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トーモク(3946)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

トーモクとは

トーモクは、段ボール製品加工の専業メーカーとして国内首位に位置する企業であり、段ボール・紙器事業を中核に、住宅事業、運輸・倉庫事業を加えた三本柱の事業構造を持っている。包装資材という産業インフラに近い分野を基盤としながら、人々の暮らしや物流までを支える存在として事業領域を広げてきた点が特徴である。

本社は東京都千代田区丸の内に置き、中央研究所を埼玉県さいたま市岩槻区に構える。生産拠点としては館林工場、岩槻工場、厚木工場などを有し、全国規模で段ボール・紙器製品を安定供給できる体制を整えている。段ボール加工専業メーカーとして長年にわたり蓄積してきた技術力とノウハウにより、食品、飲料、日用品、工業製品など多様な分野の顧客ニーズに対応している。

段ボール・紙器事業では、箱型の設計・開発から製造、納品までを一貫して担っており、高品質かつ低コストの製品を作り上げる技術を強みとしている。単に箱を供給するだけでなく、物流効率や作業性、製品保護、コスト削減までを考慮したオーダーメイド型の提案を行っており、顧客ごとの要望にきめ細かく対応する姿勢が評価されている。段ボールと紙器を組み合わせたトータル・パッケージングの提案により、外装から内装まで一体で設計する体制も確立している。

紙器事業では、店頭での訴求力や販売促進効果を意識したパッケージ製品を企画・提案している。マルチパック分野への展開など、物流コスト削減とディスプレイ効果を両立させる製品開発にも取り組んでおり、商品の価値を高める包装を提供することを重視している。

住宅事業では、子会社スウェーデンハウスを通じて、輸入木造住宅の設計・施工・販売を行っている。北欧スウェーデンの住宅思想を背景に、高断熱・高気密で耐久性の高い住宅を提供しており、天然木の温もりを生かした住まいづくりを特徴としている。住宅に使用される部材は、スウェーデンにある系列会社トーモクヒュースABが製造しており、設計から部材製造、施工、販売までをグループ内で一貫して行う体制を構築している。

運輸・倉庫事業では、段ボール・紙器製品や住宅部材の物流を支えるとともに、顧客向けの物流サービスも展開している。製造から配送までを自社グループで担うことで、ジャスト・イン・タイム対応やコスト効率の向上を実現し、他事業とのシナジーを高めている。商事事業や貿易関連業務も含め、グループ全体として付加価値の高いサービス提供を目指している。

トーモクの事業全体には「包む」という共通の思想が貫かれている。段ボールで商品の品質を包み、紙器で商品の価値を包み、住宅事業で人々の暮らしを包むという考え方のもと、包装資材を起点にビジネスと生活の両面を支える企業であり続けようとしている。品質管理やトレーサビリティの徹底、環境に配慮した生産体制の整備にも力を入れており、独自の機械や設備を活用したものづくりを進めている。また、人材育成にも積極的で、「錬匠館」「販捷館」といった研修施設を通じて、技術や企業スピリットを次世代へ継承する取り組みを続けている。

総じてトーモクは、段ボール加工専業トップメーカーとしての技術力と信頼を土台に、住宅や物流までを含めた三本柱の事業展開によって、安定性と独自性を併せ持つ企業である。短期的な成長よりも、長期的に社会や暮らしを支え続けることを重視した経営姿勢が、同社の大きな特徴だといえる。

トーモク 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益EPS(円) 一株当たり配当
連23.3 212,817 7,452 7,983 5,251 319.7 60
連24.3 211,526 8,057 8,614 5,308 323.0 70
連25.3 219,613 9,360 9,400 6,508 395.5 100
連26.3(予) 230,000 11,000 10,800 7,000 424.3 130
連27.3(予) 240,000 12,000 11,800 7,500 454.6 135〜140

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023 7,013 -9,389 535
2024 11,116 -9,286 1,049
2025 18,142 -8,262 -7,054

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 3.5% 6.5% 2.6%
2024 3.8% 5.9% 2.4%
2025 4.2% 7.0% 3.1% 4.8~7.1倍 0.58倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず利益水準の推移を見ると、連24.3は営業利益80億円、経常利益86億円、純利益53億円で、段ボール・紙器を中心とした事業としては安定した収益力を示している。連25.3になると営業利益93億円、経常利益94億円、純利益65億円と増益が続き、連26.3予では営業利益110億円、経常利益108億円、純利益70億円と、さらに利益が伸びる前提となっている。売上規模が急拡大するタイプの企業ではないものの、利益は着実に積み上がっており、トーモクの事業の地力が年々強化されていることが分かる。

収益性指標を見ると、営業利益率は3.5%、3.8%、4.2%と緩やかながら改善傾向にあり、素材・包装系企業としては堅実な水準に向かっている。ROEは6.5%、5.9%、7.0%、ROAは2.6%、2.4%、3.1%で、高収益企業とは言えないが、直近では効率性が持ち直している。自己資本を厚く保ちながら、無理のない形で収益性を引き上げている段階にあると読み取れる。

