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ランドコンピュータとは

ランドコンピュータは、コンサルティングからシステム導入、運用・保守管理までを一貫して行う独立系のシステムインテグレーターである。特定のメーカー系列に属さず、顧客の立場に立った柔軟な提案ができる点を強みとしており、特に金融分野に強みを持つ。銀行、保険、証券、クレジットカードなどの金融系システムで長年の実績があり、富士通を主顧客とするなど、大手メーカーや大手SIerとの取引基盤が厚い。
インターネットが社会インフラとして定着し、情報システムが企業活動の根幹を担う存在となる中で、ランドコンピュータは顧客ごとの経営課題や業務内容を深く理解し、業種や従来の枠組みにとらわれない発想でIT活用を支援している。ビジネスのスピードに対応しつつ、情報システムの品質と安全性を高めることを使命とし、顧客のビジネスをワンストップで支える姿勢を重視している。
事業は大きく、システムインテグレーション、パッケージベースSI&サービス、インフラソリューションの3つのサービスラインで構成されている。中核となるシステムインテグレーションでは、金融業を中心に、産業・流通、公共、医療など幅広い分野で受託開発を行っている。企画立案からシステム構築、運用・保守まで全工程を一貫して手掛けており、基幹系や業務系システムといった継続性の高い案件が多いことから、安定した収益につながっている。
パッケージベースSI&サービスでは、Salesforce、COMPANY、SuperStream、奉行シリーズなどの業務パッケージ製品を活用し、導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、運用・保守までをトータルで提供している。顧客の業務に合わせた柔軟なシステム構築が可能であり、成長分野として今後の拡大も期待されている。
インフラソリューションでは、サーバやネットワークの構築、データベースやアプリケーション基盤の整備といったITインフラ全般を担い、設計から運用・保守までを一貫して提供している。仮想化技術にも対応し、一般企業、大学、病院、官公庁など多様な顧客のIT環境を調査・分析した上で、最適なインフラを構築している。システムインテグレーションと組み合わせたワンストップ・ソリューションも同社の特徴だ。
全体としてランドコンピュータは、金融系に強い業務系システムを軸に、品質と安全性を重視した堅実なITサービスを提供し続けている独立系SIerである。派手な成長はないものの、長年培った技術力と顧客との信頼関係を背景に、安定した事業基盤を築いている企業といえる。
ランドコンピュータ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益(EPS) | 一株当り配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 11,578 | 1,222 | 1,238 | 772 | 43.0 | 17.5 |
| 連24.3 | 13,732 | 1,729 | 1,743 | 1,233 | 68.7 | 35 |
| 連25.3 | 13,730 | 1,433 | 1,463 | 1,023 | 57.0 | 36 |
| 連26.3 予 | 14,500 | 1,860 | 1,880 | 1,250 | 69.6 | 38 |
| 連27.3 予 | 15,000 | 1,950 | 1,970 | 1,320 | 73.5 | 38〜40 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 (百万円) |
営業キャッシュフロー | 投資キャッシュフロー | 財務キャッシュフロー |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 981 | -644 | -286 |
| 2024.3 | 1,125 | -122 | -369 |
| 2025.3 | 829 | -9 | -771 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | 10.5% | 15.9% | 10.2% | — | — |
| 2024.3 | 12.5% | 21.4% | 14.1% | — | — |
| 2025.3 | 10.4% | 17.1% | 12.2% |
高値平均 14.0倍 安値平均 9.3倍 |
2.74倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ランドコンピュータについて、提示された数値だけを用いて投資判断を行う。連24.3は売上高137億円、営業利益17億円、経常利益17億円、純利益12億円。連25.3は売上高137億円、営業利益14億円、経常利益14億円、純利益10億円。連26.3予は売上高145億円、営業利益18億円、経常利益18億円、純利益12億円となっている。売上は大きな成長はないものの、ほぼ横ばいから緩やかな増加で推移しており、営業利益・経常利益・純利益はいずれも二桁億円を安定して確保している。
25年に一時的な減益はあるが、26年予想では再び増益に戻る計画で、業績全体は安定型と言える。収益性を見ると、営業利益率は2023年10.5%、2024年12.5%、2025年10.4%で、独立系SIerとしては比較的高い水準を維持している。ROEは15.9%、21.4%、17.1%と一時的に20%を超える場面もあり、平時でも15%超を確保できている点は評価できる。
ROAも10.2%、14.1%、12.2%と二桁を維持しており、資産効率も良好である。急成長企業ではないが、堅実に利益を積み上げられる体質が数字にはっきり表れている。次にバリュエーションを見ると、2025年実績PERは高値平均14.0倍、安値平均9.3倍、実績PBRは2.7倍となっている。PERは9〜14倍レンジで、同業や市場全体と比べても割高感はなく、業績の安定性を考慮すれば妥当からやや割安寄りの水準と言える。
PBRは2倍台後半とやや高めだが、ROEが15%以上を安定して出せていることを踏まえると、過度に割高とは言いにくい。以上の数値だけで判断すると、ランドコンピュータは売上成長こそ緩やかだが、営業利益率、ROE、ROAが安定して高く、業績の振れが小さい堅実な企業である一方、市場から過剰な成長期待を背負っていないため、評価面のリスクは比較的小さい。結論として、高成長を狙う銘柄ではないが、安定した収益力と妥当なバリュエーションを重視する投資スタイルには向いており、急騰は期待しにくいものの大崩れもしにくい、中小型IT株の安定枠として中長期保有向け、という判断になる。
配当目的とかどうなの?
