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大紀アルミニウム工業所(5702)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-08)
1,266.00
前日比 +2.00(+0.16%)

大紀アルミニウム工業所とは

大紀アルミニウム工業所は、アルミニウム二次合金地金の分野で国内トップクラスの地位を持つ非鉄金属メーカーであり、アルミリサイクルを中核に事業を展開している企業である。本社は大阪市北区中之島に所在し、長年にわたり自動車産業を中心とした製造業の素材供給を支えてきた。

同社の最大の特徴は、一次アルミ(新地金)ではなく、使用済みアルミニウムやスクラップを原料とした二次合金に特化している点にある。回収されたアルミニウムを溶解・精製し、用途ごとに成分を調整したアルミニウム二次合金地金として再生することで、自動車部品メーカーや製缶メーカーに供給している。アルミはリサイクル時のエネルギー消費が一次製錬に比べて大幅に少なく、同社の事業は省エネルギー・脱炭素に直結する構造となっている。

主力製品は、ダイカスト用および鋳物用のアルミニウム二次合金である。ダイカスト用アルミニウム合金は、高強度、高延性、高熱伝導度、高耐食性といった特性を備え、自動車のエンジン周辺部品やトランスミッションケース、構造部品などに幅広く使用されている。鋳物用アルミニウム合金は、重力鋳造や低圧鋳造向けに用いられ、高強度と高延性に加えて耐熱性・耐食性にも優れ、より厚肉で信頼性が求められる部品に適している。いずれも自動車の軽量化や性能向上に欠かせない素材であり、電動化が進む中でも需要が継続しやすい分野である。

同社は、地金の供給にとどまらず、溶解した状態のアルミニウム合金をそのまま顧客に納入する「アルミニウム合金溶湯」の供給にも力を入れている。溶湯を直接納入することで、顧客側での再溶解工程を省略でき、エネルギー消費の削減や製造コスト低減に貢献している。このビジネスモデルは、顧客の生産効率向上と環境負荷低減の両立につながっており、単なる素材メーカーにとどまらない付加価値を生み出している。

品質管理や技術面でも特徴がある。アルミニウム溶湯中の介在物の少なさ、いわゆる清浄度は製品品質に直結する重要な要素であり、同社はDIK溶湯清浄度評価装置を用いて溶湯品質を定量的に評価している。試験サンプルの均一性や再現性が高く、バラツキを抑えた品質管理が可能であり、高品質な二次合金の安定供給を支えている。こうした技術力は、価格競争に陥りやすい素材産業の中で差別化要因となっている。

事業展開は国内にとどまらず、東南アジアを中心とした海外でも製造・販売体制を拡充している。自動車生産が伸びる地域に近接した拠点を持つことで、需要の取り込みと物流コストの抑制を両立している。アルミスクラップの調達から合金製造、顧客への供給までを一体で行う体制は、グローバル展開においても強みとなっている。

総じて大紀アルミニウム工業所は、アルミニウム二次合金地金の国内トップ企業として、ダイカスト・鋳物向けを主力に安定した需要基盤を持つ企業である。リサイクルを前提とした事業構造は、脱炭素やサーキュラーエコノミーの流れと親和性が高く、自動車産業の動向に左右されやすい一方で、環境対応型素材メーカーとして中長期的な存在感を持つ企業と言える。

大紀アルミニウム工業所 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
EPS
(円)
一株当り配当
(円)
21.3 139,194 9,245 9,046 6,142 151.7 28
22.3 236,056 20,376 20,665 14,880 367.4 60
23.3 273,033 13,744 13,890 9,726 240.1 70
24.3 262,671 4,619 4,167 3,244 80.1 50
25.3 299,795 4,834 3,749 699 17.5 55
26.3予 317,200 6,110 4,920 3,360 84.9 55
27.3予 321,000 6,800 5,600 3,800 96.0 55

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
23.3 26,165 -4,580 -21,660
24.3 2,800 -3,643 2,222
25.3 -10,043 -4,203 14,566

