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保土谷化学工業(4112)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-04)
2,320.00
前日比 -6.00(-0.26%)

保土谷化学工業とは

保土谷化学工業は、有機EL材料を軸とする精密化学品メーカーであり、旧興銀系の化学メーカーとして長い歴史を持つ企業である。もともとは染料や曹達化学を中心とした事業から出発しており、その後、機能性樹脂や電子材料へと事業領域を広げてきた。社名は神奈川県横浜市保土ケ谷区に由来するが、現在は同区内に事業所を持たず、本社は東京都港区汐留に置かれている。

近年の同社の事業の中核は精密化学品分野であり、特に有機EL材料をはじめとする電子材料に強みを持っている。有機EL材料分野では、韓国子会社にサムスンが出資しており、世界有数のディスプレイメーカーとの取引関係を背景に、高付加価値で技術要求の高い材料を供給している点が特徴である。こうした有機EL材料に加え、半導体材料やバイオ関連材料の育成にも力を入れており、将来の成長分野を見据えた研究開発を進めている。

製品群は非常に幅広く、精密化学品としては有機EL材料などの電子材料に加え、各種染料、食用色素をはじめとする食品・医薬品添加物も手がけている。また、農薬原体では塩素酸ナトリウムや過酸化カルシウム、除草剤などを製造しており、農業分野にも関わっている。機能性樹脂分野ではポリウレタン材料やポリマーを展開し、建材向けには硬化剤、防水剤、接着剤などを供給しているほか、鋳物砂用粘結剤といった産業用途向け製品も扱っている。さらに、基礎化学品として製紙用漂白剤である塩素酸ナトリウム、過酸化水素、過炭酸ナトリウムなども重要な事業となっており、景気変動に左右されにくい分野での収益基盤を形成している。

事業拠点としては、本社のほか大阪支店を構え、製造拠点として福島県の郡山工場、神奈川県の横浜工場、山口県の南陽工場を有している。これらの拠点を通じて、精密化学品から基礎化学品まで多様な製品を国内で一貫して生産・供給できる体制を整えている点も同社の特徴である。

関連会社には、建材事業を担う保土谷建材、物流を担う保土谷ロジスティックス、受託試験や研究支援を行う保土谷コントラクトラボのほか、農薬分野を手がける保土谷アグロテックや保土谷UPLなどがあり、研究開発、製造、物流までを含めたグループ体制を構築している。

全体として保土谷化学工業は、染料や基礎化学品による安定収益を土台としつつ、有機EL材料を中心とする精密化学品で成長を狙う事業構造を持つ企業である。先端材料分野は市況変動の影響を受けやすい一方で、高い技術力と顧客基盤を背景に長期的な成長余地も持ち合わせており、安定性と成長性の両立を目指す中堅化学メーカーとして位置づけられる。

保土谷化学工業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当 DPS(円)
連21.3* 41,199 5,444 5,841 3,119 197.1 25
連22.3* 41,879 6,421 6,914 3,251 205.3 30
連23.3* 43,324 3,701 4,211 2,223 140.3 32.5
連24.3* 44,261 3,951 4,711 2,480 156.3 37.5
連25.3* 48,578 4,875 4,770 3,178 200.0 45
連26.3予 46,000 3,250 3,500 2,000 125.7 50
連27.3予 48,500 3,550 3,650 2,080 130.8 50〜52

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
連23.3 1,058 -7,036 2,288
連24.3 8,343 -3,950 -2,067
連25.3 5,669 -6,548 -1,882

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率 ROE ROA PER(高値/安値平均) PBR
2023 8.5% 5.1% 3.0%
2024 8.9% 5.1% 3.0%
2025 10.0% 6.5% 3.9% 14.2倍/8.8倍 0.58倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の推移を見ると、売上高は2024年3月期で約442億、2025年3月期で約485億と着実に増加しており、事業規模は緩やかに拡大している。一方、2026年3月期予想では約460億とやや減少する見通しとなっており、成長は一服する可能性がある。営業利益は2024年が約39億、2025年が約48億と改善したものの、2026年予想では約32億まで低下すると見込まれており、利益面では2025年が一つのピークとなっている。経常利益も2024年が約47億、2025年が約47億と横ばいだった後、2026年予想では約35億へと減少する見通しである。純利益についても2024年の約24億から2025年は約31億へ増加した後、2026年予想では約20億まで減少しており、利益成長が継続する局面ではないことが分かる。

収益性を見ると、営業利益率は2023年の8.5%から2024年に8.9%、2025年には10.0%まで改善しており、事業の収益力は着実に高まっている。ROEは2023年、2024年ともに5.1%と横ばいだったが、2025年には6.5%まで上昇しており、資本効率も緩やかな改善が見られる。ROAも2023年と2024年は3.0%だったものが、2025年には3.9%まで改善しており、全体として収益性は底上げされている。ただし、これらの水準はいずれも高収益企業と呼べるほどではなく、資本効率の高さが株価評価を押し上げている状況ではない。

株価指標を見ると、2025年実績ベースでPERは高値平均14.2倍、安値平均8.8倍と、利益水準に対して比較的落ち着いた評価にとどまっている。特にPBRが0.5倍台と1倍を大きく下回っている点が特徴であり、資産価値に対して市場評価はかなり低い。これは、収益性が改善している一方で、成長の持続性や将来の利益拡大に対して市場が慎重な見方をしていることを示している。

