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新日本電工(5563)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-07)
371.00
前日比 +18.00(+5.10%)

新日本電工とは

新日本電工株式会社は、日本製鉄系の企業であり、鉄鋼向け合金鉄では国内最大手に位置づけられるフェロアロイメーカーである。主力製品はフェロマンガンを中心とするマンガン系合金鉄で、製鋼工程に不可欠な添加材として国内外の鉄鋼メーカーに供給している。資本面では日本製鉄が関与しており、2010年には当時の新日本製鐵が同社を持分法適用関連会社として位置づけた経緯を持つ。

合金鉄事業では、フェロマンガン、シリコマンガンを中核に、フェロクロム、フェロバナジウム、フェロシリコンなど幅広い品種を展開している。電気炉を用いた製造技術に強みを持ち、徳島工場および鹿島工場を主要な生産拠点としている。鉄鋼市況の影響を受けやすい事業ではあるが、長年にわたる操業実績と技術力により高い競争力を維持している。

海外では、マレーシアのPertama Ferroalloys Sdn. Bhd.に25%出資し、東南アジア最大級の水力発電所であるBakunダム由来のグリーン電力を活用した合金鉄生産を行っている。電力多消費型である合金鉄製造において、安価かつ環境負荷の低い電力を確保することで競争力を高めている。また、南アフリカのKudumane Manganese Resources社に間接出資し、マンガン鉱山の権益を取得することで、原料調達の安定化と多様化を図っている。

合金鉄に加え、機能材料事業の育成にも注力している。冶金技術や粉体技術を活かし、ハイブリッド車向け水素吸蔵合金や電気自動車向けリチウムイオン電池正極材などの先端材料を展開しており、成長分野での事業拡大を進めている。

環境分野では、焼却灰資源化事業を展開している。自治体や事業活動から発生する廃棄物を専用電気炉で溶融・無害化し、生成されるスラグや有価金属を再資源化する「完全リサイクル型」の事業モデルを構築しており、SDGsや循環型社会の実現に貢献している。アクアソリューション事業では、排水処理装置や純水製造装置を提供し、水資源の循環と高度産業を支えるインフラ分野での事業を展開している。

さらに電力事業として、北海道日高地方の幌満川水力発電所を保有し、FIT制度を活用した売電により安定収益を確保している。再生可能エネルギーを活用した電力供給を通じて、カーボンニュートラル社会の実現にも取り組んでいる。全体として新日本電工は、鉄鋼向け合金鉄を基盤としつつ、原料確保から環境、機能材料、電力まで事業領域を広げることで、景気変動に耐性のある多角化型素材メーカーへの進化を目指している企業である。

新日本電工 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益 EPS
(円)
一株当り配当
(円)
2022.12 79,341 8,815 10,367 7,949 54.5 17
2023.12 76,406 4,741 2,465 4,375 31.8 9
2024.12 78,235 6,856 4,859 3,144 22.9 11
2025.12予 78,200 5,200 3,000 1,600 12.8 12
2026.12予 78,200 5,500 3,500 1,900 15.2 12

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2022.12 6,280 -4,592 -2,680
2023.12 8,776 -4,666 -5,242
2024.12 5,958 -4,848 -3,058

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023.12 6.2 4.3 6.1
2024.12 8.7 3.0 4.2 11.4(高値) / 7.4(安値) 0.63
2025.12予 6.6 1.5 2.1 30.43

出典元:四季報オンライン

投資判断

新日本電工は、売上高がおおむね782億円前後で横ばい推移しており、規模そのものは安定している企業である。一方で利益水準にははっきりとした波があり、業績の持続力という点では注意が必要になる。営業利益は2023年が47億円、2024年が68億円と改善したものの、2025年予想では52億円、2026年予想でも55億円と、2024年の水準には戻らない見通しになっている。

経常利益も2023年24億円から2024年48億円へ伸びた後、2025年予想で30億円、2026年予想で35億円と減益基調であり、純利益も2024年31億円をピークに2025年16億円、2026年19億円と低下する想定である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年6.2%、2024年8.7%、2025年6.6%と推移しており、2024年は一時的に水準が高かったが、基本的には6%台が実力値と考えられる。素材関連企業としては極端に低いわけではないが、高収益体質と呼べるほどでもない。資本効率の指標であるROEは2023年6.1%、2024年4.2%、2025年2.1%と明確な低下傾向にあり、ROAも4.3%、3.0%、1.5%と同様に悪化している。利益の伸びが止まる中で、自己資本や総資産の重さが効率低下として表れている状態である。

株価指標を見ると、2024年の実績PERは高値平均11.4倍、安値平均7.4倍と低水準で、実績PBRも0.6倍台と資産価値に近い評価であった。ただし2025年予想PERは30.4倍まで跳ね上がっており、これは成長期待によるものではなく、利益水準の低下によって見かけ上割高になっていることを示している。PBRが低いことから一見すると割安に見えるが、ROEが2%台まで落ち込む局面では、その低PBRは合理的とも言える。

