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テイカ(4027)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

テイカとは

テイカは、大阪府大阪市に本社を置く東証プライム上場の化学メーカーであり、酸化チタンを主力とする無機化学品メーカーとして長い歴史を持つ企業である。1919年に過リン酸肥料の製造を目的として設立され、戦後の1951年に酸化チタン、1961年に界面活性剤の製造を開始し、以降これらを事業の柱として成長してきた。現在では、汎用化学品メーカーというよりも、特定用途に強みを持つスペシャルティケミカルズ企業としての色合いが強い。

主力の酸化チタンは、塗料やプラスチック、紙などの工業用途を中心に幅広く使用されてきたが、近年は化粧品向け、とくにUVカット用途への展開が大きなテーマとなっている。微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛は、日焼け止めや化粧品に欠かせない素材であり、安全性や分散性、使用感といった高度な品質が求められる分野である。テイカは長年培ってきた微粒子制御技術を活かし、この分野で高付加価値化を進めている。

界面活性剤や硫酸、無公害防錆顔料、表面処理製品も重要な事業であり、特に表面処理製品では、微粒子コーティング技術と界面制御技術を組み合わせた独自性の高い製品を展開している。受注生産体制を基本とし、顧客ごとに細かく異なる要求に対応できる点は、価格競争に陥りにくい強みとなっている。

また、近年は電子材料や医療分野への展開も進んでいる。導電性高分子薬剤は、電子部品や機能材料向けとして用途が広がりつつあり、医療分野では超音波画像診断装置向けのセラミック振動子、いわゆる圧電材料を手掛けている。2020年に医療用超音波診断向け材料を本格展開して以降、エレクトロ・セラミックス分野は同社の新たな成長領域として位置づけられている。

こうしたニッチ分野での技術力と競争力が評価され、テイカは経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されている。大量生産・低付加価値型の化学メーカーとは異なり、用途特化・機能特化型の製品で差別化を図る戦略が同社の特徴である。

拠点は大阪を中心に展開しており、本社のほか大阪研究所、大阪工場を持ち、岡山研究所では研究開発機能を強化している。東京支店は首都圏での営業拠点として機能している。関連会社としては、倉庫業を担うテイカ倉庫、化学薬品の販売を行うテイカ商事、エレクトロ・セラミックス製品を扱うTFTがあり、製造から販売、物流までをグループ内でカバーする体制を整えている。

全体としてテイカは、酸化チタンという伝統的な基盤事業を持ちながら、化粧品、電子材料、医療診断といった成長性のある分野へ用途を広げることで、付加価値の高い事業構造への転換を進めている企業である。急激な成長を狙うタイプではないが、技術力を背景に安定した需要を積み重ねていく、堅実で独自性の強い化学メーカーだといえる。

テイカ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) EPS(一株益・円) 配当金(一株・円)
21.3期 38,402 2,927 2,740 1,927 83.2 36
22.3期 46,362 3,651 4,156 2,845 122.8 36
23.3期 54,773 4,224 4,717 2,986 128.9 36
24.3期 52,993 2,325 2,802 1,866 80.6 38
25.3期 55,737 3,525 3,747 2,422 105.5 38
26.3期予 56,800 3,180 3,480 2,320 101.6 40
27.3期予 60,800 3,650 3,950 2,630 115.2 40〜42

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 581 -2,980 825
2024年3月期 4,978 -3,949 1,453
2025年3月期 5,056 -7,077 1,678

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023年3月期 7.7% 5.6% 3.9%
2024年3月期 4.3% 3.2% 2.2%
2025年3月期 6.3% 4.1% 2.7% 11.7~16.3倍 0.45倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の流れを見ると、24年3月期は売上高529億円、営業利益23億円、経常利益28億円、純利益18億円という水準だった。この年は営業利益率が4.3%まで低下しており、利益面では明確に弱さが出た年だったといえる。売上規模そのものは大きく崩れていないが、コストや市況の影響を受けて収益力が落ち込んだ局面だった。

25年3月期になると、売上高は557億円に増加し、営業利益は35億円、経常利益37億円、純利益24億円まで回復している。営業利益は大きく伸びており、24年の落ち込みからはっきりと立て直した年といえる。ただし、営業利益率は6.3%まで戻したものの、23年の7%台と比べるとまだ低く、力強い成長局面というよりは回復局面にとどまっている印象がある。

26年3月期予では、売上高568億円と緩やかな増収を見込む一方で、営業利益は31億円、経常利益34億円、純利益23億円と、25年からはやや減少する前提になっている。大きな悪化ではないが、利益は横ばいから微減となり、業績の勢いは一服する想定である。成長というよりは安定重視のフェーズに入るイメージが強い。

収益性を見ると、営業利益率は23年の7.7%から24年に4.3%まで低下し、25年には6.3%まで回復しているが、年ごとの振れが大きく、安定して高い水準とは言えない。ROEは5.6%、3.2%、4.1%と推移しており、株主資本を使った稼ぐ力は低水準にとどまっている。ROAも3.9%、2.2%、2.7%と、資産効率は全体として弱く、企業体質として高収益型とは言いにくい。

評価面を見ると、25年時点の実績PERは11.7倍から16.3倍のレンジにあり、割高感はない。一方でPBRは0.4倍台と非常に低く、純資産に対する市場評価はかなり厳しい。ROEが4%前後にとどまっていることを考えると、PBRが低いことには理由があり、評価が低い一方で、それを裏付ける収益性の弱さも同時に存在している。

