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プラスアルファ・コンサルティング(4071)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

プラスアルファ・コンサルティングとは

プラスアルファ・コンサルティングは、人材活用を軸にデータ分析と可視化を強みとするクラウドサービスを提供するSaaS企業であり、マーケティング、CRM、人事といった企業活動の中核領域においてデータ活用による意思決定の高度化を支援している。本店所在地は東京都港区東新橋一丁目9番2号、汐留住友ビル25階に置いている。

同社は、企業内外に蓄積される膨大なデータを統合し、分析・可視化することで、現場業務の効率化と経営判断の質の向上を図ることを目的として事業を展開している。単なる分析ツールの提供にとどまらず、データの収集から分析、施策の実行、効果検証までを一気通貫で行える点が特徴で、ノーコード操作を前提とした設計により、専門知識を持たない現場担当者でも活用しやすい仕組みを構築している。

事業の中心となるのが、マーケティングソリューション、CRMソリューション、HRプラットフォームの3領域である。マーケティングソリューションでは、顧客体験フィードバックシステムである見える化エンジンや、FAQソリューションのアルファスコープを展開している。見える化エンジンは、顧客の声やアンケート、問い合わせ、SNSなどのテキストデータを分析し、商品やサービスの改善、マーケティング施策の高度化に活用されている。アルファスコープは、FAQの蓄積だけでなく、利用状況や検索傾向の分析までを行う次世代型のFAQシステムであり、自己解決率の向上や対応品質の均一化を実現することで、カスタマーサポート業務の効率化に貢献している。

CRMソリューションでは、CRMおよびMA機能を備えたカスタマーリングスを提供している。ECやBtoCサービスを中心に、顧客管理からデータ統合、分析、セグメント作成、施策実行、効果測定までを1つのツールで完結できる点が特徴である。多彩な分析機能を備え、クリック操作で必要なデータを確認できるため、分析工数を大幅に削減し、顧客理解を深めながら売上向上につなげることが可能となっている。

HRプラットフォーム事業では、タレントマネジメントシステムであるタレントパレットを中核サービスとして展開している。人材データを一元管理し、分析・可視化することで、人事業務の効率化にとどまらず、経営・人事戦略の意思決定高度化を支援している。次世代人材の育成、最適配置、離職防止、採用強化などを目的とした人事DXや科学的人事の実現を掲げており、人的資本経営への関心の高まりを背景に導入が拡大している。

さらに、生成AI活用を支援するPAC AIソリューションにも取り組んでおり、マーケティングや人事に特化したSaaSと生成AIを組み合わせることで、企業が生成AIの力を最大限に引き出し、持続的な価値創出につなげるための支援を行っている。このほか、教育機関向けにはスクールマネジメントシステムのヨリソルを提供しており、教育機関内に散在するデータを一元化して見える化することで、教育の質向上を支援している。

プラスアルファ・コンサルティングは、マーケティング、CRM、人事といった複数の業務領域を横断してデータを活用できる点を強みとし、ストック型のSaaSモデルを基盤に、安定的かつ持続的な成長を目指す企業として位置づけられる。

プラスアルファ・コンサルティング 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益 EPS(円) 一株当たり配当
単21.9 6,118 2,106 2,091 1,428 35.7 7.2
単22.9 7,910 2,663 2,671 1,796 44.7 9
連23.9 11,171 3,711 3,678 2,620 63.8 13
連24.9 13,914 4,540 4,540 3,093 73.2 16
連25.9 17,084 6,378 6,320 3,258 78.6 29
連26.9予 19,500 7,500 7,500 5,200 122.7 38
連27.9予 22,400 8,800 8,800 6,100 144.0 43〜44

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年9月期 3,307 -644 136
2024年9月期 3,318 -950 -456
2025年9月期 5,154 -164 -615

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023年9月期 33.2 27.7 21.8
2024年9月期 32.6 25.6 20.2
2025年9月期 37.3 22.0 17.4 高値平均 43.3
安値平均 23.1
7.02

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の推移を見ると、2024年9月期は売上高139億円に対して営業利益45億円、経常利益45億円、純利益30億円と、非常に高い利益水準を維持している。2025年9月期には売上高170億円、営業利益63億円、経常利益63億円、純利益32億円へとさらに拡大しており、規模拡大と利益成長が同時に進んでいることが分かる。2026年9月期予想では売上高195億円、営業利益75億円、経常利益75億円、純利益52億円と、成長スピードが加速する見通しとなっている。

収益性を見ると、営業利益率は2023年33.2%、2024年32.6%、2025年37.3%と、30%を大きく超える極めて高い水準を維持している。ROEは27.7%、25.6%、22.0%とやや低下傾向にあるものの、依然として高水準であり、ROAも21.8%、20.2%、17.4%と高い資産効率を維持している。事業拡大に伴い指標が緩やかに低下しているものの、SaaS企業としては依然としてトップクラスの収益性と効率性を誇る水準である。

バリュエーションを見ると、2025年実績PERは高値平均43.3倍、安値平均23.1倍と振れ幅が大きく、成長期待を強く織り込む局面と、調整局面の差が明確に表れている。PBRは7.0倍と非常に高く、資産価値よりも将来成長を強く評価されている銘柄であることが分かる。ROE22.0%という水準を考慮しても、PBRはかなり高い位置にあり、市場の期待値は相当高い。