以上の数値だけを踏まえると、この銘柄は2024年が業績の山であり、その後は利益・効率性ともに後退局面に入っていると判断できる。売上は安定しているものの、収益力と資本効率が低下しているため、株価上昇のドライバーは弱い。投資判断としては、積極的に成長を取りにいく局面ではなく、業績が底打ちしROEが再び5%前後まで回復する兆しが見えるまでは、様子見を基本とした中立からやや慎重なスタンスが妥当である。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見ると、新日本電工は一見すると悪くない水準に見えるが、数字を細かく追うと慎重に見たほうがよい銘柄である。予想配当利回りは2025年12月期、2026年12月期ともに3.39%と、東証全体で見れば中位からやや高めの水準にある。ただし、この利回りは株価が低迷していることによる側面が大きく、業績の成長によって自然に押し上げられた利回りではない点には注意が必要である。

配当の裏付けとなる利益水準を見ると、純利益は2024年31億円から2025年予想16億円、2026年予想19億円へと大きく減少する見通しであり、利益の余力は明確に細っている。一株当たり利益も2025年予想で12.8円、2026年予想で15.2円と低水準で、配当金12円前後を前提にすると、配当性向はかなり高い状態になる。これは「稼いだ利益の大半を配当に回している」構図であり、余裕のある配当とは言いにくい。

キャッシュフロー面では営業CFは安定してプラスで推移しているものの、投資CFは継続的にマイナスで、設備投資や資源関連投資が続いている。財務CFがマイナスである点も踏まえると、配当は営業CFの範囲内で何とか維持している状態であり、業績がさらに悪化した場合には減配リスクが表面化しやすい。

総合すると、新日本電工は「利回りの数字だけを見て配当目的で買う銘柄」ではなく、「業績が大きく崩れないことを前提に、現水準の配当を受け取りながら様子を見る銘柄」という位置づけになる。安定配当株として長期保有するには、ROEの低下や利益水準の縮小が気になり、安心感は高くない。配当目的で入る場合は、業績悪化時の減配を織り込んだうえで、価格重視・利回り重視の割り切ったスタンスが求められる。

今後の値動き予想!!(5年間)

新日本電工の現在値353.0円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社は合金鉄という市況産業に属しており、鉄鋼需要や原材料価格、電力コストの影響を強く受けるため、業績と株価の振れ幅は比較的大きい銘柄である。PBRは0.6倍前後と資産価値面では割安に見える一方、ROEは低下傾向にあり、収益性の弱さが評価を抑えている。したがって、強気・中立・弱気のシナリオによって株価水準にはかなり差が出やすい。

良い場合は、世界的な鉄鋼需要の回復や電炉鋼向け合金鉄需要の増加が追い風となり、業績が安定回復するケースである。マンガン鉱山権益による原料調達の安定や、海外拠点での低コスト生産が効いて営業利益率が7〜8%台へ戻り、ROEも5%前後まで改善する。この場合、低PBRが見直され、バリュー株としての再評価が進みやすい。配当利回り3%台を維持しながら評価修正が起きれば、5年後の株価は500〜650円程度まで上昇するイメージで、市況がかなり良好な局面では700円近辺まで伸びる余地もある。

中間の場合は、鉄鋼市況が大きく改善も悪化もせず、業績が横ばい圏で推移するケースである。売上高は780億円前後、営業利益率は6%台にとどまり、ROEも2〜3%台の低水準が続く。成長期待は乏しいが、資産価値と配当利回りを下支えに大きく売り込まれることもない。この場合、株価は300〜420円程度のレンジで上下し、5年後は350〜400円前後に落ち着く見通しとなる。配当を受け取りながら横ばい推移を許容する保有スタンスが前提になる。

悪い場合は、世界的な鉄鋼需要の低迷や原材料高、電力コスト上昇が長引き、利益率の低下が続くケースである。営業利益率は5%を割り込み、ROEは2%未満に沈む。利益水準が細る中で配当維持が難しくなり、減配が意識されると市場の評価は一段と厳しくなる。この場合、PBRは0.4〜0.5倍台まで売り込まれ、5年後の株価は200〜280円程度まで下落する可能性がある。

総合すると、新日本電工は明確な成長株ではなく、市況と配当を軸に評価される典型的な素材株である。良い場合は低PBR是正による上振れ余地がある一方、業績悪化時には下値も深くなりやすい。長期では中間シナリオを基本に、配当を受け取りつつ、鉄鋼市況の改善局面での上振れを狙う銘柄であり、安定成長を期待して買うタイプではない。

この記事の最終更新日:2026年1月6日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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