バリュエーションを見ると、2025年の実績PERは高値平均7.1倍、安値平均4.8倍と明確に低水準で、PBRも0.5倍台にとどまっている。利益が増加基調にあるにもかかわらず、評価は依然として保守的であり、市場はトーモクを成長株としてではなく、成熟したディフェンシブ銘柄として見ていることが分かる。

これらの数値を総合すると、トーモクは営業利益率やROE、ROAといった指標は高くないものの、利益は右肩上がりで拡大しており、事業基盤は着実に強化されている。一方でPERは1桁、PBRは0.6倍を下回る水準にあり、業績改善が十分に株価へ織り込まれていない状態といえる。結論としては、急成長や派手な株価上昇を狙う銘柄ではないが、低評価のまま利益が伸びている点は魅力であり、トーモクはディフェンシブ性を持ちながら評価見直し余地を内包する中長期向きの銘柄、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

連26.3の予想配当利回りは3.84%、連27.3では4.14%と、3%台後半から4%台に乗る水準であり、日本株全体で見ても明確に高配当ゾーンに入っている。しかもこの利回りは、業績が横ばい前提ではなく、営業利益や純利益が拡大している中で示されている点が重要で、無理に配当を積み上げている印象はない。

実際、トーモクの利益は連24.3から連26.3予にかけて、営業利益80億円から110億円、純利益53億円から70億円へと増加する見通しであり、配当原資となる稼ぐ力は明確に強化されている。営業利益率やROE、ROAは高水準とは言えないものの、年々改善しており、利益の質が少しずつ良くなっている段階といえる。

PERは7倍前後、PBRは0.6倍を下回る水準で、市場評価はかなり低い。このため、配当利回りが株価の下支えとして機能しやすく、大きく売り込まれにくい構造になっている。仮に株価が調整しても、利回りが4%台後半に近づけば、インカム目的の買いが入りやすい点は強みになる。

一方で注意点としては、段ボール・住宅という事業特性上、景気や市況の影響を完全には避けられないため、毎年大幅な増配が続くタイプではない点が挙げられる。ただし、利益が計画どおり推移する限り、減配リスクは高くなく、現行水準の配当を安定的に受け取るには十分な余力がある。

総合すると、トーモクは値上がり益を強く狙う銘柄ではないが、3%台後半から4%台の配当利回りを軸に、業績改善と低評価を背景にした安定したインカムを狙う投資には適している。配当を重視しつつ、中長期でじっくり保有する目的には、かなり相性の良い銘柄だといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

トーモクは、段ボール製品加工の専業メーカーとして国内首位に位置し、段ボール・紙器事業を中核に、住宅事業、運輸・倉庫事業を加えた三本柱の事業構造を持つ企業である。食品、日用品、工業製品など生活必需分野向けの包装需要を中心に、安定した受注基盤を持つ点が特徴であり、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな事業性を備えている。近年は営業利益、純利益ともに着実に拡大しており、配当も増配基調にある。現在価格3,380.0円を起点に、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、段ボール・紙器事業が安定成長を続け、住宅事業も大きな落ち込みなく推移することで、営業利益は100億円超を安定的に確保するケースを想定する。営業利益率は4%台前半まで改善し、ROEも7%前後で定着する。これまで低位に抑えられてきた評価が徐々に見直され、PBRは0.8倍前後、PERは8〜9倍程度まで許容される。この場合、増配を継続しながら評価修正が進み、現在価格3,380.0円から緩やかな上昇基調となり、5年後の株価は4,500円から5,200円程度まで上昇する展開が考えられる。値上がり益に加え、配当を含めたトータルリターンが比較的大きくなる、最も強気なシナリオである。

中間のシナリオでは、事業環境に大きな変化はなく、段ボール需要は堅調だが、住宅関連は市況の影響を受けやすく、全体としては緩やかな成長にとどまるケースを想定する。営業利益は90〜110億円規模で推移し、営業利益率は4%前後、ROEは6%台で横ばいとなる。市場評価も大きくは変わらず、PERは6〜7倍、PBRは0.5〜0.6倍程度に収れんする。この場合、株価は現在値3,380.0円を中心に上下しながら推移し、5年後の水準は3,500円から3,900円程度に収まる可能性が高い。配当利回り4%前後を受け取りながら保有する、インカム重視の展開となる。

悪い場合のシナリオでは、住宅市況の悪化や原材料価格の変動により利益が圧迫され、営業利益は80億円前後まで低下するケースを想定する。営業利益率は3%台に戻り、ROEも5%台まで低下することで、市場の慎重姿勢が強まる。評価面ではPERは5倍前後、PBRは0.4倍台まで切り下がる可能性がある。この場合、株価は調整局面に入り、現在価格3,380.0円から下落し、4000円回復は遠のき、5年後の株価は2,400円から2,900円程度にとどまる可能性がある。ただし配当は維持される前提であり、利回り上昇が下値を一定程度支える展開になりやすい。

総合すると、現在価格3,380.0円を起点としたトーモクの5年間の値動きは、良い場合で4,500円から5,200円前後、中間で3,500円から3,900円、悪い場合で2,400円から2,900円といったレンジが想定される。高成長株ではないが、安定した事業基盤、増配基調、低評価という特徴を併せ持ち、配当を軸にしながら中長期でじっくり保有する投資家に向いた銘柄だといえる。

この記事の最終更新日:2025年12月15日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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