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住友大阪セメント(5232)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2025-12-30)
3,800.00
前日比 -65.00(-1.68%)

住友大阪セメントとは

住友大阪セメントは、住友グループに属する国内有力セメントメーカーであり、太平洋セメント、UBE三菱セメントに次ぐ国内シェア3位のポジションを持つ。前身は住友セメントと大阪セメントで、両社の合併により現在の住友大阪セメントが誕生した。かつて大阪セメントは三和グループに属していたが、合併後は住友グループに一本化され、現在は住友グループ広報委員会および白水会に所属する中核素材企業となっている。

事業の中核はセメント事業であり、普通ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱セメント、低熱セメントといった各種ポルトランドセメントに加え、高炉セメントやフライアッシュセメントなど、多様な用途・施工条件に対応した製品群を展開している。これらは道路、橋梁、トンネル、港湾、ダムといった社会インフラや、民間建築向けに幅広く使用されており、公共投資や建設投資の動向が業績に大きく影響する典型的なインフラ関連事業である。加えて、生コンクリートやセメント系固化剤など周辺分野にも展開し、単なる素材供給にとどまらない事業構造を築いている。

同社の特徴として、環境対応型ビジネスへの取り組みが挙げられる。セメント製造工程において、廃棄物や副産物を原燃料として再資源化する原燃料リサイクル事業を積極的に展開しており、自治体や産業界から排出される廃棄物の受け入れを通じて、環境負荷低減と収益確保の両立を図っている。また、製造過程で発生する熱エネルギーを活用した売電事業にも実績があり、環境対応とエネルギー効率向上を経営上の重要テーマとして位置付けている。

鉱産品事業では、石灰石、ドロマイト、骨材、シリカ微粉などを採掘・加工し、セメント原料や建設材料、工業用途向けに供給している。これらの事業は自社セメント工場と密接に連携しており、安定した原料供給とコスト競争力の確保に寄与している点が強みである。

建材事業では、コンクリート構造物の補修・補強材、地盤改良材、静的破砕剤、杭頭処理剤、PC製品などを幅広く手がけている。さらに、橋梁工事や地盤改良工事、コンクリート構造物の補修・補強工事といった施工分野にも展開しており、新設需要だけでなく、老朽化インフラの維持・更新需要を取り込む体制を整えている。インフラ老朽化が進む国内において、安定的な需要が見込まれる分野である。

成長分野として育成されているのが光電子・新材料事業である。半導体製造装置向け材料や光変調器、光送受信機などの光電子部品、各種セラミックス製品、ナノ粒子材料、抗菌剤など、高付加価値かつ技術集約型の製品を展開している。これらは建設需要に左右されやすいセメント事業を補完する役割を担っており、将来的な収益源として期待されている。

そのほか、不動産賃貸、エンジニアリング、ソフトウェア開発といった事業も行っており、全体としてはセメントを基盤とした安定収益モデルに、環境対応事業と先端材料事業を組み合わせた事業ポートフォリオを構築している企業である。短期的には建設需要や景気変動の影響を受けやすい一方、中長期的には再資源化や環境対応、半導体関連材料といった分野の成長を取り込みながら、持続的な収益構造の確立を目指す企業と位置付けられる。

住友大阪セメント 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株配当
(円)
21.3 239,274 16,631 17,641 11,719 304.6 120
22.3 184,209 6,878 9,834 9,674 262.8 120
23.3 204,705 -8,555 -7,849 -5,719 -166.8 120
24.3 222,502 7,251 8,476 15,339 447.9 120
25.3 219,465 9,351 9,367 9,008 270.4 120
26.3予 225,200 14,000 13,600 10,000 315.5 120
27.3予 227,000 15,500 15,000 12,300 388.1 120

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
23.3 -16,146 -19,818 37,292
24.3 43,731 -15,350 -24,395
25.3 24,885 -21,816 -5,341

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率
(%)
ROA
(%)
ROE
(%)
PER
(倍)
PBR
(倍)
23.3 -4.2 -1.7 -3.2
24.3 3.2 4.3 7.8
25.3 4.2 2.5 4.7 11.6~15.9 0.6

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を億円ベースで見ると、売上高は24.3期が約2,225億円、25.3期が約2,194億円、26.3期予想が約2,252億円と、大きな成長はないものの横ばい圏で推移している。セメント需要が成熟している中では、安定的な水準と言える。一方、営業利益は24.3期が約72億円、25.3期が約93億円、26.3期予想が約140億円と、利益面では回復と改善が明確に表れている。23.3期の赤字から立ち直り、収益構造が正常化しつつある点は評価できる。

利益率を見ると、営業利益率は23.3期の-4.2%から、24.3期3.2%、25.3期4.2%へと改善している。依然として高収益企業と呼べる水準ではないが、赤字脱却後の回復局面にあることははっきりしている。ROEも-3.2%から7.8%、4.7%へと持ち直しており、自己資本を使った収益力は回復途上といった位置づけである。ROAも-1.7%から4.3%、2.5%とプラス圏に戻っており、資産効率も最低ラインは確保している。

評価面では、25.3期実績PERはおおよそ11.6倍から15.9倍のレンジにあり、景気敏感型の素材メーカーとしては中立からやや割安寄りの水準と言える。PBRは0.6倍台と1倍を大きく下回っており、市場は同社の資産価値や将来収益力をかなり保守的に見ている。これは、セメント事業の成長性の低さや業績変動の大きさが評価に織り込まれている結果と考えられる。

純利益は24.3期が約153億円と一時的に大きく出ているが、25.3期は約90億円、26.3期予想は約100億円と、平常時は100億円前後の利益水準に落ち着く見通しである。この水準が安定して定着すれば、現在のPBR0.6倍台はやや割安感が意識されやすい。

総合すると、住友大阪セメントは高成長を期待する銘柄ではなく、赤字期を脱した後の回復局面にある典型的なインフラ・素材株と位置づけられる。利益率やROEはまだ低めだが、改善トレンドにあり、PBRの低さを考えると下値は比較的限定的と考えられる。一方で、利益率が一桁前半にとどまる限り、評価倍率が大きく切り上がる可能性は高くない。

したがって投資判断としては、積極的に成長を取りに行く銘柄ではなく、業績回復と割安なPBRを前提に「戻り余地を狙うバリュー・回復期待型」の位置づけとなる。業績が26.3期予想通りに進み、営業利益率が4%台で安定するかが、今後の評価見直しの分岐点になる。

配当目的とかどうなの?