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値/安値平均) 実績PBR
23.3 5.0% 14.4% 7.3%
24.3 1.7% 4.5% 2.3%
25.3 1.6% 0.9% 0.4% 36.6倍/24.8倍 0.70倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の規模を見ると、売上高は2024年3月期で2626億円、2025年3月期で2997億円、2026年3月期予想では3172億円と、事業規模そのものは非常に大きい。アルミ二次合金地金の国内トップ企業らしく、取扱量と売上規模は安定して拡大している。しかし一方で、利益の水準を見ると印象はかなり異なる。2024年3月期の営業利益は46億円、2025年3月期は48億円と売上規模に対してかなり薄く、営業利益率は1.7%、1.6%と1%台にとどまっている。2023年には営業利益率5.0%という比較的高い水準を記録していたが、その後は急低下しており、足元の収益力は明らかに弱い。

純利益を見るとその傾向はさらに顕著で、2024年3月期は32億円あったものの、2025年3月期は6億円まで急減している。売上が増えているにもかかわらず最終利益が大きく落ち込んでいる点から、アルミ市況や原料価格、在庫評価の影響を強く受ける体質であることがよく分かる。規模は大きいが、利益は安定して積み上がる構造ではない。

資本効率を示すROEとROAを見ると、この弱さがよりはっきりする。ROEは2023年の14.4%から2024年に4.5%、2025年には0.9%まで低下しており、ROAも7.3%から0.4%まで落ち込んでいる。事業規模に対して利益がほとんど出ていない状態で、資本を十分に活かせていない局面にあると言える。高収益企業というより、市況次第で数字が大きく振れる循環型ビジネスの色合いが強い。

2026年3月期予想では、営業利益61億円、純利益33億円と回復を見込んでおり、2025年の低迷からの反動が期待されている。ただし、売上規模が3000億円を超える中で営業利益率が劇的に改善しているわけではなく、あくまで市況の戻りによる回復という位置付けに近い。構造的に高収益体質へ転換したと判断するには、まだ材料が不足している。

バリュエーションを見ると、PBRは0.7倍と資産価値面では割安に見える。一方で、2025年実績PERは高値平均36.6倍、安値平均でも24.8倍と非常に高い。これは株価が高いというより、分母である利益が極端に小さいことによるもので、低PBR・高PERという組み合わせは、収益力の弱さを端的に示している。資産はあるが、十分に稼げていない企業に典型的な評価構造と言える。

これらを総合すると、大紀アルミニウム工業所は、売上規模と事業基盤は非常に大きいものの、足元では利益率と資本効率が大きく低下しており、安定した高収益企業とは言いにくい。資産面では割安に見えるが、利益の裏付けが弱く、数字だけを見る限りでは積極的に買い進める理由は乏しい。アルミ市況の回復や原料環境の改善によって利益が戻る局面では見直される余地はあるものの、安定成長や高収益を前提に長期保有するタイプの銘柄ではなく、市況回復を前提にしたタイミング投資向きの企業、という位置付けになる。

配当目的とかどうなの?

まず予想配当利回りを見ると、26.3期、27.3期ともに4.35%とされており、水準としてはかなり高い。一般的に高配当株と呼ばれる水準にしっかり届いており、数字だけを見れば配当目的で検討したくなる利回りである。銀行預金や債券と比べれば明らかに高く、インカム狙いの投資家にとっては分かりやすい魅力がある。

ただし、その配当の裏付けとなる利益を見ると、安心して長期保有できるかという点では引っかかる部分が多い。25.3期は純利益が6億円まで落ち込み、ROEは0.9%、ROAは0.4%と、収益力はかなり弱い水準にある。26.3期予想では純利益が33億円まで回復するとされており、この数字が実現すれば当面の配当維持は可能に見えるが、直近数年の利益の振れ幅を見ると、安定性には大きな疑問が残る。

営業利益率も2023年の5.0%から2024年には1.7%、2025年には1.6%まで低下しており、本業の稼ぐ力は明確に落ちている。売上規模は3000億円を超える巨大企業であるにもかかわらず、利益率は1%台という状態で、市況や原料価格、在庫評価の影響を強く受けやすい構造が続いている。この体質のままでは、毎年安定して高配当を出し続ける企業像は描きにくい。

