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デクセリアルズ(4980)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-10)
2,487.00
前日比 -608.00(-19.64%)

デクセリアルズとは

デクセリアルズ株式会社は旧ソニーケミカルを前身とする高機能電子材料メーカーであり、異方性導電膜や光学弾性樹脂といったニッチ分野で世界トップクラスのシェアを持つ企業である。もともとはソニーグループの材料部門としてディスプレイや光学デバイス向けの中核材料を担ってきた歴史があり、その技術基盤は現在の事業にも色濃く受け継がれている。

ソニーケミカルはかつて東証2部に上場していたが、2000年にソニーの完全子会社となり上場廃止。その後、ソニー宮城との合併を経てソニーケミカル&インフォメーションデバイスへと社名変更した。2012年にソニーグループから切り離され日本政策投資銀行とユニゾン・キャピタル系ファンドの支援を受けて独立し、デクセリアルズ株式会社として再出発する。2015年に東証1部へ再上場し、現在は東証プライム市場に上場している。社名のデクセリアルズは巧みで機敏なという意味のデクステラスと、材料を意味するマテリアルズを組み合わせた造語で技術力とスピード感を重視する企業姿勢を表している。

事業の軸は電子部品・接合材料・光学材料の製造および販売であり、単なる素材供給ではなく顧客製品の性能や信頼性を左右する重要部材を提供する点に特徴がある。主力製品である異方性導電膜は樹脂中に微細な導電粒子を分散させることで、縦方向には電気を通し横方向には絶縁する特性を持つフィルム型接合材料でディスプレイやカメラモジュール、半導体パッケージなどの高密度実装に不可欠な存在となっている。デバイスの薄型化・小型化が進むほど重要性が高まる材料であり、この分野での高いシェアが同社の収益力を支えている。

光学分野ではスマートフォンやタブレット、車載ディスプレイ向けに用いられる光学弾性樹脂や反射防止フィルムを展開している。特に光学弾性樹脂はディスプレイの視認性や耐衝撃性を高める役割を担い、モバイル機器の高機能化に伴って需要が拡大してきた。また、スパッタリング技術を用いた反射防止フィルムは表示性能を左右する重要部材であり、この分野でも世界トップクラスのポジションを確立している。

近年では医療用途や産業用途にも領域を広げている。モスアイ構造を応用した医療用アイシールド材は低反射・高透過を実現し、長時間使用しても目が疲れにくいという特長を持つ。これはもともと光学材料で培った微細加工技術を応用したものであり、同社の技術展開力を象徴する製品と言える。また、LED関連材料やアバランシェフォトダイオードといった光・電子デバイス分野にも対応しており、センシング、医療、産業機器など幅広い用途での活用が進んでいる。

事業構造としてはスマートフォンやディスプレイ向け材料の比重が高かった時期から、車載、半導体、医療、産業用途へと徐々に分散を進めている段階にある。スマートフォン市場の成熟による需要変動リスクを意識しつつ、比較的中長期での成長が見込める分野へシフトしている点が近年の特徴だ。高シェア製品を複数持つため価格競争に巻き込まれにくく、利益率が高いことも同社の強みとなっている。

全体としてデクセリアルズは量を追う汎用素材メーカーではなく、顧客の製品性能を左右するキーマテリアルに特化した高付加価値型素材メーカーである。ソニー時代から蓄積された技術力、世界トップクラスのシェア製品、用途展開の柔軟さを背景に景気変動の影響を受けつつも、比較的高い収益性を維持できるビジネスモデルを構築している企業だと言える。

デクセリアルズ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 税前利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当 DPS(円)
連21.3 65,830 11,339 10,844 5,329 29.2 14.7
連22.3 95,712 26,642 25,023 16,669 91.5 20
連23.3 106,167 32,288 30,174 20,685 116.9 21.7
連24.3 105,198 33,421 30,028 21,382 122.9 33.3
連25.3 110,390 39,735 39,359 27,737 162.0 58
連26.3予 114,000 41,000 40,500 27,000 159.6 58〜60
連27.3予 120,000 42,000 41,500 27,500 162.5 58〜62

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 21,339 -9,447 -12,535
2024 27,457 -10,866 -10,343
2025 40,433 -22,316 -21,286

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 30.4 16.3 28.3
2024 31.7 15.4 25.1
2025 35.9 18.2 28.9 高値平均16.0 / 安値平均8.1 4.30

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見ると、2024年3月期は売上高が約1051億円、営業利益が約334億円、経常利益が約300億円、純利益が約213億円。すでにこの時点で、素材メーカーとしてはかなり高い利益水準にある。2025年3月期になると売上高は約1103億円に増え、営業利益は約397億円、経常利益は約393億円、純利益は約277億円と、売上の伸び以上に利益が大きく拡大している。2026年3月期予想でも売上高は約1140億円、営業利益約410億円、経常利益約405億円、純利益約270億円と、高い利益水準が維持される想定で、ピークアウトというよりは高原状態に入るイメージが近い。

営業利益率を見ると、2023年が30.4%、2024年が31.7%、2025年が35.9%。30%を超える利益率を安定して出しつつ、直近ではさらに改善している。これは市況頼みというより、製品の付加価値や価格決定力が相当強いことを示しており、電子材料メーカーの中でも明らかに別格の収益体質と言える。

資本効率も非常に高い。ROEは2023年28.3%、2024年25.1%、2025年28.9%で、常に25%超の水準を維持している。ROAも2023年16.3%、2024年15.4%、2025年18.2%と高く、自己資本だけでなく総資産を使った稼ぐ力も極めて強い。数字だけを見ると、成熟企業というより、優良成長企業に近い印象を受ける。

