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住友理工(5191)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2025-12-30)
2,617.00
前日比 +7.00(+0.27%)

住友理工とは

住友理工株式会社は自動車用防振ゴム・ホースを中核とする高機能ゴム・樹脂製品メーカーであり、住友グループに属する企業である。本社は愛知県に置き、住友グループ広報委員会に参加する正式な住友系企業として位置づけられている。もともとは東海ゴム工業として発展してきた会社で自動車用防振ゴム分野では長い歴史と技術の蓄積を持ち、現在では国内トップクラス、製品によっては世界シェアNo.1を誇る分野もある。

事業の中心は自動車および鉄道車両向けの防振ゴムとホースである。エンジンマウントやサスペンション用防振部品、燃料系・冷却系・ブレーキ系ホースなどを手がけ、自動車の快適性、静粛性、安全性、耐久性に直接関わる重要部品を供給している。トヨタをはじめとする国内自動車メーカーのほか、海外完成車メーカーとも長年の取引実績がありグローバルで生産・供給体制を構築している点が強みである。これらの分野では顧客の車種開発段階から深く関与するケースが多く、一度採用されると長期取引になりやすいという特性を持つ。

自動車分野に次ぐ柱としてプリンター部品などの事務機器・IT関連部品がある。精密ゴム・樹脂加工技術を活かし、プリンターや複写機などに使われる機能部品を供給してきた。成熟市場ではあるものの品質要求が高く、一定の技術力を持つメーカーに仕事が集まりやすいため安定した収益源として位置づけられている。

さらに橋梁や住宅向けの制震・免震装置、産業機械向け防振材などの産業資材分野にも注力している。住宅用制震装置は地震対策需要を背景に一定の存在感を持ち、自動車分野とは異なる需要サイクルを持つ点で事業分散の役割を果たしている。インフラや建築分野では、耐久性や信頼性が特に重視されるため、同社の材料技術が活かされている。

組織・体制面では名古屋駅前のJPタワー名古屋にグローバル本社を置き、小牧本社・小牧製作所をはじめ埼玉、松阪、富士裾野など国内各地に主要事業所・製作所を展開している。グループ会社も多く、自動車部品、精密ゴム製品、ホース、金属加工、販売・商社機能などを担う企業がそろっており開発から製造、販売までをグループ内で完結できる体制を築いている。

また、住友電装とは兄弟会社の関係にあり住友グループ内でのシナジーも意識されてきた。近年は住友電工によるTOBが実施され親会社との関係がより強まり、グループ戦略の中での位置づけが明確になっている。これにより中長期的には資本面・経営面の安定性が高まる一方、独立した上場企業としての成長ストーリーよりもグループ内での役割を重視した堅実経営色が強まると見ることもできる。

全体として住友理工は高成長で業績が急拡大するタイプの企業ではなく、自動車用防振ゴム・ホースという強固な主力事業を軸にIT関連部品や産業資材で補完する安定成長型のメーカーである。自動車生産台数や景気動向の影響は受けやすいものの世界トップクラスのシェアを持つ製品群と高い技術力、住友グループの後ろ盾を背景に長期的には安定した事業運営を続ける性格の企業だといえる。

住友理工 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期(連結) 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
EPS(円)
一株配当
DPS(円)
21.3 397,940 227 -608 -4,957 -47.7 7
22.3 445,985 1,110 387 -6,357 -61.2 14
23.3 541,010 16,560 14,908 6,683 64.4 15
24.3 615,449 33,977 30,805 18,641 179.5 36
25.3 633,331 41,573 38,633 27,419 264.1 66
26.3予 625,000 39,500 37,000 22,400 215.7 34
27.3予 635,000 41,000 38,500 23,300 224.4 0

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(連結) 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
23.3 33,339 -25,512 -8,906
24.3 68,547 -24,145 -32,407
25.3 66,051 -31,777 -23,639

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期(連結) 営業利益率 ROA ROE PER(高値平均/安値平均) PBR
23.3 3.0% 1.5% 3.9%
24.3 5.5% 4.2% 9.4%
25.3 6.5% 6.0% 12.7% 8.7倍/5.4倍 1.21倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の流れを見ると売上高は24.3期で6,154億円、25.3期で6,333億円と増加し、26.3期は6,250億円とやや減る予想になっている。ただし水準自体は6,000億円超を維持しており、事業規模が縮小局面に入っている印象はない。売上の伸びは緩やかだが、注目すべきは利益の改善で営業利益は24.3期339億円、25.3期415億円と大きく増え、26.3期も395億円と高水準を維持する計画になっている。経常利益、純利益も同様で25.3期をピークに26.3期はやや減るものの、24.3期と比べれば明らかに高い利益水準にある。

収益性の変化はかなりはっきりしている。営業利益率は2023年の3.0%から2024年5.5%、2025年6.5%へと3年間で大きく改善している。自動車部品メーカーとしては3%台と6%台では収益体質がまったく違い、コスト構造や価格転嫁が相当程度改善したことがうかがえる。ROEも3.9%から9.4%、12.7%へと急上昇しており、資本効率はもはや低収益企業の水準ではない。ROAも1.5%から6.0%まで改善しており、資産を使ってきちんと利益を生み出せる企業に変わってきている。

一方で評価面を見ると2025年実績PERは高値平均8.7倍、安値平均5.4倍と依然として1桁台にとどまっている。PBRは1.2倍ですでに解散価値割れではないが、ROEが12%台まで改善している企業としては割高感を感じる水準ではない。利益水準と収益性がここまで改善していることを考えると、市場の評価はまだ慎重で完全には織り込まれていない印象がある。

