株価
フコクとは

フコクはワイパーやブレーキ関連部品などを中心とする自動車用ゴム製品の独立系大手メーカーであり、ゴム材料技術と精密加工技術を強みに国内外で高いシェアを持つ企業である。本店は埼玉県上尾市に置き浦和事務所を本社機能とし、国内では埼玉・群馬・愛知を中心に複数の生産拠点を展開している。
同社の中核事業は自動車向けゴム製品の製造・販売であり、特に自動車用ワイパーブレードラバーでは世界生産量No.1という地位を確立している。ワイパー用ゴムのほかシール製品、ブレーキブースター用ダイヤフラム、各種バルブ類などエンジン周辺や車体機能に不可欠な部品を幅広く手掛けており、完成車メーカーや大手部品メーカーを主要顧客としている。独立系メーカーであるため特定系列に縛られず、グローバルで多様な自動車メーカーと取引できる点も特徴である。
事業内容は自動車向けを中心としたゴム製品の製造販売に加え、金属・合成樹脂製品の製造販売、さらに近年ではバイオ・医療関連製品の製造販売にも広がっている。医療分野では免疫治療用の閉鎖型培養バッグなどを手掛けており、自動車分野以外でも高分子材料技術を応用した事業展開を進めている。
フコクの競争力の源泉は高分子化学を基盤とした材料配合、接着、表面改質、成形加工といった要素技術の蓄積にある。単なる量産部品メーカーではなく、材料検討から設計、成形、組立、製品化までを一貫して対応できる体制を整えており顧客の要望に応じたカスタマイズや課題解決型の提案を得意としている。創業精神である「Yes, We Do!」に象徴されるように、まず挑戦する姿勢を重視した企業文化も特徴である。
また、ワイパーブレードラバー以外にも油圧ショベル用ビスカスマウント、エバポパージ装置用バルブ、半導体シリコンウェーハ製造用ウレタンローラーなど世界で高いシェアを持つニッチ製品を複数保有している点は同社の事業基盤の強さを示している。こうした実績が評価され、2020年には経済産業省のグローバルニッチトップ企業100選にも選定された。
生産体制については国内拠点に加え、北米やアジアを中心とした海外生産の増強を進めており、グローバルな自動車生産体制に対応した供給網を構築している。為替や地域需要の変動リスクを分散しつつ、現地生産による競争力強化を図る戦略である。総じてフコクは世界トップクラスのシェア製品を複数持つ技術志向のゴム部品メーカーであり、自動車産業を軸にしながらも医療・産業分野へ応用を広げることで事業の安定性と成長余地を両立させようとしている企業と位置づけられる。
フコク 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 EPS (円) |
一株当り配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 63,214 | 693 | 1,435 | 1,254 | 75.7 | 22 |
| 連22.3 | 71,504 | 1,749 | 2,522 | 2,084 | 127.2 | 49 |
| 連23.3 | 82,318 | 2,010 | 3,139 | 2,135 | 132.6 | 50 |
| 連24.3 | 88,847 | 3,646 | 4,094 | 3,050 | 189.4 | 60 |
| 連25.3 | 89,657 | 4,721 | 4,569 | 2,931 | 181.9 | 75 |
| 連26.3予 | 89,000 | 4,800 | 4,800 | 3,300 | 204.6 | 85〜90 |
| 連27.3予 | 90,000 | 5,200 | 5,200 | 3,700 | 229.4 | 90〜100 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 3,515 | -3,988 | 753 |
| 2024 | 8,843 | -4,466 | -2,781 |
| 2025 | 6,631 | -5,835 | -640 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2.4 | 5.9 | 2.9 | — | — |
| 2024 | 4.1 | 7.7 | 4.0 | — | — |
| 2025 | 5.2 | 6.7 | 3.6 | 6.8〜10.7 | 0.74 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模と利益の推移を見る。連24.3は売上高888億円、営業利益36億円、経常利益40億円、純利益30億円であり、すでに安定した黒字基調にある。連25.3は売上高896億円、営業利益47億円、経常利益45億円、純利益29億円と売上は横ばいながら営業利益は着実に伸びている。連26.3予では売上高890億円、営業利益48億円、経常利益48億円、純利益33億円が見込まれており、規模拡大よりも利益の積み上げを重視した堅実な成長が続く想定となっている。
収益性を見ると営業利益率は23年2.4%、24年4.1%、25年5.2%と明確な改善傾向にあり、製造業として着実に体質が強化されていることが分かる。ROEは5.9%、7.7%、6.7%、ROAは2.9%、4.0%、3.6%と突出して高い水準ではないものの、中堅部品メーカーとしては妥当かつ安定的な水準にある。特に営業利益率の改善は、価格転嫁や生産効率の向上が進んでいることを示唆している。
バリュエーション面では25年実績PERは6.8〜10.7倍のレンジにあり、利益水準に対して市場評価は依然として低めである。PBRは0.7倍と1倍を下回っており、資産価値に対しても割安感が残っている。収益が安定しているにもかかわらず、この水準にとどまっている点は同社が高成長株として見られていない一方で、下値の堅さを持つ評価とも言える。
以上を総合するとフコクは売上規模900億円前後で安定しつつ、営業利益率を着実に引き上げている改善基調の企業である。ROE・ROAは中程度で、急成長や高収益企業とは言えないが、利益の質と安定性は年々向上している。一方、PERは1桁後半から10倍前後、PBRも0.7倍台と市場評価はまだ慎重であり、過度な期待は織り込まれていない。
投資判断としてはフコクは高成長を狙う銘柄ではなく、収益性改善と割安評価の是正を静かに待つタイプの銘柄である。提示された数値だけで判断すれば業績は安定しており、下値リスクは比較的限定的である一方、評価倍率の急拡大による株価上昇は期待しにくい。結論として、フコクはディフェンシブ寄りの中堅成長株として中長期でじっくり保有し、業績改善に伴う緩やかな評価修正を狙う投資に向いた銘柄と位置づけられる。
配当目的とかどうなの?