配当目的という観点で見ると、ランドコンピュータはかなり魅力がある部類に入る。予想配当利回りは連26.3で4.06%、連27.3でも4.06%と高水準で、日本株全体の平均配当利回りと比べても明確に上回っている。この水準であれば、インカムゲインを目的とした保有でも十分に成立する。
これまで見てきた業績を踏まえると、売上は大きく伸びないものの、営業利益率は10%前後を維持し、ROEやROAも二桁水準を確保しており、利益の安定性は高い。営業キャッシュフローも黒字を維持していることから、配当を継続するための基盤はしっかりしていると判断できる。高成長企業ではないため株価の急騰は期待しにくいが、その分、稼いだ利益を株主に還元する姿勢がはっきりしている。PERも一桁後半から10倍台前半を想定でき、評価面の過熱感が小さい点は配当投資との相性が良い。
株価が大きく上がらなくても、4%超の利回りを安定的に受け取れる可能性が高く、値下がりリスクも比較的抑えられやすい。結論として、ランドコンピュータは成長株ではなく、高配当・安定収益型として配当目的に十分向いた銘柄であり、インカムゲインを重視する中長期投資では有力な選択肢になるという評価になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ランドコンピュータは、コンサルティングからシステム開発、導入、運用・保守までを一貫して提供する独立系システムインテグレーターである。金融分野に強みを持ち、銀行、保険、証券、クレジットカードなどの金融系システムで豊富な実績を有しており、富士通を主顧客とするなど大手メーカー・大手SIerとの安定した取引基盤を築いている。
業務系・基幹系システムを中心とした受託開発が主力で、売上は大きな成長こそないものの安定して推移しており、営業利益、経常利益、純利益はいずれも二桁億円を継続的に確保している。営業利益率は10%前後と独立系SIerとしては高水準で、ROE、ROAも二桁を維持しており、堅実な収益力と資本効率の良さが数字に表れている。また配当利回りは4%超と高く、株主還元を重視した姿勢が特徴となっている。現在価格(934円)から今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の予想を書いていきます。
良い場合のシナリオでは、金融系を中心とした既存顧客向け案件が安定的に推移し、システム更新需要や保守・運用案件の積み上げによって業績が緩やかに拡大するケースを想定する。売上成長は限定的ながらも、営業利益率は10%前後を維持し、ROE、ROAも安定して二桁を確保する。高配当銘柄としての評価が市場に定着し、配当利回り4%前後を評価する資金が継続的に流入することで、PERは12〜14倍程度まで許容される。この場合、現在価格934.0円を起点として、5年後の株価は1,200円から1,400円程度まで緩やかに上昇する展開が考えられる。値上がり益に加え、配当込みでのトータルリターンが安定するシナリオだ。
中間のシナリオでは、主力顧客との取引は維持されるものの、新たな成長ドライバーは乏しく、売上・利益は横ばいから微増にとどまるケースを想定する。営業利益率やROE、ROAは現状水準を維持し、事業の安定性は高いが、成長企業としての評価は高まりにくい。市場評価は落ち着き、PERは10〜12倍程度に収れんする可能性がある。この場合、現在価格934.0円を中心に株価は大きく上昇せず、5年後の水準は900円から1,100円程度となり、配当を受け取りながら保ち合う展開が現実的となる。
悪い場合のシナリオでは、IT投資抑制や主要取引先の案件縮小により、売上や利益がやや減少するケースを想定する。営業利益率は10%を下回り、ROE、ROAも低下することで、安定収益企業としての評価がやや揺らぐ。高配当は維持されるものの、市場の警戒感からPERは8〜9倍程度まで切り下げられる余地がある。この場合、現在価格934.0円から株価は調整局面に入り、5年後の株価は700円から850円程度にとどまる可能性がある。ただし配当利回りはさらに上昇するため、下値は比較的限定的になりやすい。
総合すると、現在価格934.0円を起点としたランドコンピュータの今後5年間の値動きは、良い場合で1,200円から1,400円前後、中間で900円から1,100円、悪い場合で700円から850円といったレンジが想定される。高成長は期待しにくい一方で、安定した収益力と高配当を兼ね備えており、配当を軸に中長期で安定したリターンを狙う投資家にとって位置づけしやすい銘柄だといえる。
この記事の最終更新日:2025年12月15日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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