株価
ヨドコウとは

ヨドコウ(旧・淀川製鋼所)は、1935年創業の独立系圧延メーカーであり、表面処理鋼板を中核とする鉄鋼メーカーである。本社は大阪府大阪市中央区南本町に所在し、東京証券取引所プライム市場に上場している。創業当初は溶融亜鉛めっき鋼板メーカーとして発足し、その後、鋼板加工・建材・エクステリア・ロール・グレーチングへと事業領域を拡大してきた。2025年10月1日より商号を「株式会社ヨドコウ」に変更している。
同社の最大の特徴は、鋼板素材から最終製品までを自社で手がける一貫生産体制にある。主力のメッキ鋼板・塗装鋼板は住宅や工場、倉庫などの屋根材・外壁材に広く使われ、特にカラー鋼板分野では業界トップクラスのシェアを誇る。この鋼板事業を基盤に、家庭用・業務用物置として高い知名度を持つ「ヨド物置」シリーズなどのエクステリア商品を展開しており、素材メーカーでありながら最終製品まで踏み込んだビジネスモデルを確立している。
海外では台湾に上場子会社を持ち、製造拠点として盛餘(センユースチール)を展開している点も特徴である。これにより、国内需要に加えアジア市場との結びつきも持つ体制となっている。また、関西国際空港、京セラドーム大阪、さいたまスーパーアリーナなど、大型建築物の屋根工事を手がけた実績もあり、建材分野での技術力と信頼性は高い。
鋼板関連事業に加え、ロール事業では鉄鋼、製紙、ゴム、プラスチックなど幅広い産業向けにロールを供給している。世界最大級の大型遠心鋳造設備を有し、超大型鉄鋼用ワークロールから製紙用ロール、周辺機械設備まで対応できる国内有数のロールメーカーとして評価されている。さらに、道路や公園、インフラ整備に不可欠なグレーチング事業では、安全性・環境配慮・人へのやさしさを重視した製品を展開し、社会インフラを下支えしている。
このほか、不動産事業として自社ビルのテナント運営や駐車場経営、不動産の管理・有効活用も行っており、鉄鋼市況に左右されにくい収益源を確保している。過去には家庭用台所商材を手がけていたが、2002年に生産を終了し、現在はより強みのある分野に経営資源を集中している。
総じてヨドコウは、メッキ鋼板・塗装鋼板を軸とした高付加価値型の鉄鋼事業と、物置・建材・ロール・グレーチングといった多角化事業を組み合わせることで、安定した収益構造と好財務体質を維持している企業である。鉄鋼メーカーでありながら、生活に身近な最終製品と社会インフラの双方を支える点が、同社の大きな特徴といえる。
ヨドコウ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株当り配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 150,358 | 7,880 | 9,792 | 6,258 | 43.1 | 15 |
| 連22.3 | 201,655 | 14,349 | 17,916 | 9,789 | 68.0 | 20.4 |
| 連23.3 | 220,314 | 12,665 | 17,686 | 10,593 | 73.4 | 22.2 |
| 連24.3 | 203,957 | 12,017 | 15,202 | 4,456 | 30.9 | 40 |
| 連25.3 | 208,460 | 13,889 | 21,551 | 13,499 | 93.4 | 70.2 |
| 連26.3予 | 199,000 | 11,600 | 17,000 | 11,500 | 79.5 | 60 |
| 連27.3予 | 200,000 | 12,000 | 15,000 | 10,200 | 70.5 | 54〜60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 17,336 | -3,160 | -5,092 |
| 2024.3 | 21,521 | -809 | -5,360 |
| 2025.3 | 11,311 | -6,736 | -12,508 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(高値平均/安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | 5.7% | 4.2% | 5.8% | – | – |
| 2024.3 | 5.8% | 1.6% | 2.3% | – | – |
| 2025.3 | 6.6% | 5.1% | 6.9% | 17.5倍 / 10.7倍 | 1.00倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績を見ると、2024年3月期は売上高2039億円に対して営業利益120億円、経常利益152億円、純利益44億円となっており、利益水準はやや低めだった。翌2025年3月期になると売上高は2084億円と大きくは伸びていないものの、営業利益は138億円、経常利益は215億円、純利益は134億円まで急回復している。この年は一時的に収益環境が良かったことが数字からはっきり読み取れる。一方で、2026年3月期予想では売上高1990億円、営業利益116億円、経常利益170億円、純利益115億円と減益想定になっており、利益のピークアウト後に調整局面へ入る前提が置かれている。
営業利益率を見ると、2023年5.7%、2024年5.8%、2025年6.6%と、緩やかながら改善傾向にある。鉄鋼・建材系としては極端に低い水準ではなく、安定的に稼げる事業構造であることは分かる。ただし、高付加価値企業と呼べるほどの収益性ではない。
ROEは2023年5.8%、2024年2.3%、2025年6.9%と、2024年に大きく落ち込み、その後回復している。ROAも同様に2023年4.2%、2024年1.6%、2025年5.1%と振れが大きい。2025年は持ち直しているものの、いずれも一桁台後半であり、資本効率が高い企業とは言いにくい。経営の安定感はあるが、資本を使って大きく成長させるタイプではないことが数字から分かる。
評価面では、2025年の実績PERは高値平均17.5倍、安値平均10.7倍とレンジが広い。業績の振れが大きいため、市場も強気と弱気を行き来しながら評価している状態といえる。PBRは1.0倍で、ほぼ解散価値並みの水準にある。収益力が低迷すると割安に見え、利益が出る年にはそれなりに評価される、典型的な循環型の値動きを想定させる。
これらを踏まえると、ヨドコウは成長株ではなく、業績が市況や需要環境に左右されやすい一方で、赤字に転落しにくい安定型の企業と判断できる。ROEが恒常的に高いわけではないため、株価が長期的に何倍にもなるような期待は持ちにくい。一方で、PBR1倍前後、PER10倍台前半であれば、割高感は乏しく、配当を受け取りながら保有する対象としては妥当な位置づけになる。
結論として、この数値だけを見る限り、ヨドコウは値上がり益を強く狙う銘柄ではなく、業績の波を受け入れつつ配当と安定性を重視する投資向きの銘柄である。高成長を期待する投資には向かないが、割高でない水準であれば、落ち着いた中長期保有には適した企業、という評価になる。
配当目的とかどうなの?
