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藤倉コンポジット(5121)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2025-12-30)
2,056.00
前日比 +11.00(+0.54%)

藤倉コンポジットとは

藤倉コンポジットはゴム引布および産業用ゴム・樹脂製品を中核とする素材メーカーであり、日本で最初にゴム引布を製造した企業として約120年の歴史を持つ。フジクラ(旧・藤倉電線)を中核とするフジクラグループの一員で、藤倉化成とは兄弟会社の関係にある。ゴムと布、金属、樹脂といった異素材を組み合わせる複合技術を強みとし、産業インフラから防災、医療、スポーツ分野まで幅広く事業を展開している。

同社の基盤となっているのは工業用品事業であり、ゴム引布や産業用資材分野では国内大手の位置づけにある。自動車のエンジン・ブレーキ関連部品、家電・ガス・水道設備の機能部品、電力や各種インフラ向けの特殊材料部品など社会の基盤を支える用途向けに数多くのゴム部品やゴムと金具・樹脂の複合製品を製造・販売している。救命ボートや救命胴衣といった防災・救難救命機器も手掛けており、安全・防災分野でも重要な役割を担っている。

電気材料分野では1910年代から電気絶縁用テープ類の製造を行ってきた長い歴史があり、現在では電力、情報通信、エレクトロニクス分野を中心に高信頼性・高品位の材料を提供している。IT社会の基幹産業を支える部材供給という位置づけで、安定した需要を背景とした事業となっている。

精密・制御機器分野では空圧制御機器やダイヤフラム、除振台などを展開しており、高温環境や溶剤環境といった過酷条件にも対応できるようゴムの配合設計段階から顧客ごとに最適化した提案を行う点が特徴である。標準品のカスタムから完全オーダーメイドまで対応し、数量も1台単位から量産まで幅広く応じることができるため大手メーカーが対応しにくいニッチ分野で強い競争力を持っている。

医療分野では長年培ってきたゴムと異素材の複合技術を生かし、医療機器メーカー向けに重要な機能部品を供給している。人々の命や生活の質を支える部品メーカーとして、高い信頼性と精度が求められる分野で存在感を持っている。

スポーツ・アウトドア分野ではゴルフ用カーボンシャフトに定評があり、長年にわたり高い評価を受けている。また、アウトドアスポーツ用品の展開も行っており、産業用途とは異なる消費者向け分野でも事業を広げている。子会社のキャラバンはアウトドア用品分野を担っている。

生産拠点は国内の原町工場、岩槻工場、小高工場、加須工場に加え中国の杭州、ベトナムのハイフォン、米国カリフォルニア州にも展開しており、グローバルな供給体制を構築している。グループ内では藤倉航装などに原材料や半製品を供給するなど、フジクラグループ内での役割も大きい。

総合すると藤倉コンポジットはゴム引布を起点とした独自の複合材料技術を核に、産業インフラ、防災、医療、精密機器、スポーツ・アウトドアといった多様な分野に製品を供給する素材・部品メーカーである。大量生産型ではなく多品種少量生産や特殊仕様対応を得意とし、ニッチ分野での技術力と信頼性を武器に堅実な事業展開を続けている企業と言える。

藤倉コンポジット 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益 EPS
(円)
一株当り配当
(円)
連21.3 29,275 1,172 1,557 1,182 50.6 12
連22.3 37,190 4,160 4,778 4,062 180.6 26記
連23.3 40,687 4,432 5,144 3,947 181.1 40
連24.3 37,785 3,624 3,898 3,252 140.5 70記
連25.3 41,325 4,807 5,050 3,888 198.2 64
連26.3予 40,700 5,000 5,200 3,800 192.0 66
連27.3予 43,500 5,900 6,100 4,460 225.3 66〜70

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2023 2,442 -857 -1,731
2024 5,271 -1,057 -1,378
2025 6,886 -3,170 -3,449

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率
(%)
ROE
(%)
ROA
(%)
PER
(倍)
PBR
(倍)
2023 10.8 11.8 9.7
2024 9.5 8.9 7.3
2025 11.6 11.2 8.1 4.9〜8.4 1.10

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見る。24.3は売上高377億円、営業利益36億円、経常利益38億円、純利益32億円で安定した黒字を確保している。25.3は売上高413億円、営業利益48億円、経常利益50億円、純利益38億円と売上・利益ともに着実に拡大している。26.3予では売上高407億円とやや横ばいだが、営業利益50億円、経常利益52億円、純利益38億円と利益水準は高止まりする想定となっている。事業規模は中小型だが、利益の絶対額は安定しており大きなブレは見られない。

次に収益性を見ると営業利益率は23年10.8%、24年9.5%、25年11.6%と概ね2桁前後を維持している。素材・部品メーカーとしては高い水準であり、価格競争に巻き込まれにくい体質が数字に表れている。ROEは11.8%、8.9%、11.2%、ROAは9.7%、7.3%、8.1%で24年に一時的な低下はあるものの、再び回復しており資本効率は良好と評価できる。

