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パーク24(4666)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

パーク24とは

パーク24は、24時間無人時間貸し駐車場「タイムズ」を中核事業とする、日本最大手の駐車場運営グループである。東京都を拠点とする持株会社で、東京証券取引所プライム市場に上場しており、国内の駐車場管理業者としては最大規模のネットワークを構築している。創業者は西川清で、現在は息子の西川光一が代表取締役を務めている。

同社の主力事業は、コインパーキング「タイムズ」の運営である。ロック付きの無人駐車料金徴収装置を用いた24時間無人時間貸し駐車場という仕組みを採用しており、一台分のスペースがあれば契約可能という柔軟性を強みとしている。遊休地を一定期間だけ活用できるため、土地オーナーにとって導入しやすく、都市部を中心に全国各地へ急速に展開してきた。2006年の道路交通法改正による違法駐車対策強化を追い風に、コインパーキング需要が拡大し、事業規模を大きく成長させている。

駐車場事業は、時間貸し駐車場にとどまらず、大型駐車場やビル型駐車場などの施設駐車場の運営にも広がっており、都市インフラの一部として定着している。また、決済面ではクレジットカード対応を進め、現金とカードの併用支払いにも対応するなど、利便性向上にも注力している。個人向けには「タイムズクラブカード」というポイント制度を設け、利用頻度に応じた還元や寄付につながる仕組みも整えている。

近年は、駐車場事業に加えてカーシェアリング事業を第2の柱として育成している。駐車場ネットワークを活かしたカーシェアサービスを展開し、車を所有せず必要なときに使うという利用スタイルの広がりを取り込んでいる。これにより、駐車場単体の収益に依存しないモビリティ関連企業へと事業領域を広げている。

海外展開も積極的で、英国や豪州などを中心に駐車場事業やモビリティ関連事業を展開している。グループ会社には英国の大手駐車場運営会社ナショナル・カー・パークス(NCP)などを擁し、国内で培った運営ノウハウを海外市場にも展開している点が特徴である。

また、先進的物流施設の大手である日本GLPと提携し、予約制駐車場マッチングサービス「B-Times」を物流施設に導入するなど、新たな用途や顧客層の開拓にも取り組んでいる。これは大型物流施設内での予約制駐車場サービスとして業界初の取り組みであり、従来の時間貸し駐車場とは異なる付加価値の創出を狙ったものである。

全体としてパーク24は、時間貸し駐車場というストック型かつ回転率重視のビジネスを基盤に、カーシェアや海外事業といった成長分野を組み合わせた事業構造を持つ企業である。人流や景気の影響は受けるものの、都市生活に欠かせないインフラとしての役割を背景に、安定性と成長性を併せ持つモビリティ関連企業として位置づけられる。

パーク24 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
純利益
百万円
一株益
一株配当
連22.10 290,253 20,672 16,970 2,476 15.2 0
連23.10 330,123 31,986 27,673 17,542 102.9 0
連24.10 370,913 38,697 35,445 18,625 109.2 5
連25.10予 405,000 37,000 33,500 17,000 99.6 30
連26.10予 440,000 40,000 36,500 21,800 127.7 65

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
2023年 48,188 -25,661 -35,633
2024年 54,176 -37,563 -42,508
2025年 62,880 -46,064 14,826

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROA ROE PER
(倍)
PBR
(倍)
2023年 9.6% 5.6% 30.0%
2024年 10.4% 6.2% 23.8%
2025年 9.2% 4.4% 16.2% 62.1(高)
40.9(安)
3.65

出典元:四季報オンライン

投資判断

この会社は、事業の稼ぐ力は非常に強い一方で、株価にはすでに相当な成長期待が織り込まれている局面にあると判断できる。まず業績の規模と推移を見ると、連23.10の売上高は3,301億円、営業利益は319億円、経常利益は276億円、純利益は175億円となっている。連24.10では売上高が3,709億円に拡大し、営業利益は386億円、経常利益は354億円、純利益は186億円と、売上・利益ともに力強い成長を示している。

連25.10予では売上高4,050億円と成長が続くものの、営業利益370億円、純利益170億円と、一時的に減益となる予想が出ている。その後の連26.10予では、売上高4,400億円、営業利益400億円、経常利益365億円、純利益218億円と再び増益に転じる見通しであり、全体としては拡大トレンドが続いている。

収益性を見ると、営業利益率は2023年9.6%、2024年10.4%、2025年9.2%と、非常に高い水準を維持している。駐車場運営という固定費型ビジネスでありながら、2桁前後の営業利益率を確保している点は、パーク24の大きな強みといえる。ただし、ピークアウト感も見え始めており、今後さらに大きく利益率を引き上げていく余地は限定的であることも数字から読み取れる。

資本効率の面では、ROEが2023年30.0%、2024年23.8%、2025年16.2%と高水準ではあるものの、年々低下している。これは利益成長が続く一方で、積極的な投資や資本の積み上がりにより、効率が徐々に落ち着いてきていることを示している。ROAも2023年5.6%、2024年6.2%から2025年4.4%へと低下しており、資産規模の拡大に対して利益成長がやや追いつかなくなってきている構図がうかがえる。

バリュエーションを見ると、2025年実績ベースでPERは高値平均62.1倍、安値平均でも40.9倍と非常に高い水準にある。PBRも3.6倍と高く、ROEが16%台まで低下している状況を踏まえると、株価は今後も高い成長が続くことを前提に評価されている状態だといえる。すでに安定成長企業というよりは、成長株としての期待を強く織り込んだ水準にある。

