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ギフティ(4449)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ギフティとは

株式会社ギフティは、商品やサービスと交換できる電子チケットやeギフトの発券から流通、販売までを一気通貫で手がけるインターネットサービス企業である。いわゆるeギフトプラットフォーム事業を主力としており、個人向け、法人向け、自治体向けと利用主体を限定せず、幅広い用途で使える仕組みを構築している点が特徴である。住所や電話番号といった個人情報を知らなくても、URLやメール、LINE、SNSなどを通じてギフトを贈ることができる仕組みは、従来のギフト文化をデジタル化し、より日常的でカジュアルなものへと変えてきた。

ギフティは、ギフトを単なる物や金券のやり取りではなく、気持ちや体験を届けるコミュニケーション手段として位置付けている。誕生日や記念日だけでなく、「ありがとう」「おめでとう」「おつかれさま」といった日常的な感謝やねぎらいを、すぐに相手へ届けられる点が支持され、個人間ギフトの利用シーンは着実に広がっている。実店舗やオンラインで使えるギフトを取り揃えているため、受け取る側の利便性が高い点も特徴となっている。

同社の中核となるのは、eギフトの発券、管理、流通を支えるプラットフォームそのものである。eギフトを生成し、配布し、利用状況を管理する仕組みを自社で一貫して提供することで、個人向けサービスだけでなく、法人や自治体向けのシステム提供にも対応できる体制を整えている。このプラットフォーム型のビジネスモデルにより、取扱高の拡大に応じて事業規模を伸ばしていく構造を持っている。

個人向けサービスとして展開されているgifteeは、ギフティの認知を広げる中核サービスである。コンビニ、飲食店、各種サービスで利用できるギフトを、オンライン上で手軽に贈れる仕組みは、若年層を中心に浸透してきた。直接会えない相手にも気軽に贈れる点や、受け取った側が好きなタイミングで利用できる点が評価されており、ギフトのハードルを下げる役割を果たしている。

一方で、法人向けのgiftee for Businessは、同社の成長を支える重要な事業領域となっている。企業がキャンペーンの景品や顧客への謝礼、アンケート回答のお礼などとしてeギフトを配布する用途が中心であり、マーケティング施策や顧客接点の強化に活用されている。物理的な景品を用意・発送する必要がなく、即時配布が可能な点から、コスト削減と効率化を同時に実現できる手段として導入が進んでいる。

また、eGift Systemは、企業が自社サイト上でeギフトを販売・配布するためのシステムであり、ギフティのプラットフォームを外部企業に提供する形のサービスである。これにより、ギフティは自社サービスの運営だけでなく、裏側のインフラ提供者としても収益機会を広げている。API連携などを通じて他社サービスに組み込まれるケースもあり、eギフトのエコシステム拡大に寄与している。

STUDIO GIFTEEは、ギフトを体験として設計することに特化した専門チームであり、企業や自治体と協働しながら、ストーリー性のあるギフト体験の企画・設計を行っている。単にギフトを配るだけでなく、その背景や想い、ブランドや地域らしさをどう伝えるかといった部分まで含めて支援する点が特徴で、ギフトを通じた関係構築を重視する取り組みとなっている。

地域向けには、e-machiプラットフォームを展開している。これは、地域の課題解決や活性化を目的としたデジタルプラットフォームであり、デジタル商品券や地域通貨、給付施策などにeギフトの仕組みを活用するケースが多い。スマートシティ、MaaS、IoT、5Gといった技術と組み合わせることで、人と街をつなぐ新しいデジタル施策を支援しており、自治体向けビジネスの拡大を図っている。

グループ会社としては、体験型ギフトを手がけるソウ・エクスペリエンス株式会社、オリジナルグッズ制作などを行う株式会社paintory、クラフトビール関連事業を展開するBrewtope株式会社を傘下に持っている。これらの事業は、ギフトとの親和性が高く、モノだけでなく体験や嗜好品といった領域へギフトの幅を広げる役割を担っている。

さらに、ギフティは国内市場にとどまらず、アジアを中心とした海外展開も進めている。eギフトという仕組みは国や文化によって受け入れ方が異なるものの、デジタル化とキャッシュレス化の進展により、海外でも成長余地がある分野と捉えられている。将来的には、グローバルでのeギフト流通を視野に入れたプラットフォーム展開を目指していると考えられる。