これらを総合すると、保土谷化学工業は営業利益率が10%まで改善するなど、足元の収益力は確実に向上しているが、2026年以降の業績見通しには減益要素が含まれており、成長企業として高い評価を受ける段階には至っていない。一方で、PBRが0.5倍台という水準は明らかに割安感があり、業績が安定すれば評価見直しの余地は残されている。

提示された数値だけで判断するなら、この銘柄は業績改善と割安評価が同時に存在する一方、先行きの成長に不透明感も残る状態にある。短期的な成長期待で積極的に買い向かう局面ではないが、割安さを意識しつつ中長期での改善を待つ投資スタンスであれば検討余地がある。結論として、保土谷化学工業は強気に成長を期待する銘柄ではないものの、PBRの低さと収益改善を踏まえると、過度に悲観されているわけでもなく、中立からやや慎重寄りの投資判断が妥当と考えられる。

配当目的とかどうなの?

保土谷化学工業を配当目的で見ると、結論から言えば「配当を主目的に積極的に選ぶ銘柄ではないが、業績と割安感を前提にした補助的な配当株」という位置づけになる。まず水準面を見ると、予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに2.64%と、東証全体で見れば平均的か、やや低めの水準にとどまっている。高圧ガス工業やインフラ系、成熟型メーカーのように3.5〜4%台の利回りを安定的に狙える銘柄と比べると、純粋なインカムゲイン目的では見劣りする。

一方で、配当の推移を見ると、21年以降は25円、30円、32.5円、37.5円、45円と着実な増配を続けており、26年以降も50円水準が想定されている。業績に波はあるものの、減配を避けながら段階的に配当を引き上げてきた点は評価でき、会社として配当を軽視しているわけではないことが分かる。

ただし、利益の安定性という観点では注意が必要である。営業利益や純利益は年による振れがあり、2026年予想では減益が見込まれている。ROEも6%台と高くはなく、キャッシュフローも投資負担の影響を受けやすい構造であるため、「どんな局面でも安定して配当が出続ける」タイプの企業ではない。好調時には増配が期待できる一方、業績が悪化すれば配当の伸びが止まる、あるいは据え置きになる可能性は十分にある。

そのため、配当目的としての向き不向きを整理すると、保土谷化学工業は「高配当株」ではなく、「業績回復と割安修正を前提に、配当も受け取れる銘柄」と言える。配当そのものを主目的に長期保有するよりも、PBR0.5倍台という割安感や、収益性改善が続く局面での評価見直しを期待しつつ、その間の配当を受け取るという考え方の方が相性は良い。

結論として、配当だけを目的に選ぶなら他により適した銘柄は多いが、割安水準での中長期保有を前提とするなら、2.6%前後の配当を受け取りながら待つ銘柄としては一定の意味がある、という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

保土谷化学工業の株価について、現在値1,889円を起点に、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。前提として、同社は有機EL材料を中心とする精密化学品メーカーであり、基礎化学品による安定収益と先端材料による成長余地を併せ持つ一方、業績は市況の影響を受けやすい特性がある。足元では収益性の改善が進む一方、2026年以降は減益予想もあり、市場評価はPBR0.5倍台と低位にとどまっている。

良い場合のシナリオでは、有機EL材料や半導体関連材料の需要が想定以上に回復し、先端材料分野が収益の牽引役となる展開を想定する。営業利益率は10%前後を安定的に維持し、ROEも7%程度まで改善する。減益懸念が後退することで市場の見方が好転し、PBRは0.9倍から1.0倍近辺まで見直され、PERも12倍前後で安定する。この場合、割安修正が進み、株価は緩やかに上昇し、5年後には2,500円から3,000円程度まで上昇する展開が考えられる。業績改善と評価是正が同時に進む強気シナリオである。

中間のシナリオでは、電子材料需要は緩やかな回復にとどまり、基礎化学品が下支えとなって業績は横ばい圏で推移するケースを想定する。営業利益率は9〜10%程度、ROEは6%前後で安定し、大きな成長も悪化も起きない。市場評価はPBR0.6〜0.7倍、PER9〜11倍程度で推移し、株価は現在値1,889円を中心に上下する。この場合、5年後の株価水準は1,700円から2,200円程度に収まり、配当を受け取りながら保有する穏健なシナリオとなる。

悪い場合のシナリオでは、有機ELや半導体関連の回復が遅れ、先端材料の収益改善が進まない展開を想定する。営業利益は伸び悩み、営業利益率も8%台にとどまる。減益懸念が意識され続けることで市場評価は一段と慎重になり、PBRは0.4倍台、PERも7〜8倍程度まで低下する。この場合、株価は調整色を強め、5年後には1,200円から1,500円程度まで下落する可能性がある。配当利回りは相対的に高く見えるものの、株価下落リスクが意識される局面となる。

総合すると、現在株価1,889円を起点とした保土谷化学工業の5年間の値動きは、良い場合で2,500円から3,000円前後、中間で1,700円から2,200円、悪い場合で1,200円から1,500円といったレンジが想定される。高成長株ではないが、PBR0.5倍台という割安水準を背景に、業績改善が進めば評価修正の余地がある一方、成長が停滞すれば低評価が長期化する可能性もある銘柄である。

この記事の最終更新日:2025年12月19日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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