まず利回りを見ると、2026年3月期予想で4.36%、2027年3月期予想で3.93%と、いずれも市場平均をはっきり上回る水準にある。利回りという一点だけを見れば、配当目的としての条件は十分に整っている。
次に利益とのバランスを見る。2025年3月期の純利益は134億円と大きく回復しており、この水準を前提にした配当70円は無理のある水準ではない。2026年3月期予想では純利益115億円と減益想定だが、それでも配当60円を維持する前提になっており、現時点では即座に配当が維持不能になる印象はない。配当性向はやや高めになる可能性はあるが、極端に危険な水準とも言いにくい。
一方で注意点もある。ROEは2025年で6.9%と一桁台後半にとどまっており、資本効率が高い企業ではない。内部留保を使って大きく成長し、その結果として将来の配当が右肩上がりで増えていくタイプではなく、配当は業績に応じて増減しやすい循環型になりやすい。
また、2026年以降は減益予想が置かれている点も重要で、市況が想定以上に悪化した場合には減配の可能性も否定できない。鉄鋼・建材系は景気や需給の影響を受けやすく、電力や通信のようなディフェンシブ銘柄と比べると、配当の安定度は一段劣る。
これらを踏まえると、ヨドコウは高い配当利回りを重視する投資には向いている一方で、毎年安定的に増配を続けることを期待する銘柄ではない。景気や市況による配当の振れを受け入れられる投資家向けの配当株と考えるのが現実的である。
結論として、利回り4%前後を重視するなら配当目的として十分に魅力がある。ただし、配当の安定性よりも水準の高さを取りに行く投資であり、割安圏で仕込んで配当を受け取る使い方に向いた銘柄だと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
ヨドコウの現在値1,373円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。ヨドコウは独立系の圧延メーカーで、溶融亜鉛めっき鋼板や塗装鋼板を主力とし、カラー鋼板では国内トップクラスのシェアを持つ。素材供給にとどまらず、屋根材・外壁材などの建材や「ヨド物置」に代表されるエクステリア製品まで手がける一貫体制が特徴である。鉄鋼市況の影響は受けるものの、最終製品比率が高く、比較的安定した収益と好財務を維持している点が強みである。
良い場合のシナリオでは、国内の建設・住宅投資が底堅く推移し、建材向け鋼板やエクステリア製品の需要が安定的に拡大する。高付加価値製品の比率上昇により営業利益率は6%台後半から7%前後で定着し、ROEも8〜10%程度まで改善する。市場はヨドコウを「市況依存度が比較的低い安定収益・高配当株」として評価し直し、PERは中位水準の14〜16倍、PBRは1.1〜1.2倍程度まで切り上がる。この場合、株価は1,800円〜2,200円程度まで上昇する余地があり、配当を含めた総合リターンは比較的高い水準が期待できる。
中間のシナリオでは、建設需要や鋼材市況は大きく好転も悪化もせず、現在に近い環境が続く。営業利益率は6%前後、ROEは6〜7%台で安定し、業績は横ばい圏で推移する。市場評価はPER10〜12倍、PBR0.9〜1.0倍程度にとどまり、株価は1,200円〜1,600円程度のレンジで推移する。この場合、株価の値上がり余地は限定的だが、4%前後の配当利回りを享受しながら保有する配当重視銘柄という位置づけになる。
悪い場合のシナリオでは、建設投資の減速や鋼材需要の低迷が長期化し、販売数量や採算が悪化する。最終製品比率の高さで一定の下支えはあるものの、営業利益率は5%を下回り、ROEも5%前後まで低下する。市場は市況循環株としての側面を強く意識し、PERは8〜9倍、PBRは0.7倍前後まで評価が切り下がる。この場合、株価は900円〜1,100円程度まで下落するリスクがあり、業績次第では配当の減額も意識される局面となる。
総合すると、ヨドコウの今後5年間の株価は、良い場合で1,800円〜2,200円程度、中間では1,200円〜1,600円程度、悪い場合で900円〜1,100円程度が一つの目安となる。現在値1,373円は中間シナリオのやや下寄りに位置しており、割高感はない一方、急成長を織り込む水準でもない。値上がり益よりも、配当を受け取りながら業績と市況を見極めて中長期で向き合うタイプの銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2026年1月5日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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