次に評価面を見る。2025年実績ベースのPERは、高値平均で16.0倍、安値平均で8.1倍。PBRは4.3倍となっている。PBRだけを見ると高く見えるが、ROEが約29%という水準を考えれば、必ずしも割高とは言えない。一方、PERについては、高値平均の16倍はこの収益力を前提にすれば妥当水準、安値平均の8倍台まで下がる局面があるなら、かなり割安感が強い水準と言える。

総合すると、この銘柄は営業利益率、ROE、ROAのいずれを見ても非常に完成度が高く、稼ぐ力がすでに確立された企業という印象が強い。業績面の不安は小さく、株価の上下は成長率そのものよりも、市場がどのPER水準を許容するかに左右されやすいタイプだと感じる。

結論として、長期投資の対象としての質はかなり高い。PERが高値平均付近の水準では無理に飛びつく必要はないが、安値平均に近づくような場面があれば、業績の質を考えると非常に魅力的になる。一方で、すでに高収益企業として評価されている分、成長の鈍化が見えた場合には評価調整が入りやすい点には注意が必要で、業績の持続性を確認しながら向き合いたい銘柄、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点でデクセリアルズを見ると主目的としては「悪くはないが最優先ではない」、中長期保有の補助要素としては十分に成立するという位置づけになる。まず予想配当利回りは26.3期が2.20%、27.3期も2.20%と極端に高い水準ではない。いわゆる高配当株とされる3〜4%クラスと比べると見劣りする一方で、成長株としてはそこそこしっかりした利回りが確保されている水準だと言える。

デクセリアルズの配当の特徴は利回りの高さよりも「裏付けの強さ」にある。営業利益率は30%超、ROEは25〜30%台、ROAも15%超と利益創出力が非常に高い。そのため、配当は利益を圧迫して無理に出している印象がなく、業績が多少ブレても急に減配に追い込まれるリスクは比較的低いと感じられる。実際、25.3期以降は1株配当58円と大きく引き上げられており、利益水準の拡大が株主還元にきちんと反映されている。

一方で、配当利回りが2%台前半にとどまっているのは、株価水準そのものが高収益性を織り込んでいるためであり配当を主役に据えた銘柄ではないことの裏返しでもある。今後も業績が横ばいから緩やかな成長にとどまる場合、配当は維持から微増が中心となり利回りが大きく跳ね上がる展開はあまり期待しにくい。

総合すると、デクセリアルズは「配当目的だけ」で選ぶ銘柄ではない。ただし、高い利益率と資本効率を背景に比較的安定した配当を受け取りながら株価上昇も狙う投資には向いている。配当を主役、値上がり益を従とするよりも、値上がり益を主軸に配当を安心材料として受け取るスタンスが最も相性の良い銘柄だと言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

デクセリアルズは異方性導電膜や光学弾性樹脂といった高付加価値の電子材料を主力とする企業で、営業利益率30%超、ROE20%台後半という非常に高い収益力を持っている。汎用品ではなく顧客製品の性能を左右するキーマテリアルに特化しているため、価格競争に巻き込まれにくく利益率が高水準で安定している点が大きな特徴だ。現在値2,628.5円を起点に今後5年間の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、スマートフォン向け材料に加えて、車載ディスプレイ、半導体、先端パッケージ関連での需要が想定以上に拡大する展開を想定する。高付加価値製品の比率がさらに高まり、営業利益率は30%台半ばが定着しROEも30%近い水準を維持する。市場からは「構造的に高収益な電子材料メーカー」として評価され、PERは18〜20倍程度まで許容される。この場合、利益成長と評価拡大が同時に進み、5年後の株価は4,500円〜5,500円程度まで上昇する可能性がある。配当も安定的に支払われるため、値上がり益と配当を合わせたトータルリターンはかなり良好になる。

中間のシナリオでは、電子部品・半導体関連需要は底堅いものの成長スピードは徐々に落ち着き、業績は高水準で横ばいから緩やかな成長にとどまる。営業利益率は30%前後、ROEは25%前後で安定し、現在の高収益体質は維持されるが、さらなるジャンプアップはない。評価面では現在と同程度のPER水準が意識され、株価は業績に沿ってじわじわと上昇する。この場合、5年後の株価は3,200円〜3,800円程度に収まりやすく、派手さはないが堅実な値上がりと配当が期待できる。

悪い場合のシナリオでは、スマートフォン市場の調整や半導体投資の減速が長引き、高付加価値材料の需要も一時的に鈍化する展開を想定する。営業利益率は20%台後半まで低下し、ROEも20%前後に下がることで高収益企業としての評価が見直される。市場の警戒感が強まれば、PERは10〜12倍程度まで切り下がる可能性があり株価は評価調整を受ける。この場合、5年後の株価水準は1,800円〜2,300円程度まで下押しされるリスクがある。配当は維持される可能性が高いが、株価面では我慢の時間が続く展開になる。

まとめると、5年後の株価イメージは良い場合で4,500円〜5,500円、中間の場合で3,200円〜3,800円、悪い場合で1,800円〜2,300円となる。デクセリアルズはすでに高収益企業として完成度が高く、急成長株というよりは「高い利益率をどれだけ長く維持できるか」と「市場がどの評価倍率を与えるか」が株価を左右する銘柄だ。現在値2,628.5円は、悲観シナリオを強く織り込んだ水準ではなく、中間からやや慎重寄りの評価に位置している。長期で向き合うなら業績の持続性と半導体・電子部品分野の投資サイクルを意識しながら、押し目を待って組み入れる姿勢がしっくりくる水準と言える。

この記事の最終更新日:2026年1月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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