バリュエーションを見ると25年実績PERは4.9倍から8.4倍とかなり低いレンジにあり、利益水準に対して株価評価が抑えられていることが分かる。PBRは1.1倍でROEが10%前後あることを踏まえると、割高感はなく妥当からやや割安寄りの水準と言える。

以上を総合すると藤倉コンポジットは売上規模こそ大きくないものの、営業利益率・ROE・ROAが安定して高く収益の質が良い企業である。業績の振れも比較的小さく、ニッチ分野での技術力を背景とした安定型の事業構造が数字に表れている。一方で、PERは1桁台、PBRも1倍前後にとどまっており、市場評価は慎重なままである。

投資判断としては藤倉コンポジットは高成長株ではないが、収益力の割に評価が低い中小型株と位置づけられる。提示された数値だけで見る限り、現在のPER水準は割高とは言えず収益力を考慮すれば評価余地が残る。派手さはないが、数字面では堅実で長期的に安定収益を重視する投資に向いた銘柄と判断できる。

配当目的とかどうなの?

まず利回り水準を見ると予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに3.21%と明確に高配当株と呼べる4%以上には届かないものの、製造業としては平均よりやや高めの水準にある。銀行預金や国債と比べれば十分なインカムであり、配当が株価の下支えとして機能しやすい水準と言える。

次に配当の裏付けとなる利益水準を見ると連26.3予で純利益38億円規模を維持する想定であり、配当66円水準は利益に対して無理のない範囲に収まっている。営業利益率は10%超、ROEも11%前後と高く、稼ぐ力そのものは安定しているため少なくとも現状の配当水準が短期的に揺らぐ可能性は低いと考えられる。

一方で、藤倉コンポジットは典型的な連続増配銘柄や配当を最優先に引き上げ続けるタイプの企業ではない。過去を見ても業績に応じて配当を調整する傾向があり、好調期には増配、利益が踊り場に入ると配当を据え置くという、比較的現実的な配当スタンスである。そのため、毎年の増配を強く期待する投資には向きにくい。

総合すると、藤倉コンポジットは配当目的として「安定配当を受け取りたい投資家」には適しているが、「高配当を最優先する投資家」にはやや物足りない水準と言える。3%強の利回りを確保しながら業績と株価評価の改善を待つスタンスには相性が良く、配当を主目的にしつつ将来的な増配や評価修正を副次的に狙う中長期保有向きの銘柄と判断できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

藤倉コンポジットについて現在値2,056.0円を起点に今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。まず全体像として、藤倉コンポジットは高成長株というよりも、高収益・安定型の中小型素材メーカーであり株価評価の軸は成長期待よりも収益性とバリュエーション、配当の安定性にある。営業利益率やROEは同規模企業の中では高水準だが、PERは1桁台に抑えられており市場は依然として慎重な評価をしている。このため、株価の上昇余地はあるものの急騰するタイプではない。

良い場合のシナリオでは、26.3予以降も営業利益50億円前後、純利益40億円前後の水準を安定的に維持し、営業利益率は10%台を継続、ROEも10%前後で定着する。ニッチ分野での競争力が再評価され、評価面での修正が進む。この場合、PERは現在の下限水準から切り上がり、8〜10倍程度まで許容される可能性がある。EPS水準を前提にすると、株価は2,500円前後、条件が良ければ2,800円程度まで評価される余地が出てくる。配当利回りは3%前後を維持したまま株価が上昇し、インカムとキャピタルの両立が可能な5年間となる。

中間のシナリオでは、業績は大きく崩れず売上400億円前後、営業利益40〜50億円程度で横ばい推移となる。営業利益率やROEも現在水準を維持するが、明確な成長ストーリーは市場に示されない。この場合、PERは5〜8倍、PBRは1倍前後にとどまり、株価は配当利回り3%前後を意識した水準で推移しやすい。結果として、1,900円から2,300円程度のレンジ相場になり5年間のリターンは配当を積み上げることで確保する形になる。

悪い場合のシナリオでは、需要の鈍化やコスト上昇により利益率が低下し、営業利益率が1桁前半まで落ち込む。ROEも8%未満となり、市場からは収益力低下を警戒される。この場合、PERは安値圏である5倍前後に固定されPBRも1倍を割り込む可能性がある。EPSが低下すれば、株価は1,600円から1,800円程度まで下落するリスクがある。ただし、配当は大幅には崩れにくく、利回りは4%前後まで上昇するため下値は比較的限定的になりやすい。

総合すると、藤倉コンポジットの5年間の値動きは急成長による株価倍増を狙うタイプではなく、収益力と割安感、配当を背景に緩やかに評価が変化する銘柄と言える。良い場合で2,500〜2,800円、中間では1,900〜2,300円のレンジ、悪い場合でも1,600円前後までの調整にとどまるイメージである。現在値2,056円はすでに一定の割安感と配当価値を織り込んだ水準であり、今後5年間は安定収益と配当を受け取りながら評価修正を待つ銘柄としての性格が強いと考えられる。

この記事の最終更新日:2026年1月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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