キャッシュフローの面でも、25.3期は営業キャッシュフローがマイナスになっており、配当を本業の現金収入だけで賄えていない局面がある。こうした状態が長引けば、配当は財務バランスに依存する形となり、景気悪化時には減配のリスクが高まる。

また、PBRが0.7倍と低いため、株価が抑えられている結果として配当利回りが高く見えている側面も大きい。高配当だから評価されているというより、収益力の低下を織り込んだ株価水準の副産物として利回りが高くなっている、と捉えた方が現実的である。

これらを総合すると、大紀アルミニウム工業所は、短期的に配当を受け取る目的では魅力があるものの、安定配当を長期間受け取り続ける高配当株とは言いにくい。アルミ市況が良好で利益が出ている間は配当目的として成立するが、市況が悪化すれば減配の可能性も十分にあり、安心して放置できる銘柄ではない。したがって、配当を最優先にして長期保有する銘柄というよりも、アルミ市況の回復局面で高い配当利回りを享受しつつ、業績や環境の変化を見ながら付き合うタイプの銘柄、という位置付けになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

大紀アルミニウム工業所の現在値1,264.0円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社はアルミ二次合金という市況性の強い素材産業に属しており、アルミ価格、スクラップ価格、自動車生産動向、在庫評価の影響を強く受けるため、業績と株価の振れ幅は比較的大きい銘柄である。PBRは0.7倍前後と資産価値面では割安に見える一方、直近では営業利益率・ROE・ROAが急低下しており、収益性の弱さが株価評価を強く抑えている。そのため、今後の株価は市況回復の有無によって、強気・中立・弱気のシナリオで大きく分かれやすい。

良い場合は、世界的な自動車需要の回復や軽量化ニーズの拡大を背景に、ダイカスト・鋳物向けアルミ二次合金の需要が堅調に推移するケースである。アルミスクラップ市況が安定し、在庫評価損の発生が抑えられることで利益率が改善し、営業利益率が3%前後まで戻る。これに伴いROEも8〜10%程度まで回復すれば、収益力に対する市場の見方は大きく変わる。現在0.7倍程度に抑えられているPBRが1倍前後まで見直され、配当利回り4%台を維持したまま評価修正が進めば、5年後の株価は1,800〜2,200円程度まで上昇するイメージとなる。アルミ価格環境が特に良好な局面では、2,400円近辺まで伸びる余地も否定できない。

中間の場合は、アルミ市況が大きく改善も悪化もせず、業績が低収益ながらも安定推移するケースである。売上高は3,000億円前後を維持するものの、営業利益率は1〜2%台にとどまり、ROEも5%前後の低水準が続く。成長期待は乏しいが、事業規模の大きさと資産価値、4%台の配当利回りが下支えとなり、大きく売り込まれる展開にはなりにくい。この場合、株価は900〜1,500円程度のレンジで上下し、5年後も1,100〜1,300円前後に落ち着く見通しとなる。値上がり益よりも配当を受け取りながらの横ばい保有が前提となるシナリオである。

悪い場合は、世界的な景気後退や自動車生産の低迷、原材料価格の不安定化が長引き、利益率の低下が続くケースである。営業利益率が1%を下回り、ROEも3%未満に沈むようであれば、収益力に対する失望感が強まる。配当維持が意識される中でも、減配懸念が浮上すれば市場評価は一段と厳しくなり、PBRは0.5〜0.6倍台まで売り込まれる可能性がある。この場合、5年後の株価は600〜900円程度まで下落するシナリオも現実的となる。

総合すると、大紀アルミニウム工業所は明確な成長株ではなく、市況と配当を軸に評価される典型的な素材株である。良い場合は低PBR是正による上振れ余地がある一方、業績悪化時には下値も深くなりやすい。長期では中間シナリオを基本に、高配当を受け取りつつ、アルミ市況の改善局面での上振れを狙う銘柄であり、安定成長を期待して買うタイプの銘柄ではない。

この記事の最終更新日:2026年1月7日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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