株価
MARUWAとは

MARUWAは、回路部品・機構部品を中核とする電子部品用セラミックの大手メーカーであり、省エネルギー、情報通信、半導体、車載分野向けのセラミック基板で世界首位級のシェアを持つ企業である。本社は愛知県尾張旭市に置き、ファインセラミックス分野に特化した高付加価値型メーカーとして知られている。大量生産・低価格競争とは距離を置き、性能・信頼性が重視される分野に集中することで、高い利益率を維持している点が特徴である。
MARUWAの主力事業は、半導体・車載・情報通信向けのセラミック部品・基板の開発、製造、販売である。回路部品分野では、EMC対策部品としてチップ形積層セラミックバリスタ、積層セラミックコンデンサ、EMIフィルタなどを展開し、電子機器の高周波化・高密度化に対応している。高周波部品では、薄膜基板、セラミック多層基板、電圧制御発振器などを手がけ、通信機器やデータ通信分野で重要な役割を果たしている。
機構部品分野では、窒化アルミニウム製品やアルミナ基板を中心に、放熱性・耐久性が求められる用途に強みを持つ。特に窒化アルミニウム基板は放熱性能に優れ、半導体やパワーデバイス用途で評価が高く、省エネ・電動化の進展を背景に需要が拡大している。また、ソフトフェライト、フェライト磁石、セラミックバルブなども展開し、産業機器や電子制御分野を支えている。
照明事業では、子会社を通じて高級・高付加価値の照明製品を展開しており、LED街路灯など業務用・公共向けを中心に事業を行っている。一般消費者向けよりも、耐久性や信頼性が重視される分野に特化している点が、同社の事業方針と一致している。事業拠点は国内各地に広く展開されており、岐阜、愛知、新潟、福島、宮崎などに複数の工場を構えることで、生産分散と安定供給体制を確立している。営業拠点も全国に配置され、半導体・車載・通信といった幅広い顧客に対応できる体制を持つ。
全体としてMARUWAは、半導体・通信・車載といった成長分野を主要な顧客基盤とし、世界トップクラスのセラミック基板技術を武器に高収益を実現してきた企業である。価格競争に陥りにくいニッチかつ高性能領域に集中し、材料開発から製品化までを一貫して手がけることで、技術力と収益力を両立するファインセラミックスメーカーと位置づけられる。
MARUWA 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 41,438 | 10,248 | 10,330 | 6,935 | 562.3 | 64 |
| 連22.3 | 54,344 | 18,215 | 19,182 | 13,350 | 1,082 | 70 |
| 連23.3 | 58,804 | 20,142 | 21,187 | 15,020 | 1,217 | 78 |
| 連24.3 | 61,564 | 19,801 | 21,121 | 15,216 | 1,233 | 86 |
| 連25.3 | 71,849 | 26,914 | 27,033 | 19,242 | 1,559 | 94 |
| 連26.3予 | 75,100 | 27,000 | 27,300 | 19,000 | 1,540 | 102 |
| 連27.3予 | 90,000 | 35,000 | 35,000 | 24,300 | 1,969 | 118〜120 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 15,647 | -8,755 | -1,882 |
| 2024 | 17,222 | -10,814 | -1,363 |
| 2025 | 25,351 | -7,682 | -1,512 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER 高値平均/安値平均 |
PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 34.2% | 15.9% | 13.9% | – | – |
| 2024 | 32.1% | 13.9% | 12.4% | – | – |
| 2025 | 37.4% | 15.0% | 13.5% | 25.8倍/14.4倍 | 3.88倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず売上高は、24.3期で約615億円、25.3期で約718億円、26.3期予で約751億円と、明確な増収基調にある。年率で見ても高い成長率を維持しており、電子部品・半導体関連向け需要を背景に事業規模が拡大していることが分かる。営業利益は24.3期で約198億円、25.3期で約269億円、26.3期予で約270億円と大きく伸び、営業利益率は2023~2025で34.2%、32.1%、37.4%と極めて高水準で推移している。製造業としては異例の収益性であり、価格競争とは無縁の高付加価値ビジネスモデルが数字に明確に表れている。
経常利益は24.3期で約211億円、25.3期で約270億円、26.3期予で約273億円と営業利益とほぼ同水準で推移しており、収益の質も非常に良い。純利益も24.3期で約152億円、25.3期で約192億円、26.3期予で約190億円と高水準を維持している。一株益は1,200円超から1,500円台と厚みがあり、利益創出力は突出している。
資本効率を見ると、ROEは15.9%、13.9%、15.0%、ROAは13.9%、12.4%、13.5%と、いずれも製造業の中では極めて高い水準にある。売上成長と高収益性を両立しながら、資本と資産を効率的に使えている企業体質であることが読み取れる。