これらを総合すると、住友理工は売上が急拡大する成長企業ではないもののここ数年で利益構造が大きく改善し、稼ぐ力そのものが底上げされた企業だと言える。24.3期から25.3期にかけての利益改善は一過性ではなく、26.3期も高水準を維持する計画になっている点から見ると体質改善は一定程度定着していると考えられる。

投資判断としてはすでにどん底からの回復局面は終わり、改善が一巡しつつある段階にある。そのため、ここから先は急激な利益成長よりも営業利益率6%前後、ROE10%超をどこまで安定的に維持できるかが株価の評価軸になる。PERが5〜8倍台にとどまっている現状は数値だけを見ればやや保守的で、改善企業としては割安感が残る。一方で、26.3期に減益予想が出ている点を考えると過度な成長期待を前提にする投資は向かない。

数値だけで判断すれば、住友理工は高成長株ではないが収益力の改善がはっきり数字に表れており、現在の評価水準はまだ慎重すぎる可能性がある銘柄だと言える。成長よりも「改善後の安定収益」を評価できる投資家にとっては検討余地のある局面にある、という印象になる。

配当目的とかどうなの?

まず配当利回りを見ると26.3期は算出不能、27.3期は0.00%とされており、少なくとも向こう数年については配当を期待できない状況にある。この一点だけで見れば、住友理工は明確に「配当目的の銘柄」ではないと言える。毎年のインカム収入を重視する投資家にとっては、検討対象から外れる水準である。

一方で業績面を振り返ると営業利益や純利益はここ数年で大きく改善しており、営業利益率は6%台、ROEは12%台まで上昇している。数値だけを見れば、企業としての稼ぐ力はすでに回復段階を超え安定期に入りつつあるようにも見える。本来であれば、一定の配当を出してもおかしくない水準ではある。

それにもかかわらず配当が実質ゼロに置かれているという点は会社が現時点では株主還元よりも内部留保の積み増しや財務体質の強化、将来の投資余力確保を優先していることを示している。過去に赤字や低収益の期間を経験している企業であることを考えると利益回復直後に配当を安定化させるのではなく、まずは経営の安全性を高めるフェーズにあると考えるのが自然である。

評価面でもPERは5〜8倍台、PBRは1.2倍と株価はすでに「高配当期待」を織り込んだ水準ではない。市場も住友理工を配当銘柄として見ているわけではなく、収益改善がどこまで定着するか利益率やROEの水準が維持できるかといった点を評価軸にしている段階だと読み取れる。

以上を総合すると住友理工は将来的に配当再開や増配に転じる可能性は残しているものの、現時点で配当を目的に保有する銘柄ではない。今は配当収入を取りに行く局面ではなく、あくまで業績改善が株価評価にどう反映されていくかを見る「回復後の安定性」を重視する投資対象であり、インカム狙いの投資とは性格が異なる銘柄だと言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

住友理工株式会社について現在値2,617.0円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。まず全体像として住友理工は高成長株というより、自動車用防振ゴム・ホースを主力とする安定成長型の部品メーカーである。売上規模は大きく近年は売上の伸び以上に利益率の改善が進んでいる点が特徴で、株価評価の軸は「成長期待」よりも「収益性の改善がどこまで定着するか」に置かれている。PERは依然として低位、PBRは1倍をやや超える水準にあり、市場は改善を一定程度織り込みつつもまだ慎重な姿勢を崩していない段階にある。

良い場合のシナリオでは、26.3期以降も営業利益率6%前後を維持し、営業利益・純利益が高水準で安定する。ROEは10〜12%台で定着し、過去の低収益体質から完全に脱却したと市場に認識される。この場合、住友理工は「収益力が改善した自動車部品メーカー」として評価が一段引き上げられ、PERは10〜12倍程度、PBRは1.3〜1.5倍程度まで許容される可能性がある。EPS水準を前提にすると株価は3,300円から3,800円程度まで上昇する余地があり、値上がり益を中心としたリターンが期待できる展開となる。ただし配当は限定的なままで、株価評価の主軸はあくまで利益水準の維持と改善に置かれる。

中間のシナリオでは、業績は概ね計画通りに推移するもののこれ以上の利益率改善は進まず、売上6,200〜6,400億円、営業利益400億円前後で横ばいが続く。営業利益率は5〜6%、ROEは8〜10%台で安定するが、市場評価に大きな変化は起きにくい。この場合、PERは7〜9倍、PBRは1.0〜1.2倍程度にとどまり、株価は2,500円から3,000円程度のレンジで推移しやすい。5年間で見ると大きな値上がり益は見込みにくいが、業績悪化リスクも限定的で比較的落ち着いた値動きが想定される。

悪い場合のシナリオでは、自動車市場の減速や原材料コストの上昇が利益を圧迫し、営業利益率が4%台まで低下する。ROEも6〜7%程度に落ち込むと、市場は改善トレンドの一巡を意識し評価は再び慎重になる。この場合、PERは6倍前後、PBRは0.8〜0.9倍程度まで低下する可能性があり、株価は1,900円から2,200円程度まで調整するリスクがある。ただし、過去のような大幅赤字局面を想定する数字ではないため、長期的には下値は限定されやすい。

総合すると、住友理工の5年間の値動きは急成長で株価が倍増するタイプではなく、利益改善の定着度合いに応じて評価がじわじわと変化する展開が想定される。良い場合で3,500円前後、中間では2,500〜3,000円、悪い場合でも2,000円前後までの調整にとどまるイメージである。現在値2,617円はすでに業績回復の一部を織り込んだ水準であり、今後5年間は短期的な値上がり益を狙うというより収益改善が本物かどうかを見極めながら付き合う銘柄としての性格が強いと考えられる。

この記事の最終更新日:2026年1月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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