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ノリタケ(5331)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2025-12-30)
5,710.00
前日比 -30.00(-0.52%)

ノリタケとは

ノリタケは森村グループの中核企業として位置づけられる、研削砥石とセラミックス分野を主軸とした老舗メーカーである。本社および主要工場は愛知県名古屋市西区に置かれ、創業は1904年と100年を超える長い歴史を持つ。社名のノリタケは創業者の人名に由来するものではなく、創業地である旧・愛知県愛知郡鷹場村大字則武という地名に由来している点が特徴的である。

創業当初は日本で初めて高級洋食器の量産に成功した企業であり、森村組の海外ネットワークを通じて欧米市場へ輸出を拡大した。明治から戦前にかけて製造されたノリタケ製の洋食器は、精緻な絵付けと装飾性の高さで評価され、現在では「オールドノリタケ」として陶磁器コレクターの間で高い価値を持っている。戦後には駐留米軍向けの土産物として販売された製品が「プレミアノリタケ」と呼ばれ、ブランドとしての認知をさらに高めた。

一方で、第二次世界大戦による設備・人材の喪失を経験した後、ノリタケは単なる食器メーカーにとどまらず、工業用材料・装置分野への転換を進めていく。高度経済成長期には研削砥石や工業用セラミックスへ本格進出し、自動車、機械、電機、半導体といった日本の基幹産業とともに事業を拡大してきた。現在では食器事業の売上比率は15%程度に低下し、工業分野が明確な主力となっている。

現在の事業は大きく工業機材、セラミックマテリアル、環境エンジニアリングの3分野で構成されている。工業機材事業では、研削砥石で国内トップクラスのシェアを持ち、研磨布紙、CBN・ダイヤモンド工具など幅広い研削・研磨関連製品を展開している。これらは自動車部品、軸受、金型、半導体材料などの精密加工に不可欠な製品であり、景気変動の影響は受けるものの、産業基盤を支える安定収益源となっている。

セラミックマテリアル事業では、電子部品向けのセラミック材料、電子ペースト、回路基板、窯業原料などを手がけており、特に電子部品・半導体分野の成長を背景に重要性が高まっている。長年培ってきた焼成・配合技術を活かし、高付加価値材料を供給できる点が強みである。環境エンジニアリング事業では、電子部品、電池材料、ディスプレイ向けの乾燥炉や焼成炉などの産業用装置を展開しており、EVや蓄電池、電子部品需要の拡大を背景に成長分野として位置づけられている。

組織面では、2009年から2010年にかけて砥石、エンジニアリング、テーブルウェア、セラミックス関連の主要子会社を吸収合併し、事業の一体運営と効率化を進めた。さらに2024年7月には創立120周年を機に商号をノリタケ株式会社へ変更し、伝統ブランドを前面に押し出しつつ、工業材料・装置メーカーとしての姿勢をより明確にしている。

全体としてノリタケは、高級洋食器で培った素材技術と焼成技術を起点に、研削砥石、電子部品向けセラミック材料、乾燥炉・焼成炉といった工業分野へ事業の軸足を移してきた企業である。成長スピードは急激ではないものの、産業インフラに不可欠な製品群を持ち、安定収益と中長期的な成長分野を併せ持つ堅実型メーカーとして位置づけられる。

ノリタケ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株配当
(円)
連21.3* 107,000 2,557 4,480 2,806 97.3 30
連22.3* 127,641 9,353 12,509 9,068 314.1 75
連23.3* 139,494 8,969 12,405 10,024 347.3 103
連24.3* 137,912 10,709 14,643 11,480 396.5 125
連25.3 138,182 10,213 14,028 12,939 450.3 135
連26.3予 141,000 10,500 14,500 12,000 436.4 160
連27.3予 144,000 11,300 15,300 12,600 458.2 160〜170

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2023 -213 -3,524 3,306
2024 22,036 -3,240 -13,494
2025 2,015 -5,263 -3,030

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER
高値平均/安値平均
PBR
2023 6.4% 7.8% 5.5%
2024 7.7% 7.8% 5.6%
2025 7.3% 8.6% 6.5% 9.1倍/6.0倍 1.02倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず売上高を見ると、連24.3で約1,379億円、連25.3で約1,381億円、連26.3予で約1,410億円と、年率1~2%程度の緩やかな増収が続いている。急成長企業ではないが、事業基盤は安定しており、成熟企業として自然な推移と言える。

営業利益は連24.3で約107億円、連25.3で約102億円、連26.3予で約105億円と、大きな増減はなく横ばい圏にある。営業利益率は2023~2025で6.4%、7.7%、7.3%と一度改善した後も7%台を維持しており、製造業としては堅実な水準である。コスト管理や価格転嫁が一定程度効いていることが読み取れる。

経常利益は連24.3で約146億円、連25.3で約140億円、連26.3予で約145億円と高水準で安定している。営業利益との差が比較的大きく、財務収益や持分法損益を含めた全体収益力が底堅い構造になっている点は安心材料である。純利益は連24.3で約114億円、連25.3で約129億円、連26.3予で約120億円と、25.3期をピークにやや落ち着く見通しだが、それでも100億円超の利益水準を維持している。利益の絶対額としては成熟メーカーとして十分な規模である。

資本効率を見ると、ROEは7.8%、7.8%、8.6%と緩やかに改善しており、ROAも5.5%、5.6%、6.5%と上向いている。突出した数値ではないものの、年々改善している点は評価でき、資本を過剰に遊ばせている印象は薄い。バリュエーション面では、2025年の実績PERは高値平均9.1倍、安値平均6.0倍、PBRは1.0倍程度である。ROEが8.6%でPBRが1倍前後という組み合わせは、市場がこの企業を高成長ではないが安定収益を生む企業として妥当に評価している状態と言える。割高感はなく、むしろ保守的な評価レンジにある。