総じて株式会社ギフティは、eギフトの発券・流通というデジタルインフラを軸に、個人、企業、自治体、地域を横断して人と人、人と組織をつなぐ役割を担う企業である。ギフトを起点としたコミュニケーション市場そのものを拡張しようとするビジネスモデルであり、取扱高の拡大と用途の広がりがそのまま成長につながる構造を持つ点が特徴と言える。

ギフティ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株当たり配当(円)
連22.12 4,723 362 352 10 0.4 0
連23.12 7,226 1,267 1,239 129 4.4 0
連24.12 9,554 1,743 1,579 -510 -17.3 10
連25.12予 14,500 2,400 2,200 1,250 42.0 13
連26.12予 18,000 3,000 2,800 1,600 53.8 13〜14

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022 424 -1,374 -64
2023 -3,734 -1,046 -102
2024 -3,593 -1,531 10,997

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 17.5 1.6 0.5
2024 18.2 -6.7 -1.3 高値平均 638.1
安値平均 276.3
4.27
2025 16.5 16.3 3.0 28.9

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見ると、2023年12月期の売上は72億円、営業利益は12億円、経常利益は12億円、純利益は1億円である。2024年12月期は売上が95億円まで拡大し、営業利益は17億円、経常利益は15億円と増加しているが、純利益はマイナス5億円となっている。2025年12月期予想では売上145億円、営業利益24億円、経常利益22億円、純利益12億円と、利益が大きく回復する前提になっている。2026年12月期予想では売上180億円、営業利益30億円、経常利益28億円、純利益16億円と、成長がさらに続く想定である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年が17.5%、2024年が18.2%、2025年が16.5%と、高水準を維持している。売上拡大局面にありながら営業利益率が15%超で推移している点は、この事業モデルの強さを示している。一方で、純利益は2024年に大きく落ち込んでおり、営業段階と最終利益との間にブレがある点は注意が必要である。

資本効率を見ると、ROEは2023年が1.6%、2024年がマイナス6.7%、2025年が16.3%となっている。2024年は純損失の影響でROEが大きく悪化しているが、2025年予想では一転して高水準に回復する前提になっている。ROAも2023年0.5%、2024年マイナス1.3%、2025年3.0%と同様の動きであり、2024年を底に改善するシナリオが織り込まれている。

バリュエーションを見ると、2024年実績PERは高値平均638.1倍、安値平均でも276.3倍と、異常に高い水準であった。これは2024年の純損失に近い利益水準を前提に株価が形成されていたことを示しており、利益実態とかけ離れた評価であったと言える。一方で、2025年12月期予想PERは28.9倍まで低下しており、利益回復が前提ではあるが、成長株としては現実的なレンジに入ってくる。PBRは2024年時点で4.2倍と、依然として割安とは言えない水準にある。

以上を総合すると、この銘柄は売上成長と営業利益率の高さという点では非常に優秀だが、純利益とROE・ROAの変動が大きく、利益の安定性には課題が残る。2024年の大幅な純損失を経て、2025年以降は急回復する前提になっており、現在の評価はこの回復シナリオを強く織り込んだものと考えられる。

投資判断としては、2025年・2026年の利益回復と成長が実現すれば、PER30倍前後、PBR4倍台は許容される可能性がある一方、再び利益がブレた場合には評価調整が起きやすい。したがって、この銘柄は安定成長株や配当株ではなく、利益回復と成長の実現度合いに賭ける成長期待型の銘柄である。結論としては、事業の成長性と営業利益率の高さは魅力だが、過去の利益変動の大きさを踏まえるとリスクも高く、投資判断は強気一辺倒ではなく、成長シナリオの進捗を見極めながら慎重に向き合うべき銘柄と評価できる。

配当目的とかどうなの?