以上を踏まえた投資判断としては、プラスアルファ・コンサルティングは売上成長、利益成長、収益性、資本効率のすべてが高水準でそろっており、事業内容そのものの質は極めて高い銘柄と評価できる。一方で、PBR7倍台、PER高値平均40倍超という評価は、成長の持続を前提とした強気な水準であり、業績が計画どおりに伸び続けることが前提条件となっている。

結論として、提示された数値だけで判断する限り、プラスアルファ・コンサルティングは「事業の質は非常に高いが、株価水準は割安ではない」銘柄である。成長が続く限り評価は維持されやすい一方で、成長鈍化が見えた場合にはバリュエーション調整の影響を受けやすい。中長期での成長を信じて保有するには適した銘柄だが、新規投資では価格水準と成長持続性を慎重に見極める必要がある。

配当目的とかどうなの?

プラスアルファ・コンサルティングを配当目的で見ると、結論ははっきりしていて、配当を主目的とする投資には向かない銘柄と判断できる。まず数値面では、2026年9月期の予想配当利回りは1.54%、2027年9月期でも1.75%と、株式投資全体の中では低い水準にとどまっている。無配ではないものの、インカムゲインを重視する投資家が満足できる水準とは言い難い。

同社は利益水準やキャッシュフローに余裕があり、配当を出せない企業ではない。実際に営業利益率は30%超、ROEも20%超と、事業の収益力は非常に高い。しかし、それでも配当利回りが低水準にとどまっているのは、経営として明確に「成長優先」のスタンスを取っているためである。稼いだ利益は配当よりも、プロダクト開発、人材投資、生成AIを含む新サービス強化など、将来成長に向けた再投資に回されている。

また、PBRは7倍台と市場評価が非常に高く、株価水準自体が成長期待を強く織り込んでいる。この水準では、たとえ配当額が増えても、利回りという形での魅力は出にくい。配当を増やすよりも、EPS成長による株価上昇、いわゆるキャピタルゲインを狙う投資家向けの銘柄である。

以上を踏まえると、プラスアルファ・コンサルティングは配当目的、インカムゲイン狙いの投資とは相性が悪い。一方で、成長を前提に株価の上昇と緩やかな増配をセットで享受する「成長+おまけ程度の配当」を期待する投資スタイルには合っている。

結論として、配当目的だけでこの銘柄を選ぶ理由は乏しく、配当を重視するなら他の高配当株を選ぶべきである。プラスアルファ・コンサルティングに投資するのであれば、あくまで主眼は成長性とキャピタルゲインであり、配当は補助的な要素と割り切るのが妥当である。

今後の値動き予想!!(5年間)

プラスアルファ・コンサルティングは、人材活用を軸にデータ分析・可視化を行うクラウド型SaaSサービスを提供するIT企業である。マーケティング、CRM、人事といった企業の中核業務領域に対し、データを活用した意思決定の高度化を支援しており、見える化エンジン、カスタマーリングス、タレントパレットといった複数の自社プロダクトを展開している。SaaSモデルを基盤としたストック型収益構造を持ち、顧客基盤の拡大とともに安定的な成長を続けている点が特徴である。現在価格2452円を起点に、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、マーケティング、CRM、人事領域におけるデータ活用需要が拡大し、既存プロダクトの成長に加えて生成AI関連の取り組みが評価される展開を想定する。売上・利益ともに高成長が継続し、営業利益率は30%超を維持、ROEも20%台前半を確保する。成長ストーリーが市場に強く評価され、PERは40倍台後半、PBRも高水準を維持する。この場合、株価は成長期待を背景に上昇し、5年後には4,500円から5,500円程度まで上昇する展開が考えられる。高収益・高成長が持続した場合の強気シナリオである。

中間のシナリオでは、成長は続くもののペースはやや落ち着き、売上・利益は堅調に拡大する一方で、市場の評価は徐々に落ち着くケースを想定する。営業利益率は30%前後、ROEは20%前後で推移し、PERは25倍前後、PBRは6倍前後に収れんする。この場合、株価は現在値2,450円を中心に緩やかに上昇し、5年後の水準は3,000円から3,800円程度に収まる可能性が高い。成長を享受しつつ、値動きは現実的なレンジに落ち着くシナリオといえる。

悪い場合のシナリオでは、競争環境の激化や成長鈍化により、売上・利益の伸びが市場期待を下回るケースを想定する。営業利益率やROEが低下し、成長プレミアムが剥落することで、PERは20倍前後まで低下、PBRも調整される。この場合、株価は成長期待の後退を反映して下落し、5年後には1,800円から2,200円程度まで調整する展開も想定される。

総合すると、現在株価2,450円前後を起点としたプラスアルファ・コンサルティングの5年間の値動きは、良い場合で4,500円から5,500円前後、中間で3,000円から3,800円、悪い場合で1,800円から2,200円といったレンジが想定される。高配当株のように安定したインカムゲインを狙う銘柄ではないが、高い収益性と成長力を背景にキャピタルゲインを重視する中長期投資向けの銘柄と位置づけられる。

この記事の最終更新日:2025年12月18日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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