まず配当利回りを見ると連26.3で4.37%、連27.3で4.63%と製造業の中では明確に高配当ゾーンに入っている。一般的な高配当株の目安である4%を超えており、インカム目的としては数字だけを見る限り十分に魅力的な水準である。
次に、配当の裏付けとなる収益力を見る。連24.3から連26.3予にかけて営業利益は36億円→47億円→48億円、純利益は30億円→29億円→33億円と安定した黒字基調が続いている。営業利益率も2.4%→4.1%→5.2%と改善が明確で、配当を継続するための利益創出力は年々強まっている。赤字や急激な利益変動が見られない点は配当目的では大きな安心材料である。
ROEは6〜8%台、ROAは3〜4%台と資本効率は突出して高くはないものの、無理なレバレッジに依存した利益ではないことを示している。PBRは0.74倍と低く、資産面から見ても配当余力が過度に削られている状況ではない。PERも6.8〜10.7倍と低位で配当が業績悪化を織り込んだ無理な水準になっているとは言いにくい。
一方で注意点もある。フコクは高成長企業ではなく売上は900億円前後でほぼ横ばいであるため、将来的な大幅増配を期待するタイプの銘柄ではない。配当は「急に増やす」よりも「高水準を維持する」性格が強いと考えられる。また、自動車関連比率が高いため、景気後退局面では利益が圧迫され増配余地が限定される可能性はある。
以上を踏まえた結論として、フコクは配当目的との相性がかなり良い銘柄と評価できる。4%超の配当利回りに加え、安定した黒字、改善する営業利益率、低PER・低PBRという条件がそろっており、短期的な値上がりを狙うよりも配当を受け取りながら中長期で保有する戦略に適している。大きな増配は期待しにくいが、「高めの配当を安定して受け取りたい」という目的には合致しやすい銘柄と言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
フコクについて現在値1,942.0円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。まず全体像として、フコクは高成長株ではなく自動車用ゴム部品を中心とした安定成長型の中堅メーカーである。売上は大きく伸びない一方利益率は着実に改善しており、株価評価の軸は成長期待よりも収益の安定性と高い配当利回りに置かれている。PER・PBRともに低位にあり、市場はすでに慎重な評価を付けている状態である。
良い場合のシナリオでは、連26.3予以降も営業利益率5%前後を維持し、営業利益・純利益が安定的に積み上がる。ROEは7〜8%台で定着し、高配当を維持しながら財務の健全性も保たれる。この場合、市場は同社を「高配当かつ安定収益の部品メーカー」として再評価し、PBRは0.9倍〜1.0倍程度まで切り上がる可能性がある。PERも10〜12倍程度が許容されるようになれば、EPS水準を前提に株価は2,400円から2,700円程度まで上昇する余地がある。配当利回りは3%台後半まで低下するが、株価上昇と配当の両面でトータルリターンが得られる展開となる。
中間のシナリオでは、業績は概ね計画通りだがこれ以上の収益性改善は進まず、売上900億円前後、営業利益40〜50億円規模で横ばいが続く。営業利益率は4〜5%、ROEは6%台で安定するものの市場評価に大きな変化はない。この場合、PERは7〜10倍、PBRは0.7〜0.8倍程度にとどまり、株価は1,800円から2,200円程度のレンジで推移しやすい。5年間で見れば値上がり益は限定的だが、4%前後の配当を積み上げることで、トータルでは比較的満足度の高い保有になる。
悪い場合のシナリオでは、自動車市場の減速やコスト上昇の影響で利益率が再び低下し、営業利益率が3%台まで落ち込む。ROEも5%前後に低下すると、市場は収益力の頭打ちを意識し評価は一段と慎重になる。この場合、PERは6倍前後、PBRは0.6倍台まで下がる可能性があり、株価は1,400円から1,600円程度まで調整するリスクがある。ただし、配当利回りは5%前後まで上昇するため、完全な下落トレンドというよりは高配当を意識した下値の堅い展開になりやすい。
総合すると、フコクの5年間の値動きは大きな成長で株価が倍増するタイプではなく、配当と業績安定度合いに応じて緩やかに評価が上下する展開が想定される。良い場合で2,500円前後、中間では1,800〜2,200円、悪い場合でも1,500円前後までの調整にとどまるイメージである。現在値1,942円はすでに高配当と安定性をかなり織り込んだ水準であり、今後5年間は値上がり益よりも、配当を受け取りながらじっくり付き合う銘柄としての性格が強いと考えられる。
この記事の最終更新日:2026年1月3日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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