これらを総合すると、テイカは売上規模が安定しており、急激な業績悪化リスクは小さい企業である。一方で、営業利益率、ROE、ROAはいずれも高水準とは言えず、成長力や資本効率の面では弱さが残る。24年の落ち込みから25年にかけては回復したものの、26年予では再び伸びが鈍る見通しであり、業績の勢いは限定的といえる。

ただし、PBRが0.4倍台という水準は、すでにかなり悲観的な評価が織り込まれている状態でもある。業績が安定して推移する限り、大きな下落リスクは抑えられやすい一方で、ROEがはっきりと改善しない限り、大幅な評価修正による株価上昇は期待しにくい。提示された数値だけで判断するなら、テイカは成長株として積極的に買う対象ではなく、業績の安定性と低評価を評価するバリュー寄りの銘柄である。大きなリターンを狙うというよりも、下値の限定性を意識しながら慎重に向き合う、中立からやや弱気寄りの投資判断になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でテイカを見ると、この銘柄は「配当だけを狙うにはやや弱いが、安定した配当を受け取りたい人には一定の意味がある」という位置づけになる。予想配当利回りは26年3月期、27年3月期ともに3.33%で、日本株全体の中では平均よりやや高めの水準にある。2%前後の銘柄と比べると配当妙味は感じられる数字であり、インカムゲインを意識する投資家にとって無視できない水準ではある。

ただし、この3%台の利回りは、会社が非常に高い収益力を持っているから実現しているというよりも、株価が低く評価されている結果として表れている面が大きい。実際、PBRは0.4倍台とかなり低く、ROEも4%前後にとどまっている。企業としての稼ぐ力は安定しているが、強いとは言えず、そのため株価評価が抑えられている状況が、結果として配当利回りを押し上げている構図になっている。

業績面を見ると、売上規模は安定しており、営業利益や純利益も大きく崩れているわけではない。24年の落ち込みから25年にかけては回復しており、26年予でも極端な悪化は想定されていない。このため、現在の配当水準がすぐに維持できなくなるような印象はなく、減配リスクは比較的低いと考えられる。

一方で、今後大きく増配していけるかという点については期待しにくい。営業利益率やROEの水準を見る限り、配当余力は決して潤沢とは言えず、配当はあくまで安定重視、横ばいから緩やかな増配にとどまる可能性が高い。

総合すると、テイカは高配当株として積極的に選ばれるタイプではないが、業績の安定性と低評価を背景に、3%台の配当を比較的安心して受け取れる銘柄である。大きなインカムゲインや配当成長を狙うよりも、値下がりリスクを抑えつつ、そこそこの配当を受け取りたい人向けの配当目的投資に向いた銘柄だといえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

テイカは、酸化チタンを主力とする化学メーカーであり、塗料、プラスチック、化粧品、UV関連用途など幅広い分野向けに素材を供給している。特に微粒子酸化チタンは、化粧品や機能性材料向けの高付加価値用途で強みを持ち、近年は医療診断用の圧電材料や導電性高分子関連薬剤など、ニッチ分野への展開も進めている。売上高は500億円台で安定して推移しており、景気の影響を受けにくい用途が多い一方で、収益性は高くなく、営業利益率は4〜7%程度にとどまっている。PBRは0.4倍台と極めて低く、市場からは慎重な評価を受けている銘柄である。現在株価1,200円を起点に、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、化粧品向けや機能性材料向けの酸化チタン需要が堅調に推移し、付加価値製品の比率が徐々に高まることを想定する。原材料価格の上昇が落ち着き、価格転嫁も進むことで営業利益率は7%前後まで回復する。ROEも5〜6%台に改善し、低すぎる資本効率に対する市場の見方が変化する。これによりPBRは現在の0.4倍台から0.8〜1.0倍程度まで是正され、PERも15倍前後で安定する。業績の急成長はないものの、「安定+割安是正」の評価が進み、株価は段階的に見直される。この場合、現在株価1,200円から、5年後には2,200円から2,500円程度まで上昇する展開が考えられる。低評価修正が主因となる強気シナリオである。

中間のシナリオでは、事業環境は大きく変わらず、売上高・利益ともに緩やかな増減を繰り返しながら横ばいで推移するケースを想定する。営業利益率は5〜6%台、ROEは4%前後にとどまり、収益性は改善するものの力強さには欠ける。配当は維持され、利回りは3%台を確保するが、成長期待は限定的なため市場評価も大きくは変わらない。PBRは0.4〜0.6倍程度で推移し、株価は現在水準を中心に緩やかなレンジ相場となる。この場合、5年後の株価水準は1,300円から1,400円程度に収まる可能性が高い。配当を受け取りながら長期保有する、最も現実的なシナリオといえる。

悪い場合のシナリオでは、原材料価格の上昇や競争激化により収益性が再び悪化するケースを想定する。営業利益率は4%前後まで低下し、ROEも3%を下回る。成長分野への投資が成果につながらず、市場からは「低収益体質が固定化した企業」と見なされる可能性がある。この場合、PERは一桁台に近づき、PBRも0.3倍台まで低下する。配当は維持される可能性が高いものの、株価は評価低下を受けて軟調に推移し、5年後には800円から900円程度まで下落する展開も想定される。

総合すると、現在株価1,200円を起点としたテイカの5年間の値動きは、良い場合で2,200円から2,500円前後、中間で1,300円から1,400円、悪い場合で800円から900円といったレンジが想定される。急成長を狙うタイプの銘柄ではないが、事業の安定性と低PBRを背景に、評価是正が進めばリターンが見込める可能性がある。配当を受け取りながら、割安修正の余地に期待する中長期投資家向けの銘柄だといえる。

この記事の最終更新日:2025年12月17日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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