一方でバリュエーションを見ると、2025年の実績PERは高値平均25.8倍、安値平均14.4倍、PBRは3.9倍となっている。ROE15.0%という水準を踏まえれば、PBRが高いこと自体は理論的に説明できるが、すでに市場は高成長・高収益の持続を強く織り込んでいる状態にある。PERの上限はかなり高く、評価面では明確に割高ゾーンに入っている。
以上を踏まえた投資判断として、MARUWAは営業利益率30%超、ROE15%前後という圧倒的な収益性を持ち、業績の質という点では非の打ち所がない企業である。一方で、PBR約3.9倍、PER最大25倍超という評価水準は、今後も高成長・高収益が続くことを前提としたものであり、評価の余地はすでにかなり先取りされている。
結論としては、事業内容と収益力は極めて優秀だが、投資判断としては「業績は文句なし、ただし株価は高評価済み」という位置づけになる。成長が続く限り大きく崩れにくい一方、評価の切り上がり余地は限定的で、わずかな業績鈍化でも株価が調整しやすい局面にある。新規投資では水準を慎重に見極める必要があり、長期での保有は「高品質企業を高い評価で持つ」覚悟が前提になる銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
MARUWAを配当目的という観点で見ると、結論としては配当狙いにはほぼ向かない銘柄になる。まず予想配当利回りは、連26.3で0.23%、連27.3で0.27%と、数値としては極めて低い。一般的に配当目的で意識される2~3%水準と比べると桁が一つ低く、配当収入を主目的に保有する水準ではない。
一方で、業績面を見ると営業利益率は30%超、純利益も190億円前後と非常に高く、配当を出せない会社では全くない。一株益も1,500円前後と厚みがあり、理論上は増配余地は十分にある。それにもかかわらず配当利回りが0%台にとどまっているのは、会社が明確に「配当よりも成長投資と内部留保を優先する」資本政策を取っているためである。
ROEは15%前後、ROAも13%前後と高水準で、内部に資本を残して事業拡大に使えば高いリターンが期待できる企業である。このため、配当として外に出すよりも、利益を再投資して企業価値を高め、その結果として株価上昇で株主に報いるという考え方が基本にある。
また、株価評価の面でもPBRは約3.9倍、PERは高値では25倍超と、すでに成長期待を強く織り込んだ水準にある。ここに低配当という条件が重なるため、配当目的で保有すると「利回りはほとんど得られず、株価変動リスクだけを負う」形になりやすい。以上を踏まえると、MARUWAは安定した配当を受け取りたい投資家には明確に不向きである。配当はあくまで形式的な水準で、インカム目的の銘柄とは性格がまったく異なる。
総合すると、MARUWAは配当目的の銘柄ではなく、あくまで高収益・高成長を前提に株価上昇を狙うための銘柄であり、配当はおまけ程度と割り切る必要がある。配当を重視する投資とは別枠で考えるべき企業、という判断になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
MARUWAについて、現在値42,600円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。前提として、MARUWAは高機能セラミック基板・部品を手がける高収益メーカーであり、営業利益率30%超、ROE15%前後という非常に高い収益性を持つ。一方で、PER・PBRはすでに高水準にあり、市場は高収益の持続をかなり織り込んでいる状態にある。
良い場合のシナリオでは、5G通信、データセンター、半導体、電動車向けの高機能部材需要が世界的に拡大し、セラミック多層基板や高周波部品、放熱・機構部品の受注が安定的に増える。売上と利益は堅調に成長し、営業利益率は35%前後、ROEも15%台後半を維持する。市場は高収益体質を引き続き評価し、比較的高い評価倍率が維持される。この場合、株価は55,000円から65,000円程度まで上昇する余地がある。
中間のシナリオでは、通信・半導体・車載分野の需要は大きく崩れないものの、急成長には至らず、売上と利益は緩やかな拡大にとどまる。営業利益率は30〜33%、ROEは14〜15%台で安定し、PERは15〜20倍、PBRは3倍台前半で推移する。この場合、株価は45,000円から55,000円程度のレンジで推移する可能性が高い。値上がり余地はあるが、評価倍率の上昇は限定的となる。
悪い場合のシナリオでは、世界的な景気後退や半導体・通信向け設備投資の縮小が起こり、主要製品の需要が弱含む。売上成長は鈍化し、営業利益率は25〜28%、ROEは10%台前半まで低下する。この局面では市場評価が慎重になり、PERは10倍台前半、PBRは2倍台後半まで切り下がる可能性がある。この場合、株価は30,000円から40,000円程度まで調整するリスクがあるが、事業の競争力が高いため長期低迷に陥る可能性は高くない。
総合すると、MARUWAの今後5年間の株価は、良い場合で55,000円〜65,000円程度、中間では45,000円〜55,000円程度、悪い場合でも30,000円〜40,000円程度というレンジ感が想定される。現在値42,600円は高収益体質をすでに織り込んだ水準であり、配当ではなく業績と評価の持続性を前提に向き合う銘柄と考えられる。
この記事の最終更新日:2026年1月4日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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