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プレステージ・インターナショナル(4290)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

プレステージ・インターナショナルとは

プレステージ・インターナショナルは、コールセンター機能に強みを持つBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)企業であり、特に自動車事故や故障時の対応を中核とするオートモーティブ分野を主力事業としている。株式会社プレステージ・インターナショナル(Prestige International Inc.)は東京都千代田区に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。

同社は創業当初から「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く」ことを経営理念として掲げてきた。2015年には新ロゴマークの導入を機に、「事業創造を通して社会に貢献する」という想いを込めたグループ経営理念を確立し、BPOを通じた社会課題解決型の事業展開を進めている。

国内では9ヵ所にコンタクトセンターを設置し、海外では18ヵ国28拠点を展開するグローバル体制を構築している。コンタクトセンターによる受付・管理業務に加え、現場対応を担うフィールドスタッフ、これらを支えるITを組み合わせたサービス提供を特徴としており、単なる電話対応にとどまらない実行力を持つ点が強みである。

オートモーティブ事業では、車の事故や故障などのトラブル発生時に24時間365日対応するロードサービス、ディーラーサポート、保険関連業務などを提供し、自動車メーカーや保険会社から高い評価を得ている。グループの中核事業であり、安定した収益基盤となっている。プロパティ事業では、住宅や不動産に関するトラブルへの駆けつけ対応、設備不具合対応、コインパーキングのトラブル処理、保守点検などを行い、不動産管理会社や住宅関連企業を顧客としている。生活インフラに密着した分野であり、ストック型の需要が見込まれる事業である。

グローバル事業では、海外駐在員向けのヘルスケアプログラムやキャッシュレス・メディカルサービス、現地通貨決済が可能なクレジットカードサービスの運用などを行い、海外展開企業や個人を支援している。海外拠点の拡充により、国際的なBPOニーズの取り込みを進めている。

カスタマー事業では、コンタクトセンターを活用した各種業務支援、機器保証サービスの提供、研修機能を融合させた人材派遣ビジネスなどを展開している。金融保証事業では、家賃保証、医療費用保証、介護費用保証、養育費保証など、保証をテーマとしたサービスを提供している。IT事業では、コンタクトセンター業務に特化した独自ITインフラの開発・運用を行い、業務効率化とサービス品質向上を支えている。さらにソーシャル事業として、女子スポーツチームの運営や保育事業を通じた地域活性化にも取り組んでいる。

グループ企業には、プレステージ・コアソリューション、プレステージ・グローバルソリューション、プレステージ・ヒューマンソリューション、タイム・コマース、プレミアアシスト、プレミアアシスト・ネットワーク、イントラストなどがあり、関連会社としてプライムアシスタンス、ファースト リビング アシスタンスが存在する。

全体としてプレステージ・インターナショナルは、コールセンターを核としつつ、現場対応力とITを組み合わせた付加価値の高いBPOを展開する企業であり、自動車、住居、海外、保証といった生活密着型分野を中心に、安定成長を目指す事業構造を持っている。

プレステージ・インターナショナル 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(EPS)
一株当り配当
(円)
連21.3 40,617 5,233 5,453 2,968 23.2 7
連22.3 46,744 6,842 7,151 4,357 34.0 8.5
連23.3 54,562 7,840 8,378 5,318 41.6 11
連24.3 58,738 7,921 8,458 5,791 45.3 12
連25.3 63,719 7,961 8,416 4,870 38.3 24
連26.3予 71,000 8,700 9,100 5,400 42.9 26
連27.3予 73,000 9,000 9,400 5,600 44.5 26〜28

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(百万円)
営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023 7,888 -2,637 -2,152
2024 5,883 -2,614 -2,377
2025 7,840 -3,869 -3,196

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROA ROE PER PBR
2023 14.3% 8.8% 13.6%
2024 13.4% 8.5% 13.1%
2025 12.4% 6.8% 10.5% 高18.1倍 / 安13.9倍 1.94倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績水準を見ると、連24.3は売上587億円、営業利益79億円、経常利益84億円、純利益57億円と高水準で推移している。連25.3は売上637億円、営業利益79億円、経常利益84億円と利益水準は維持されたが、純利益は48億円に低下しており、一時的なコスト増や要因の影響が見て取れる。連26.3予では売上710億円、営業利益87億円、経常利益91億円、純利益54億円と再び増益が見込まれており、事業規模の拡大とともに利益の回復が想定されている。

収益性の推移を見ると、営業利益率は2023年14.3%、2024年13.4%、2025年12.4%と緩やかに低下しているが、依然として二桁台を維持しており、BPO業界の中では高い水準である。ROEは13.6%、13.1%、10.5%とやや低下傾向にあるものの、なお10%を超えており、資本効率は良好と言える。ROAも8.8%、8.5%、6.8%と低下しているが、6%台後半はサービス業として十分高い水準である。

バリュエーション面では、2025年実績PERは高値平均18.1倍、安値平均13.9倍、PBRは1.9倍である。ROEが10.5%であることを踏まえると、PBR約2倍は決して割安ではなく、一定の成長性と高収益性を前提に評価されている水準である。PERも13〜18倍と、安定成長型サービス企業としては妥当だが、割安感は乏しい。

これらを総合すると、プレステージ・インターナショナルは、売上成長が続き、営業利益率・ROE・ROAともに高水準を維持する優良な収益体質を持つ企業である一方で、直近では収益性指標が緩やかに低下しており、成熟局面に入りつつあることも示唆される。市場はすでにこの安定性と収益力を織り込んでおり、現在の評価水準から大きな割安感は見出しにくい。