これらを総合すると、パーク24は事業の競争力や収益力そのものは非常に優れており、売上4,000億円超、営業利益400億円規模を安定的に稼げる企業へと成長している点は高く評価できる。ただし、ROEやROAは低下傾向にあり、営業利益率にも天井感が見え始めている中で、PER40〜60倍という評価はかなり強気である。

提示された数値だけで判断する限り、現在のパーク24は、事業は強いが株価はすでにかなり先を織り込んでいる状態にあり、投資判断としては慎重寄りになる。今後もカーシェアや海外展開が想定以上に伸び、利益成長が続けば高い評価は正当化されるが、成長が鈍化した場合にはバリュエーション調整のリスクも大きい。

結論としては、パーク24は中長期で見て優良な成長企業であることは間違いないものの、現時点の数字だけを見ると割安感で買う局面ではなく、高成長が続くことを信じられる投資家向けの銘柄という位置づけになる。安定志向や割安志向の投資よりも、成長期待を重視する投資と相性の良い銘柄、という評価になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でパーク24を見ると、高配当株として積極的に狙う水準ではないが、成長企業としては「そこそこ現実的な配当水準に入ってきた段階」と評価できる。予想配当利回りは連26.10、連27.10ともに3.09%で、東証プライム全体で見れば平均よりやや高め、いわゆる高配当株と呼ばれる4%台には届かないが、十分にインカム要素を意識できる水準ではある。これまで無配や低配が続いてきた成長企業であることを考えると、配当利回り3%を安定して出せる見通しになってきた点は、評価の変化として大きい。

ただし、配当目的の主役に据える銘柄かというと、そこは慎重に見る必要がある。パーク24は営業CFが大きく、事業としては非常に稼ぐ力が強い一方で、駐車場拡大やカーシェア車両への投資負担も重く、成長投資と株主還元のバランスを常に取らなければならない企業である。そのため、今後も配当は維持・増配方向が想定されるものの、配当性向を一気に高めていくタイプではなく、利回りが急上昇する期待は持ちにくい。

配当の安定性という点では、事業基盤は強い。時間貸し駐車場というストック型ビジネスを持ち、人流が極端に崩れない限りキャッシュフローは安定しやすい。カーシェア事業も含めて、営業CFの水準を見れば、配当そのものがすぐに削られるリスクは低い。一方で、景気悪化や投資負担増の局面では、増配ペースが鈍化したり、配当が横ばいにとどまる可能性はある。

結論として、パーク24は配当だけを目的に買う典型的な高配当株ではないが、成長と配当を両立させたい投資家にとっては、現実的な選択肢に入り始めた銘柄といえる。3%前後の配当を受け取りながら、中長期で事業成長と株価の上昇を期待するスタンスとは相性が良い。一方で、インカム重視で安定的に4%以上を求める投資には向きにくく、あくまで「成長寄りの配当株」という位置づけになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

パーク24について、現在株価2,101.5円前後を基準に見ると、時間貸し駐車場「タイムズ」を中核としたストック型ビジネスと、カーシェア事業を成長ドライバーとするモビリティ企業であり、創薬バイオや先端半導体のように業績が一気に崩れるタイプではない。一方で、人流や投資負担の影響を受けやすく、成長期待が株価に反映されやすい銘柄でもある。この前提を踏まえ、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、国内外で人流が安定的に回復し、時間貸し駐車場の稼働率が高水準で推移する。加えて、カーシェア事業が第2の柱として着実に拡大し、営業利益率は9%台を維持、ROEも15%前後で安定する。成長性と収益力の両立が評価され、PERは高成長企業として25〜30倍程度まで切り上がる。この場合、利益成長と評価の拡大を背景に株価は段階的に上昇し、5年後には3,200円から3,600円程度を目指す展開が想定される。成長株として市場の評価を再び集めるシナリオである。

中間のシナリオでは、駐車場事業は堅調だが、カーシェアや海外事業の成長は想定並みにとどまり、利益成長は緩やかなものとなる。営業利益率は8%前後、ROEは10〜12%程度で推移し、評価面ではPER20倍前後に落ち着く。この場合、株価は大きな上昇トレンドは描かず、業績の積み上がりとともに緩やかに水準を切り上げ、5年後の株価は2,500円から2,800円程度に収れんする中立的なシナリオとなる。配当再開や増配が進めば、下値は比較的安定しやすい。

悪い場合のシナリオでは、投資負担の増加や人流の鈍化により収益性が低下し、営業利益率は7%を下回る水準まで落ち込む。ROEも一桁台に低下し、市場は成長期待を後退させ、PERは15倍前後まで切り下がる。この場合、株価は調整色を強め、5年後には1,600円から1,900円程度にとどまる、もしくは一時的に1,600円近辺を試す弱気シナリオとなる。ただし、事業基盤自体は強く、長期的に見て極端な低迷が続く可能性は低い。

総合すると、現在株価2,101.5円前後を起点としたパーク24の5年間の値動きは、良い場合で3,200円から3,600円前後、中間で2,500円から2,800円、悪い場合で1,600円から1,900円程度といったレンジが想定される。急激な値上がりを狙う銘柄ではないが、モビリティ関連の成長と安定したキャッシュ創出力を背景に、中長期で成長シナリオを描けるかどうかが投資判断の分かれ目になる銘柄、という評価になる。

この記事の最終更新日:2025年12月26日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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