右されにくく、プロダクト比率の高いモデルである点が業績の安定性につながっている。また配当も継続的に実施されており、予想配当利回りは2%台前半から後半と、成長株としては比較的しっかりした水準にある。成長性と安定性、還元のバランスが取れた企業という位置づけになる。

良い場合のシナリオでは、desknet’s NEOを中心としたグループウェア需要が堅調に推移し、クラウド版の契約数が順調に積み上がるケースを想定する。ノーコードツールAppSuiteの利用拡大により、既存顧客の単価上昇と解約率の低下が同時に進み、ストック収益の厚みが増す。営業利益率は20%超で安定し、ROEも20%台を維持できれば、高収益ソフトウェア企業としての評価が一段と定着する。PERは15倍から18倍程度で安定し、配当の積み上げも株価の下支えとなる。この場合、現在値1,845.0円を起点として、5年後には2,600円から3,000円程度まで緩やかに上昇する展開が考えられる。急騰はしないが、業績と還元に裏付けられた堅実な上昇シナリオである。

中間のシナリオでは、売上成長は続くものの成長率は徐々に鈍化し、営業利益率も20%前後で横ばいとなるケースを想定する。クラウド化は進むが、新規プロダクトによる上積みは限定的で、市場からの成長評価は落ち着く。PERは12倍から15倍程度に収れんし、株価は業績と配当を反映した安定推移となる。この場合、5年後の株価は2,000円から2,300円程度にとどまり、大きな上昇はないものの下落リスクも比較的限定的な展開となる。配当を受け取りながら保有する分には現実的なシナリオだ。

悪い場合のシナリオでは、グループウェア市場の競争激化や価格競争の影響で成長が鈍化し、売上が横ばいに近づくケースを想定する。営業利益率は20%を下回り、ROE、ROAの改善も止まることで、高収益企業としての評価が後退する。業績が大きく崩れる可能性は低いものの、成長期待の剥落によりPERは10倍前後まで切り下げられる可能性がある。この場合、株価は調整局面に入り、5年後の水準は1,400円から1,700円程度にとどまる展開も十分に考えられる。

総合すると、現在値1,845.0円を起点としたネオジャパンの今後5年間の値動きは、良い場合で2,600円から3,000円前後、中間で2,000円から2,300円、悪い場合で1,400円から1,700円といったレンジが想定される。高成長で値動きを狙う銘柄ではないが、高収益・安定収益・配当を兼ね備えたソフトウェア企業として、中長期でじっくり保有する前提の銘柄と位置づけるのが妥当だと考えられる。

この記事の最終更新日:2025年12月14日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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