投資判断としては、成長の持続性と高収益性を評価して中長期で保有するには適した銘柄だが、指標面から見て大きな割安局面ではない。業績が計画どおり進む前提では下値は堅い一方、さらなる評価拡大には営業利益率やROEの下げ止まり、もしくは再成長が必要となる。従って、安定成長を前提に保有・押し目検討は妥当だが、短期的な割安狙いで積極的に買い進む局面ではない、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見ると、プレステージ・インターナショナルは「配当狙いとして十分に検討できる水準」にある。まず利回り水準は、連26.3、連27.3予ともに3.59%と、東証プライム全体の平均を明確に上回っており、高配当とまでは言えないものの、インカム投資としては魅力のある水準である。安定配当を重視する投資家にとっては、利回りだけでも一定の評価ができる。

業績とのバランスを見ると、連26.3予で純利益は約54億円、一株益は約42円水準で、予想配当は26円前後と想定される。この場合の配当性向はおおむね60%前後となり、やや高めではあるが、BPOという比較的景気耐性のあるビジネスモデルを考えれば、無理な水準ではない。利益の振れ幅が比較的小さい点は、配当維持にとってプラス材料である。

キャッシュフロー面でも、直近3年間はいずれも営業キャッシュフローが高水準で、投資キャッシュフローを差し引いてもフリーキャッシュフローは十分に確保されている。財務キャッシュフローがマイナスで推移している点は、配当支払いや株主還元を優先していることを示しており、配当原資の面で大きな不安は感じにくい。

一方で注意点としては、営業利益率、ROE、ROAが緩やかに低下している点が挙げられる。収益性が今後も下がり続ける場合、配当性向の高さが重荷となり、将来的な増配余地は限定される可能性がある。そのため、配当が大きく伸びていくというよりは、「高めの水準を維持する」タイプの配当と見るのが現実的である。

結論として、プレステージ・インターナショナルは、配当利回り3.6%前後を安定的に受け取りたい投資家にとって相性の良い銘柄である。ただし、配当特化の超高利回り銘柄ではなく、業績安定性と中程度の利回りを両立させたインカム+安定成長型として位置付けるのが妥当だろう。

今後の値動き予想!!(5年間)

プレステージ・インターナショナルは、現在株価723円を基準に見ると、高成長株というよりも、BPO事業の安定性と比較的高い収益性、そして配当を背景に評価される中堅の安定成長型銘柄と位置づけられる。コールセンターを中核に、自動車事故・故障対応を主力とするオートモーティブ分野、不動産管理関連のプロパティ分野、海外駐在員向けサービスなどのグローバル分野へと事業を広げており、生活インフラに密着した業務が多い点が特徴である。

業績は景気の影響を受ける側面はあるものの、営業利益率は直近でも12%台、ROEは10%超を維持しており、サービス業としては高い収益力を持つ。一方で、近年は営業利益率やROEがやや低下傾向にあり、市場評価はPER13〜18倍、PBR約2倍と、すでに一定の成長性と安定性を織り込んだ水準にある。以下、今後5年間の良い場合、中間の場合、悪い場合の値動きを考える。

良い場合のシナリオでは、自動車ロードサービスやプロパティ関連のBPO需要が安定的に拡大し、海外事業やITを活用した付加価値サービスが想定以上に成長する展開を想定する。人件費上昇などを吸収しながらも、営業利益率が12〜13%程度で下げ止まり、ROEも10%台前半で安定すれば、「高収益な生活インフラ型BPO企業」としての評価が一段と進みやすくなる。この場合、PBRは2倍前後を維持しつつ、PERも15〜18倍程度が許容され、5年後の株価水準は1,100円から1,400円程度が目安となる。配当利回り3.5%前後を維持しながら、値上がり益も狙える強気寄りのシナリオである。

中間のシナリオでは、各事業が現状の延長線上で推移し、売上は緩やかに成長するものの、利益率は徐々に低下しつつ安定するケースを想定する。営業利益率は11〜12%程度、ROEは10%前後で落ち着き、資本効率の改善は限定的にとどまる。市場評価も大きく変わらず、PERは13〜16倍、PBRは1.8〜2.0倍付近で推移する。この場合、配当利回り3.5%前後が株価の下支えとなり、5年後の株価は800円から1,000円程度と、現在値から緩やかな上昇にとどまる中立的なシナリオとなる。値上がり益よりも、安定配当を積み上げながら保有する投資と相性が良い。

悪い場合のシナリオでは、国内外の景気悪化やアウトソーシング需要の伸び悩み、自動車関連分野の停滞などにより、収益性が想定以上に低下する展開を想定する。営業利益率が10%を割り込み、ROEも8%台まで低下すると、市場の評価は一段と慎重になる。配当は維持される可能性が高いものの、成長期待の後退からPERは10倍前後、PBRも1.5倍程度まで低下することが考えられる。この場合、5年後の株価は600円から750円程度まで下落するリスクがあり、配当の魅力は残るものの、株価面では厳しい弱気シナリオとなる。

総合すると、現在株価723円を起点としたプレステージ・インターナショナルの5年間の値動きは、良い場合で1,100円から1,400円前後、中間で800円から1,000円、悪い場合で600円から750円程度のレンジが想定される。急成長を狙う銘柄ではないが、高い営業利益率と比較的安定した配当を背景に、生活インフラ型BPOとしての安定収益を享受しながら中長期で保有する投資と相性の良い銘柄と位置づけられる。

この記事の最終更新日:2025年12月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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