以上の数値だけから判断すると、ノリタケは売上・利益ともに大きなブレがなく、営業利益率・ROE・ROAがじわりと改善してきた安定型の成熟メーカーである。PER6~9倍、PBR1倍前後という評価水準は下値の堅さを意識しやすく、業績が急悪化しない限り、株価も大きく崩れにくいタイプと考えられる。

一方で、ROEが1桁台後半にとどまる以上、評価倍率が大きく切り上がる余地は限定的であり、株価の大幅な上昇を狙う銘柄ではない。総合すると、成長期待よりも安定した収益力とバリュエーションの割安感を重視し、中長期で落ち着いて保有するタイプの投資に向いた銘柄、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点で見ると、ノリタケは「高配当株」ではないが、「業績安定型の中配当株」としては十分に検討対象になる銘柄と言える。まず予想配当利回りは、連26.3で2.80%、連27.3でも2.80%と、利回り水準はほぼ横ばいで推移する見込みになっている。4%超の高配当銘柄と比べると見劣りする一方、製造業としては平均以上であり、極端に低い水準ではない。

配当の裏付けとなる利益水準を見ると、純利益は直近で120億円前後を安定して確保しており、一株益も400円台半ばと高水準で推移している。営業利益率は7%前後、ROEも8%台まで改善しており、配当を無理に出している状態ではない。利益余力の中から配当を支払っている点は、配当の持続性という意味で安心感がある。

また、PERは6~9倍、PBRは1倍前後と評価水準が低めであるため、配当利回りが急低下するような株価上昇局面でもない限り、利回りは比較的安定しやすい。業績が大きく崩れない前提では、減配リスクも高くはないと考えられる。

一方で、ROEが8%台にとどまっていることから、配当性向を大きく引き上げて利回りを一気に高めるような余地は限定的である。将来的に利回り4%台まで成長するようなタイプではなく、配当額は緩やかに増えるか、横ばいで安定する可能性が高い。

以上を踏まえると、ノリタケは「配当だけを最大化したい人向け」の銘柄ではないが、「業績が安定した企業から、そこそこの利回りを長く受け取りたい」という配当目的には適している。値上がり益と配当の両立を狙うよりも、株価の大崩れリスクを抑えつつ、2%台後半の配当を継続的に受け取るインカム重視の投資に向いた銘柄、という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ノリタケについて、現在値5,710円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。まず全体像として、ノリタケは研削砥石で国内トップクラス、電子部品向けセラミック材料や乾燥炉・焼成炉といった産業装置も手がける、典型的な成長株ではないが、産業インフラを支える安定型の素材・装置メーカーである。直近では営業利益率7%前後、ROE8%台と収益性は緩やかに改善しており、PER6〜9倍、PBR1倍前後という評価から見ても、市場はすでに「成熟・安定企業」として慎重な評価を付けている段階にある。今後の株価は、急成長期待ではなく、利益の底堅さと配当をどう評価するかが軸になる。

良い場合のシナリオでは、電子部品向けセラミック材料や電池・半導体関連の設備投資が想定以上に底堅く推移し、乾燥炉・焼成炉の受注も安定的に積み上がる。売上は年1〜2%の緩やかな成長を維持し、営業利益率は7%台後半から8%程度まで改善、ROEも9%前後に近づく。この水準になると、市場はノリタケを「低成長だが着実に収益性を高めるメーカー」として再評価し、PERは高値平均に近い9〜10倍程度まで許容される可能性がある。この場合、株価は時間をかけて切り上がり、1〜2年で6,300円前後、3〜4年で6,800円前後、5年後には7,200〜7,500円程度が視野に入る。配当利回りはやや低下するものの、配当と値上がり益を合わせたトータルリターンは比較的良好になる。

中間のシナリオでは、事業環境は大きく変わらず、売上は横ばいから微増、営業利益は100億円前後で安定する。営業利益率は7%前後、ROEは8%台で落ち着き、配当も2%台後半を維持する。市場の評価も現在と大きく変わらず、PERは6〜9倍、PBRは1倍前後のレンジに収まる。この場合、株価は明確な上昇トレンドを作らず、5,300〜6,200円程度のレンジ推移が中心となる。5年間で見れば値上がり益は限定的だが、配当を積み上げることで、安定感のある中長期保有となる。

悪い場合のシナリオでは、景気後退や設備投資の抑制により、電子部品・産業機械向け需要が弱含み、売上が微減、営業利益率が6%前後まで低下する。ROEも7%台にとどまり、市場の評価は一段と慎重になる。この場合、PERは安値平均に近い6倍前後まで低下し、株価は調整局面に入る。1〜2年で5,000円割れを試し、回復が遅れれば4,500〜5,000円付近で下値を探る展開となる。ただし、事業基盤と財務の安定性が高いため、構造的な低迷に陥る可能性は低く、下値は比較的限定されやすい。

総合すると、ノリタケの5年間の値動きは、東洋炭素のような高収益素材株ほどの振れ幅はなく、かといって高配当株のように値動きが極端に小さいわけでもない、中庸な安定型銘柄という位置づけになる。良い場合で7,000円台、中間では6,000円前後、悪い場合でも4,500〜5,000円程度というレンジ感が想定される。現在値5,710円は、すでに成長期待を大きく織り込んだ水準ではなく、今後5年間は「大きな値上がりを狙う」というよりも、業績の安定性と配当を受け取りながら、緩やかな評価改善を待つ姿勢で向き合う銘柄と考えられる。

この記事の最終更新日:2026年1月4日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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