配当目的かどうかという点について、結論から言うと主目的としてはやや弱い。連25.12期、連26.12期ともに予想配当利回りは1.06%と、一般的に配当株として意識される水準には届いていない。この利回りだけを見ると、インカムゲインを安定的に得たい投資家にとっては物足りず、配当目的で積極的に選ぶ理由は乏しい。

これまでのギフティは無配、あるいは極めて低い配当が中心で、2024年には純損失も計上している。そうした経緯を踏まえると、2025年以降に配当を出す前提に入ったこと自体は、事業フェーズが成長投資一辺倒から、一定の株主還元も意識する段階へ移行しつつある兆しとも言える。ただし、まだ始まったばかりであり、配当を安定的に積み上げていける段階に入ったとは言い切れない。

純利益やROE、ROAの推移を見ると、利益のブレが大きく、2025年以降は回復前提の数字が置かれている状態である。配当原資となる利益が安定して積み上がるかどうかは、今後の業績次第であり、現時点で配当の持続性や増配余地を過度に期待するのはリスクがある。

また、PERは2025年予想で30倍前後、PBRも4倍台と、評価は成長株としての色合いが強い。この水準は、配当を評価の中心に置く銘柄というより、成長と将来の利益拡大を前提に株価が形成されていることを示している。仮に配当目的で保有した場合、得られる配当よりも株価変動の影響の方がはるかに大きくなりやすい。

以上を踏まえると、この銘柄は配当を安定的に受け取りながら保有するインカム株ではなく、成長と値上がり益を主軸に考え、その過程で配当が付いてくるかどうかを見るタイプの銘柄である。配当目的だけで選ぶのであれば不向きだが、成長を前提としたトータルリターン狙いであれば、配当は補助的な要素として受け止めるのが現実的だと感じる。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社ギフティは、現在株価1,215.0円を基準に見ると、高配当を狙うインカム株というよりも、eギフトというデジタル領域の拡大を背景に、事業成長と利益回復が株価を左右する成長寄りの企業と位置づけられる。eギフトの発券から流通までを一気通貫で担うプラットフォームを中核に、個人向け、法人向け、自治体向けへと用途を広げており、売上規模と営業利益は拡大基調にある。一方で、2024年には純損失を計上するなど利益の振れが大きく、ROEやROAも安定して高いとは言えない。配当利回りは1%前後と低めで、株価の主な評価軸は配当ではなく、成長と利益回復の持続性に置かれている。この前提を踏まえて、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、eギフトの利用シーンが個人間ギフト、法人の販促施策、自治体の給付や地域施策へと広がり、取扱高と売上が想定どおり拡大する展開を想定する。営業利益率は15%前後の高水準を維持し、純利益も安定して積み上がることでROE・ROAが改善する。市場からは「高収益なプラットフォーム型成長企業」として評価されやすくなり、PERは25〜30倍程度が許容される。この場合、5年後の株価水準は2,200円から2,600円程度が目安となり、現在値からは2倍前後の上昇余地が意識される強気寄りのシナリオとなる。

中間のシナリオでは、eギフト市場は拡大を続けるものの、競争激化やコスト増の影響で利益成長は市場の期待をやや下回るケースを想定する。営業利益率は12〜14%程度で推移し、ROE・ROAも改善はするが高水準までは届かない。市場評価は慎重となり、PERは20倍前後、PBRは3〜4倍程度に落ち着く。この場合、5年後の株価は1,400円から1,800円程度と、現在値から緩やかな上昇にとどまる中立的なシナリオとなる。配当を含めたトータルリターンはプラスだが、大きな上昇は期待しにくい。

悪い場合のシナリオでは、eギフト市場の成長が鈍化し、採算性の低い案件増加や利益のブレが続く展開を想定する。営業利益率は10%を下回り、ROE・ROAも低迷したままとなる。市場の成長期待は後退し、PERは15倍前後まで切り下がり、PBRも2倍程度まで低下する可能性がある。この場合、5年後の株価は800円から1,000円程度にとどまり、配当は出ていても株価面でのリターンが限定される弱気シナリオとなる。

総合すると、現在株価1,215.0円を起点としたギフティの5年間の値動きは、良い場合で2,200円から2,600円前後、中間で1,400円から1,800円、悪い場合で800円から1,000円といったレンジが想定される。安定配当を狙う銘柄ではないが、eギフト市場の拡大と利益回復が続けば中長期での値上がり余地は大きく、成長とトータルリターンを重視する投資と相性の良い銘柄と評価できる。

この記事の最終更新日:2025年12月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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