住友大阪セメントを配当目的で見ると、いわゆる高配当株というよりは、業績回復を前提に安定配当を受け取るタイプの銘柄という印象が強い。予想配当利回りは26.3期、27.3期ともに3.15%と、東証全体で見ればやや高めではあるが、配当利回りだけで投資家を強く引きつける水準ではない。ただし、インカム目的として最低限の条件は満たしている。

注目すべき点は配当の安定性である。過去には業績が悪化し赤字となった期があったものの、その中でも配当は維持されており、1株120円配当を継続している。これは会社として配当を経営上の重要項目として位置づけていることを示しており、景気敏感なセメント事業を主力としながらも、株主還元を極端に切り下げない姿勢がうかがえる。インフラ需要が基盤にあるため、需要が急減しにくい点も、配当の下支え要因になっている。

一方で、配当の成長性にはあまり期待しにくい。営業利益率は4%前後、ROEも5%前後にとどまっており、資本効率は高いとは言えない。このため、今後も毎年着実に増配していくような企業像は描きにくく、配当は現状水準を維持することが主眼になると考えられる。インフレ環境下で配当がどんどん伸びていく銘柄を求める投資家には、やや物足りなさが残る。

株価評価の面ではPBRが0.6倍台と低く、市場は同社の将来性や収益力をかなり保守的に見ている。その分、大きな業績悪化が起きなければ株価の下値は比較的固まりやすく、3%台の配当を受け取りながら長く保有するには向いた環境とも言える。値上がり益を大きく狙うよりも、配当を積み上げつつ、業績回復に伴う緩やかな株価修正があればラッキー、というスタンスが合っている。

総合すると、住友大阪セメントは配当目的として「安定性重視・中配当」の位置づけになる。高配当株ポートフォリオの主力に据えるほどの魅力はないが、減配リスクが比較的低い安定枠として、分散投資の一部に組み込むのであれば、十分に検討余地のある銘柄だと考えられる。

今後の値動き予想!!(5年間)

住友大阪セメントについて、現在値3,800.0円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。まず全体像として、住友大阪セメントは高成長株ではなく、国内インフラ需要を基盤とした典型的な素材・セメントメーカーである。売上は大きく伸びにくい一方、赤字期を脱して利益水準が回復しており、株価評価の軸は成長期待よりも業績の安定性と低PBRによる割安感、そして中配当の継続性に置かれている。PER・PBRはいずれも低水準で、市場は依然として慎重な評価を付けている状態にある。

良い場合のシナリオでは、26.3期予以降も営業利益率が4〜5%台で安定し、営業利益・純利益が着実に積み上がる。廃棄物再資源化や売電などの環境関連収益が下支えとなり、光電子・半導体関連材料が補完的に寄与することで、業績のブレが小さくなる。ROEは5%前後で定着し、減配リスクの低さが評価される。この場合、市場は同社を「回復局面に入った安定インフラ素材株」として見直し、PBRは0.6倍台から0.8倍〜0.9倍程度まで切り上がる可能性がある。PERも13〜15倍程度が許容されるようになれば、EPS水準を前提に株価は4,800円から5,500円程度まで上昇する余地がある。配当利回りは3%前後まで低下するが、株価上昇と配当の両面でトータルリターンが得られる展開となる。

中間のシナリオでは、業績は概ね会社計画通りに推移するものの、これ以上の大きな収益性改善は進まず、売上高2,200億円前後、営業利益90〜140億円規模で横ばいが続く。営業利益率は4%前後、ROEは4〜5%台で安定するが、市場評価に大きな変化はない。この場合、PERは11〜13倍、PBRは0.6〜0.7倍程度にとどまり、株価は3,600円から4,200円程度のレンジで推移しやすい。5年間で見れば値上がり益は限定的だが、3%台の配当を積み上げることで、インカム込みではまずまずのリターンになる。

悪い場合のシナリオでは、国内建設需要の鈍化や原燃料・エネルギーコストの上昇により利益率が再び圧迫され、営業利益率が3%台まで低下する。ROEも4%を下回る水準にとどまると、市場は収益力の天井を強く意識し、評価は一段と慎重になる。この場合、PERは10倍前後、PBRは0.5〜0.6倍台まで低下する可能性があり、株価は2,600円から3,200円程度まで調整するリスクがある。ただし、配当水準が維持されれば利回りは4%前後まで上昇し、完全な下落トレンドというよりは高配当を意識した下値の堅い展開になりやすい。

総合すると、住友大阪セメントの5年間の値動きは、成長で株価が倍増するタイプではなく、業績回復と評価修正の範囲で上下する展開が想定される。良い場合で5,000円前後、中間では3,600〜4,200円、悪い場合でも3,000円前後までの調整にとどまるイメージである。現在値3,800円はすでに回復期待と安定配当をある程度織り込んだ水準であり、今後5年間は値上がり益を大きく狙うよりも、配当を受け取りながら業績の安定を確認して付き合う銘柄としての性格が強いと考えられる。

この記事の最終更新日:2026年1月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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