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インテージホールディングス(4326)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

インテージホールディングスとは

インテージホールディングスは、日本で唯一、消費パネルと販売パネルの両方を保有する市場調査会社グループであり、国内市場調査分野では首位の地位を占める。株式会社インテージホールディングス(INTAGE HOLDINGS Inc.)は東京都千代田区に本社を置く持株会社で、1960年に社会調査研究所として創業した。2023年以降はNTTドコモの連結子会社となり、通信データなどとの連携を含めたデータ活用の高度化を進めている。

同社の最大の強みは、消費者の購買行動を把握する消費者パネルと、実際の販売実績を捉える販売パネルの両方を長年にわたり運用してきた点にある。この独自のデータ基盤を活かし、企業のマーケティング活動に必要な調査、分析、コンサルティングまでを一体で提供している。食品・日用品・化粧品・自動車・金融・サービスなど幅広い業界を顧客とし、データドリブンな意思決定を支援している。

インテージグループの事業は、「マーケティング支援(消費財・サービス)事業」「マーケティング支援(ヘルスケア)事業」「ビジネスインテリジェンス事業」の3セグメントで構成されており、これらを横断する基盤としてパネル調査を中心としたデータビジネスを展開している。

マーケティング支援(消費財・サービス)事業では、消費財メーカーやサービス企業向けに、消費者調査、広告効果測定、ブランド分析、購買データ分析などを提供している。中核会社であるインテージは、日本最大手のパネル調査会社として、国内市場調査の中心的な役割を担っている。また、ドコモ・インサイトマーケティングを通じて、市場調査プラットフォームの運営やデータ活用サービスも展開している。

マーケティング支援(ヘルスケア)事業では、製薬企業を中心に、医薬品開発支援や医薬品マーケティングに関わる調査・データ分析を行っている。一般用医薬品から医療用医薬品まで幅広く対応し、医療データやリアルワールドデータの活用を通じて、医療・ヘルスケア分野の高度化を支えている。

ビジネスインテリジェンス事業では、データ解析に関わるシステム開発や、医療・運輸・健康管理など業界別のITソリューションを提供している。調査・データ分析だけでなく、システム構築やデータ活用基盤の提供まで含めたサービス展開が特徴である。

また、海外事業にも力を入れており、中国、東南アジア、インド、米国などで市場調査やデータ分析サービスを展開している。インターネット調査を強みとするデータスプリングを中心に、アジア地域でのグローバル展開を進めている。こうした実績から、米国マーケティング協会の世界ランキングでは、グループとして世界トップクラスに位置づけられた実績も持つ。

全体としてインテージホールディングスは、消費・販売の両面を捉える国内唯一のデータ基盤を武器に、マーケティング支援、ヘルスケア、データ・ITサービスを組み合わせた総合情報サービス企業であり、ドコモ傘下入りによるデータ連携の進展を通じて、さらなる付加価値創出を目指す企業である。

インテージホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(EPS)(円)
一株当り配当
(円)
連23.6 61,387 3,785 4,073 3,505 91.2 42
連24.6 63,279 3,289 3,543 2,456 64.5 43
連25.6 65,571 4,241 4,131 3,505 91.8 45
連26.6予 70,000 5,600 5,500 3,200 83.8 48
連27.6予 73,000 6,000 5,900 3,400 89.0 50〜52

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(百万円)
営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023 2,687 -618 -3,954
2024 1,972 -705 -2,159
2025 6,429 910 -2,734

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROA ROE PER PBR
2023 6.1% 7.8% 11.3%
2024 5.1% 5.4% 7.6%
2025 6.4% 7.4% 10.5% 高25.2倍 / 安16.4倍 2.10倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績水準を見ると、連24.6は売上約632億円に対し、営業利益32億円、経常利益35億円、純利益24億円であり、利益率はやや低下したものの安定した黒字を維持している。連25.6では売上約655億円、営業利益42億円、経常利益41億円、純利益35億円と大きく回復しており、収益力が再び高まった年と評価できる。連26.6予では売上約700億円、営業利益56億円、経常利益55億円、純利益32億円が見込まれており、売上・利益ともに拡大基調が続く計画となっている。

収益性指標を見ると、営業利益率は2023年6.1%、2024年5.1%、2025年6.4%と、一時的な低下はあったものの6%前後で推移しており、調査・データ系ビジネスとしては標準的な水準で安定している。ROEは11.3%、7.6%、10.5%、ROAは7.8%、5.4%、7.4%と、こちらも景気や投資負担の影響で振れはあるが、直近では持ち直し傾向にある。

バリュエーション面では、2025年の実績PERは高値平均25.2倍、安値平均16.4倍とやや高めで、成長期待を一定程度織り込んだ水準である。PBRは2.1倍で、ROE10.5%を考慮すると極端な割高感はないものの、明確な割安水準とも言いにくい。

これらを総合すると、インテージホールディングスは、売上規模が大きく、安定したデータ資産を基盤に業績を積み上げる中堅の安定成長型企業である。営業利益率やROEは高収益企業と比べると控えめだが、2025年以降は回復基調にあり、ドコモ傘下でのデータ活用拡大が中長期の下支え要因となる。

投資判断としては、業績の安定性と中期的な回復を評価するなら一定の魅力はあるが、PERはすでにやや高めで、短期的な割安感は小さい。高成長や割安是正を狙う銘柄というよりは、安定収益と緩やかな成長を前提に中長期で保有するタイプの銘柄と位置づけられる。現水準では、強気一辺倒ではなく、価格と業績進捗を見ながら慎重に判断する姿勢が妥当という評価になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見ると、インテージホールディングスは「配当を主目的にするにはやや物足りないが、完全に否定する水準でもない」という評価になる。まず利回り水準は、連26.6予で2.66%、連27.6予で2.77%と、東証プライム全体の平均に近い水準である。高配当株に求められる3.5〜4%台には届かないものの、極端に低いわけでもなく、配当を一定程度意識した水準ではある。

業績との整合性を見ると、営業利益は32億円から56億円へ回復・拡大基調にあり、営業利益率も6%前後を維持している。営業キャッシュフローも安定してプラスを確保しており、配当の原資となるキャッシュ創出力に大きな不安はない。したがって、配当の「安全性」という点では問題は小さい。

一方で、ROEは10%前後、PBRは2倍超と、株価はすでに一定の評価を受けている。そのため、配当利回りを高めて株価を下支えするタイプの銘柄ではなく、株主還元の主軸は配当よりも事業成長やデータ資産価値の拡大に置かれていると考えられる。

以上を踏まえると、インテージホールディングスは高利回りを狙う純粋な配当投資や、インカム収入を最優先する運用には向かない。一方で、業績の安定性を重視しつつ配当も一定程度欲しい、値上がり益と配当のバランスを取りたいという投資スタイルであれば、検討余地のある銘柄と言える。結論として、本銘柄は「配当目的が主」ではなく、「安定事業を背景に配当も受け取りながら中長期で保有する」タイプの投資と相性が良い、準インカム型の銘柄という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

インテージホールディングスは、現在株価1,800円を基準に見ると、高成長株というよりも、独自のデータ資産と安定した顧客基盤を背景に評価される中堅の安定成長型・データサービス銘柄と位置づけられる。日本で唯一、消費パネルと販売パネルの両方を保有する市場調査会社であり、国内市場調査分野では首位の地位を持つ点が最大の強みである。

2023年にNTTドコモ傘下に入ったことで、通信データとの連携を含めた中長期的なデータ活用余地も意識される一方、足元の業績は景気や企業のマーケティング投資動向の影響を受けやすい性格を持っている。直近では営業利益率が5〜6%台、ROEが10%前後で推移しており、高収益企業とは言えないものの、安定的な黒字基調を維持している。以下では、今後5年間の良い場合、中間の場合、悪い場合の値動きシナリオを整理する。

良い場合のシナリオでは、企業のデータ活用ニーズが再び拡大し、消費財・サービス分野に加えてヘルスケア領域やドコモとのデータ連携が本格的に収益化される展開を想定する。売上・利益ともに緩やかながら安定的な成長が続き、営業利益率が6〜7%程度で定着、ROEも10%台前半で安定すれば、「データ基盤を持つ安定型情報サービス企業」としての評価が進みやすくなる。この場合、PERは20倍前後が許容され、PBRも2倍台を維持する形となる。5年後の株価水準は2,300円から2,800円程度が目安となり、配当利回り2.5〜3%前後を確保しながら、緩やかな値上がり益も期待できるやや強気寄りのシナリオとなる。

中間のシナリオでは、市場調査・データ分析需要は底堅いものの、企業のコスト意識は強く、大きな成長には至らないケースを想定する。営業利益率は5〜6%台、ROEは8〜10%程度で推移し、収益性は横ばい圏にとどまる。市場評価も大きく変わらず、PERは15〜18倍、PBRは2倍前後で落ち着く。この場合、配当利回り2.7%前後が株価の下支えとなり、5年後の株価は1,900円から2,300円程度と、現在値から緩やかな上昇にとどまる中立的なシナリオとなる。値上がり益と配当をバランスよく狙う投資と相性が良い。

悪い場合のシナリオでは、国内外の景気悪化により企業のマーケティング投資が抑制され、市場調査やデータ分析への支出が縮小する展開を想定する。営業利益率は5%を下回り、ROEも7%前後まで低下すると、市場の評価は一段と慎重になる。成長期待が後退する中でPERは10倍前後まで切り下がり、PBRも1.5倍程度まで低下する可能性がある。この場合、配当は一定程度維持されると見られるものの、5年後の株価は1,300円から1,700円程度まで下落するリスクがあり、株価面では厳しい弱気シナリオとなる。

総合すると、現在株価1,800円を起点としたインテージホールディングスの5年間の値動きは、良い場合で2,300円から2,800円前後、中間で1,900円から2,300円、悪い場合で1,300円から1,700円といったレンジが想定される。爆発的な成長を狙う銘柄ではないが、国内唯一の消費・販売パネルを基盤とした安定事業を背景に、配当も受け取りながら緩やかな成長を享受する中長期投資と相性の良い銘柄と位置づけられる。

この記事の最終更新日:2025年12月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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